教室から出た鮎川は、背後で閉じた扉によりかかる。

「(やっぱり…女の子にこの島のことを理解してもらうのは、
  時間がかかりそうね…)」

心の中でつぶやいて、ふぅ、と一息つく。

「(でも…時間をかけて教えていけば、
  きっとみんなわかってくれるはずよね
  こんなに素敵な島なんですもの)」

顔をあげ、自分を鼓舞する鮎川。
気をとりなおし、廊下を歩きはじめる。
目指すは、隣の教室。

「(ここね…もう最初の説明は終わっているかしら…)」
隣の教室にたどり着いた鮎川は、念のため扉に貼られている紙を確認する。
紙には "デュエルアカデミア 新入男子生徒説明会 会場" と書かれている。

うん、と頷く鮎川。
扉の前に立つと、機械音とともに開扉した。

「鮎川先生、ちょうどいいところに…
 だいたいの説明がちょうど終了したところです」

教壇にいた教師は入り口に現れた鮎川の姿を認める。

「これからこちらの先生が補足説明をしてくださる
 みんな、しっかり聞くようにな」

講堂内にいる生徒たちに呼びかける教師。
教師の呼びかけに一度は静まった生徒たちだったが、
講堂内に入ってきた鮎川を見て再びざわめいた。

デュエルアカデミアの女教師…鮎川は
薄いピンクのオフショルダーのワンピースを着ており、
まるでサイズが小さいかのように見えるこの服は
若い女教師の身体を浮き立たせていた。

豊満な双乳はノーブラであることがわかるし、
超がつくほどのミニスカートは大人の色香をふんだに含んだ
白いふとももを極限まで晒していた。

教師という以前に…完全にひとりの女、といういでたちであった。

こんな女教師がいたら授業どころではないと思うのだが、
さらに生徒たちをいろめき立たせたのは鮎川のふとももに
ベルトで巻き付けられていた電池ボックスであった。

服とおそろいの薄ピンクの電池ボックスからは細い電気ケーブルが伸び、
それはミニスカートの奥へと消えていた。

先ほどまで説明を受けていた生徒たちはそれが女子生徒に装着義務のある
リモコンローターを身につけているということをすぐに理解した。

あの電池ボックスは
"自分はオマンコとお尻の穴にローターを入れてますよ"
と宣伝して歩いているようなものだ。

誰から見てもわかる性具を装着する鮎川は、まるで痴女のようにも見えた。
そんな美人女教師が現れたのだから、やりたい盛りの生徒たちが取り乱すのも無理はない。

生徒たちは瞬きをするのも惜しむように、鮎川の全身をなめ回すように見ていた。
鮎川は大勢の生徒からの視線を感じながらも、それを隠す様子もなく教壇に向かって優雅に歩みを進めた。
教壇の前に着いた鮎川が生徒たちのほうを向くと、それまでのざわめきが一瞬にして静まった。

リモコンローターを入れた女教師、鮎川はゆっくりと口を開いた。

「デュエルアカデミアへの入学、おめでとうございます
 私は、保健教諭の鮎川恵美です。
 あ、あと…女の子たちの住む寮、
 オベリスクブルー女子寮の寮長でもあります」

先ほどと同じような祝辞を述べながら、
壇上から講堂を見渡して今年入学した生徒たちの姿を確認する。
ただ、大きく違っていたのは…講堂にいる生徒たちは全員男子生徒であること。

「これから3年間、勉強したり、スポーツしたり…
 そしてこれから説明することを、いっしょにしていきましょう
 そしてみんなで、充実した学園生活を送りましょうね」

その言葉に、男子生徒たちの顔が上気する。
「これから説明すること」を想像しているのだ。

「基本的な説明はすでに終わっているようですから…
 私からは補足の説明をしたいと思います」

一斉に唾を飲み込む男子生徒たち。

「男の子は女の子より優れた存在ですよね」

いきなりの断言。

「政界、財界、スポーツ界…そしてデュエル界でも主役はいつも男の子…
 歴史が証明しているように、世の中を動かしてるのは常に男の子ですよね。
 そのことからもわかるように、
 男の子は女の子より優れた存在であることは間違いありません。
 それは…男の子と女の子の身体の違いにも現れています」

