「あ、あなた、何をする気なの!?」
おもむろにズボンとパンツを脱ぎ、いきり立った筆棒をさらけ出した僕の姿を見て彼女は驚愕の声を上げる。
澄ました表情の仮面が剥がれ、大きく見開かれた瞳に愛らしさを感じてしまう。
彼女は原稿少女、古来より多くの文豪の作品を産み出してきた日本文学の陰の立役者だ。
ただ作品を産み出すのみならず、作者の相談の相手はもちろん、執筆期間中は寝食を共にして作家を手助けしてきたという。
普段PCでしか文章を書かない僕はちょっと趣向を変えてみようと思い立ち、今日、本屋で原稿少女を初めて買ったのだ。



文房具コーナーで初めて目にした彼女は僕の理想を具現化したような姿だった。
ボーイッシュに短く切り揃えられた黒髪、赤く縁取られた眼鏡の奥のやや目尻を吊り上げた瞳、ツンと尖った小振りな鼻梁
肢体はブラウンとホワイトのチェック柄のブラウス、同じくブラウンとブラックのチェック柄のミニスカートなどで覆われている。
家への帰り道で彼女の容姿について聞くと、原稿少女は書き手が強く想う姿をかたどって出現するそうだ。
僕の理想とする「少し年下の真面目で勝気な娘」の姿を模したらこの容姿になったという。

「あなたの作品執筆、この身をもって手助けしてあげる。どうぞよろしくね!」

朱鷺色の口唇を開き、そう笑顔で挨拶してくれた彼女はとても可愛らしく見えた。
数時間後、僕の手で汚されることを知らずに……

どう挨拶に答えていいのかわからず固まっている僕を、しばらく見つめていた彼女はスッと右腕を差し出して、僕の左の掌をギュッと握る。
彼女の手を取ってレジに向かう途中、僕のもう片方の手に視線を向けた彼女は苦笑しながら話しかけてきた。
「そんなの買わなくてもいいのに、あなたの思い通りに書いてくれればいいのよ。細かいルールは私が教えてあげるから。」
ちなみに僕のもう一方の手には「原稿用紙の書き方講座」という本が握られていた。

家につき、彼女は僕の部屋に入った途端眉をひそめた。
普通の女性が僕の部屋を目にしたら、とんでもなく散らかった光景から不快感を覚えると思うけど原稿少女は違った。
彼女は部屋の本棚にまず目をやって、その結果眉をひそめたのだ。
期待を裏切ってごめんね、僕が7割が漫画の単行本(2割のエロ漫画本含む)、3割がライトノベル(1割の二次元ドリーム、美少女文庫を含む)
で構成される本棚の持ち主で。
ムスッとした表情のまま彼女はベッドに腰を下ろす。
「あなた、何を書きたいの?学生って年齢に見えるからレポート?」
心なしか口調もぶっきらぼうになっている。
「あっ!う、うん。」
大学浪人からニートにジョブチェンジした僕には無縁の言葉だが、誤魔化そうと思い慌てて答える。
この時までは深夜、彼女が寝静まってから事をなそうと考えていたのだ。だが

「そう、テーマは何?期限はいつまで?……もういいわ、課題の指示書見せてくれない?」
矢継ぎ早に飛び出す質問に何も答えられない。
「構成を考えて参考文献は揃えてあるの?ってこの本棚からすると無さそうね。明日私と図書館に行きましょう。」
バカにしている口調だが、その奥にある執筆に対する真摯な姿勢も感じる。
「じゃあ、早く指示書見せて。今晩中に構成の下書きとここで出来る下調べを一緒にやろう!」
もう我慢できない。
こんなに真面目で優しい娘を穢してしまいたい欲望に僕の執筆意欲はムラムラと燃え上がった!

「明日までに書き上げてエロパロ板に投稿しようと思っているんだ。」
「えっ!?……レポートじゃないの?」
僕はこれから為そうとする事を告げ、彼女の問いにコクリと頷いて答える。
「その、『えろぱろいた』っていうのは同人誌か何か?」
真面目そうな彼女の口から同人誌という言葉が出てびっくりする。だがどうも同じ言葉でも認識している意味が異なるようだ。
「その同人誌のジャンルは何?純文学?それとも詩?短歌?」
打って変わって高揚を抑えきれず、楽しそうな笑みを浮かべた表情で問いかけて来る原稿少女。

「…エロパロ板っていうのはインターネット上の掲示板の一つなんだ。」
わくわくした気持ちが抑えられないのは僕だってそうだ。どうにか抑えて落ち着いた声を出す。
よく意味がわからないのかキョトンとしている彼女に言葉を続ける。
「そこで僕は義妹物を投稿しようと思っていたんだ。君みたいな姿の生意気な妹を兄が犯すっていうSSさ。
でも君と触れ合ってみてSSのテーマを変えることにしたよ。童顔な家庭教師を教え子がレイプするってSSにね。
今の僕らの状況にピッタリじゃないか!」
そう言い放った僕はもう我慢できず、ズボンとパンツを脱ぎ捨てて彼女に迫る。


