「この前、DHSってとこの説明会いってきたんだ」
「化粧品?」
「それはDHC」
「え〜と・・・マグロ?」
「それはDHA・・・もういい!!」
紗希はそう言い捨てると拗ねて浴室に駆け込んでいった。

なんだかなぁ。また機嫌悪くなったのか?
紗希と出会ったのは3年前。俺が大学4年、紗希が大学1年の時。
バイト仲間で先輩・後輩。ちょこちょこデートに誘い、2ヶ月後に俺から告白して付き合うことになった。
恋愛初期のラブラブ状態が落ち着いてからは穏やかな関係が続いていたけれど、紗希が就職活動を始めてから2人の状態は徐々に下降線を辿っている。
就活で40社近く回ってるらしいけど、面接まで進んだのは10社も無いらしい。
ここ最近の紗希は、会えば暗い表情で愚痴を零すことが多くなっていた。
それでも今日はよく笑ってる方だ。

「コウくん、シャワー使って」
紗希に促された俺は、入れ替わりで浴室に入った。
大不況の就職氷河期で中堅女子大の紗希はキツイだろうなぁ。
紗希は彼女としては充分魅力的だ。でも社会人としての姿はちょっとしっくりこない。
おっとりしてほわほわした性格は可愛いし、アニメ声っぽくて少し舌足らずな口調も萌える。
しかし、このご時勢では面接に辿り着いても厳しいのじゃないだろうか。
景気がよければ「一般職は嫁候補」なんて需要もあっただろうが。

俺が浴室から出ていくと、ベッドに腰掛けていた紗希が立ち上がった。
何だ!?
紗希は全身を毛布で覆い、顔だけ出して恥ずかしそうに笑っている。
「ジャーン!!」
紗希は自前で効果音をつけ、マントのように毛布を広げた。
毛布の下はセーラー服だった。

純白の上着で襟と袖は濃紺に白の3本ライン。
胸元を飾るのは特徴的な明るめの青いリボン。
スカートは襟と同じ濃紺、膝上。もうちょい短い方がいいぞ。

「ねえ、ねえ、どう?まだイケてる?高校時代のだよ!!」
虚を突かれた俺は冴えない返事をしてしまった。
「・・・ああ」
「あれ?・・・引いちゃった?前、コウくんに言われたこと思い出して実家から持ってきたんだけど」
紗希の女子高の制服は可愛いと評判だった。マニアには大人気。
以前それとなく制服姿を見てみたいと言ったとき「・・・まさかロリコンじゃないよね?」と真顔で返され、あっさり撤退していたのだ。
「いや、ちょっと驚いただけ。似合ってるよ」
妙に嬉しそうだな、機嫌直ってる。
「ふふっ・・・そう?少し恥ずかしいけど、まだ着れるんだよ〜」
スカートの裾を持って、くるっと回ってやがる。
「胸はちょっとキツくなったかな。・・・胸のリボン、お気に入りだったの」
耳まで真っ赤にした紗希が、急に明後日のほうを向いて呟いた。
「それとね・・・今日は大丈夫な日だから・・・ゴム、付けなくていいから」

エッチはいつもラブホか俺の部屋だったら、紗希の部屋でお誘いが掛ったのは新鮮だった。
でも、何だか妙だな。
紗希ってセックスに積極的なタイプじゃなかったはずだ。
処女を頂いてからそれなりに開発してきたつもりだけど、いつも奥手で受け身だったよなぁ。
初フェラに持っていくタイミングも随分悩まされた。
一度中に出したらメチャクチャ怒って、それ以来、生で挿入なんて記憶にないぞ。
就活の気分転換って言ってたけど、こんなに変わるものか?
まさか浮気してるとか?
紗希の性格だとそれは無いと思いたいが・・・それとなく探りを入れてみるか?
いや、しかし、今は鯛の尾頭付で出された据え膳の完食に専念しよう!!
ここで紗希の機嫌を損ねたら、このチャンスは二度と掴めないはず・・・

