「ねえねえ、ユウ君。今日は何でやるの?」
 僕の彼女であるリサが、風呂上がりの体にバスタオルを巻いてベッドに座って尋ねてきた。
「そうだなあ、最近触手ものってやってないよね」
「ああ、そうね。それじゃそれでいこっか」
「それじゃ、こっち向いて、リサ」
 彼女のそばに座って用意を始めた。これから僕は、彼女に催眠術をかける。初めてのことではなく、今まで何度も行ってきたのだ。別に悪いことに使っているわけではなく、お互い同意の上でのことだ。



 僕が催眠術を習得したのは全くの偶然だった。たまたまリサと一緒に見ていたテレビ番組でアイドルタレントに催眠術をかけられていた。そのアイドルはちょっとエッチな行為や発言をさせられ、後で術を解かれた後にばらされて恥ずかしがる、という内容の番組だったが、僕もリサも結構興味を持った。見よう見まねでリサに催眠術を試してみると、なんと一回目で成功してしまった。
 僕の言うことを何でも聞いた。彼女が僕を騙しているのかと疑い、卑猥なことも要求したが、戸惑ったり顔を赤らめたりすることもなく、即座に実行してくれた。後でリサに確かめてみると、全然記憶に無いらしい。
 もう一回、ビデオに撮りながら術をかけて、それを後で彼女に見せると
「乙女に何て事させてるのよぉ」
 と怒られた。
 その後、彼女以外にも試してみようと職場の同僚や友人にかけてみたが、全くかからなかった。
 結局みんなに馬鹿にされたのだが、オカルトものに詳しい知人が教えてくれたのは、リサが僕に対して全く疑念が無く、信頼してるからあっさり催眠術にかかったんじゃないかっていうことだった。
 そのことをリサに話すと、「へぇ〜、そういうものなのかなあ」と言ってから、僕に体をすり寄せて、
「ねえ、もう私にはエッチな催眠術かけてくれないの?」とねだってきた。
 それから、僕たち二人の性生活に催眠術が加わった。



「どうしたの? 早く始めましょ?」
 リサが栗色のショートヘアに包まれた小さな頭を傾げて、僕に誘いかけてきた。
「ああ、ごめんごめん。それじゃ、この指をじっと見て・・・」
 催眠術の詳細は一応秘密。悪用する人が出てくるとマズいし。
「あなたはスーッと眠っていきます。そのまま気持ちよく眠りに入ります。そして僕が手を三回叩くまで眼を覚ましません」
 リサが眠りに落ちた。小柄な体をバスタオルに包み(もちろんその下は全裸!)、ベッドに横たわってる。さあ、これから彼女は触手を持ったエロ妖怪(もちろん僕!)に滅茶苦茶に犯されることになる。

「ふっふっふ、よく眠ってるな。リサ」
 少し低めの声音でリサの耳元で話しかける。
「これからお前は、この何本もある触手でレイプされるのだ」
 リサが少し身をよじる。そりゃそうだ、触手に犯されるのを嫌がらない女の子なんていないだろう。
「ふふっ、逃げても無駄だ。お前の両手と両足はすでに捕まえているからな」
 こういうとリサの抵抗が弱くなる。暗示ってスゴいね。
「さて、お前の綺麗な体を見せてもらおうか」
 そう言いながらバスタオルをめくる。何十回、いや何百回と見てきたが、やっぱりリサの体は綺麗だ。全体的に白い肌。小ぶりだが形の良いオッパイ。くびれた腰に少し肉の付いたお尻。太くも細くもない太股にスッと伸びるふくらはぎ。いかんいかん、ついつい見とれてしまった。陵辱陵辱っと。
「いい体をしているな。おいしそうだ。これから好き勝手にいたぶってやるから覚悟しろよ」
 リサの二つの乳房を両手で鷲掴みにしながら、口に含んでしゃぶりまくった。乳首を舌で転がし、唇で挟む。リサは目を閉じたまま少し身もだえし始めた。なかなかいい調子だ。そのまま数分間続けた。
「なかなかいい味だな。だがこれからだぞ」
 そのまま乳首を指ではじき続けながら、リサの首筋から顔をくまなく舐める。なんせ触手だからな。ベトベトにしないと臨場感が出ないし、彼女の催眠にも影響するかも知れないからな。だからといってずっと舐め続けるわけにはいかない(唾液は枯れるし舌も攣る!)ので、水で薄めたローションを用意している。これを舌でねぶった後に塗りつけて触手が分泌する液体っぽくしている。
「ん……あぁ、いゃぁ」

