エーチアル王国は中規模だが、様々な民族、種族が住まう。
 現在の王はハラマ族の族長であり、下に率いる部族は公式で五十八を数える。
 そんな国の、とある街道を豪奢な馬車が単独で疾駆していた。
 豪奢とはいえ、むしろ質実剛健、二頭の馬は戦馬であり、御者もまた屈強な
戦士だ。
 そして、馬車の中でエーチアル国王、タサン・ハラマは向かいの席に座る秘
書のニシ・リンゲツから報告を受けていた。
 タサン・ハラマは鍛え抜かれた肉体を持つ格闘家であり、ゆったりとした衣
服を身にまとっている。年の頃は二十代半ば、開いているのか瞑っているのか
判らない一本の線のような目の持ち主だ。
 羊皮紙をめくるニシ・リンゲツは、知的な美貌の少女である。年齢は十代の
半ばほど、眼鏡を掛け髪を三つ編みにしている。
 彼女は顔を上げ、タサンと向きあった。
「今日の最初の相手はナカダ族の娘となります」
「うむ。どんな一族だったかな」
 静かな声音で、タサンは尋ねる。
「雪のような肌を持つ、黒髪の一族です。男も女も皆、美しいという報告を受
けています」
「うむ」
「騎馬の民族であり、馬術と槍術に長けます。長の娘もまた、同様。鹿のよう
にしなやかな身体の持ち主だという話です」

「なるほど。強壮剤を」
「はい」
 ニシは傍らに置かれた箱から、強壮剤の陶瓶を取り出した。
 小さな茶碗に注ぎ、それをタサンに手渡す。
「今日は、他に何人の相手がいるかも聞いておこう」
 タサンは強壮剤を呷りながら尋ねた。
「セシ族、シクウ族、タネツ族の三つです。ただしタネツ族は三つ子の娘なの
で、本日のお相手は全部で六人となります」
「問題ない。だがそれだけの数を、いちいち移動するのは面倒だ。全員集めて
おけ」
「既に手配済みです」
「うむ――強壮剤が効いて来たようだ」
「目的地までは、あと半刻掛かります。如何いたしましょう」
「ならばニシ、貴様が相手をしろ」
「承知いたしました」
 ニシは顔色一つ変えず、タサンの前に跪いた。
 馬車は走り揺れるが、そんな事は気にしていられない。
 タサンの衣服の前をめくりあげ、既に大きく勃起した肉棒を外気に晒す。
 ニシの鼻腔を、タサンの牡の臭いが刺激する。

「咥えろ」
「はい」
 まずは唾液をたくさん舌に乗せながら舐め、手で袋と竿をしごきあげる。
「いいぞ」
「ありがとうございます」
 男の先端を唇と舌で刺激しながら、ニシは自分の下着の紐を解く。
 細い指で自分の秘処を指で何度も往復させ、王のものを受け入れる準備を整
えた。
「跨げ」
「失礼いたします……ん」
 ニシはタサンの指示に従い、彼の足を跨いだ。
 対面座位の形になりながら、眉をひそめ、強大な逸物を己の秘処へと沈めて
いく。
 まだ少女の淫唇が、男根によって大きく広げられながら涎を垂れ流していた。
「大分大きくなったな」
 タサンは、ニシの膨れた腹を優しくなで上げた。
 彼女もまた部族の長の娘であり、タサンの子を仕込まれ済みであった。
「は……あ、ありがとう…っ…ん…ございます……必ず元気な王子を…ひゃっ
…ぁっ…産んで…ん…ん……みせます」
 ゆっくりと、ニシは腰を揺らす。激しくすると、一人でそのまま達してしま
う恐れがあった。

「うむ。その後、また孕ませてやる」
 ずん、とタサンが突き上げる。
 小刻みに連打に、徐々にニシの声が濡れ乱れていく。
「光栄…っ…です……はっ…お腹響きます…はっ…ふぅ……お腹の……王子が
…ぁっ…起きてしまいます……っ!」
「心配するな。これぐらいで流れるような柔な子種を仕込んだ憶えはない。乳
を出せ」
 息を荒げながら、少女は服をはだけ小ぶりの胸を王に突き出した。
 王はその先端を口に含み、強く吸い上げる。
 口腔内に、少女の母乳が満たされていく。
「はっ、あっ…ああっ……は、はい……あっ、んんっ! はぁ……ど、どうで
しょうか」
「いい乳だ。うまい」
「んっ、はっ、あぁっ……あり、がとうござい、ますっ……私のお乳、どうぞ、
飽きるまで、ご賞味…ん…ん、んんっ……下さいっ……!」
「うむ」
 母乳を飲みながら、舌で乳首を刺激してやる。
 ビクビクと小刻みな痙攣を繰り返しながら、ニシの腰は大きく揺れ動く。
 王の亀頭が何度も子宮を叩き、そのたびにニシは気をやりそうになっていた。
「はっ、あっ、ああっ、陛下、申し訳、ありま、あ、ああっ……わた、私、も
う……!」

「ふむ、出して欲しいか」
「は、はい、ください…っ…陛下のお情けっ……んんっ! あ、あ、私の子に、
注いであげて……はっ、あ、んあぁっ!」
「よかろう。しっかり受け取れ」
「ふぁっ、あ、あ、ああっ、ありがとう、ございますっ……ん、はぁっ、あ、
ああっ、あ、あーーーーーっ!!」
 ニシはタサンにしがみ付きながら、大きく背を仰け反らせた。
 ドクン、と音が鳴ったかと錯覚するほどの精液の第一射が、ニシの子宮口に
押し当てられた鈴口から放たれる。
 ちゅぽんとタサンの口から胸がはずれ、母乳が弧を描いた。
 タサンはニシの背中に手を回し、彼女が後ろに倒れるのを防ぐ。
 ドクッ、ドクッ、ビュッ、ビュウ、ビュルルッ……。
 その間も、肉棒はポンプのように脈動を繰り返し、ニシの胎内に大量の精液
を送り込み続けていた。
「ぅ、ぁ……は…っ…あぁ……あっ……おめぐみ…ひっ…ありがとう、ござい
ます……」
「うむ」
 馬車が停止する。
「着いたか」
「その……ようです」
「うむ」
 タサンは、ニシの身体を持ち上げ、自分自身を引き抜いた。
 ニシは馬車の床に置かれる。

「清めろ」
「……はい」
 精液と自分の愛液にまみれた肉棒を、ニシは躊躇うことなく咥え、自分の口
で清めていく。股間からはまだ、王の熱い精液が垂れたまま。
「ゆくぞ。まずは今日の一人目だ」
「はい……」
 ニシはタサンの逸物を、ズボンに戻すと立ち上がった。
 王が、馬車の幕を開き、草原に降りる。
 十秒で秘書の顔に戻ったニシは、王と共にナカダ族の集落に足を踏み入れた
のだった。          (了)