世の中にはいろいろ性癖があるが、
概して自分にない性癖というものは奇妙に見えるものだ。
たとえば、妊娠を好む私や君もそう、
同じ嗜好を持たない人間からは大層なゲテモノ好きに見えているはずだ。
そして、かく言う変わり者の我々も…
同じく妊娠を好む彼女の性癖を知れば、それは異常であると断じるだろう。
彼女は我々とは少し違う。
彼女は妊娠した女ではなく、
自分が妊娠することに興奮する質なのだ。
「ね、40分10000円でどう?」
小川 紀子には、普通のストリートガールと違う所がいくつもある。
たとえば、
決まった縄張りを持たず、住宅地の暗がりや、夜の公園で体を売る。
足がつかないように各地を転々とし、固定客を作ろうとしない。
ホテルを使わない分、料金が安い。
なにより、
避妊を一切行わない。
「うん、決まり!それじゃ早速ベンチに行こ。」
「あ、待った。今ゴム持ってないから、その前にコンビニ寄らせて。」
「…駄目。」
「いや、駄目って言われても…持ってないモンはしょうがないだろ。」
「駄目よ、ゴムなんか!せっかくの子種が卵子に届かないじゃない!」
「…はぁ?」
「ああもう!なんで分からないかなぁ…」
彼女は、男の耳に口を寄せ、囁いた
「孕ませて、って言ってるのよ。」
「…!」
にわかには信じがたい台詞、だがコレこそが彼女の最大の目的である。
中学1年で妊娠し、堕ろすに堕ろせず産んで以来、紀子は自分でもどうしようもない性癖に取り付かれていた。
妊娠フェチ
それも、出産時の激痛がたまらなく好きだという極めてマゾヒティックなこの性癖は、
今や彼女の生活の根幹となっていた。
「うぅぅ…くぅ…」
「ほぉら…生ハメ気持ちいいでしょ?危険日の子宮に出しちゃえ!」
「うぅぅぅぅっ」
「あふぅ…いいよぉ…中出し最高ぉ…」
クネクネと身をよじり、男の射精を促す紀子。
ついこの間まで子を宿していたそこは、すでに次の子種を受け入れる準備を整えていた。
「ふぅ、気持ちよかったよ。」
そういって立ち去ろうとする男の袖を、紀子はがっしり掴ん離さない。
「駄目よ。40分10000円の約束でしょう?まだ15分しか経ってないじゃない。」
「…え?」
「まだまだ!ちゃんと時間いっぱい相手してもらうんだから!」
彼女の目的はあくまでも妊娠することであり、金を取るのは単に、
バイトなどセックス以外の事に時間を割きたくないからである。
複数の精子の競合を避けるためには、一人の客から出来る限り多く搾り取ることが望ましいのだ。
あの男の子供…
かどうかは分からないが、とにかく身ごもった紀子は場所を変えていた。
某T県から某K県へ、関西を周っていた去年とは異なり、今年は首都圏を中心に活動する予定だった。
「ふぅ…今日はお客さん来ないな。」
いくら中だしし放題といっても、いつも客がつくわけではない
内容の良し悪しが決めるのはあくまでもリピーター率であり、
『最初の一回』は宣伝が全てといっても過言ではない。
誰もそんなところで売りが行われているとは思わない場所と時間に立っていたのでは、まずターゲットとなる男が通らない。
とにかく後腐れなく孕みたい彼女にとって、これはジレンマだった。
「…?」
「どうしたの?坊や。」
塾帰りだろうか、もうそろそろ日付も変わる頃だというのに、
彼女が始めて身ごもった時と同じ、中学1年生ほどの少年が通りがかり、不思議そうな視線を送っている。
無理もないだろう。
夏だというのにロングコートを羽織った彼女の姿はどう考えても浮いている。
だが、少年の関心は早くも別のところに移ってしまったようで。
「…坊やじゃありません。」
「あら、気を悪くしちゃった?」
紀子は考える。
この場所はハズレだった、もう今日は客も入らないだろう。
ならば…
「でもキミ、ずいぶんちっちゃいわねぇ…10歳くらいかしら?」
「…ちっちゃくありません。もう12歳です!」
「あら、本当に?背なんて私の胸くらいまでしかないのに?」
「むぅ…」
今夜はこの少年と楽しもう、と。
「ちっちゃく無いって言い張るなら、ちゃんと証明してくれないとねぇ?」
「…証明?」
「そう証明。ちょっと、こっちいらっしゃい。」
手招きして路地裏の暗がりに誘う紀子。
警戒もせずにフラフラついてくる少年に苦笑しつつコートの前を開き
「ぇ…ぁ…」
「ね、お姉さんの体で、証明して見せて?」
まだ腹も目立たない裸体をさらした。
「ううっ…うぅぅぅっ!」
「あん、硬ぁい♪」
少年は思ったほど小さくはなかった。
まだ反りも少ない素直な男根は、体格差のせいか、少年の経験不足からか、
めくらめっぽうに突き出され、さまざまな角度で彼女の中を引っ掻き回す
「…お姉さん…お、俺、なんか…」
「ん?精液出そう?」
「精、液…?」
「そう、精液。」
紀子は、性教育でもするように、少年に言い聞かせる。
「精液って言うのはね、キミが気持ちよくなったときに出る白いおしっこのこと。」