「あ、あなた、何をする気なの!?」
ベッドに手をついて後ずさりする彼女、だが扉は僕の背後だ。彼女には逃げ場は無い。
目を見開き、怯えた表情の彼女の問いに答える。
「決まってるじゃないか!君にエロSSを産み出してもらうんだよ!」
叫びと共に原稿少女に飛びかかる僕。
「いやぁぁぁ!やめてええ!そんなのチラシの裏に書きなさいよぉ!」
彼女の胸に頭を乗せて組み伏せる。自由な両腕で僕の身体を退けようとするけど所詮は文学系少女、男の力に敵う筈が無い。
「何だ!原稿少女の癖に作品を選り好みするのか!エロだって立派な文学だぁ!」
彼女の叫び声に負けず怒鳴り散らす僕。
初めて年頃の女性の身体に触れ、特に顔のすぐ近くに荒く上下する胸の膨らみがあり欲望がますます燃え上がる。
胸の谷間に顔を埋めると、さほど大きくは無いが青い蕾のような固さを持った肉の膨らみが両側から僕の頬を擦る。
僕の鼻腔には甘ったるい香りが流れ込みこのまま胸枕に浸っていたかったが、そうはいかない!僕は執筆をしなければならないんだ!

彼女のスカートに手をかけ、一気に膝の上まで引きずり下ろす。
そして現れたのは真っ赤なパンツとその下の白磁のような輝きを見せる絶対領域、そして漆黒のニーハイソックスだった。
「真面目な顔して原色の赤色なんて凄い下着だね!でもこの脚の彩る色のアンバランスさ、とてもエロチックだよ。」
「いやぁ、見ないで……」
弱々しい彼女の声を無視しそのパンツもずり下ろすと、とうとう生意気少女の秘部が僕の目に飛び込んできた。
短く楚々とした秘毛の茂み、その隙間から見える淡い朱色の淫唇が僕のペンを誘う。
荒い息をつき、武者震いが止まらない僕はさっそく右手を添えて筆棒を朱唇に押し当てる。
「えっ!ちょっと待ってよぉ!」
「止めないよ。もう観念しなよ。」
静止の喚き声を上げる原稿少女に優しく声をかけたが
「いや、そうじゃないの!せめて入れる前に指で私を弄くって、ちょっとでもいいから濡らして欲しいのよ。書く前に調べ物を済ませて
プロットを考えるって下準備を整えないといい作品を産むことは出来ないわ!」
こうなってもまだ教えを説く彼女、いいかげん面倒になってきた。
「うるさいなっ!たかが紙の癖に何説教しやがる。お前は俺の筆どおりに作品を産めばいいんだよ!」
そう怒鳴り、そのままの勢いで筆を突き入れる。
「ま、待って、はなしを、いっ!?いややあああぁぁあああ!!」

誰の手にも触れられたことが無いまっさらな原稿用紙に、とうとう今、一筆が振るわれたのだった。

「いっ!うぁ!いたあぃっ!ひっ!」
彼女の秘所は気を抜くと切り傷を負ってしまう紙のような硬さを持っていた。
処女膜を破ったあとも、淫らな肉によって僕の筆棒全体が締め付けられる。
だが、その刺激に負けることなくさらさらとした紙に万年筆のインクを走らせるように、彼女の処女の証の血潮に濡れた僕の肉棒
を再び、三度と突き入れる。
原稿少女の顔に視線を向けると、彼女は瞳をギュッと堅く閉じ、口唇を噛み締めながら執筆の痛みに耐えていた。
僕のペンの動きに合わせて彼女は苦悶の呻き声を上げるが知ったこっちゃ無い。僕は想像を形にする喜びで胸がいっぱいだった!
突き入れるたびに1行、1行と頭の中の想像が文章に纏められていく。

ハイペースで執筆していく僕はあっという間に20行、原稿用紙一枚分の文章を纏める事が出来た。
あとはペンに溢れんばかりに詰まったインクを彼女に放つことで、原稿用紙に書き入れられることになるのだ。だがそこで
「ま、ま…って…」
と原稿少女がかすれ声を上げた。
「お、おね…がい、しま…す。……放出する…ま、えにもう一度考えなおして……それで…い、いいか……校正を…」
顔に目をやった僕に、眼鏡の奥の涙で潤ませた瞳を向けた彼女は途切れ途切れの哀願を語りかける。
「うるさいなぁ!クライマックスを邪魔するなよ!」
「ひっ、いいいぃぃああああぁぁぁ!」
一際大きくペンを突き入れ、中の白インクをペン先から彼女の膣、誰にも汚されたことが無いまっさらな紙の上に迸らせた。



