セックスなんてのは面倒なもんだと思ってた。
だってそうだろ?男ばっか動いて疲れて。なんで女を気持ちよくさせなきゃならないんだ?
一人でする方が楽だし、何より自分のペースに合わせられて、よっぽどいい。
まぁたまに飽きて適当に風俗だの行ってみたりするけどさ。
だけど、だけど、だ。
あかりとのセックスは違った。
俺がどんなに疲れたって全く構わない。
彼女が気持ちよくなって、俺の動き一つ一つに反応して喘いでくれるってんなら何だってする。
舐めるとか冗談じゃねえとさえ思ってたけど、あかりが喜ぶなら、それなら平気だ。
むしろしてあげたいとすら思う。いったいどういうことなんだ。
「あ、ああ、ねっ、ちょ、もうだめ」
「…何が」
「しゃべら、なっ、あぁん!やぁ…」
「これ好きなんだ」
「ちが、や、だめ、それ、ね、やめ、あっ」
中に指入れながら肉芽を舌でぐりぐりと押しつぶす。
これをやるとあかりはすぐに身を捩じらして恥ずかしそうにイってしまう。
俺はそんなあかりが可愛くて可愛くてどうしようもなくて、いつもこればかりやってしまう。
「ああぁっ、もうだめ、ごめんなさ、イっちゃ、ああぁぁっ!」
あかりが背を弓形に反らして一際高い声で啼いた瞬間、
俺の指を包み込んでいた肉壁がぎゅうぎゅうと締め付けて痙攣しだした。
口を離してあかりの顔を見やると、頬を紅潮させてぜぇぜぇと息をしている。
汗ばむ体と半開きの口、ぼんやりとこちらを見つめる目がまたいやらしくて、喉がなった。
「あかり、舐めて」
はちきれんばかりにそそり勃った俺のモノを彼女の眼前へ突き出すと、あかりはとろんとした目のまま小さく頷いた。
そっと手を添えると撫でるようにしごき、もうすでに先走りが溢れている先端を舐めた。
ちゅぱ、と水音を響かせながら、あかりが俺のモノを舐めている。
眉を少し寄せ、時折息を漏らしながらも懸命に咥えるその姿は扇情的で堪らない。
「ね、どうやったらもっと気持ちいい?」
「…んー、裏の、筋のとこ、舐めて」
俺がそう言うとあかりはぐっと奥まで咥えながら舌先で筋を上下させるように舐め上げる。
ぞくりと背筋がざわめいて、腰が思わず浮いた。あーこれやばい、すっげ気持ちイイ。
舌をそのまま筋の部分に当て、あかりが頭を上下させる。
亀頭を上顎に押し付けるようにされて、全身の血がそこに集まっていくかのようだった。
「いれよっか」
そう声をかけると音を立てながら口から俺のモノを引き抜く。
てらてらと艶かしく光るあかりの唇に口付けて、そのまま押し倒した。
彼女の体は綺麗だ。惚れた欲目ってのもあるだろうが、多分、それを差引いても。
どこまでも真っ白な体。柔らかくて触れるとしっとりとした弾力で跳ね返してくる肌。
こんな浅ましく、彼女のことを貪欲に求める俺の気持ちなんざ何も知らないような綺麗な体。
「ああっ、あん、や、ぁっ」
肌と肌がぶつかりあう音と、誰かに聞かれればすぐにそれと分かってしまうだろう卑猥な水音が響く。
あかりの真っ白で形のいい尻から腰のラインを撫で上げ、彼女のイイところをこすり上げるように突く。
ぐいっと突き上げる度に発せられる、普段の彼女からは想像もつかないような嬌声が耳に届いて脳が麻痺しそうだ。
「い、いっ、そこ、っぁ、あぁっ、ん!」
「あかり、ここ、好きか?」
「あっ、好きっ、そこすき、だか、らっ、もっと、ああっ」
あぁダメだ、理性とか何それ?どうやったらこんな状況で冷静でいられる?
