あまりにも生々しい光景というものがあるとしたら、それは同級生がセックスし
ているところを目撃した状態かもしれない。しかも校内で。
 あんなに仲の悪い仲丸と松田が、今は普段からは想像もできないような艶やかな
表情で喘いでいるところを見ると。
 仲丸に突かれるたびに揺れる松田のおっぱい。仲丸のペニスが松田の中から出た
り入ったりしている光景。パンパンという体と体がぶつかり合う音。どれもが刺激
的で、はじめてで、倒錯的で、頭がくらくらする。
 こんなところを見てしまっていいのだろうか。そう思いつつも、目はけっして逸
らせないでいる。それは和樹はもちろんのこと、隣にいる夕菜も一緒らしかった。
 全く言葉もなく、二人の行為を凝視し続けている。無言のまま固まっているとそ
のうち行為が終わり、仲丸と松田は後処理をしてこの場を立ち去った。二人がいな
くなっても、和樹と夕菜はしばらく硬直し、そしてやっとのことで我に返る。い
や、我には返らない。
「和樹さん、大きくなってる……」
 仲丸と松田の毒気に当たったのか、夕菜も和樹もどこかおかしい。普段の夕菜な
らいきなりこんなことを言ったり、それどころか和樹の股間に手をやってさすった
りはしないし、和樹も高校生がこんなことしちゃいけないと理性が働いて逃げ出し
たりしただろう。ところが、和樹は夕菜にされるがまま、股間をまさぐらせている。
 どちらが先か後だったか、目と目が合うと自然に唇を近づけ、お互いの唇を貪
る。これがお互いのファーストキスだというのも忘れて、本能のままにディープなキスをしている。

舌と舌を絡ませ合い、お互いの唾液でくちゅくちゅと音を立てる。上の口でお互い
を貪りながら、下では夕菜が和樹の股間をまさぐり、和樹は自然と夕菜の胸に手が
行っていた。大きくはないが、和樹にとって初めての女性の胸の感触はその大小な
んて関係ないくらいに感動的だった。服の上からではあったが、想像以上に柔らか
い。手に力を入れるたびに夕菜が「んっ」と喘ぎ声を出すのをみて、男だけでな
く、女の子も胸を揉まれて気持ちがいいのだと知る。
 和樹は服の上からだけでなく、直に触ってみたくてセーラー服の裾から手を入れ
る。ブラジャーに手が当たり、どうやって外すか一瞬戸惑うが、そのままずらすこ
とにした。夕菜は「もう……」とちょっと乱暴な手つきに嫌気を見せるが、拒否は
しなかった。手のひらにぴたっとおっぱいが吸い付くような感じで直に触った感触
はまるでマシュマロのようなやわらかさだ。
 このままずっと乳繰りあいたい気分だったが、和樹の下半身の方がそれを許して
くれそうもない。さすがにズボンの中で勃起して痛い気分だったが、そんな和樹の
気持ちを察してか夕菜がズボンのベルトに手をやり、がちゃがちゃとベルトを外し
て、じーっとジッパーを下ろす。露出したトランクスもそのままの勢いでがばっと
脱がすと、和樹は少し気恥ずかしい思いを感じながらも火照ったペニスが外気にあ
たってひんやりとして気持ちが良かった。
「これが和樹さんの……」
 痛いほどに勃起したそれはへそまで反り返えらんばかりに屹立し、いつもは優し
い和樹にこんな猛々しい部分があったのだと夕菜は少し驚いているが、頬を赤く染
めながらそっと和樹のモノを握る。


「うっ」
 夕菜の手つきはぎこちないものだが、同じことをしているはずなのに自分の手で
やるのとは大違いなほど気持ちがよくてつい声が出てしまう。
「和樹さん、感じてるんですか? 気持ちいい、ですか?」
「うっ、うん……。すごくいいよ、夕菜」
 慣れない手つきでも、まとわりつくように夕菜はカリの部分をきゅっきゅっと絞
めるように手を動かす。雌としての本能なのか、男が喜ぶポイントを誰に教えられ
ずともわかっているようで、和樹をどんどん高みに登らせていく。
「ちょっ、夕菜、でちゃうよ」
 和樹自体、どんどん増えていく快感を楽しんでいたのだが、限界にまで達する寸
前で急に我に返る。このまま暴発させてしまってもいいのだが、できれば夕菜と一
緒にしたかった。射精してしまえば、ちょうどいい感じに昂ぶった気分が萎んでし
まうのではないかという不安に襲われたということもある。
「夕菜のなかにいれたい……」
 夕菜も待ち焦がれていたのか、無言で肯くとパンツだけをさっと脱ぎ、スカート
の裾を指先でつまみ上げて和樹の上にまたがる。
「準備はもうできてますから……」
 夕菜はゆっくりと腰を下ろし、和樹を迎え入れる。ぬるっとした感触があったと
思うと、ぬぷぷっとなかに沈んでいく。いくら十分に濡れそぼっているとはいえ、
夕菜もはじめてなのだから痛くないわけがなく、顔をしかめている。それでも和樹
を受け入れたい一心でゆっくりと、しかし確実に和樹のモノは夕菜のなかに入って
いく。永遠のような一瞬が過ぎ、根本までくわえ込むと、夕菜は破瓜の痛みに耐え
ながら微笑んだ。


