「ハァ……」

思わず陰鬱な溜め息をつき、ソフィアは洗濯をする手を止めた。
もう夫が戦場に繰り出されて3回目の冬を迎え、
遠くもないはずの過去に思いをめぐらす。


20XX年、この国では内戦が勃発していた。
資源の枯渇が予想されるなか、
共和国の片隅にある自治州で油田が発見され、独自で開発するも、
試掘が始まるころに中央政府のほうから採掘の停止命令が出された。

曰く、採掘権は共和国側にあり

これにより自治州は反発、住民による投票が行われ、
争いが懸念されるも賛成多数で独立を宣言。
中央政府はこれを認めず、軍隊を派遣。
以降は周辺国の権益や利害も絡み、泥沼とも言える内戦が続いていた。


先日の集会で自治政府の広報は、
『戦況はこちらが押しており、諸外国にも中央政府に対し和平を結ぶよう働きかけてもらっている。
近いうちに中央の連中も戦闘をあきらめ、交渉にのるだろう』
と説明していた。

しかしソフィアは不安を禁じえない。
風の噂では逆に押されており、この村も戦火に巻き込まれるのではと村人は怯える。
なによりもいまだに徴兵されたまま帰らぬ夫が、情勢の悪化の証左のように感じられた。

「お母さん、そろそろ学校に行ってきまーす」

娘のティファの声だ。
この家から学校まで一山越えた先にある。
途中に送迎バスがあるが、それでも朝早く出立しなければ間に合わない。
後ろで纏め上げたポニーテールが早足に合わせて跳ねる。
ソフィアは暗くなった表情を切り替え、笑顔で手を振った。

「いってらっしゃい。気をつけてね」

ティファはもう10歳になる。
夫が帰ってきたらさぞかし娘の成長ぶりに驚くだろう。
そう微笑ましく思い、雑用に戻った。



事の始まりは日が落ちはじめるころだった。
夕食の支度に取り掛かる中、そろそろ帰ってくるはずのティファが未だに来ず、
心配に思い、迎えに行くため仕事で汚れた服を着替えるころ、
家の外から喧騒が聞こえ突然何者かが上がりこんできた。

「だ、誰ですか」

あわてて脱いだ衣服で身体を隠すと、上がりこんできた者が軍服であることに気付き恐怖に震えた。
共和国軍の意匠であった。

「こりゃ上玉だぜ!」


一目見た兵士の一人が高らかに声を上げ、あまりにもあっけなく平穏な時は崩れ去った。


すでにソフィアが半裸である事が兵士達を興奮させた。
豊かな形のよい乳房に肉付きのよい尻、農作業のおかげかすらりと引き締まった腰に太腿。
抜群のプロポーションは衣服で覆っても隠しきれない熟成した色香を放っていた。

「やめて、やめてください。何するんですか、放して!」

兵士達がいっせいに群がりベットに押さえ込む。
衣服を剥ぎ取り、下着のみになると否が応でも盛り上がった。

「へへ、たまんねぇな。こいつはいい体してやがるぜ」
「そんなんで旦那がいないんじゃあ体が疼いてしかたねえだろ。
それとも他の男でも引っ張り込んでたか?」
「あぁ、そ、そんな事しません!」

男共が野卑な声をあげ、丹念に嬲りながら罵る。
屈強な兵士に組み敷かれては逃げる事もできず、
熟れた肢体はなすがままに受け入れるしかなかった。

「ぷはぁ、もうがまんできね。とっとと犯っちまおうぜ」
「やぁ…やめて」
「ここまでしてやめられるかよ。
それにアンタだってまんざらじゃなかったろ、ほれ、ほれ」

そういいながら手を動かし、秘所を弄り豊かな乳房を揉みしだく。
乳首に吸い付き、首や腹、太腿とまるで自分の匂いを染み付けるかのように全身を舐る。
荒々しい愛撫ながら、もう何年も味わっていない感触にソフィアは身体が熱くなるのを感じた。
秘所を弄る手が、もう蜜で潤っている事に気付き動きを止めた。
ソフィアは奇妙に思うとともに密かに喪失感を受けた。
それが表情にでたのか、男が唇の端をゆがめる。

「おや、奥さん。物欲しそうな顔してるぜ」
「そ……そんな事、ありません。もう…もうやめてください」
「こういう時、なんて言うかわかるか?」
「どうせ下のお口は正直だなとか言うんだろ」
「正解、ほら奥さん、もうこんなになってるんだぜ。
正直に欲しいって言えば優しく可愛がってやらんでもないぜ」

