「「「起きて」」」
 聞きなれた声に目を開けると、全く同じ顔が三つ並んでいた。
 俺をじっと見る色素の薄い瞳。ショートカットの黒髪。間違い探しに
はならない。この三人の姿形に違いなど無いのだから。
 耐性の無い人はこれだけで腰を抜かすだろうが、こちとら慣れっこだ。
「「「問題。私は誰でしょう?」」」
 おそらくは六十億人が頭をひねらす問題。
 俺は一瞬の迷いも無く、その問いの答えが導き出せる。
「俺から見て、右から椿さん、桜ちゃん、楓」
 三人は不思議そうにお互いの顔を見合わせた。彼女らにとっては鏡を
見ているような感じだろう。
「うー、正解」
「親でもわかんないのにね」
「マサヒコさんにしかわからない見分け方でもあるのかな」
 見分け方も何も、俺から見れば三人とも全然違うんだけどな。見掛け
は同じだけど、雰囲気っていうかそういうのが。
 どうでもいいけど、人の昼寝を邪魔するなよな。
 バキバキと背骨を鳴らしながら伸びをした。
「で、何か用?」
「何か用?じゃないわよ。せっかくの休日なんだからマサヒコ君と遊ぼ
うと思ったに決まってるでしょう?」
 落ち着いた口調で話すのが長女の椿さん。
「そうそう。ほら、さっさと起きろマサヒコ!」
 こざっぱりとした強気な話し方が次女、楓。
「で、でもマサヒコさん疲れてるみたいだし、悪いよ」
 ちょっと臆病で小さな声で喋るのが三女の桜ちゃん。ま、俺以外の奴
に可能なこの三つ子の区別はこんなとこだろう。
「桜ちゃんはいい子だね。二人っきりでどこか行こうか」
「え……は、はい」
 桜ちゃんの手を握ると彼女もまんざらでもない様子だ。
 こうなると、当然あとの二人は面白くない。
「椿ネエ、あたしゃなんだか腹が立ってきたよ」
「気が合うわね……」
 瞳に凶悪な光を宿した二人が迫ってくる。
「桜ちゃん、下がってて」
 俺は一歩前へ出て、全身から金色のオーラを放った。もちろん脳内イ
メージで。
 じりじりと二体の獣がにじり寄ってくる。ふん、男の力をなめるなよ。
「今よ!」
 椿さんの掛け声と同時にあっけなく俺は体の自由を奪われた。後ろから。
「ちょっ、そんなのアリかよ!?」
 明智光秀ばりの裏切りにあっさり落城する俺。情けない。
「油断大敵ってヤツだね〜」
「勝負の世界は厳しいのよ、マサヒコ君」
「ご、ごめんなさい……」
 羽交い絞めにされて抵抗できないのをいいことに、椿さんは俺のズボン
のチャックを下ろして一物を取り出した。
 彼女『ら』は俺の、なんていうかまあ、恋人って奴だ。
 この三人は生まれたときから何をするのも一緒だ。
 一緒に生まれ、一緒に育った。
 食べ物の好みも、本の好みも、音楽洋服etc…全て一緒らしい。
 そして三人は同じ男に恋をした。そして男も、節操の無いことに三人の
愛に同時に答えてしまった。
 そんな経緯で、現在に至るわけだ。


