設定


悪徳都市グレンダの名物といえば、金さえ積めば殺人も許される特殊娼館、とんでもない高レートのカジノ、といろいろあるが、
1つだけ挙げろというならなんといっても闘技場だろう。
普通の賭け試合よりむしろ、猛獣による殺人ショーなどの非人道的な趣向が売りの裏闘技場と言った方がいい場所だ。
実際グレンダ意外の場所でこの手の残虐な興業を行おうとすれば官憲の目の届かない場所で細々とやるしかない。
それを街のど真ん中で堂々と開催するあたりがいかにも”悪徳”都市だ。
ましてやその有害施設のオーナーが市長ときてはもはや言うべき言葉すら見あたらない。

そんなグレンダの中心とも言うべき闘技場に一人の戦士が"処刑"されるために送り込まれてきた。
"車軸"と呼ばれるその戦士は大陸でも屈指の冒険者チーム”銀の車輪”のリーダーとして知られていた。
その"車軸"が闘技場で処刑されることになったわけはこうだ。
些細な事情から”銀の車輪”はグレンダ評議会と対立、都市郊外で都市軍と交戦し、多大な犠牲を与えるもついに敗北。
全員が処刑されるはずであったが市長の提案により"車軸"以外は魔法による永久凍結刑に減刑。
"車軸"は仲間と自分の自由のため闘技場で戦うこととなったのだ。
もっとも、結局闘技場でなぶり殺しにされ、仲間もその後を追うであろうというのが観客の大方がいだいている予想であるが。

闘技場に入ってきた"車軸"を見て観客たちはどよめく。
手にする剣”竜殺し”はあまりに大きい。
刃渡りだけで"車軸"の身長ほどもある、しかも長いだけでなく、厚さや幅も十分すぎるほどだ。
材質がミスリルということを考慮してもとんでもない重量だろう。

また、"車軸"の全身を包む全身鎧”城塞”も恐ろしく重厚なつくりだ、
頭のてっぺんからつま先まで分厚いミスリルの板におおわれてる様は
甲冑を着込んだ人間と言うよりアイアンゴーレムのように見える。
通常なら歩くことも困難な代物で有る。

この装備を見ただけで、"車軸"が単身で古竜を倒しドラゴンスレイヤーの称号を得たのも当然と思われた。

闘技場の中央に"車軸"が歩み出る。
それに合わせて司会の声が響く。
「こちらがドラゴンスレイヤーにして”銀の車輪”のリーダー”車軸”ことシルヴィアです。」
明らかに女性と分かる名前を聞いて観客がざわめく、てっきり男だと思っていたのだ。

「彼女は罪を償うため、本闘技場での奉仕活動を行っていただきます。
 また、闘技場外でも様々な奉仕活動を行ってもらいますのでその際は市民の皆様もよろしくお願いいたします。
 それでは兜を取って顔を見せてください。」
その声に応じて"車軸"、いやシルヴィアがフルフェイスの兜を脱ぐ。
そのあまりにも予想外の容貌にまたしても観客がどよめく。

女とはいえ、大柄な女傑あるいはメスゴリラを予想していたのだが兜の下から出てきた麗貌はそんな予想と正反対のものであった。
年の頃は12歳ほどに見える可憐な少女である。
長い銀色の髪、驚くほど白い肌、ややつり目がちで小生意気そうなエメラルドの瞳、
すっきりと伸びた鼻梁、桜色の柔らかそうな唇、全体としてどことなくすました猫を思わせる美少女だ。
だが最大の特徴はその耳にあった、長く尖った耳、彼女はエルフなのだ。
無論エルフであるから見た目通りの年ではないシルヴィアは今年で118歳になる。

「かわいい〜」
「シルヴィアちゃ〜ん」
突然の美少女の登場に騒ぐ観客たちだが、一部のものはあることに気づく。
それは、インタビューのために司会がシルヴィアの隣に立ったことで顕著になった。
シルヴィアは小柄なのだ。身長は140サント位しかないだろう。(1サント=1cm)
対比物がない闘技場の真ん中では巨大に見えた”竜殺し”や”城塞”もこうしてみるとそれほど大きくはない。
もっともそれでも通常なら人類では装備不可能なシロモノであるのだが・・・

「それでは、シルビアさん闘技場での奉仕をされることになりましたが具体的にはどのようなことをするのですか?」
司会の質問にシルヴィアが答える。
「私が5連勝するまでこの闘技場で闘い続ける」
そのきっぱりとした回答に対して司会がさらに質問を重ねる。
「もう少し詳しく、負けるとどうなりますか?」
シルヴィアがやや顔を紅潮させながら答える。
「負けた場合はその後24時間、勝者に自由にされることになっている」
「え〜、自由にと言うことですがどのようなことをされるか御存知ですか?」
顔を真赤にしてつっかえながら少女が答える。
「・・・多くの場合は・・お、犯されると聞いた。」