そう言いながら秘所に差し込んだ手を抜き、ソフィアの目の前で指を開く。
そこには確実に愛液と思われる、粘着性のある液体が糸を引いていた。

「い、嫌、そんな物見せないで」
「目ぇそらすんじゃねえ。ほら、おまえが出したんだ。きれいに舐め取りな」

そう言って指を口に突っ込む。
無骨な太い指がやや厚めの唇を割り、潜り込む様は非常にエロチックで見る者を昂ぶらせた。

「んっぐ…ううん」
「へへ、強情だな」
「もうたまんねえぜ。さっさとぶちこんで、身体で教えるのが一番さ」
「あぁ、そうするか」

その時入り口の戸が開き、何者かが入ってきた。

「あっ、プロスパー隊長」

兵士達よりも年若いように見えるながらも隊長と言われ、
このような状況にもかかわらず、手の空いている者は居住まいを正し敬礼する。
特別巨漢という事はなく、中肉中背ながらもその存在感は周りの者を圧倒させるものがあった。

「ご苦労……。さっそく始めているのかね」
「はは、いやまだです。丁度今、始めようかという所です。隊長がお先にされますか?」
「いや、結構。君達だけで始めたまえ」

突然の闖入によりお預けを食らったにもかかわらず、
兵士達の恭しさはこの者に対する畏敬の念が表れてる言えようか。
そう感じたソフィアは一縷の望みを賭け、プロスパーに渾身の思いをこめて訴えかけた。

「お願いです。どうか…どうか止めさせてください。
こんな事をしても憎しみが…憎しみを生むだけです。
それに軍の規定にも、条約の上でも非戦闘員に対する暴行は禁止されているはずです」
「そんな事はわかっている」

プロスパーは表情を変える事なく淡々と口を動かした。
あまりの冷静さにソフィアはまったく何か別のもの、
まるで何か自分が根本的に間違ってるのでは、とすら思えた。
――まるで

「これは暴行、強姦などではない」

「な、何を……言って…」

「これは民族浄化だ」

――まるで漆黒の暗闇に相対してるかのような――



「…もともと自治州の連中の独立心の高さにはほとほと手を焼いていたのだ。
今回の件は丁度良い機会、この際徹底的にやってしまおうという上の決定でな。
そうすれば異民族などという垣根は無くなり、
自治州などというものも消滅、完全に共和国の内に組み込まれる。
フフ、そうすれば貴女の言う憎しみの連鎖も無くなろうというものだ」

ソフィアは自分の耳を疑わずにはいられなかった。
マスコミが発達し、各国が人権侵害に目を光らすなか、
こうも堂々と非道蛮行を宣言することもそうだが、
歴史上そういう事が行われた時があったと拙い知識のなかにかろうじてある遠い出来事が、
まさか今ここで自分の身に降りかかろうとは思いもしなかった。

人は歴史から、なにも学ばない。

「ここまで言えば、先ほどの言を聞いた限り無駄に賢そうな貴女の事だ。
自分の身に降りかかる悲劇、否、我々にとっては喜劇だが…、それがわかるだろう?」
「ぁあ、い…い、や。ヤメテ……」
「そう、貴女は妊娠するまで徹底的に犯される。
その夫にささげた身体は蹂躙され、思う様に嬲られるのだ。
どうだ、心躍るだろう。
さあ、もう御託はいいかな。部下も、そして貴女も待ちきれないだろう。始めろ」

それが引き金となり、凌辱の宴の始まりだった。


「今回は俺からだろ。ほ〜ら、早速行くぜ」

兵士の一人がソフィアの大腿に割って入り最後の一線を守る下着を剥ぎ取る。
両脚を抱え自分の赤黒い性器を入り口にあてがい一気に挿入した。
ぎりぎりまで引き抜き打ち下ろす、牝を屈服させる意思を持った前後運動に、
ソフィアは久しく忘れていた官能を思い出した。

「う、うんっ、いやっ、はあはぁぁ、は、激しい」
「奥さん、もっと声出していいんだぜ。ふうっ、ふっ、ほらもっと喘ぎな!」
「う、ぐ…いや、そんな……」
「はん、まったく強情だな。身体の方は正直なのによお」

汚らわしくも雄渾とすら言える牡の器官が牝の器官を好き勝手に蹂躙する。
子宮に精液を塗りたくり、受精させるために。

膣は本能に従うまま射精させるべく肉棒に絡みつき、そして締め付けた。
たまらず男は野性的な衝動に駆り立てられるまま、
肉付きのよい尻を鷲掴みして抱え、さらに急角度で肉の楔を打ち込む。
螺旋のごとくお互いを昇りあげていく行為だった。