コホン、と軽く咳払いをして続ける。

「赤ちゃんができると、女の子って大変なのよ…
 だんだんお腹はおっきくなって動きにくくなるし、
 それが何ヶ月も続いて、産むときはとっても苦しいの」

急に教師の口調から、女の口調になる鮎川。

「でも、あなたたち男の子は違いますよね
 何人女の子を孕ませても、苦しくも痛くもありませんし
 身重の身体になって、不自由な生活を強いられることはありません」

言いながら、にっこり笑う。

「同じ人間だというのに、男の子と女の子ではとても差が
 あるのがわかるわよね。
 でもなぜ、女の子ばかり苦しい思いをするかというと…
 女の子は男の子に従属するべき存在だと、神様が決めたからなの」

女教師は、自分が男に従属する存在であることを、生徒に説いている。

「基本的に、女の子は何をやっても男の子にはかないません…
 勉強でも、スポーツでも…もちろん、デュエルでもね。
 だから、必然的に主役になるのはいつも男の子なの。
 そんな男の子が身重の身体になって、何ヶ月も大変な思いをしちゃうと
 この世界が成り立たなくなってしまうから…
 神様が配慮して、妊娠するのは男の子より劣っている女の子にしたんでしょうね」

子供に諭すような、やさしい口調の鮎川。
だがその内容はとんでもなかった。

「だから女の子は基本的に、主役である男の子をサポートするために存在しているの
 男の子の身の回りの世話をして、子種を植え付けられて、赤ちゃんを産む…
 それが、女の子のあるべき姿なの」

口調はやさしかったが、強い意志のようなものが感じられた。

「それに…女の子が役に立てることって
 赤ちゃんを産むことくらいなの。
 だから、女の子は赤ちゃんを産むことが
 一番役に立つし、また一番幸せなことなの」

また、にっこり微笑む。
本心からそう思っているようだ。

「あなたたち男の子は、いつでも女の子を妊娠させることのできる"力"があるの
 その"力"はとてもすごいものだと思うわ。
 だって、同意のある、なしに関わらず女の子は子宮に精液を注入されちゃったら、
 どんなに嫌がっても自分の身体のなかで赤ちゃんができちゃうんですもの。
 このことからもわかるように、赤ちゃんを作るかどうかの選択権は
 女の子にはなくて、すべて男の子にあるといえるわね。
 女の子は種付けをされちゃったら、その男の子の赤ちゃんを産むしかないの」

男の生殖能力を"力"と表現する鮎川。

「それに…妊娠しちゃった女の子は身重の身体になって何ヶ月も不自由な思いをします。
 植え付けられた子種によってそうなっているから、その女の子は赤ちゃんを妊娠させた
 男の子に身体を支配されているといってもいいわね。」