彼女のくびれた腰を掴んで、力任せに奥まで突く。
あかりの体が大きく弾んで、彼女の白い腕が助けを求めるみたいにシーツをぐしゃりと握り締めているのが見えた。
「だめっ、も、だめ、あぁん!またっイっちゃ、ああ!やだぁっ、ああっ」
「イっちゃいなよ」
ごり、と音がするくらいに俺のモノを捻じ込むと、あかりは首をふるふると横に振った。
構わずに腰を打ち付けると、尻に当たるそれすらも気持ちいいかのようにあかりがよがる。
「あ、ああっ、や、ごめっ、イくっ、イっちゃう!ああぁっ、ああぁぁぁっん!」
「、く、ぅっ」
あかりが達すると同時に、俺のモノを包む膣内がまるで離すまいとするかのように締まって、息が漏れた。
肩で息をしてぐったりとしているあかりを仰向けにさせ、額や目元、頬に口付けをすると、くすぐったそうに身をよじられる。
うっすらと目を開けた彼女に向かってねえと呼びかけると、ひどく緩慢な動作でなあにと返された。
「俺まだイってないんだけど」
そう言いながら一旦抜いていたモノを再度彼女の中の奥に遠慮なく突き入れる。
「―っ!ゃっ、ちょ、まって、動いちゃ、やっ、あっ!」
「やだよ」
ごめんねあかり、無理、止まんないから。
「わたっ、し、まだっ、イったばっかっ、で、ぁあっ、ゃぁんっ!」
そうあかりが泣き出しそうな声で喘ぐけど、そんなもん男の欲をさらに煽るだけってもんで。
衝動のままに、本当、まるで獣みたいにあかりの体を揺さぶった。
「だめだめっ、ねっ、ほんと、だめだって、ばぁっ」
頬を赤らめて、目に涙をいっぱいためたまま、こちらを見上げるあかりが堪らなくかわいい。
そんな彼女を見ながら更に奥へと押し付けるように動く。
腰を擦り付けるように動くと、彼女のあれが当たって気持ちいいのか、あかりがさらに喘いだ。
恐らく無意識なのだろう、自分から腰を動かすその様が異様にいやらしい。
こんなこと知らないような顔をしているくせに、すっかり女の顔をしたあかりがそこにいた。
体が揺さぶられる度に、彼女の真っ白な胸が動きに合わせて揺れる。
胸を掴んで先端にある桃色の乳首をいじるとあかりが甘い声を上げた。
「いじっちゃ、いゃぁっ、あっ、んっ」
「…かわいい」
かわいいあかり。彼女のためなら俺が疲れるだけだと思ってたセックスだって出来る。
いやまぁ実際はやっぱ結構疲れる。つーか暑い。けど気にならない。
あかりのよさそうな顔見てると、俺はイけなくてもいいかな、なんてすら思う。
そりゃそうだろ?一番好きな女を、自分の手でよがらせてるなんて最高じゃね?
けどまあ男ってのはそんなうまく出来てないわけで。
本音はイきたい、出したい、あかりの中に。
「あかり、イっていい?」
「いい、よっ、あぁっ!イって、ねえ、ふっ、あぁん!」
「中に、出したい、あかりの中に」
「っ、えっ、やっ、だっ、て、赤ちゃっ、んんっ!」
「産んでよ、あかり。俺の子」
覆いかぶさるように抱き締めながら腰を動かす。
俺の子が欲しいんじゃない。あかりとの子が欲しい。
俺がここに生きて、あかりを愛した証を残したい。
「いい、のっ?ねぇっ、いいのっ、わた、しっ、でっ…ぁあっ!」
「あかりがいい。あかりとの子が欲しい」
耳元で囁くとあかりは目に涙を浮かべながら微笑んだ。
背中に回された腕にぎゅうと力がこもって、さらに引き寄せられる。
「赤ちゃん、欲しっ、い、からぁっ、なかっ、にぃ…んんぅっ」
「出すよ、あかり」
「出して、イって、わたし、もっ、イっちゃ、うぅっ!ゃあっ、ああぁぁぁんっ!」
膣内がひくひくと痙攣をして、きゅうきゅうと俺を締め付けてくる。
その感覚といったらもうどうしようもないくらいに気持ちよくって。
目の前が真っ白になるくらいの快感に抗えず、俺はあかりの胎内に欲を放った。
どくどくと根元から放たれる精液を飲み込むように膣内が轟く。
「…ぁ、あぁ、出てる、君のが、中に」
蕩けそうな顔をしたあかりがうっすらと微笑む。
下腹部を愛しげにさすられ、不意に泣きそうになった。
命を、繋げられるといい。そう思いながら彼女をきつく抱き締め、目を閉じた。