「はぁ、う、う、ふん、ぐ!…まったくたいした名器だぜ!
咥えこんで放しやがらねえ。チンポが持っていかれそうだ!」
「はん、長い間旦那がほったらかしにしてきたんだ。
さぞかし久しぶりでオマンコの方も喜んでるんだろ」
「はぁはぁ…へへ、そりゃ言えてるぜ。
うおぉ!まったく奥さんよぉ、一児の母の癖にキツキツだぜ!
それにプルプルの肉襞が絡み付いて子宮の先っちょがキスしてきやがる!
これじゃあさぞかし旦那はたまらんかっただろう」
「はぁぁ、はあ! あ、あぁぁ、やぁ。夫の事は…あぁ、言わないで」

あまりの勢いに肉と肉のぶつかる音が弾け、次第に結合部からはぐちゅぐちゅと音を鳴らした。
それはこの凌辱に捧げられる無残で、甘美なメロディ。
飛び散る汗とともに、まさに最高の舞台を作り上げていく。

「ち、畜生。もう我慢できねえ。ほら、咥えな。歯立てたらぶっ殺すからな」
「はぁぁはあ、うぐっ……うんん」

別の兵士の一人がベルトを外しズボンを下げ、
仰向けのソフィアの顔を後ろにそらし、屹立した肉棒を咥えさせた。
突然の事に息を詰まらせ、危うく噛む所だった。

「あっ、順番は守れ、馬鹿野郎!」
「はぁはぁはぁ、こんなエロい格好見せられて我慢できっかよ。
おおぉ、いいぜ。こいつ自分から舌を使いはじめやがった」
「うっうん、ちゅっじゅるっ、ぅはあ、あぁ、じゅる」

「フッ、お前はわかってないな」

プロスパーはにやりと嘲笑いつつも酷薄な表情を浮かべ、割り込んだ兵士に対し言った。
その言葉は指摘された者にとって、熱を冷し狼狽させるに充分な冷気を持っていた。

「は?た、隊長?」
「我々の目的がまるでわかってないと言っているんだ。
少しでも早く任務を達成すべく、無駄射ちは許されない。そうだろう」

「ハハハ、馬鹿が。抜け駆けした罰だぜ」
「ヒューヒュー。そうだそうだ、こいつは懲罰ものだぜ」

口々に周りの兵士達がはやし立てる。
いまさら事の重大さに気づいたか、口腔を犯す男は青ざめた顔をする。

「た、隊長お、お許しを…」
「フッ…、お前の頑張り次第では許してやろう。
おい、こいつをそのまま押さえつけろ。そのまま奉仕させたままな。
もしお前が先に出すような事があれば独房行きだ。
我慢しきれれば、まあ不問にしてやろうではないか。
フフ、ソフィアと申しましたかな。貴女にも少しばかりの復讐のチャンスですよ」

人に命令する時とは異なり、妖しく誘い込むように囁く。
たとえ復讐する意思など持ち合わせてなくとも、
ソフィアは従うかのように唇でしごき、舌を絡め、肉棒を啜った。
知性を感じさせる整った容姿が苦しげに歪み、首をそらし白い喉を上下して奉仕する姿は征服感を煽り、
紅をささずとも魅力的な唇に醜悪なモノを差し込まれる様は、見る者をそそり欲情させるには充分だった。

「うん、うちゅ、ちゅるちゅる…ずっじゅっ…じゅるじゅ……」
「ああ、うあぉ、ダ、ダメだ…ぜ。気持ち良すぎて…、やっ…やめてくれ」

もともとこらえ性の無い男という事もあるが、
そもそも腰を抱える男が射精するのを遅らせるべく、
動きを調節できるようでは鼻から勝負になるはずもない。

「あぁ、うあっ、ホントにダ…ダメだ。もう出る、ああぁ吸い込まれる」

口腔を犯す男は情けない声を上げ、そして射精した。
ソフィアの喉奥に勢いよく当たり、中を満たす。
あまりの量と勢いに肉棒がはずれ、
顔や喉元にも白濁、いや黄濁と形容するに相応しい汚液の塊が降り注ぐ。
口内に出されたモノも、とても飲み込めぬほどの粘性と量であり、
それゆえ唇の端から白い液体がこぼれ落ちていき、
愁眉にねっとりと広がっては淫らな化粧と化していった。

「ああぁ、いやぁ……」

ソフィアは自分が汚されたと感じるよりも、
己のはしたない行動にただ呆然とするばかりだった。

「ケッ、これで独房送り決定だな。ざまあねえぜ」
「あそこの看守は筋金入りの変態サディストでゲイ野郎だからな。
へへ、今のうちからケツの穴にワリセンでも塗っときな。
そうしねえと帰ってくるころには使い物にならねえぜ」
「ちがいねえ。前の奴なんか前歯も無くなってたって話だ」

