「ねぇ、晴彦さん……?」
「なんだよ、美香……。疲れてるんだよ、はやく寝かせてくれ」
 今日も彼は夕食をとってお風呂に入るなり、さっさと布団に潜り込んでしまった。
 仕事が忙しいのはわかる。でも、私たちはまだ新婚、それも三ヶ月しか経っていない。
 彼が私を愛してくれたのは、最初の一ヶ月くらいだった。その後は仕事で疲れたといっては、毎晩彼が先に眠ってしまう。
「んもう……晴彦さんのために、せっかく新しい下着買ったのにな……」
 彼がついに一度も見てくれなかった薄水色のネグリジェに目を落としながら、私は小さくため息をついた。

 夜が明けて彼を仕事に送り出してから、私は昨晩身につけていたネグリジェを身に纏って鏡の前に立ってみた。
「……私って、そんなに魅力無いかな……」
 鏡の中では、ブルーのネグリジェの下で豊満な乳房が先端を痛々しく隆起させていた。

「――っは、はーいっ!!」
 軽快なチャイムの音が鳴り響き、私は慌てて返事を返した。
「すみません、新聞の集金なんですがー」
「ちょっと待っててください」
 私は咄嗟にネグリジェの上にカーディガンを羽織い、玄関へと向かった。

「ご苦労様です……」
 ドアを開けると、そこには薄汚れた服を着たおじさんが立っていた。私の姿を見るなり、胸の谷間を食い入るように見つめてくる。
(……いけない、Vネックなんて着てきちゃった……)
 ブラジャーも着けずにネグリジェの上に直接薄手のカーディガンを羽織った私の姿は、男の人の目にはとても扇情的に写ったに違いない。
 大きくあいた胸元からは白い乳丘がのぞき、小さな蕾が薄い生地の下からツンと芽を出している。
 目の粗いセーター状の上着からはブルーのネグリジェばかりか、薄紅色の乳首さえも透けてみえるようだった。
(はやく、お金だけ払って帰ってもらわなくちゃ……)
 私が財布に目を落とした瞬間だった――。

「――――っひあぁぁっ!? な、なにをするんですか!!」
 集金のおじさんが突然私の両肩を鷲掴みにし、玄関マットの上に押し倒してきた。玄関の段差に背中を打ち付け、痛みで思わず小さく呻いてしまう。
「へ……へへへ……お、奥さん、旦那だけじゃ我慢できないのか? そんな格好で誘惑なんてしてよう」
「な――そ、そんなつもりじゃ――――やっ、ダメぇぇっ!?」
 私の声も聞かず、集金のおじさんはカーディガンを無理矢理まくり上げた。下から透け透けのネグリジェがあらわれ、おじさんがしたりとばかりにいやらしい笑みを浮かべる。
「ブラジャーもつけないで、こんなエッチな下着きやがって。こうしていつも、旦那以外の男を誘ってんだろう。え?」
「ち、違いま――っんうぅぅぅっ!!」
 おじさんの指がネグリジェの上から乳肉に食い込む。久々に感じる荒々しさに、心とは裏腹に胸が熱く高鳴った。
「久々の女だ……楽しませてもらうぜ」
 おじさんは凄惨な笑かべながらペニスを取り出した。凶悪な肉塊が硬く勃起し、熱く脈打っている。
 しばらく目にすることのなかった男性自身に、私の目は思わず釘付けになった。
「やっぱり、好き者なんじゃねえか。へへっ、たっぷり可愛がってやるぜ……」
「――あぁぁっ、だっ、ダメぇ!!」
 有無を言わさぬ力で衣服を剥ぎ取られる。おじさんはネグリジェと揃いのショーツをずらすと、一気に汚らしいペニスを膣口にねじ込んだ。

「――――っつあぁぁぁぁっ!!」
 突然の挿入感に、全身に灼けるような衝動が走る。私の身体は微塵の抵抗も感じさせず、他人の支配を易々と受け入れてしまっていた。
「奥さん、ドロドロじゃねえか。こんな真っ昼間から発情してたのか? あぁ?」
「そ、そんなわけじゃ――やっ、ふぅぅぅっ!!」
 おじさんがペニスを膣奥に押し込むたびに、自然と声が漏れてしまう。
 半開きの玄関ドアからは青空が垣間見え、誰かに見らてしまうかもしれないというスリルと背徳感が、余計に私の肉体を熱くさせていた。
「昼間っから知らない男を連れ込んで、玄関先で一発とは……こりゃ相当な変態だな。へへっ、毎日ヌキにお邪魔させてもらうぜ」
「あぁ、ダメ、ダメなのそんな……やっ、う、動かないでぇぇ!! 奥ゴリゴリしちゃダメぇぇ!!」
 堅い肉棒が膣底を何度も打ち付ける。逞しい亀頭で何度も子宮口を小突かれ、醜悪な訪問者に対する嫌悪感と反比例して快感は鰻登りに上昇していった。
「うおっ、締まるっ! くーっ、人妻に中出しなんて今日はツイてるぜ!!」
「――っいやぁぁぁぁっ!? ダメっ、それは、それだけはぁぁ!?」
 私は咄嗟にもがき、男の身体を突き放そうとした。だが、逞しい胸板は私の身体をしっかりと押さえ込み、とても抗えそうにない。

「どうせ旦那とも毎晩楽しんでるんだろ? だったら、俺が中出ししたところでどっちの子供かなんてわかんねーよ!」
――違う。彼とはもうずっとセックスしていない。
 今妊娠してしまったら、それは間違いなくこの男の子供……。
「いやぁぁぁっ、ダメっ、ダメなのぉ!! 中は、膣出しだけはやめてぇ!!」
「――っるせえなぁ!! こんなに上等のマンコなんだから、外になんて出せる訳がないだろうが!!」
 男は乱暴に腰を振りたくった。堅い亀頭が膣底を連打し、太い竿が何度も肉襞をこする。
 心とは裏腹に、快楽に餓えていた私の肉体は容易く高みへと追いつめられていった。
「――あぁぁぁっ、ひあぁっ、ダメぇ、ダメなのに――っふぅぅぅぅっ!!」
 膣が震え、子宮が熱く収縮を開始する。と同時に男のペニスが弾け、熱い迸りを私の胎内に放出しはじめた。
「――――――――っっいやぁぁぁぁぁぁ!!」
 生温かい精液を奥底で感じ、私は快感から一気に絶望へと突き落とされた。
 絶頂に震える膣襞は容赦なく男の精液を飲み込み、萎えたペニスから子種を搾り取っている。
「へ……へへへ……奥さんのマンコ、俺のザーメンでいっぱいだ……」
 男の言葉に、ポロリと涙がこぼれ落ちる。
 男が最後の一滴まで膣内に注ぎ込んですっかり小さくなったペニスを抜きさると、温かな精液が膣から溢れて太腿を伝った――。