「・・・コウくん、聞いてる?」
「えっ、何?」
「ねっ、ねっ・・・コウくんは先生と先輩と同級生でどれがいい?」
「何それ?」
「だ・か・ら、コスプレの役柄設定だよぉ。ねっ、どれ?」
「・・・オーソドックスに先輩、かな」

後ろから抱きついて首筋に舌を這わせながら、大きく捏ねるように胸を弄る。
「・・・んん」
甘い体臭を満喫してから、紗希の顔だけをこちらに向かせてキスを繰り返した。
両手は胸と股間に分散配置でひたすら攻める。
紗希の股間はもう湿り気を帯びているようだ。

紗希をベッドに横たえて覆い被さる。
「先輩、制服汚れちゃうから・・・」
勿論無視だ。コスプレは半脱ぎがデフォだからね。
純白の上着を捲り上げてブラに包まれた胸の隆起を晒す。
胸元の青いリボンが見えにくくなるのが少し惜しまれるけど、更に上着とブラを押し上げた。
乳房を掌で包んで捏ねまわしながら乳首を口に含む。
「あんっ」
敏感になっているのか紗希の声が漏れる。
暫らく胸を攻め続けたあとで、片手の攻めを本丸の下半身に移していく。

濃紺のスカートを捲ると飾り気のない白の綿パンが現れた。
白のパンツといい、安っぽい髪留めといい、紗希の女子高時代ってこんなのだったのだろうか?
それとも、いそうでいない女子高生を演出してるのか?
なんとなくファンシーなキーホルダーをジャラジャラつけた紺の通学カバンを持たせてみたくなる。
ふと、イメクラってこんな感じなのだろうかと思った。

綿のパンツをゆっくり降ろしていくと紗希の匂いが立ち昇ってくる。
もう紗希の秘部は濡れて糸を引いていた。
パンツは片足だけ抜き取って足首に掛けて残す。お約束だ。
脚を割って腰を進めると紗希が呟いた。
「あ、あの・・・先輩。今日は危ない日だから・・・ゴム、付けてください」
俺はあれっと思い動きを止め、紗希の顔をマジマジと見つめた。
紗希は俺の首に両腕を廻して顔を引き寄せ耳元で囁いた。
「・・・そういう設定なの」

ああ、そういうことか。なんか興奮してきたぞ。なら全力で応じてやろう!!
「俺はほんとの意味で紗希とひとつになりたいんだよ」
「でも・・・」
「出すときは外にするから」
返事を待たずに挿入。亀頭が膣口に飲み込まれると紗希の声が答えた。
「んん・・・」
うはっ、ナマ気持ちいい!!ゴム1枚でこんなに違ったか?もう忘れかけていた感覚だ。
俺のペニスが全て収まると、紗希は俺の腰に両脚を絡めてくる。
ゆっくりした抜き差しで紗希の中を堪能していたけど、亀頭が受ける刺激は強すぎた。
我慢できずにピッチを上げ始め、あとはひたすら腰を振りまくった。
腰の動きに合わせて紗希が反応する。
「あっ、あっ、あっ、あっ」
ダメだ、セーブが効かない。
今日は紗希の気晴らしが第一と思ってたけど、コイツがこんなに挑発してくるのが悪い。
「ゴメン、紗希。・・・我慢できない、一度出しちゃうよ」
「えっ!?えっ!?もう?・・・あ、あの、先輩・・・外に」
「出る!!」
俺が声を掛けてペニスを引き抜こうとすると、紗希は腰に絡めた脚に力を込め、更に両腕で俺の頭を抱えて密着してきた。
「ダ、ダメ!!先輩、中はダメ!!・・・お願い、外に!!」
ほんと、もうダメ。ペニスが脈打ち、俺の理性と精液を放出している。
膣内出ししちゃったよ。