周りがどっとはやし立てる中、
男は絶望と放出の余韻が合い混じりへたりと尻餅をついた。

もう一方は寸劇は終わったとばかりに、猛然とスパートをかけ始める。
抑えるものは何も無いとばかりに夢中で貫き、戻し、また貫く。
その度に尻が押しつぶされながら受け止め、
押し広げられた膣が応えるべく甘美な涎を流しては、
下で息づく穴までつたいシーツを汚していった。

男はがむしゃらに腰を動かしながらも、より一滴でも多く濃密な種を注ぎ込まんと我慢する。
あまりの勢いに亀頭が子宮口にはまり、さらに深奥へねじ込もうとし、
ソフィアは快楽と同時に貫きかねない勢いに恐怖も味わった。

「はあ!はあぁ!もう我慢できねえ、出してやる!たっぷり出してやる!!
奥の奥まで溢れるほどな。絶対に孕ませてやるぜ!!」
「やめて…う、んん、おね…がいですから……外に、外に出して」
「へ、へへ。まったく強情な奥さんだな。
気持ちよかったら素直に声を出したらどうだ。
あとそいつは無理な注文だぜ。
奥さんの身体が欲しい欲しいって俺のチンポに訴えかけてるんだ!
こいつは応えてやらんのは酷だろう、っっよ!」
「やめて…いやぁ…はぁっんん、だめ」

言い終えると絶頂を迎えんとさらに激しさを増した。
ぎりぎりまで引き絞った弦から矢が放たれるのも、
もう幾ばくもないだろう。

「いく!いくぜいくぜ!!必ず俺の番で妊娠させてやる!!
そら!くっ、くはあああぁぁ!!!俺の子種を受け止めろおおぉぉ!!!」
「いやあああぁぁっ!!!」

お互いの絶叫が響き渡り、男は思いきり腰を密着させ射精した。
子宮口を突く鈴口から欲望にまみれた精液がいっせいに迸る。
新たな生命のエキスが次々と子宮に飛び込み、
粘膜にぶち当たっては拡散し、襞の隅々まで浸透していく。

ソフィアは奥に男の精を受け止めるのを感じ、
絶望の溜め息とともにピクピクと艶かしく身体を弓なりにそらした。
それに合わせ膣が収縮し、肉棒に絡みつき、精液を最後まで搾り取ろうとする。
本人の意思とは無縁の牝の本能であり、凌辱によって迎えた絶頂の証だった。

「ああぁぁぁ……あ、熱い」

男はなおも飽き足らず、放出の脈動に合わせ小刻みに動く。
少しでも深く奥に送り込むために。

「ふ〜おおおおぉお、すげえ…吸い込まれる……まだ出るぜ」

男は竿をしごき、尿道に残っていた精液も完全に出し切り、
従軍中に溜めてた全てを女体の内へ移し変えた後、ようやく離れた。
今まで隙間なく塞がれていたモノが外れると、結合部からは精液と愛液の混合物が逆流してあふれ出す。
あまりの多さに周りから冷やかしと嘲笑、喝采が飛んだ。
男は満足な笑みを浮かべ手馴れた様子で拭き取り始めると、ソフィアの身体が小刻みに震えた。
おそらく無造作に女のもっとも敏感な部分に触れていたのだろう。

「へへ、淫乱だな奥さん。拭いても拭いてもエロい汁が垂れてきやがる」
「はっ、あ…ああっ、そこは……ん、ああぁ」

底意地の悪い笑みを浮かべながらも手は休む事なく動かす。
つい先ほどいった敏感な身体にクリトリスを弄ばれては耐えられるはずもなく、ソフィアは堪らず声をあげた。
一連の凌辱を受けた肉体は、仄かに暗い電灯の下でも照り輝いて見えた。

不意に刺激が止み、不審に思ったとき、次の兵士が猛然と挑みかかってきた。
すでに後ろで準備をしていたのであろう、すでに臨戦態勢を終え、
はちきれんばかりの剛棒を叩き込む。
ソフィアは抗えるはずもなく、その瑞々しい肢体を捧げる他はなかった。

「はぁぁ、だ、だめです。もう…やめてください」

言葉で必死に抵抗するも、散々先の交わりを見せ付けられては届くはずもない。
むしろ順番をめぐり、同士討ちが始まらないのが不思議なほどである。
だがこの混沌とした凌辱の空間であっても整然と感じさせるのは、
何らかの強い意思があり、統制が良くなされているためであった。