 少し声が出始めた。快感に支配され始めた証拠だ。僕はさらに彼女の体を侵略していった。両脇、腰、ヘソ、太股などを口と手とローションで責めまくった。そして最後にメインディッシュ。乙女の秘部に到達した。
「これからお前の一番大事な部分を味わってやるぞ」
 そう言って僕はリサのオマンコに手を這わせた。傷つけないように優しく、それでいて快感を与えるように十本の指をくねらせて刺激した。
「ああっ! ああん、いやぁ……」
 これをやるとリサはかなり効くようだ。やってる僕の指はマジで攣りそうになるんだが、確かにこれが一番触手っぽいかも。でもそろそろ疲れてきたので今度はクンニで責める。唇と舌で大陰唇から少しずつ中心に向かって進んでいく。まるでじらしているかのようにゆっくりと。その間、両手は太股に這わせたり、乳房を揉んだり、腰を撫でたりとリサの全身を休む間もなく攻略する。
「ひあぁ……ダメェ……。うん……」
 リサの口からあえぎ声が継続的に出るようになってきた。もう彼女の脳内は触手を何本も持った怪物に全身をいたぶられている妄想でいっぱいのはずだ。勢いに乗って舌を彼女の膣内に挿入した。リサはビクッと腰を浮かせてのけぞった。そのまま舌を上下左右に動かして彼女の中を味わい続けた。ここにはローションを使っていないのに、どんどん愛液が溢れてくるのでビチョビチョだ。
「はあぁ……いやぁ……ああぁ……」
 色白の首を伸ばしながらリサがあえぐ。ますます調子に乗った僕は両手にローションをたっぷり付けてもう一回触手の動きでオマンコをいたぶる。しばらくそうやって愛撫を続けた後、いよいよ本題だ。
「どうだ、人間では味わえない快楽だろう。これでもうお前はこの触手の虜だ」
「ああ……いや……そんな……」
「喜べ、これからお前の胎内に私の精液を注入してやる。一番太い触手でな」
「いやあ……だめ……だめ……」
「許さん。お前は妖怪の子供を孕むのだ!」
 すでに限界まで勃起した肉棒をリサの膣に挿入した。ローションと愛液でグチョグチョになった内部はゆっくりとうごめきながら僕のペニスにまとわりついてきた。
「ああっ! ダメェ!」
 ひときわ大きな声を出してリサが体をよじった。しかし催眠で両手両足を縛られている暗示にかかっているので、逃げることはない。じっくりと膣内を味わいながら、腰を前後に動かしていく。
 グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ
 ペニスがヴァギナに出入りするたびに湿った音が部屋に響く。正上位のまま覆い被さって、リサにキスをする。舌を出し入れしながら手でも乳をまさぐる。
「んん……ぷはっ、ああ……」
 律動と愛撫の両方をしばらく続け、リサが何度もエクスタシーに達したのを確認してから、さらにリサに話しかけた。
「ふふふ、良く感じているな。淫乱な女だ」
「いやぁ、そんなこと……」
「いや、お前はスケベな女だ。触手で感じる変態だ」
「いや……ああぁ」
「そんな変態女にプレゼントだ。私の子種を注入してやる」
「ダメェ……そんなことしたら……」
「そうだ、お前は妖怪の子供を妊娠するのだ。怪物を産むのだ」
 そう言いながら僕は腰の動きを速くする。言葉責めしている僕の方が快感が高まってしまった。早くこの中に出したい。
「ダメ……赤ちゃん……いや……」
「ダメだ。もうすぐ子宮めがけて射精してやる。それでお前は孕むのだ」
「いや……いや……」
「いくぞ、リサ! 触手の精液をたっぷり味わえ!」
 リサの耳元で叫びながら、僕はリサの細い腰を両手で掴んで膣内射精した。
 ドプッ! ドプッ! ドプッ! ドプッ! ドプッ!
 気が遠くなりそうなほど強い勢いで子種を彼女の子宮めがけて放出した。
「あああああ! いやあああ!」
 リサが絶叫する。涙も流している。そりゃ触手に中出しされたら嫌だよな。
「ふっふっふ、これでお前は間違いなく妊娠したぞ」
「いやあ……いや……いや……」
 リサは首を左右に振りながら拒絶するが、中出しされた事実は変わらない。

 もうこの辺で良いかな。リサから体を離して見てみると、彼女は全身ローションまみれで、顔は涙とヨダレでぐちゃぐちゃだし。僕も相当疲れた。リサを起こすことにしよう。
「あなたは僕が手を三回叩くと目を覚まします」
 パン! パン! パン!
 リサがゆっくりと目を開ける。蛍光灯の灯りが眩しそうだ。
「あ……あれ……、ユウ君?」
 いつものことだが、催眠から覚めた直後は状況がすぐには理解できないらしい。
「大丈夫? リサ」
 リサの頭を撫でながら、バスタオルで彼女の体を優しく拭いてやる。
「あ、そうか。私、催眠術かけてもらったんだよね……」
 リサもかなり疲れているようだ。
「どうだった? 気持ちよかった?」
「良く覚えてないけど、すごく気持ちよかった感じが残ってる」
「シャワー浴びる?」
「うん……? あ、ダメ。力が入んない……」
「動けない?」
「うん。ごめんなさい、このままで良い」
 そう言いながらリサは目を閉じて眠たそうだ。体を拭き終わったのでリサに腕枕をして胸元に頭を抱き寄せ、髪を撫でながらキスをした。
「それじゃ、このままでオヤスミ」
 リサはすぐに気持ちよさそうに寝息を立てて眠ってしまった。僕も眠たくなったのでそのまま寝ることにした。



 電気を消した部屋の中でムクリと起き上がる小さな影があった。ベッドから静かに降りた影は、音を立てずに部屋の端にあるキッチンに近付き、少し手を伸ばしてコップに水を入れて飲んだ。
 小柄な人影は、ぐっすり眠っている男を見ながら呟いた。
「こういうのも催眠術って言うのかしらね。気持ちいいからどっちでも良いけど」

         =====おわり=====