その言葉に観客席から歓声があがる。
「そうだ、レイプされるんだぞ〜!!」
「犯されろ!!」
「シルヴィアちゃんのオマンコがめちゃくちゃにされるとこ見せて〜」

観客が静まるのを待って司会がさらに嗜虐的な言葉を掛ける。
「観客の皆さんが言うように試合に負けるとシルヴィアさんは犯されるわけです。
 負けるとレイプされます、強姦されます、無理やりセックスされるわけですが、シルヴィアさんはセックスのことをどのくらい知ってますか?
 説明してください。」

「あ、・・・・う」
今にも泣きそうな顔になったシルヴィアは何も言えなかった

「言わないと契約はこれで終わりです、残念ですがあなた達は処刑ということになります。」
司会の残酷な言葉に少女は涙を浮かべながら答えた。
「い、言う、せ、セックスというのは・・・
 男性のペニスが女性の膣に挿入されて、射精することだ・・・」

「う〜ん、もう少しいやらしく言って欲しいところですがよしとしましょう。
セックスは何のためにしますか?」

「子供をつくるためだ」

ここまでのやりとりで観客の間にある残酷な期待が膨れ上がる。
グレンダの闘技場における女闘士の”処刑”方法はいろいろあるがその中でも、もっとも良く行われ、かつ人気が高いのは「危険日のブッキング」である。
敗北する度に犯され妊娠させられた女闘士達は度重なる出産、あるいは流産により戦えない体になるか最悪死亡してしまうのだ。
しかもただ妊娠させられるだけではない、多くの場合残酷な趣向を凝らした最悪の妊娠と出産が用意されている。
その”女の尊厳”を踏みにじる最低の”処刑”がこの幼く、可憐なエルフ少女に対して行われるのはまず間違いないだろう。
しかも事の経緯を考えればオーナー自ら最高に最悪な趣向を凝らす事は明白であった。
シルヴィアに対して行われる”処刑”は闘技場の歴史に残る悪夢となるであろう。

そんな観客の期待に答えるように司会がさらに残酷な問いを重ねる。

「子供をつくるためならやはり、子供の出来易い日にしないといけませんよね。
 シルヴィアさんの孕み易い日はいつですか?あと、生理周期と前回の生理日も教えてくださいね」

幼い少女に対してするにはあまりにも露骨な性的質問に銀髪の少女戦士はうつむきながら答える。
「生理周期は28日、直前の生理は14日前、は、排卵日は今日・・」

「おお!偶然にも今日が孕み頃だったとは!!
 まあ、本当は狙って今日試合を組んだんですけどね。(笑)
 これからもシルヴィアさんは孕み頃になる度に試合をしてもらいます。
 逆にいうと、シルヴィアさんの試合は子袋の調子次第で日程が不規則です。
 そういうわけで、お客さんのために、シルビアさんの生理日、毎日の体温、次の排卵予定日はリアルタイムで公表させていただきます。
 これを参考に闘技場に来てくださいね。」

司会のあまりにも非道な言葉についに少女の涙腺が決壊した。
「酷い、ひどすぎる・・・」
女性の一番神聖な機能を弄び、さらし物にしようとするのか・・・
一方、観客たちは期待通りの展開に大盛り上がりだった。

「毎日体温をチェックするよ〜」
「生理日にプレゼントをやるぞ〜」
「どうせ今日孕まされるんだからきにしないぞ〜」

口々に自分の欲望をシルヴィアにぶつける。

「それでは鎧も脱いでください。」

司会の言葉にエルフ少女は一瞬、躊躇するがすぐに契約のことを思い出して鎧を外しはじめる。
手甲、脚甲、胸甲・・そうやってすべて外すと分厚い布製の鎧下が現れる。
その野暮ったい布越しでもシルヴィアの抜群のプロポーションが見て取れた。
体つきは全体として華奢で肉が薄い、いかにもエルフらしい体型だ。
ウエストは今にも折れそうなほどくびれている。
胸はあまりなさそうだ、年齢を考えればこれからに期待というところか。
一方ヒップは次第に骨盤が発達しているのがうかがえ、少女の子宮が子供を作る準備が出来ていることを示していた。

観客たちはシルヴィアの体つきを見て口々にはやし立てる。
胸の薄さを残念がるもの、その小さい胸がいいというもの、柳腰を褒めるもの、将来安産体型になるだろうというもの、中にはこの場で裸になれというものまでいた。