男は体重を乗せ、ひたすらに肉棒を送り込む。
相手をいかせようとも、恥辱にまみれさせて屈服させるなどと毛頭になく、
ただ自分の快楽を貪るのに夢中であった。
自慰とたいして変わらぬ一方的な行為であっても、
悲しいかな牡を向かいいれる用意が出来た身体は無慈悲に刺激を伝え、快感で悶え泣き、理性を蕩かす。
そして恩返しかと肉粘膜の襞で奉仕し、内へ内へと誘い込むのだ。

それゆえいつかは絶頂がくる。
ただ荒い息遣いと濡れた摩擦音が響き渡る中、
男は腰を突き出し肉棒を完全に入れた後、動きを止めた。
射精しているのだ。
言い換えれば排泄だろうか。そうなれば相手はまさに排泄処理器である。

ソフィアはビュクビュクと奥に熱い広がりを感じ、しだいに思考を片隅に追いやる。
無力感に嫌悪も拒絶もすでに破砕し、静かに絶望が脳裡を蝕んでいった。


朦朧とする意識の中、ソフィアは視界の片隅に見慣れた人物を見かけた。
誰であるか判別した時、愕然とし混乱しする。

なぜ、なぜ……

「ティー、ティファなの…ね」

突然の衝撃に意識にかかる霞が払われ冷静になると、、
凌辱中、自分が一児の母である事を知っていた口ぶりだった。
ここにきて娘のティファがすでに捕まっていた事を悟った。

「お、お母さん……ごめんなさい」

ティファの身体や着衣に乱暴された形跡はなく、少しばかり安堵する。
いつから居たのか、連れてこられたばかりなのか、それとも最初から見てたのでは、
そう思うと羞恥と屈辱に泣きたい気分だった。

プロスパーは静かに二人の反応を確かめると、
ティファの後ろに回り、抱きすくめ服の上から胸を揉んだ。

「ああぁ……」

ティファは恐怖に震え、歯の根も合わず呟く。

「やっ、やめて。娘には手を出さないで。
私は…私はどうなってもいいから……娘にだけは…やめてください」
「尊い自己犠牲だな。だが貴女にはもう飽きた。
何も反応がなくては傍観者はつまらないものさ」
「そんな……。どうかお願いです。娘はまだ…何も知らぬ、軍や戦に無縁な…
ましてや…今の対立に何ら関わりのない…小娘です。
私なら…夫が軍隊に出てます。ひょっとすればあなた方の仲間を傷つける事もあるでしょう。
その事について責を取れと…仰るのであれば……私が、私が償います。
ですから…どうか娘にだけは……慈悲を…」

血を吐くような嘆願にも、プロスパーの視点からは季節外れの蚊にしか見えない。

「フッ、たいそうなお題目だな。だから貴女は無駄に賢いと言っているのだ。
事は単純、ならばあなたが我々を楽しませればよい。ついで自分自身も……な」
「そんな…どうやって。…よくわかりません」
「フフ、すぐにわかるさ」

プロスパーは言い終えるとティファから手を放し、次に準備する兵士に目配せをする。
男は下半身を剥き出しにしてソフィアに屹立とした巨大な肉棒を晒す。
すでに見慣れたモノであっても、娘の存在が羞恥をかきたてた。

男は大腿の付け根に割って入り、両脚を抱えて蜜を湛える秘裂に肉棒を擦りつける。
再び乱暴に散らされると覚悟していたソフィアは男の意外な行動に戸惑った。
時々触れるクリトリスから来る刺激に、官能の波が押し寄せる。

「こんなのも気持ちよくていいだろ?」
「あっ、んっあ、んうぅぅ」
「奥さん。俺たちを楽しませるんだろ。
自分だけ楽しんでねえで、はっきり答えな。気持ちいいんだよな」
「ん、はあ…はい……気持ち…いいです」
「どうだい、娘に見られて犯るのもいいもんだろ」
「そ、そんな……」
「へへ、素直に言いな。娘の前で犯されるのがいいんだろ、燃えるんだろ?」

ようやく男の言外に含まれる意図に気付き、恥辱と諦めが交錯する。
だがティファの身の安全のためにも、”素直”に答えなければならない。

「…は…い……とっても。見られて…恥ずかしくて……それが…」
「これだけだと物足りないだろ。そろそろ直接味わいたいか?」
「…はい。入れて…ください」
「それじゃお望み通りに、行くぜ」

男は愛液によってテラテラとぬらつく肉棒を苦もなく挿入した。
中の感触を確かめるように、ゆっくり膣壁をかき分け押し進む。
己の浅ましさを象徴している大きく張ったかさの部分が、
今度は自分の番を主張するべく中に溜まった精液を掻き出していった。