女が身重の身体になるのは、男に身体を支配された証であるという鮎川。

「きっと、その力は男の子が女の子を支配するために神様がくれた"力"だと思うの
 だから、みんなはその"力"をつかって女の子を積極的に支配してあげてほしいの」

生徒は高校生になったばかりだというのに、子作りを推奨する女教師。

「できれば、初潮がはじまってすぐに子作りをして
 あとは一生孕まされ続けるのがいいんだけど…」

やや残念そうな表情で言う。
入学する女子生徒は中学を卒業しているので
初潮がはじまってからだいぶ時間がたっているからだ。
言い終わって、何かを思い出す鮎川。

「あ、そうそう…皆さんももうご存じだと思いますが
 今年の新入生にはひとり、初潮を迎えたばかりの12歳の女の子がいます」

職業高等学校であるデュエルアカデミアに、小学校を卒業してすぐ入学した少女…
早乙女レイのことである。
彼女はつい数日前、初潮を迎えたばかりなのだ。

「彼女はとても幸せだわ
 だってこれから一生、ここにいる男の子たちから
 女の幸せを与えてもらえるんですもの」

うっとりした口調で言う鮎川。
それには悪意などは微塵も感じられず、羨ましそうでもあった。


「男の子と女の子の違いの説明についてはこのくらいにして、
 そろそろこの学園のシステムについて、補足しましょうか」

うっとりした女の口調から、教師の口調に戻る鮎川。

「この学園の決まりで、
 あなたたち男の子はこの島にいるすべての女性を
 自由にする権利があります」

しっかりとした口調で言い切る。

「それは女子生徒だけじゃないわ
 女の子である以上、教師である私だってそう」

自分の下腹部に視線を落とす鮎川。
見ていた男子生徒たちもそれにつられて視線を移す。

「だから…こうしてローターをつけているの」

電池ボックスが巻き付けてあるほうの脚を開いて、
男子生徒たちによく見えるようにする。
自分が性具をつけていることを改めて主張する鮎川。

脚を開いたことで、より露わになる白い太もも。
若い美人女教師の持つ、みずみずしさの中にある大人の色香…。
やりたい盛りの男子生徒には刺激が強かったようで、
思わず前かがみになる者が続出する。

「倫理委員のお姉さんや
 購買にいるセイコさんやトメさんだってそうよ」

この島にいる女を、全て自由にできる…それは教師でも例外ではない。
「トメさん」という存在が気にはなったが、色めきたつ男子生徒たち。

「あなたたちはこの島にいる女の子すべてに
 性欲処理をお願いすることができるんだけど…
 女の子にお願いを断わられても、
 無理矢理、処理をしちゃって問題ありません」

強姦行為を「問題ない」と言い切ってしまう。

「その行為は本来であるなら
 レイプとか、強姦とかいわれて
 犯罪とされる行為なんだけど
 この島では罪に問われることはありません」

女性教諭から発せられているとは、思えないほどの過激な発言である。

「それはなぜかというと…先ほども説明したとおり、
 男の子は女の子より優れているから、という理由がひとつと、
 学園側としてはそれはデュエリストにあって然るべき
 攻撃的本能であると考えていて、
 その本能を規則で阻害するのはデュエリスト育成に
 良くないという判断があるからなの」

内容は過激であったが、つとめて事務口調の鮎川。

「性欲処理は男の子より劣る女の子が出来る数少ないコトなので
 本来なら女の子は積極的に男の子をスッキリさせてあげて
 男の子がデュエルや勉強に集中できるようにサポートしてあげるのが
 女の子の役目だと先生は思っています」

彼女は男を立てる考えのようだ。

「だから…学園で生活していてモヤモヤしたり、イヤなことがあったら
 先生や女子生徒さんたちに性欲処理をお願いしてください
 もちろん断られても、遠慮することはありません。
 …ためておくのは、身体に毒よ」

再度強姦行為を推奨する鮎川。
ただのモヤモヤを「身体に毒」と心配するあたり、完全に男性本位の立場だった。

「女の子を使っての性欲処理の目的は理解しましたか?
 次に、この島での女の子のもうひとつの存在意義、
 みんなの赤ちゃんを産むこと、について説明します」

赤ちゃんを産むことが、女の存在意義…
その言葉を鮎川の口から聞いた男子生徒たちの体温が、さらに上昇する。

「先生も含め、この島にいる女の子は
 みんなの赤ちゃんを産む義務があるの…
 それはなぜかというと、この学園に入学した生徒を
 優秀なデュエリストを育成するという目的のほかに、
 優秀なデュエリストとなったあなたたちの遺伝子をもつ
 新たなる世代の創造を行う、という目的があるからです」

ここは大事なところなのか、今まで以上にハッキリとした口調になる。

「だから女の子もあなたたちと同じようにデュエルを勉強して
 より優秀なデュエリストの遺伝子を作り出そうとしているの。
 優秀なデュエリストのパパとママから産まれる子供は、
 さらに優れたデュエリストになる可能性が高いということね」