「先輩、酷いです。あれだけ中はダメって言ったのに・・・」
蟹鋏みでガッチリ腰を固定させてたくせに、コイツもノリノリだな。
「でもかなり感じてたみたいだけど。中出し、気持ちよかっただろ?」
紗希がプイっと顔を背けた。
「・・・そんなこと言えません」
「それ、言ってるのと同じだから」
拗ねたふりの紗希に追い打ちを掛ける。
「1回出したら、2回も3回も一緒だから・・・もう1回いいよね?まだ満足してないみたいだし」
「子供ができたらどうするんですか?」
「大丈夫だよ、責任は取るからさ」
「ほんとですか〜なんか軽そうですけど」
紗希の尻を抱えて体勢を変えながら答えた。
「ほんとだって。今度はバックからね」

白いセーラーの背中に捲れた紺のスカートが乗っていた。
女の子が背中を反らして尻を突き出してるポーズは最高だな。
尻から太股へのラインは文句なしに扇情的で男の征服欲をそそる。
内腿と尻を確認するように撫でながら紗希の匂いを吸い込む。
「挿れるよ」
声を掛け、一気に奥まで貫く。
「あんっ」
紗希が小さく頭を振った。
最奥に突き込んで紗希の感触を味わっていると、紗希が問いかけるように振り向く。
「先輩?」
「ん、どうしたの?」
もどかしそうに尻を揺らしてシーツに顔を埋める。
「なんでもないです」
催促されたら当然焦らすよなぁ。
「そう」
腰はそのままにして覆いかぶさり、乳首を避けてゆるゆると胸を弄んだ。

「紗希、腰動いてるよ。じっとして」
「えっ、だって・・・」
「動かされたら、また中に出しちゃうかも。紗希、困るだろ?」
今度は締めてきた。
「ちから抜いて。締めたら出ちゃうよ」
紗希が尻を押し付けてくる。
「そういう意地悪しないで」
「何?動いて欲しいの?言ってくれないと判んないよ」
「・・・うん」
「動いてもいいの?中に出てもいいの?・・・今日危ないんだろ?」
「・・・うん」
「どっち?中に出したら・・・妊娠するかもしれないよ?いいの?」
「先輩が1度出したら同じって言ったんですよ」
また紗希が尻を揺らしてくる。
俺は上体を戻し紗希の腰を両手で掴んで尻の動きを封じた。
「ちゃんと言ってよ」
「・・・先輩、動いてください」
「そうじゃなくてさ。中に出して妊娠してもいいって自分の口で言って」
「えっ・・・あの、それは」
「ほら、早く!!」
「・・・中に出しても、妊娠してもいいから」

言わせた!!言葉攻めはスルーだった紗希に。プレイの一環にせよ、これは燃える。
前から腕を廻して包皮に隠れたままのクリを圧迫して刺激を与えつつ、腰を引き浅いところで紗希の弱点を攻め続ける。
時折ビクビクッと紗希が仰け反る。軽くイッてるのだろうか。
抽送を変え深い突き込みを混ぜていく。
「紗希、中に出すからね。いっぱい出してあげる、欲しいだろ?」
「先輩・・・出して、いっぱい出して」
「何が欲しいの?」
「・・・んん?」
「精液だろ。熱くて濃い精液、出してあげる」
「んっ・・・先輩の精液、いっぱい出して」
そろそろラストスパート、急ピッチで突きまくる。
紗希も昇り詰めているのか膣の締め付けがキツい。
「あっ、あっ、あっ、あんっ」
「出すよ、紗希に種付けして、孕ませてあげる!!」
「イクっ、イッちゃうよ・・・コウくん、イッちゃう。妊娠しちゃう」
ビュル、ビュルル。5回・6回・7回・・・ペニスが何度も脈打ち収まらない。
俺は紗希の腰を引き、ギュッと締めつける紗希の胎内に陰嚢から駆け昇る絶頂の証を注ぎ込んだ。

俺が紗希の中から引き抜くと、紗希の膣口は少し開いたまま緩慢に収縮し、やがて白濁した精液を押し出して内腿に垂らし始めた。
腰から手を離すと、支えを失った紗希は尻を横倒しにしてベッドに沈んだ。
紗希は寝返りを打つように仰向けになり、胸を上下させ息を整えながら余韻に浸っている。
下腹部にあてた紗希の掌が、何か探るように動いていた。