「おおぉ、いいぜ奥さん。こいつは名器だぜ。
家のベットで別の男に犯られるのはどんな気分だ」
「ん…はあぁ…。新鮮で…とても気持ちいいです…」
「こんなエロい身体してるんだ。留守の間、毎晩慰めてたか?
それとも情夫でも引っ張り込んでたか?」
「……そうです。娘が寝付いた後、気付かれないようそっと慰めてました…。
でもそれだけでは物足りないんで、時…々、村長さんに…相手をしてもらいました」

ひとつ答えるたびに、身体の奥が疼くのを感じた。
ソフィアは次第に自分の言っている事が、心の底に沈んでいた願望なのではと思った。
だから淀みなく答えられるのでは。

「どうだ。気持ちいいだろ?」
「んん、はい。とても…気持ちいいです」
「どこがいいんだ。娘の教育のためにもしっかりいいな」
「あそこに…私のあそこに硬いコレで…突かれるのが気持ちいいんです」
「あそこじゃわからねえだろが!」
「オマンコです!オマンコに硬いオチンチンで…奥まで突かれるのが気持ちいいの!」
「ハハッ、いいぜ、はっきり言えたじゃねえか。ほら、ご褒美だ!」

緩やかな動きから、長いストロークで強く打ち込む動きへと変わった。
挿入時にブチュブチュと粘液が弾け、肉と肉が重なる淫らな音が続く。

「旦那とはいつもどんな体位で犯るんだ?」
「普通は正常位で、たまに後背位…」

夫との私的なことまで聞かれるが拒絶など出来るはずもなく、
また言葉を選ぶ事は無意味と悟り、逡巡するのをやめた。

「こんなに具合がいいんだ。外でも盛りがついたら交尾するんだろ?」

男の露骨な物言いに嘲りが込められてるのは明白だった。
言葉でもって巧みに弄る技法に、精神すら余儀なく犯される。

「…そうです。畑仕事の最中とか、山菜を取りに行ったりとか…。
屈んでお尻を夫に向けると作業はいつも中断してしまうわ。
まるで誘ってるみたいだって…。
畑の真ん中でお尻を剥かれて…そのままバックで挿入するの。
ダメと言っても絶対止めないわ」

ソフィアは相手の性根に応え、羞恥も誇りも捨てて語った。
まるで男を昂ぶらす事に長けた娼婦ごとく妖艶であり、
妖しい熱気に当てられ周囲からは唾液の飲み込む音が鳴る。

「ヒュ〜お盛んだねえ。まあ病みつきになるのも無理はないぜ。
この乳と尻には逆らえねえもんな」

そのまま男は目の前でふるえる美乳を揉み、むしゃぶりついた。
乳首を舌で転がし、吸い付いては甘噛みする。

「ちゅっじゅじゅ…れろれろ、ぷはぁ。
でけえ上に揉みがいのあるいい乳だな。
もうすぐここから母乳が出るようにしてやるぜ。うれしいだろ」
「あぁ…はい。うれしいです」
「この身体は誰のものだ」
「あなたの…あなたのものよ」
「旦那とどっちがいい」

男は言葉に乗せ、自分を誇示するような腰使いをする。
縦横に身体の中を攪拌するような動きの変化に、ソフィアは暫し我を忘れた。

「ん…はあぁ…あなた、あなたよ!」
「へへっ、ぞくぞくするじゃねえか!それじゃあこう言いな」

男は顔を耳元に近づけて囁く。
ソフィアは羞恥で一瞬戸惑いながらも、
これまでの尋問よりも罪深い台詞を躊躇う事なく口にする。
――その罪深さゆえ、人を狂わす――

「私は、私は輪姦されて、たくさん精液を…子宮に注がれて喜ぶ…牝犬です。
どうかはしたない私の罪滅ぼしに……あなたの熱い精液で…妊娠させてください!」

常軌を逸っした恥知らずな受胎請いに、男は狂喜して一層硬直した肉棒で責めたてる。
白磁を思わせる艶やかな尻が揺れ動き、歓喜の悲鳴を上げて快楽にすすり泣いた。

「そうだろうとも。旦那より優秀な俺の方がよっぽどいいだろう。
もうすぐだ、もうすぐに待ち望んだ精液をたらふく注ぎ込んでやるぜ!
中出しだ、きっちり孕ませてやる!俺の遺伝子でよぉ!!
奥さんも中で出されて嬉しいだろ!!」
「とっても嬉しいです!中で出されるて感じるのが大好き。
だから濃くて熱い精液早く私の中に出して!
私のオマンコをたくさん気持ちよくしてくれた御礼なの。
溢れるくらい出して、私を妊娠させてええぇぇぇ!!!」
「娘の、娘の名を呼びな!呼んで懺悔しながら、いく所しっかり見せつけるんだ!
はあっ、う、うおおおぉぉぉ!そらいけええええぇ!!」