女子生徒がデュエルを学ぶのは自分のためじゃなく、
赤ちゃんのためであるというのだ。

「あなたたちが女の子を妊娠させることの有意性は理解しましたか?
 では次に、この島の女の子の生活について補足説明します」

顔を真っ赤にしながら、無言でコクコク頷く男子生徒たち。
その反応に、にっこりと微笑みかえして、言葉を続ける鮎川。

「これから3年間、学園生活を送るにあたって、
 あなたたちとほぼ同じ修学内容を女の子も行います
 性欲処理や子作りは授業中以外でしたら、いつ行ってくださっても構いません。
 女の子の住むオベリスクブルー女子寮は一切施錠できませんから、出入りは自由です」

女の子の住む寮にいつでも出入り自由と聞いて嬉しそうに顔を見合わせる男子生徒たち。

「食事中や入浴中、就寝中でも性欲処理をするのは自由です
 この学園の規則で女の子がお手洗いに行くには男子生徒の同伴が必要ですから
 その時についでに処理するというのもいいかもしれませんね」

たしかに、女の子の排泄姿を見てしまったら、
健常な男子なら性欲処理をせずにはおれないだろう。

「授業中は、子作りをする授業でもない限りは原則的に禁止です。
 どうしても我慢できなくなった人は、講義をしている先生に申し出て、
 保健室に来てください。私が処理をしてあげます」

胸に手をあてて言う鮎川。

「あ、でも授業中といっても隣の席にいる女の子の胸や股間を触って
 愛撫する行為は特に禁止していません。
 PDAを使って女の子のリモコンローターを遠隔操作するのも大丈夫です。
 その際、女の子はどんなに気持ちよくなっても声をあげてはいけないという
 決まりがありますから、授業の妨害にはならないと思います」

この学園では、規則を受けるのは主に女子生徒だけのようだ。

「それと…女の子の食事の際には、そのとき近くにいる男子生徒さんに
 食事への射精をお願いすることがあるかもしれませんが、その場合は
 できるだけ協力をお願いします。
 食事に精液を混ぜて食べることは、精液の味に慣れるための大事な学習の一環です。
 精液の味に慣れてくると、口内射精された際に男の子の体調の変化がわかるようになります。
 これは、男の子をサポートする役割の女の子の大事な仕事のひとつなんです」

飲精行為を大事な仕事だと説く女教師。

「本校の女の子の定期試験の科目には、
 精液を飲んで誰が射精したものかを当てる試験があります。
 そのくらい、男の子の精液は女の子にとって大切なものであると思ってください」

胸に手を当て、まぶたを閉じたまま言う鮎川。
彼女にとっても、本当に大切なものであるということが伝わってくる。

「そうだ、食事の話が出たのでついでに女の子の食事について、説明しますね」

まぶたを見開く鮎川。澄んだ大きな瞳がくるくる動く。

「女の子の食事にはいくつかのお薬が入っています。
 まずひとつめは、赤ちゃんができやすくする薬と、
 あとは、痛みに強くなる薬、
 そして最後に、筋力の弱くなる薬」

医学用語ではなく、わかりやすくかみ砕いて説明する鮎川。
このあたりはさすが、保健教諭である。

「赤ちゃんができやすくする薬は、膣内射精された際に
 受精しやすくするためですね。
 なるべく、女の子には妊娠していてほしいというのが我が校の理念ですから」

まるでそれが当然のように言う。

「痛みに強くなる薬…女の子は生理や出産などがありますから
 男の子より痛みには強いとされていますが、
 それ以上の苦痛を女の子に強いることで性的欲求をみたす男の子もいます」

やや苦笑いの表情を浮かべる鮎川。
何かを思い出しているのだろうか。

「そういった男の子の衝動を、先ほども説明したとおり本校は制限しません。
 女の子はその衝動を全て受け止める義務があります。
 だから、そのときに体調を崩さないためのお薬ね」

ここにきてようやく、女性を気遣う言葉が出てきた。

「それとは別に、簡単に気を失ったりしないようにするための
 気付け薬は本校から定期的に男の子全員に配布されますから、
 状況に応じて女の子に飲ませてあげてください」

