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とある民俗学者のメモ
昔からこの山には天狗の伝承がある。
私は、興味本位に山奥に入った、そこには、地図にない集落があった。

幼馴染のグラシが読んでいる。
「お〜い、イブキ、長老が呼んでるぞ〜」

長老邸
「おまえはもう21だ、そろそろ・・・・」
「つがいになる相手を探せですか」
「そうだ・・・われわれ一族の血を絶やすわけには行かない、
 たとえ相手をさらう事になっても子供をつくれ
 相手を連れてくるまで、里に帰ることを許さん」
「分かりました」
(そうだな、どうせなら)
 A子供の面倒見の良いやつを・・・
 Bさらいやすい、小柄なやつを・・・・
 C行為になれてるヤツを・・・・
→Dおなじせかいのやつを・・・・


(集中しろ、相手のかすかな敵意だけに)
昔、イブキが師に教わった言葉だ。
・・・・・・・・・・そこか!
そこら辺に落ちている石を茂みの方へ投げつける。
その石に相手がひるんでいるうちに接近し、押し倒しナイフを首元に突きつける。
(女か・・・・まあ、そんな事は関係ない、しかし・・・)
何かを思い出しそうになる・・・・・
「誰だ、おまえは?そして何が目的だ?」
当然のことを聞く。
「目的は、おまえの命と自由だ」
「自由?」
「そう、おまえを殺せば組織を抜けてもいいって言われた」
(俺も色々恨みを買ってるからな・・・・・)
「ぬけたら、おまえはどうするつもりだ?」
「・・・・・・・・」
「考えていないのか」
「・・・・・・・・・・・・」
「じゃあ、どうして組織を抜ける?」
「・・・もう、人を殺したくないからな・・・・」
(・・・殺しに向かない人間か、馬鹿かそれとも・・・)
しかし、裏とはいえ、一応国の仕事をしてるので、
むやみに人を殺してはいけない、たとえ正当防衛でも。
「しばらく、寝てもらおうとしよう」
そう言って、イブキはふもとからだした薬をかがせる。
「うぅ・・・・」
そういって、彼女は気を失った。

いつも悪夢は、過去に聴いた声・・・・絶望の・・・
「人殺し」「助けてくれ・・・・」「鬼め」

悪夢を見て、気分最悪で目を覚ますと、見慣れない天井があった。
「ここは、どこだ?」
枕もとに、殺し合いを演じた、男が立っていた
「俺の仮の住処だ、四日も寝ていた、ネボスケサン」
「どうして、こんなところに?なぜ殺さなかった?」
目の前の男に尋ねる。
「俺も似たような人間だが、むやみに殺しは出来なくてな」
「お前が殺さなくても、私が殺す事になるぞ」
そう言いながら、近くに得物になりそうなものを探す。

「その必要は無い、すでにお前が属している組織は、壊滅した」
「なぜだ?」
「俺の仕事だからな、それに気に食わなかったからだ
 ところでお前は、これからどうする?」
「・・・・・・・・」
彼女は、顔をうつむけた。
「死のうとか思ってないか?」
「・・・・・・・」
「図星か」
「それなら俺がもらおうか?恋人とかとして?」
さすがに驚いたのか
「私みたいなやつをか」
上を向きながら、イブキは答える。
「昔、愛した女がいてな、結婚まで考えたほどだ、でもおきてによって
引き離された、子供を産めない体だから・・・・そしてあいつは絶望して・・・」
とてもつらそうだった.
「そうだな、それもいいな」
そう言ったら、ある音がした。
『ぐぅ〜〜〜』
顔を真っ赤にしながら
「仕方ないだろ、四日も食ってないから」
「はいはい」
こうして、奇妙な二人の生活が始まった。