「ああ、ティファ。犯されて歓ぶ、淫乱なお母さんを許して!
全てを捧げて、中に出されて、妊娠するのよ!―――お父さん以外の人に」

自分の演技とも本心ともわからぬ言葉に陶酔したのか、今まで昇りつめた事の無い絶頂に達する。
膣壁が肉棒をがっちりと咥えこみ、その上奥へ誘い込むように蠕動し細かく肉襞が擦りあげる。
その蠢き全てが男に極上の快感を送る。

「うおおおおおぉぉぉぉぉっっ!!!」

とても耐えられようはずがなく、
男は絶叫を上げ最後の力を振り絞り自らを奮い立たせて深淵に押し入れる。

「はあっ、ああぁぁ、もっと奥に、深く奥に入れて!!
そのまま直接注ぎ込んで!!あなたの、あなたの赤ちゃん産ませて!!」

度重なる凌辱によって開いた子宮口は、肉棒を穏やかに迎え入れ先端に接吻し、
淫らに愛撫しては盛んに射精をおねだりする。
男はそのまま誘惑に抗うことなく、声を上げ欲望に濁った汁を最奥で噴出した。
弾丸のごとく飛び出した精液は奥まで邪魔するものは何もなく、、
思うがままに神聖な子をなす器官を蹂躙し汚しつくす。

とどまる事を知らぬ息子の歓喜に合わせ、絶頂で締め付ける肉襞を押しのけ挿入を繰り返す。
もはや清らかな部分など残るはずもなく、到達点を目指すのが容易いとあっては妊娠は免れまい。

「んっ…ううん…はあぁぁ。まだ…くる……」

ソフィアは夢見心地のまま男の腰に両脚を絡め、求めていた熱い迸りを逃すまいと自ら性器を押し付けた。
さらに快楽を貪るべく腕をまわして抱きしめ、
厚い胸板に尖って敏感になった乳首を積極的に擦り付けると、
男は興奮し尚も断続的に射精を繰り返して種付けに励んだ。

抱き合う姿は愛を交わし受精行為を受け止める女であり、
その表情は淫らに蕩けきった一匹の牝だった。

「はあっはあっ…すごいわ。まだ…まだ出てる。
こんなに出されたら、絶対…赤ちゃん……出来る…妊娠する」
「うう、たまんねえ。最高だ。ピクピク動いて吸い取ってきやがる」

男は出すものが何も無くなった後も、自然に萎えるのを待ってようやく名残惜しげに引き抜いた。
あまりの多量の放出に、膣圧で中に溜まった液体が飛び出す。

「ん……あ、勿体ない…」
「へっ、たいした牝犬根性じゃねえか。心配しなくてもまたたっぷり注ぎ込んでやるぜ」
「はい…。嬉しいです…」

うぶな生娘のように頬を赤らめてのたまい、男は再び鎌首をもたげるのを感じた。
すぐにでも二回戦を始めて嬲りつくしたい、内も外も汚しつくしたい、
そんな主張が聞こえてきそうなほどだった。

「ほら、次は俺だ、可愛がってやるぜ。
今度は後ろから犯るか。犬みたいにケツをこっちに向けな」

次の男がにじり寄り、尻に指を食い込ませて肉棒を宛がう。

「へへ、いい格好だな。もっとケツを高く上げろ」

ソフィアは言われるがままに、尻を高く上げ誘うように揺らすと、
男は自分が動きやすいよう高さを調節し、愛撫も与えず突き込んだ。
片手で頭を押し付け、強姦する者にとって実に心地よい屈服の姿勢に満足し、より激しさを増して突く。

「あぁ、はあ…はあ…ん…いい」

獣の交わりであった。

ソフィアは奥深い結合を求めて腰を突き出し、
根元まで埋まる肉棒を熱く濡れた肉襞が締め付けた。
飽きることのない貪欲な精の求めに、男は歓び勇み動きで表した。
動くたび腰に当たる尻の肉感が否が上にも熱くさせる。
後ろから乳房を揉むと、ソフィアは手を重ねもっと強く揉むよう催促した。

「ねえ……まだかしら」

爛れた淫靡な眼差しに脳髄が痺れるような気がした。
ソフィアは手を後ろに回し、揺れる陰嚢を優しく愛撫する。
射精をねだっているのだ。
――畜生、こいつは真性の好き者だぜ。