これは男子生徒がその気になれば、
女性が気を失うことも許されないような状態で
"性欲処理"をすることも可能だということである。

「最後の筋力の弱くなる薬は、服用していると
 走るのが遅くなって、力も弱くなる薬です」

排卵誘発剤に気付け薬、筋肉収縮剤…
この島では女性の人権は皆無といっていいようだ。

「走るのが遅くなるのは、女の子が逃げたときに
 簡単に追いつけるようにするためです。
 一番足の速い女の子でも、男の子はマラソンくらいの走り方くらいで
 追いつくことができるようになるかしら」

この島の女性は、意識を失うこともできなければ、
逃げ出すことさえも許されていないというのだ。

「筋力が弱くなるのは、もし女の子が抵抗した際に
 男の子が怪我などをしないようにするためと、
 あと、男の子がより簡単に
 性欲処理や子作りができるようにするためです」

これも完全に、男性本位の理由である。

「男の子の力だったら、片手だけで簡単に
 女の子を押さえ込めるようになるかしら」

ひとさしゆびを唇の下にあてて、思い出すような仕草をする。

「そういえばさっき、女の子を妊娠させることを先生は
 "支配"といいましたよね?
 その他にもこの学園では男の子が力づくで女の子に性行為を強要することを
 "制圧"と呼んでるんだけど…
 慣れてくると女の子3人をいちどに"制圧"する男の子もいるわね」

本来はレイプやら強姦やらの言葉で表される行為を"制圧"と言い換える鮎川。

「女の子3人を押さえつけたまま、ひとりづつ順番に子種を植え付けて、
 まとめて3人とも妊娠させちゃうんだけど…
 それができるくらい、男の子と女の子の間には力の差がでてくるの」

まるで女性をモノのように扱う行為を許してしまうほど、
力の差ができてしまうというのだ。

「先生もよく保健室のベッドの上で、男の子から"制圧"されちゃいます。
 がんばって抵抗してみても、全然ダメね…
 まるで子供をあやすみたいに簡単に押さえつけられちゃうの」

女教師のレイプ告白も驚きに値することだったが、
この非人道的な食事をとっている事実に、男子生徒の間に衝撃が走る。

「あら…驚いた?
 私もこの島の女の子だもの…みんなと同じ食事をとっているわ
 それに、私も男の子から同じ扱いをされたいし、ね」

言いながら、悪戯っぽく微笑む女教師は…たまらなく淫靡であった。


「食事のほかに、この島の女の子にはいくつかの
 健康管理がなされています
 すでに説明があったと思うけど、つぎはそれを補足説明しますね」

淫靡な女教師は、ふたたび説明を続ける。

「女の子は定期的に健康診断を受けます
 これは体調の管理と、排卵日の調査、あとは受精の検査ね」

ここは自分の専門分野とばかり、説明のテンションも高くなる。

「ここで検査された内容はみなさんが持っているPDAで
 見ることができます」

その言葉で、支給されたPDAを取り出し眺める男子生徒たち。

「PDAには女の子の生年月日や身長や体重、
 スリーサイズや足のサイズ…
 家族構成や病歴、学校の成績、アルバムの写真、
 過去に書いた日記や手紙、
 好きなものから苦手なもの、
 ファーストキスの日や生理の周期、
 膣や子宮の形状が目視できる女性器の内視鏡写真まで
 女の子の肉体や精神に関するほぼ全ての情報が
 見ることができるの」

この島での女性にはプライバシーというものが一切許されていないらしい。
自分を構成する全ての情報…なかには誰にも知られたくない事柄ですらも
この小型端末をいじるだけで簡単に知られてしまうのだ。

「…じゃあ、そうね、試しに先生のことを調べてみてください」

その一言で一斉にPDAをいじりはじめる男子生徒たち。
検索の結果…女教師、鮎川恵美の全てが白日の元に晒される。
その衝撃的内容に、PDAを眺めていた男子生徒の顔が耳まで赤くなる。