「あ、あ…うん、それは…出たことあります…」
「そう、どこに出たの?」
「ぅ…それは、その…」
「おトイレ?パンツの中?」
顔を真っ赤にしてうつむく少年。
なるほど、パンツの中か。
そう得心した紀子は、少年を抱きしめてキュッと膣を締め付けた。
「だめよ、そんなところに出しちゃ。精液はね、こうやって…」
「ぅあああああっ!!!」
「女を妊娠させるために使うものなんだから。」
私はとっくに妊娠してるけどね。
と、心の中で付け加え。
腰の抜けた少年としばらく話した後別れた。
その夜、しっかりと口止めをされた少年の両親が、
遅くなった理由を一向に話してくれない息子の教育方針に悩んだりしたが、それはまた別の話。
…
……
………
…………
……………
「5人?じゃあ団体料金で120分20000円でいいわ。」
「マジで?」
「妊娠中にこんなことして平気なの?」
某S県の公園、紀子は夜遊びの高校生ブループを狙い、見事に射止めた。
彼女はとにかく出産することが好きなのだが、膨れた腹を見せつけながらセックスすることも大いに気に入っている。
一人頭4000円というリーズナブルな価格設定は、ヤリたい盛りの青少年を絡めとる網としては最高だ。
「平気平気、あっちのほうでシましょ?」
「あ、うん。」
「お、俺も、参加しようかな」
10分後、彼女は少し背伸びした金髪の少年にまたがり、7ヶ月になる孕み腹をユサユサと揺らしていた。
「んっ、んっ、んっ、どう?気持ちいい?」
「あ、あったかくて…凄い…」
「ふふ、ありがと♪でもあったかいだけじゃないわよ…角度調節して…えい!」
「うぁっ…あ、あぁぁ…」
「くぅん♪…ほら、重みで子宮が下がってるの…分かる?」
ゴツン、と少年の亀頭に子宮口を打ちつけ、刺激する。
女性経験などまったくなかった少年は反射的に紀子の腰を掴み、射精する。
「うっ…ぐうぅぁっ…!」
「はぁぁぁぁ、あったかぁい。」
「お、俺も出そう!」
「ん、赤ちゃんに圧迫されて感じちゃった?」
少し遅れて、肛門を貫いていた少年も直腸に精を吐き出す。
紀子が好きなのはあくまでも妊娠であって膣内射精ではないので、
孕んだ後は他の穴も性器として積極的に使用しているのだ。
「ほらほら、休んでる場合じゃないわよ!あと30分も残ってるんだから、もう1巡くらい楽勝でしょ!」
「お、俺今度は口がいいな。」
「俺、まだ前でやってない…」
「尻の穴ってなんか抵抗あるんだよなぁ…」
客の需要にこたえるのも仕事のうちだが、
アナルセックスを拒む少年に紀子が提示した妥協案は、間違いなく彼女の趣味だ。
「じゃあ、あなたも前に入れて2本刺ししてみない?」
他人のペニスとスレあう感覚が新鮮だったのか。
それとも、彼女の異常なまでの乱れ方に興奮したのか。
膣にもぐりこんだ少年たちは、さっきよりもさらに早く達してしまった。
…妊娠から10ヶ月と少し
「う、ひぃぃ…キたぁ…」
滞在していたビジネスホテルの一室で、紀子は待ちに待った出産のときを迎えていた。
「あぅぅぅ〜…痛ぁ〜い♪」
バスタブに手を突き、ぜいぜいと荒い息を吐きながらいきむ紀子。
ベッドを使わないのは、粘液でベトベトになったシーツを怪しまれ、足がついては困るからだ。
なぜなら、彼女は産むだけ産んで子供を捨てるつもりなのだから。
「ぎぃっ!痛いぃぃ!もっと…もっとママのことイジメてぇぇぇーッ♪」
ダラダラとよだれを撒き散らし、年に一度の楽しみを存分に味わう。
この趣味のために、彼女は人生の全てをささげているのだ。
「あああ!むぐっ、ふぅぅ!ふぅぅぅぅん!」
あまり壁の厚くない安ホテル、まして声の響く風呂場での絶叫はまずい。
あわててタオルを噛み、姿勢を整える。
何の心配もなく、ジックリと…子宮口を無理やり広げられる痛みを楽しむためだ。
「ぐふぅぅぅぅ♪ふぉぉぉぉぉぉん!!!」
やがて、胎児の頭が子宮を抜けし、産道を割り裂き、膣口に差し掛かる。
いよいよクライマックスを迎えた、人生最高の楽しみに彼女はますますヒートアップした。
「んっ、んーーーっ♪んんんんーーーーっ♪」
ブヂュリ、と粘液質の音がして、彼女の欲望の結晶が外気に触れる。
「ぐぅっ…〜〜〜〜〜〜〜♪ぷぁッ!」
次は東北地方でも回ってみようかな。
ボロボロになったタオルを外し、胎盤を吐き出しながら、彼女は次の受胎プランに頭をめぐらせていた。
翌日、始発の駅構内の100円ロッカーに立つ紀子。
「これでよし、と。それじゃあね、いい人に拾われるんだよ。」
母性のかけらもない、あまりにも無責任な態度。
しかし、紀子は罪悪感など微塵も感じていない。
彼女にとっては我が子でさえも、自分を責め抜いてくれる性のパートナーにすぎないのだ。
「そうだ、久々に実家帰って、パパに犯しまくってもらおう!また、パパの子供産みたいな♪」
彼女の親がそうであったように
血は争えないものだ