「夕菜、だいじょうぶ?」
「和樹さんのなら…我慢……できますから」
 夕菜の痛みを少しでも和らげようと、再び口づけをする。上でも下でも夕菜とひ
とつになって絡み合っている。頭の中がとろけそうになりそうな快感に溺れながら
ゆっくりとキスをかわしながら夕菜の乳房を愛撫する。和樹の硬い手のひらで乳首
が擦れていくうちに夕菜の口から「あっ……あっ……」っと喘ぎ声が漏れはじめ、
少しずつ痛みの中に快感が混じってきたようで、無意識のうちにゆっくりと夕菜が
腰を前後に振り始める。
「夕菜のなか……あったかくてすごく気持ちいいよ」
 生のペニスと生の膣が擦れる感触。膣の中から溢れてくる愛液によってじゅぶ
じゅぷと恥ずかしい音が漏れてくる。処女特有の締まりの良さと膣の中の無数のひ
だひだが和樹の亀頭を動かすたびに刺激して、さらにうねうねとまとわりついてく
る感触にたいして動いていないというのに和樹はすぐにでも達してしまいそうなほ
ど気分になる。
「あっ、あっ、んっ、あっ、んっ……」
 えっちってなんて気持ちがいいのだろう。仲丸と松田が学校でしてしまうのも納
得だった。こんなに気持ちがよくて、心と心が触れあっている感触、それと実際に
人の身体の中で最も脆弱な粘膜と粘膜を擦り合わせる感触はいつまでもこうしてい
たい気分だった。和樹も激しく夕菜と擦り合わせたくなって、対面座位から夕菜を
押し倒して正常位に持ち込む。


「夕菜、愛してるよ」
「あっあっ…、和樹さん…ああん。嬉しいです。んっあっ、私も…、私も…愛して
ます。んっ」
 もうこの頃には破瓜の痛みもだいぶ薄まってきて、快感の方が上回ってきてい
る。学校の中だというのに夕菜は大きな声で喘いでいるが、夕菜も和樹も人に見つ
からないかどうかなんて考えられずにお互いとも今この愛しあっている瞬間に夢中
だった。
「和樹さ…ん、和樹さんが…、あっあっ、おなかのなかでいっぱいで…、いっ
んっ、ああああっ……」
 夕菜は和樹に擦られてもう何がなんだかわからなくなってきていた。そして一心
不乱に腰を振る和樹も唾液と愛液でぐちゅぐちゅになりながら、登り詰めるところ
までやってきている。
「夕菜、もう…、イッちゃうよ……」
「あっ、んっ、なかには射精さないでくださいね。あんっ、赤ちゃんできちゃうか
ら……」
 和樹と愛しあいたいといつも思っていたし、和樹の子供は欲しかったが、まだ高
校生でもあり、卒業して結婚してからと夕菜は決めていた。もし安全日ならそのま
ま許したかもしれないが、そろそろ危ないのだ。快感に飲み込まれそうになりなが
らも、最後の一線で理性が戻ってくる。しかし、和樹の方はまた別だった。
「そんなこと言っても、気持ちよすぎて止まらないよ、夕菜っ」


 快感に溺れきり、このまま夕菜の膣で射精することしか頭にはなかった。それが
どういったことを招くかということも、もう考えられない。最後のラストスパート
をかけるつもりで、腰の動きを激しくさせた。
「えっ!? やっっ、あっ、あっ、だめっ、今日は危ないんです。赤ちゃん、赤
ちゃんできちゃう!」
「夕菜っ、ごめんっ。もう、無理っ……」
 雄の本能で夕菜にはね除けられまいとぎゅっと夕菜にしがみつくと、受精しやす
いように一番奥で和樹は射精する。びくびくっと身体とペニスを震わせ、熱い精液
を夕菜の子宮めがけて注ぎ込む。
「やっ、あっっ、あっ、ああああああぁぁぁぁぁぁぁ」
 はじめてだというのに、夕菜は和樹の精が注ぎ込まれる瞬間を理解し、そして同
時に夕菜もイッてしまった。おなかのなかで和樹のが限界までふくらんだと思った
瞬間に暴発し、今まで以上におなかのなかで暴れ回り、熱い精液をおなかの中にぶ
ちまけられる。そして自分の意志とは正反対に、和樹の精液を一滴残らず搾り取ろ
うと膣が収縮するのだ。
「あっ、やっ、ああぁ……」
 全てを出し終えると和樹は脱力して夕菜にもたれかかる。夕菜も肩で息をしなが
らエクスタシーの余韻を味わっている。膣で出されてしまった。もう全てがおしま
いなのだと。和樹の体重を感じながら膣の中にあるペニスが少しずつ小さくなり、
膣に出された精液がごぽっとこぼれ落ちる感触と一緒に、ぽっこりとお腹がふくら
んだ自分のウエディングドレス姿を想像していた。