「みなさん、シルヴィアさんのプロポーションをもっとみたいですか?
 では、シルヴィアさんにはお色直しのため一度退場していただきましょう。
 全裸や下着姿は敗戦後のお楽しみということで観客の皆さんはご容赦ください。」

シルヴィアが闘技場に戻ってくると観客たちは食入る様ににその肢体を見つめた。
新しい衣装は薄緑色の短衣とスカートといういかにもエルフらしいものであったが、かなり露出が激しくまた布地も薄いため、少女の幼い肢体をさらしていた。
ボトムのスカートはかなりのローライズのため、前は女性器が露出しそうなほど、後ろは少しおしりの割れ目が見えている。
一方短衣の方も負けず劣らずの代物で、ノースリーブなのは良いとして、丈がみぞおちの辺りまでしかなく可愛いおへそをはじめとした腹部が丸出しである。
しかも前面は左右に完全に分かれておりかろうじて数本の紐でつながっている状態。
そのせいで胸の中央部分が丸見えである。胸の大きな女性ならその谷間をたっぷりと露出させたのだろうが、このエルフの場合ようやく膨らみ始めた双丘のふもとがうかがえるだけというのは少し寂しいものがある。
そして、シルビアにとって一番恥ずかしいのはその薄さと伸縮性のため、乳房とは違って早熟な乳首の形が服の上からでもくっきりとわかってしまうことだ。
ほぼ平らな胸の上に苺のような乳首がついている様は実にいやらしく、彼女のコンプレックスなのだ。


「まっ平らな胸サイコ〜」
「乳首だけ育ってるのは毎日オナニーしてるせいか?」

口々にはやし立てる観客たちの声は次第に彼女が乙女かどうかを問題にし始めた。

「いやぁ、可愛い娘だなぁ、反応も初々しいし、きっとありゃ処女だぜ」
「おめ、エルフしらねぇのか?見た目の年齢なんざわかんねーっての、仮にも竜殺し、男の一人や二人超えてきてるだろ?」
「いやいや、エルフは長命故に生殖には淡白だ、見た目通りと見たね俺は…」
「そこはそれ意表を衝いて経産者ってのは?生理周期に排卵日まで認識してるとなるとありうらね?」
「こいつは処女に違いねぇ、ここからでも臭いでわかるぜ」

「処女という意見のほうが若干多いようですが、実際はどうなのでしょう。
 シルヴィアさん、性交の経験は?」
「ノーコメントだ」

「え〜それではみなさんが興味津々のシルヴィアさんの胎内を上のスクリーンに写します。
 御覧下さい。」

そういうと司会は闘技場の幻覚魔法を発動させた。
すると、観客たちの目には上空に巨大なスクリーンがあるように映る。実際には何も無いのだが。
しかもどの観客にも自分の正面にスクリーンがあるように映るのだ。
そしてそのスクリーンにシルヴィアの膣内の様子が映し出される。
これはシルヴィアの胎内に送り込まれた実体のない魔法の”眼”マジックアイが捉えたリアルタイムの映像である。

「くぅ・・・こんな恥ずかしめを・・・」
シルヴィアは映像を見まいとするのだが、彼女の場合強制的に視覚にこの恥辱の映像を送り込まれているため目を逸らすことは不可能だ。

そうするうちに映像は子宮口を抜け子宮内を映し出す。

てっきり処女膜検査だとばかり思っていた観客がクレームをつける。
「お〜い処女膜があるかどうかは見せてくれねーのか?」

「それも、敗北後のお楽しみということで、あ、シルヴィアさんが見せたいというのなら見せてもいいですよ?」
「ふざけるな!!」

「おお、こわいこわい、それはさておき、健康そうな子宮ですね、きっと丈夫な仔が育ちますよ。」
そして映像はさらに進んで子宮の奥の穴につながる細い管、卵管峡部を抜け広くなった空間、卵管膨大部に至る。

「ここが、卵管膨大部です、卵子と精子がであって受精する場所ですね、子宮で受精するという誤解が広まっていますが実際に受精するのはココです。
 まあ、こんなこと、この闘技場の常連さんには説明するまでもないでしょうが。」

そう言われて観客たちが笑う、彼らもこのことを知ったのはこの闘技場という者がほとんどだ。
女闘士が戦うときは毎回行われている説明なのでみな一度は聞いたことがあるのである。

「それでは、卵子を探しましょう。
 契約では排卵日に戦うということになっていますので卵子が見つからないと試合が始められません。」

そういうと司会はマジックアイを操って卵管膨大部を隅々まで探す、するとじきに小さな粒のようなものを見つけた。
拡大していくとそれがピンクがかった透明な球体だとわかる。卵子だ。