「あっ………うううぅぅ……ひぃぃ……うぁ…」
風呂に入り、身を清めた僕が部屋へ戻ろうとするとドアの向こうから呻き声が漏れてくる。
一枚を完成させた後も僕の執筆活動は続き、原稿用紙八枚から成る短編SSを書き上げることが出来た。
そして僕は原稿少女が作品の出産に突入するまで少し休息をとることにしたのだった。

「あがぁっ、ああああぁぁぁあ!」
ドアを開けるとより甲高い悲鳴が僕の耳に飛び込んできた。
その声の主は僕のベッドの上で肢体を身悶えさせる原稿少女だ。
皺がよったシーツが彼女の苦しみの激しさを物語っている。
彼女の苦悶の原因、それは仰向けに横たわる彼女のお腹が示していた。
キュッと引き締まっていた腹筋は無残に崩れ、大きく膨れたお腹が天に突き出していたのだ。
そのお腹の中に宿る物、それは僕の筆と彼女の紙の交わりの結晶である原稿用紙八枚分のエロSSなのだ。

彼女に近寄ると、汗の香り、そして濃密な女の匂いがムッと鼻を犯す。
横に腰掛け、見下ろす様な形を取る僕を原稿少女の薄っすらと開けた瞳が捕える。
「…ぉ…ぇ……ぃ」
「えっ!?なに?」
彼女の口唇が僅かに動いたが、僕の耳までは届かなかった。
「あっ、ぐうっ!…ぉね、がい……はっ、離れないで……うぅっ…そばに、いてほしいの……」
「う、うん。頑張れ、もうすぐだよ!」
弱々しい声の響き、くしゃくしゃに歪めた顔、涙と汗が滴る白磁の頬。
その姿に庇護欲が動かされた僕は、彼女の左掌を両手に握り締め励ましを返す。
「はぅ……うっ!?うぐぐぐうううぅ!」
僕の返事を聞きフッと穏やかな顔を見せた原稿少女だったが、いきなり激しい悶え声を叫ぶ。
心と共に、肢体の緊張も緩んだことでいっそう出産への動きが活発になったのだろう。
彼女の下半身に視線を向けると、股の間のシーツはびしょびしょに濡れている。おそらく破水が済んだのだろうか?
女性の出産、ましてやエロSSを産み出す行為について全く無知な自分はただ彼女の手を握ることしか出来なかった。

「あがぁぁぁああああ!」
原稿少女の苦悶の声を聞き続けることしばらく、一際大きな彼女の叫びが耳をつんざいた。
同じ瞬間、もう一つニュポというような滑った音も耳に入る。
その音がした彼女の股の方に目をやると、そこには羊水や尿で濡れた黒い丸筒がシーツの上に産み落とされていた。
筒を手に取り、蓋を取るとそこには何枚もの原稿用紙が丸めて詰められている。
その原稿用紙を広げ目を通した僕の心に歓喜が走った。
僕と彼女の共同制作の賜物、エロSSがとうとう形になり今、目の前に現れたのだ。

「ねぇ!見て!これを読んで!」
出産の余韻で荒々しく息をつく原稿少女の目の前に原稿用紙を掲げる。
虚ろに目をさ迷わせる彼女だったが、その原稿用紙を見とめると瞳に光が戻り一気に文字を追い始める。
彼女の瞳の動きに合わせて原稿用紙をめくる僕、そしては最後の用紙、最終行まで視線は動ききった。
「……ど、どうだった?」
呼吸が落ち着いた彼女の顔には何の表情も浮かんでいない、恐る恐るたずねる僕。
「……とっても良かったよ。あなたとわたしの作品だもん、いい作品に決まってるでしょ!」
我慢していた喜びを押し出すような満面の笑みを浮かべて答える原稿少女。
表情には「チラシの裏」とバカにしていたエロSSへの感情が消え失せ、純粋に作品を産み出した喜びだけが感じられた。
その笑顔に惹かれ、僕は彼女の上に覆いかぶさって顔を下げていく。
ちょっと驚きの表情を見せた原稿少女だったが、僕の意図に気づいたのか穏やかな笑みを浮かべ瞳を閉じる。
そして口唇を重ねる僕と彼女、努力の成果である汗や涙の塩気が彼女の口唇に触れた僕の舌を刺す。

作品を産み出した喜びと心地よい疲労感が肢体を包み、いつまでも穏やかなまどろみに僕たちは浸っていた。



ネタ元レス
125 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/06/22(日) 22:44:50 ID:AphcEjZp
俺はいつもベッドの脇にメモ帳を置いてるぞ。


「ネタを書き溜めていつか小説家になるんだ!」


そして早10年以上経ってるが未だに作品を書いたことありませんが何か?