注釈


注1:舞台は縄文時代ではあるが、私の力量の無さ故に時代にそぐわない表現が頻出する事をご容赦願いたい。


注2:ユダヤ教の神父(ラビ)が着用する物だが、形状は山伏が額につけている兜巾(ときん)とほぼ一緒である。(ヒラクティリーは中に聖書の一編が入っており、兜巾も宗教的な意味がある装着物である)古代ヘブライのラビの格好は、外人が山伏のコスプレをしているかと思うほど、服装や道具(法螺貝の替わりに羊の角の大きな笛など)がよく似ている。


注3:このお話は、紀元前七百二十二年に滅亡したイスラエル王国を追われたヘブライ十支族(ユダヤ民族)のうち僅かが、長い旅路の果てにもし日本に来ていたとするならば、という観点から書かれている。散見される資料を元にしているが、本気で信じちゃうと先生に怒られるので気をつけよう。でも眼鏡の教育実習生なおにゃのこには『こらぁ?』って言われたい。で・す・よ・ね!?


注4:ユダヤ教は母系宗教なのだ。非ユダヤ人の夫と、ユダヤ人の妻の間に生まれた子はユダヤ人となる。これは旧約聖書において、アブラハムが二人の妻と二人の女奴隷それぞれを孕ませ、彼女たちの子らがヘブライ十二支族の祖となった故事からきている。よよ四人。うらやましい。


注5:スケープゴートの語源は、古代ユダヤで人の罪を負って荒野に放たれた贖罪のヤギ。


注6:エルサレムを日本語に訳すと平和、平安の都となる。ヘブライ系渡来民の可能性が言われる『秦氏』が建造に大きく関わった都市の名も、奇しくも平安京。


注7:漆、そして漆器は世界に誇れる日本のオリジナルだ。海外では漆器を『ジャパン』と呼称する。また縄文時代に漆器は既に制作、使用されていた。


注8:縄文人は交易を行っていた事が、近年の発掘調査で判ってきている。新潟県糸魚川で採取されたヒスイが東日本各地の縄文遺跡で見つかっているのはその好例であろう。


注9:山繭とは天蚕(ヤママユガ)の繭。日本在来の野生の蚕であるが、クヌギやコナラといった落葉樹の葉を主に食物とするため、通常の養蚕よりも生産コストが40倍もかかる。その繭より紡ぎ出される絹糸は美しい緑色で、絹の最高級品。


注10:縄文中期にはキイチゴやヤマブドウを野生酵母で発酵させた果実酒が飲用されていたという説があり、それを参考にした。発酵した果実を好むショウジョウバエのサナギが大量に遺跡から見つかっている事や、有孔鍔付土器(土器のふちの周囲に小さな穴があけてある土器)はその形状から果実酒醸造に使われていたという推測がある。


注11:鉄器が本格的に日本に伝わったのは弥生時代からであるが、日本で発掘された最古の鉄器は石崎曲り田遺跡から出土した縄文晩期(紀元前三〜四世紀)の斧。
鉄器自体の歴史は古く、古代オリエントでは製鉄の技術を秘儀としてきたが、紀元前十三世紀頃のヒッタイトの滅亡により、製鉄の技術がユーラシアに伝播し始めた。


注12:ユダヤ教における戒律の一つで、男子は生後八日後に割礼を行う。アブラハムと神との永遠の契約であり、ユダヤ教は現在も割礼の風習を伝えている。ユダヤ教の系譜であるイスラーム教も同じように割礼の週間があるが、生後七日後から十歳〜十二歳頃までの間と幅がある。一つ上の男へ。


注13:現在よく見られる栗の木は、剪定を行われて地上一メートルほどで枝が別れた低木であるが、天然の山栗の木には建材になりうる高木も希に存在する。縄文の遺跡から栗の木が建材として出土する事は比較的多く、青森県の三内丸山遺跡では、大型建築物の跡ではないかと思われる直径一メートルの栗の木の柱が六本発掘された。程近い下北半島には林野庁の認定した巨木百選の内の一本、幹周り七メートル、高さ二十八メートルの栗の巨木が自生している。(周囲にも、高さ二十メートル超の栗の木が数本あるそうだ)
また、その三内丸山遺跡では、均一なDNAを持つ炭化した栗が多数発掘されており、当時から特定の栗の木を母樹とした管理栽培が行われていたと思われる。


注14:ここで登場するのはツキノワグマ。本州においてクマといえばツキノワグマを示し、平均頭胴長(口吻から最初の尾椎骨までの長さ)120〜150cm、体重70kg程度。ではあるが、同種のヒマヤラツキノワグマにおいては、300kgを越えるヒグマより巨大な固体も存在する。1t超のホッキョクグマも居るとか居ないとかなので、かつて規格外のツキノワグマが日本に居た可能性は否定できない(あいまい)。
猫科の大型肉食獣(虎など)が生息していなかった古代日本では、クマは一頭単位では最強の脅威であり、故に畏敬と信仰の対象であったと考えられる。遺跡から発掘されるクマの骨は他の獣の骨より圧倒的に少ないが、クマの骨や牙を使った装飾品は各地から出土している。
猛禽の羽や獣の牙を纏う事により、その力を得ようとした原初アニミズムは世界各地に見られ、縄文文化もまた例外ではないと言えよう。たとえば、縄文文化を色濃く受け継いだ擦文文化、そしてその後継であるアイヌ文化において、クマ(ヒグマ)はキムンカムイ(山の神)と称され、大きくアイヌの世界観に関わっている。
ちなみにクマは、背を向けて逃げる生き物を本能的に追う習性がある。時速60キロで。


注15:これもやはり戒律の一つで、ユダヤ教では豚肉を食する事を禁忌とする。イスラーム社会でもそうだが、ラードや豚肉エキスといった豚起源のものすべてが対象となるので食用油やスナック菓子にまで気を配る。彼等は他にも様々な戒律を持ち、その由来は砂漠で生きる智恵を体系化したものだと言われる。
同時に戒律を一切放棄し、異邦人にこそ神の教えを伝えるべきとユダヤ教から袂を分けたのがユダヤ教キリスト派、すなわちキリスト教となる。


参考文献:インターネットでいろいろ。
     親戚のマタギのおじさん。