「おお、プリプリとした卵子を発見しました。シルヴィアさんに似て、実に健康そうですね。
 これで試合の開始条件が揃いました。
 早速試合開始といきたいのですが、シルヴィアさんの実力がわからないと賭けにならないのでちょっとしたデモをしてもらいましょう。」

そういうと司会はエルフ少女に鉄の剣を渡す。
剣を手にした少女は先程までの羞恥に震えていた乙女とは、別人のような自信に満ちた戦士の顔で答える。

「これも契約のうちというわけか、良いだろう私の力を見せてやる。」


その言葉に応えるように二頭の魔物が現れた。
いずれも強大な魔物でありこの闘技場で一対一で彼らに勝てる闘士はいないほどの怪物たちである。
観客たちが余りの戦力差に絶句した次の瞬間あっさりと勝負がついた。

一頭はシルヴィアの放った火炎魔法で焼き尽くされ、残る一頭もシルヴィアの剣に急所を貫かれて息絶えた。

「ふう、もう少し歯ごたえの有る相手はいないのか?
 それと、たった1回使っただけで折れるような剣を渡すな。」

観客たちは静まり返った、幼い少女と侮っていたが実際は、彼らが今まで見たこともないような怪物だった。
おそらくあっさりと5連勝してしまうだろう・・・

「え〜これがドラゴンスレイヤーの実力です。
 かわいい女の子と思って見くびっていた人は反省しましょう。
 とは言えこんな人と試合をするのは自殺行為なのでハンデをつけてもらいます。
 まず、魔法は封じます。次に先ほど見せた異常な身体能力ですがこれも封じます
 つまり見た目どおりの女の子の力と、鍛えぬいた技だけで戦ってもらいます。」

「最初は身体能力ですがこれはシルヴィアさんにお願いします。」
 その言葉に応じてシルヴィアが自分に術をかけようとすると司会が制止する。

「術をかける前に説明をお願いします、く・わ・し・く・ね。」

そう言われたシルヴィアは屈辱に肩を震わせながら言葉をつむぐ。

「私の身体能力の秘密は「森の娘」と言われるものだ、エルフの中には時々大地の精霊の加護を受けたものが生まれる。
 この加護を受けたものは通常の数倍の身体能力と、地系精霊魔術への高い適正を得る。
 次に、この力を封じる方法だが、「森の母」という精霊魔術をかけることで封じることができる。以上だ。」

「く・わ・し・く」
司会の言葉にしぶしぶシルヴィアは説明を続ける。

「「森の母」というのは、  大地の精霊力を生命力と命をはぐくむ力へと変換する術で、これによって「森の娘」の身体能力は封じられる・・・
 う・・・命をはぐくむ力というのはつまり、その、子供を授かり易くなるということで・・・くっ、妊娠しやすくなるということだ!!」
最後はやけくそ気味に言い切った。

「つまり、弱体化するだけでなく、孕みやすい体質になるということです。
 しかも、通常では受精しないような動物や、魔物が相手でも妊娠してしまうというんだから、すごいですよね。
 それじゃあ、シルヴィアさん、御自分の子宮をどんなおぞましい子種でも受け入れる淫乱子袋に作り変えてください。」

司会のあまりの言葉に震えながらシルヴィアは自分の子宮に「森の母」の術をかける。
この術は、元々繁殖力の弱いエルフが少しでも確実に子孫を残すための術なのだが、その神聖な術を忌まわしい人間の精子を受精し易くためにかけねばならない屈辱はシルヴィアが今まで味わったことがないものだった。

「これで孕みごろの子宮が出来上がりました、次は魔術を封じます。」
そういうと司会はシルヴィアの、のどに手を当て「禁止」の術をかける。
これによってシルヴィアは精霊魔術を使えなくなった。


「では、準備が整ったところで試合開始と行きましょう、対戦相手は剣士のアラン!!」

その言葉に応じて一人の剣士が姿を表す。
この闘技場の中堅闘士であるアランだ。
客は対戦者がそろったのを見て思い思いにかけ始める。
結果、オッズは1:3でアラン有利となった。
賭けが締め切られると試合が開始された。

アランが激しく剣を振るうと、シルヴィアはたまらず後退し、あっという間に壁際に追い詰められる。
そこを狙ってとどめの一撃。
「もらった!!」
だがアランの剣は空を切る。
次の瞬間、上空に飛び上がっていたシルヴィアが落下の勢いと全体重を乗せた一撃を放つ。
「たあぁーーー!!」
かろうじて受け止めたアランだったが剣ごと切られてしまった。
全てはシルヴィアの計算どおりの展開だった。
「力攻めというのは悪くなかったが動きが単調すぎだ、それでは私は倒せん。」

「勝者、シルヴィア」

勝ち名乗りを受けるとシルヴィアはそのまま闘技場を後にした。




シルヴィア解放まであと4勝