まるで裸体を見られたかのように、ポッと頬を染める鮎川。
事実、裸体を見られるよりずっと恥ずかしい内容がそこには書かれているのだ。

「うふふ…では説明を続けます」

はにかみ笑いをしながら続ける。

「定期検診によって妊娠が確認された女の子は、
 出産するまでの間、
 パパとなった男子生徒の専属となります」

ここにきて"専属"という言葉が登場する。

「妊娠した女の子にはパパの名前が教えられて、
 この首輪を渡されます」

言いながらその首輪を取り出して掲げる鮎川。
青色のそれは一切の飾り気がなく、おしゃれでつけるチョーカーというよりも
明らかにドッグベルト…犬用の首輪であった。

首輪にはヒモとプレートがつけられており、プレートには
ひらがなで「えみ」と刻印されていた。
これはこの女教師…鮎川恵美自身が妊娠したとき用の首輪なのだろうか。

「女の子は首輪をもってパパになった男子生徒のところに行って
 妊娠の報告をするの」

首輪をもった女の子から妊娠の告白をされる…
淫靡かつ異常な光景である。

「パパになった男子生徒は、受け取った首輪を女の子につけて
 出産までの間、飼ってあげてください」

とんでもないことをさらりと言う鮎川。
これはさすがに聞き間違いだろうと耳を凝らす男子生徒たち。

「首輪にはヒモがついてるから、これで引っ張ってあげてね」

掲げた首輪についたヒモを引っ張ってみせる女教師。
どうやら聞き間違いではなかったようだ。

「飼われた女の子は、出産の直前まで
 飼い主の男の子と24時間、
 ずっとつきっきりで一緒に生活して
 男の子の身のまわりの世話を専属ですることになるの」

男子生徒たちの動揺に、わずかに微笑みながら説明を続ける。

「なぜそんなことをするかというと…
 まず、自分に赤ちゃんを授けてくれた男の子に対する感謝の気持ちを
 出産までの間、ご奉仕するということで表しているの」

胸に手を当て、感謝しているようなジェスチャーをとる鮎川。

「あとは、自分の子種の力によって妊娠させた女の子は
 自分のモノになったいわば "戦利品" みたいなものだから、
 首輪をつけて連れ歩くことにより
 "この女の子は自分に孕まされて、自分のモノになりました"
 ということをまわりにアピールする効果もあるの」

女という存在を"モノ"よばわりする女教師。

「特に元気な男の子になると…
 いちどに3人くらいの女の子に首輪をつけて飼ってる場合もあるわよ」

わずかだが、女教師の表情に恍惚が混じる。
飼われた3人の女のうちの、1人だったのだろうか。

「それに妊娠という状態はね…
 女の子にとって、自分は男の子によって支配されるべき存在である
 というのを再認識するための大事な期間でもあるの」

やや真面目な口調に戻る。

「子種を植え付けられた女の子は望む、望まないに関わらず
 著しい体調の変化が起こります。
 その自分の身体が変化していくのは、誰の手によって引き起こされたものか…
 パパになった男の子の顔を思い浮かべて、10ヶ月もの間、苦しい思いをするの…
 そのなかで、自分の身体は男の子によって支配されているということがわかるようになるの」

女は妊娠を通して、男に支配される生き物であるということを理解するというのだ。

「自分を支配する人の側につき従って、尽くすのはペットとして当然のことよね」

ついに"ペット"とまで言い放つ鮎川。
まるで、そうするのが人間としての常識、であるかのような口調で。

その言葉に、ついに男子生徒たちの瞳に嗜虐の炎が宿る。
講堂内は静まりかえっていたが、異様な雰囲気に包まれていた。

鮎川は、自分の身体に集まるサディズムな視線を確かに感じていた。
露出過多な服装、さらには遠隔ローターを身につけた痴女のようないでたちの女教師の身体に、
男子生徒たちのぎらつく視線がからみつく。

きっと、自分を見つめる全ての男子生徒の想像のなかで、飼われている。
受胎により、ぽっこりと突き出たおなかを隠すことも許されず、
首輪をつけられ、引きまわされ、学園中の晒し者にされている。

「あ…」
女教師の身体がゾクッ、ゾクッと僅かに震える。

薄ピンクのミニスカートから見える白い太ももの間から、
透明な液がひとすじ、ゆっくりと伝った。