「うぁ、そんなに出されるのが好きか」
「そうなの。ん…はあぁ…熱い精液…とても濃くって…出されるたびに子宮が歓ぶんです。
精子の一匹一匹まで動きがわかるくらい……活きがいいわ。
きっと私の剥き出しの…卵子に…はぁぁ、あぁ…群がって犯してるのよ…」

受精の過程を猥褻に描写するソフィアに昂ぶりを催さない男はいまい。
言葉に呼応して締め付ける膣壁が、快楽を幾重にも積み上げた。

「それじゃ今度は俺の番だ!ふん、くっ、はあっはっ!
俺のこってりとした精液が、剥き出しの卵子に群がって犯すんだな!!」
「はい…剥き出しの卵子に……。
だから、ああぁ…早く、早くください」

男は何度も腰を打ちつけ、身を反らして尻に密着させると果てた。
お互いの身体の反応が伝わり痙攣すると、やはり呆れるくらい多量の精液が子宮に出される。
孕ませる事を目的とし、牝に注ぎこむ歓びは何事にも変えがたい。
歓喜を怒涛の勢いに乗せ睾丸から輸精管を伝わり精子を運び
全てを征服するべく卵子に群がるのだ、ソフィアが言った通りに。

「まだ…まだ離れてはダメ、溢れちゃうわ。
そのまま…入れたまま…最後までください、」

ソフィアは抜こうとする男を止めた。
男は柔らかに陰嚢を愛撫され、ゆっくり感触を楽しみながら全てを出しきった。
ようやく引き抜くとお互いの性器に粘液の糸が架かり、引き離される事を嘆くように見えた。

「どうだ、うまいか」
「はい…すごく濃くって、プルプルのゼリーみたいになってるのがわかるくらい…。
きっと子宮に張り付いて、こぼれ落ちないの…。
そのままずっと…卵子に群がって犯し続けるんだわ」

犯され精を受けた姿勢を微動だにせず、
高く上げた肉付きのよい丸い尻を、さも慈しむように自分で抱えあげる。
牡を誘う挑発的な行為に兵士達の視線が集まる。
注いだ尻と性器を見せつけ、また欲しいとねだっているのだ。
底知れぬ貪欲な渇望を見せられ、また一人飢えた獣を満たすべく組み敷く。
自分の獣欲に従うまま。


兵士達誰もが己の精で妊娠させる事に集中する。
この極上の牝に種付けさせる事を考えると、沸き立つように情欲が募り、
無限に続く輪のようであった。


月日が経ち、日も暮れるころ村のあちらこちらから声が聞こえる。

今日もベットで帰らぬ夫を待ちながら兵士に犯されるソフィアの姿があった。
ソフィアは夫の帰還を待つが、もし帰ってきたとしても自分の姿を見たらどう思うだろうか。

「フフ、貴女のお腹も立派になりましたね。ここまでくれば堕胎も不可能ですな。
もうそろそろ戦争も終わるでしょう、自治州の滅亡と共にですが…。
もし夫が生き残ってたとして、帰ってきたら今の貴女を見てどう思うでしょうか」

たった今、自分が考えていた事と同じ事を言われ、暗澹たる気にさせられる。
だが身体から伝えてくる快楽に打ち消され、思考は脳裡の片隅へ追いやられる。

身重になっても構わず犯す、変態的な性欲に恐ろしさを感じる。
妊娠が確定したときは、これ以上はしないのではと期待したが、
それも一時的な安息にしかすぎなかった。
村の妙齢の女性が全て孕まされた後、再び犯される毎日になった。
聞けば何人か自害した者がいたそうだが、残された家族が見せしめのためか苛烈な処理がなされた。
私は娘のためにも死ぬ事は許されない。
むしろ余計な矜持など捨ててしまえば、今は平和な時とすら言えるかもしれない。
受け入れてしまえば良いのだ……。

「プロスパー隊長、隊長立案の作戦は見事でしたね。
残るは石油施設だけですよ。まさか連中も周りが全て占領されて、
そのまませっせと浄化に取り組むとは思いもしなかったでしょうな」
「重要な目標施設だからと人員をかけ過ぎだ。肝心なのは民、人だということがまるでわかってない。
市民を見捨てて、資源だけで国が成り立つと思ってる馬鹿にはいい薬だ。
もっとも次、は無いがな。……フフフ…ハハハハ」

哄笑が響き渡る中、ソフィアは絶頂を駆け抜け、奥に熱い滾りを感じた。
お腹の子への影響を気にしながら。



終わり