「「「アンコール! アンコール! アンコール!」」」
 ライブ会場に詰めかけた1万人の観客から、最後の歌を求める声が飛んだ。
 それに応じて出てきたお目当てのアイドルの姿を見て、さらに歓声は高くなった。
「「「うおおおおおおおおおお!!!!!」」」
 15歳でデビューして以来、何十回こういう場面に出くわしてきてもまだ慣れないのか、
当年とって17歳の美少女は顔を赤らめながら舞台袖から現れた。
「「「ミリアー!」」」
 ミリアと呼ばれた少女は、最後の衣装替えを済ませ、ノースリーブの白いワンピース姿で出てきた。
スリムな体に豊満なバストが盛り上がって見える扇情的な衣装だった。額や首筋には汗がにじんでいるが、
トレードマークである長い黒髪には乱れもなく、きりっとした目鼻もナチュラルメイクのままだった。
「えー、みなさん。今日は本当にありがとうございました。これで今日のライブ最後の曲になります。
その前にちょっとだけ、私からみなさんにお話したいことがあるんです」
 今までのライブでは一度もなかった展開に、彼女のコアなファン達は戸惑った。その緊張を感じ取ったのか、
マイクを左手に持ったミリアは右手を振って言った。
「あっ、別にそんな緊張しなくて良いですよ。やだなあ、何も引退宣言するとかじゃないですからw」
 おどけたアイドルの様子を見て、客席の緊張もほぐれたのかちらほら笑顔が見えた。
「じゃあ、言いますよ。実は・・・、私、結婚したんです!」

「「「・・・・・・」」」

「あれっ? 反応薄いなあ。ほら、もっとこう、なんていうか、ええーっとかおおーとかあるでしょ?」
 もちろんファン達は反応が薄いわけではなく、衝撃の告白に固まっただけだったのだが、
それに気が付かない少女はさらに爆弾を投下した。
「うーん、仕方がない。これも言っちゃいますか。実は私、妊娠してるんです!」

「「「・・・・・・はぁ?!?!?!」」」

 生活の全てを捧げてきた偶像の妊娠告白によって、客席は完全に沈黙した。
「妊娠三ヶ月なんですけど、今、本当に幸せなんですよー」
 静かではあるがみんな自分を観ていることに満足したミリアは、そのまま話を続けた。

「ああ、そうそう。旦那様のことなんですけど、きゃっ、旦那様なんて言っちゃった、えへへ。
でね、その旦那様はこの業界の人じゃないんで公表は出来ないんです。その代わり、夫婦生活のことについて話しますね。
えーと、まずは朝、彼の腕枕の上で目覚めたら、どちらからともなくチューします。いやあ、ラブラブですねえ。
そんでね、彼のおチンポが朝勃ちでバキバキになってるからお口で処理します。
処理って言葉、なんか私が道具になったみたいでエロいですねえ。フェラチオのことですよ。
もちろん出されたザーメンは全部飲みます。それからまだまだ元気な旦那様のおチンポで犯されます。当然中出しです。
朝イチのエッチってすがすがしいですよね」
 無邪気な笑顔で同意を求めるが、観客は全くの無反応だった。
「朝ご飯は普通に食べます。イチャイチャしたいのはやまやまなんですが、食事時にそんなことするのはダメですよね。
将来生まれてくる子供の教育にも良くないですしね。で、それから私も彼も仕事に出ます。
玄関先でさよならのキスをするんですが、だいたいそれだけでは治まらないですね。
やっぱりお口かオマンコに出してもらいます。服にぶっかけられると着替えのために遅刻しちゃいますからw」
 日々の爛れた性生活を赤裸々に告白しているうちに徐々に肌が上気していくが、ミリアの言葉は止まることなくファンの耳に届き続けた。
「帰宅するのはだいたい私の方が遅いんですけど、帰ってきたらやっぱりお帰りのキスですね。
さっきも言いましたが、やっぱりそれだけでは治まらないで一発、やっちゃいますね。
我ながら、ホント、ケダモノだと思いますよ。まあ新婚さんだからしょうがないですよね。
それから晩ご飯。もちろんエッチなことは無しですよ。で、ゆっくりくつろいでから、一緒にお風呂。
これも新婚さんの定番ですよね。洗いっこしたり、湯船でイチャイチャしたり。あっ、それ以上のことはしてませんよ。
以前、やってたら二人とものぼせちゃったことがあったんで。」
 舞台を左右に歩きながら、ファンを絶望の淵から地獄に落とし続けるミリア。
「そんで、ついに夜のお仕事の時間です。今は妊娠中なので旦那様は私の体を気遣ってるので、
私のオマンコには一回しか射精してくれません。ですので、最近はフェラやパイズリで出してもらうことが多いです。
あはは、私一日何回飲んでるんだろ。孕む前は凄かったんですよ、彼。もう毎日毎晩ドバドバ膣内射精しまくってて。
彼専用の精液便所って感じでしたね。まあそんなこんなでお互いに抱き合ったまま眠ります。
愛する人の体温や匂いに包まれたまま眼をつむるとホント幸せだなーって気持ちになりますね。
えっ、何スタッフ。ああ、もう時間なのね。ごめんなさい。話が長くなっちゃいましたね」
 おどけて自分の拳を頭に当てるミリア。しかし会場からは一つの笑いも起きなかった。
「やっぱりこういう大事なことは、ニュースを通じてじゃなく、私から直接ファンのみなさんに伝えたかったから、
今日は本当に良いライブになりました。それでは聞いてください。今日最後の曲は、有名な曲のカバーです」
 そこで彼女は一息ついた。口を開け、固まったまま真っ白な灰のようになっている満場の観客を前にして、言った。

「こんにちは赤ちゃん」