「私が先っぽ、楓は根元ね」
「オッケ〜」
 二人は元気に自己主張するそれに舌を這わせ始めた。
 ぴちゃぴちゃと音を立てて椿さんが先端を咥え裏スジを舐める。
 それと同時に楓が玉袋を手で揉みながら舌先で刺激してくる。
「あ……ガマン汁出てきた」
 椿さんは嬉しそうに言って、じゅるじゅると音を立てて吸う。
「あーっ!ズルイよ椿ネエ、私にもちょうだいよぉ」
「しょうがないわねえ、じゃあ、交換」
 そんな二人の様子を見て、俺の後ろで甘い吐息を漏らす子が一名。
「姉さんたち、私も……」
「んー?そっか、桜は今日のMVPだもんね。じゃあ今日は桜からいいよ」
 その言葉に桜ちゃんは俺から手を離して衣服を脱いでいく。
 晴れて自由の身になったわけだが、もちろんのこと抵抗などしない。
「お、お願いします」
 床に仰向けに寝る桜ちゃんの足の間に割り込む。あそこはすでにグショ
グショで前戯の必要はなさげだった。
「ん、いくよ」
「はうぅっ!」
 言うが早いか桜ちゃんの中に押し入ると、桜ちゃんは叫んで身を反らせ
た。俺の男を咥えこんだあそこから愛液が噴き出す。
 軽くイったみたいだ。
「すっごく気持ちよさそう」
「可愛い、桜」
「あっ、ダメ!姉さっ、やめ、てぇっ!あぁっ、はぁっ」
 椿さんに形のいい乳房を揉まれ、楓にクリトリスを舐め上げられた桜ち
ゃんはぜいぜいと喘いだ。
 膣の締め付けがさらにきつくなる。
「もう、出そうだっ!」
 快感に狂ったように叫んで、言葉を話せない桜ちゃんの代わりに椿さん
が妖しく微笑んだ。
「今日私たち危ない日なの、一杯中に出してあげて」
「え?それって」
「桜を孕ませてあげてってことよ。もちろん楓も、私も」
 い、いいのかよ?そう思った俺の首に細い腕が回された。
 桜ちゃんは言葉の代わりにそうすることで俺の精を求めてきたようだっ
た。
「わかった」
 俺は深く頷いて腰を激しく動かした。
「あぅっ!はぁっ、あぁっ、あっ!あぁぁぁぁぁぁっっ!」
 桜ちゃんが絶頂を迎え、一際きつく俺のものを締め上げる。
 そして俺は彼女の中に大量の精を放った。
「熱いっ!あついぃぃっ!」
 二三度大きく痙攣した桜ちゃんは、そのまま気を失ってしまった。
「あらあら、刺激が強すぎたかしら」
「あっちゃ〜、三人がかりはやばかったか……」
「だ、大丈夫かな?」
 苦笑いする二人と、狼狽する俺。
 椿さんはそんな俺に妖艶な笑みを見せ付けて、柔らかな乳房を押し付け
てきた。

「マサヒコくん、次は私にして」
 今度は対面座位で突き上げる。
「あぁ……すごい、奥まで当たってるぅ……」
 目の前で二つの乳がぷるぷると揺れ、俺の興奮を煽った。
「まさひこぉ……」
 不意に横でそれを見ていた楓が甘ったるい声を出した。
 そちらを見ると、楓は自らを慰めていた。
「ふふっ……我慢できなくなっちゃったの?」
「まさひこぉ、指でいいから、してぇ」
 楓は足をM字に開いた。
 すでに大洪水のあそこに指を入れて、中を掻き回す。
「あぁぁん……いい……いいよぉ」
「マサヒコ君、こっちもスパートかけるわよ」
 椿さんは俺の一物を痛いくらいに締めて激しく上下運動を始めた。
 一度出したばかりなのに、再び絶頂間がこみ上げてくる。
「で、出るっ!」
 俺は椿さんの身体を抱きしめて、たっぷりと熱くたぎる欲の塊を吐き出
した。
「ふあぁっ!出てるぅぅっ!」
 それと同時に椿さんもまた絶頂に達した。
 まだ細かく痙攣を続ける椿さんの身体を離すと、淫裂から精液が溢れ出
した。
「マサヒコ、早く、早くしてぇっ!」
 身をくねらせてねだってくる楓の身体を四つん這いにして、後ろから貫
いた。
「あああぁっ!マサヒコのチンポ大きい!」
 淫らな言葉を吐き出して身悶える楓を更に激しく責めたてる。
「あっ!硬い、すごいぃっ!」
 あまりに激しく腰を動かしたせいでありえない速さで射精しそうだった。
決して俺が早漏なんじゃない。
「楓、出すよ」
「きてっ!私の中にザーメンぶちまけてぇぇっ!」
 力を振り絞って腰を激しく打ちつけた。
 楓の一番奥に、生命の源を流し込む。
「ひぎぃぃぃぃっ!私、出されてる、妊娠させられてるぅぅぅっっ!」



「マサヒコくん」
「マサヒコ」
「マサヒコさん」
 振り向くと、赤ちゃんを抱いてにんまり笑う同じ顔が三つ。
 なーんか、嫌な予感。
「「「問題。誰が誰の子供でしょう?」」」
 いい加減、怒ったほうがいいのだろうか……