暫くして、のろのろと上体を起こした紗希が股間に手をやった。
紗希は溢れ出した精液を掬って確認するように覗き込み満足げに微笑んだ。
「あはは。いっぱい出たね」
「気分転換になった?」
「うん、ありがと。まだまだ就活頑張れるよ!!」
紗希は俺に擦り寄ってきて、俺の肩に頭を預けた。
「えへへ・・・それとね、ナース服とメイド服もあるの。これからもっと忙しくなっちゃうから、その前にいっぱいエッチしよ!!」

2日前に紗希から就職絡みで相談したいと連絡があった。
そろそろ紗希が来るころだ。
そういえば紗希が俺の部屋に来るのは久しぶりだ。
最近は就活の合間を見て紗希の部屋でコスプレばっかだったしなぁ。
「確かDHSだったかな?」ネットで検索してもそれらしい会社名は見つからない。
真っ先にヒットしたのは・・・アメリカ国土安全保障省。
いやいやいやいや・・・流石にこれはないだろ。
人口保健調査? これか?・・・家族計画・出生力調査・避妊普及調査?何か公益法人あたりなのか?
それともHPもないような小さい会社なのか?
ますます解らない。
インターホンが鳴って扉を開けると、濃紺の就活スーツにナチュラルメイクで緊張した顔の紗希が立っていた。

ソファーに腰を下ろして紗希が口を開く。
「これから最終面接なの」
「今日?これから?土曜日の夕方に?」
「・・・うん」
「それブラックじゃないの?・・・まさか風俗とか言わないよね?」
「違うよ!!・・・それ酷いなぁ、私の第一志望なのに」
「どんな会社?ネットで調べたけどよく判らなくて・・・か、家族計画とかの公益法人なの?」
「えっ!!あ、あの・・・」
紗希は視線を泳がせ紅潮した顔を俯けてから小声で言った。
「ちょっと近いけど・・・ブライダル関係かな」
「そうなんだ」
まあ話を聞きながらアドバイスしてあげればいいか。
「それで・・・今日は大事なお話があって」
「うん。どうしたの?」
様子を窺うような上目遣いの紗希を促すと、紗希は顔をあげて言った。
「赤ちゃん・・・出来たの」

「えっ!!」
動揺して声が裏返ってしまった。
不安そうに紗希が俺を見つめている。
安全日だと言われてたけど軽率だった。
あれから中に出し続けてたから妊娠する可能性はあったよな。
どうする?どうする?

紗希が目を伏せて、ポツリと呟いた。
「・・・ごめんね」
こうなったことは悔やまれるし、「責任を取って」という考えで自分を納得させるのは好きではないが・・・
ションボリと俯く紗希を見ていると、ここは腹を括るしかないと思った。
紗希と結婚か。漠然と想像することはあっても具体的に考えたことは無かったな。
「なあ紗希、俺は、俺たちの子供産んで欲しいよ。順番逆になったけど結婚しようか」
顔を上げた紗希は微笑んでいる。潤んだ瞳の端で今にも涙が決壊しそうだ。
「ほんと!?・・・ありがと、嬉しい。・・・コウくん信じてたけど、ちょっと怖かったんだ」

「妊娠中のエッチって、まだよく解らないから・・・今日は、お口で」
俺をベッドの端に座らせた紗希は、俺の脚の間にしゃがみ込み股間に顔を埋めた。
取り出したペニスを摩りながら亀頭にチュッチュッと軽いキスをして、紗希の舌がゆっくりとカリを舐め廻していく。
2・3度亀頭の半ばまで咥えて出し入れすると、今度は横から竿を咥え根元の方へ舌を這わせていった。
逆の動きで紗希の舌が亀頭に戻ってくる。
紗希は一瞬顔を上げて俺と目を合わせ、柔らかい唇で俺の亀頭を包み込んでいった。

俺は紗希の温かい口腔内に全てを放出した。
「紗希・・・飲んで」
紗希がコクンと頷き、喉を鳴らして精液を嚥下していく。
「ん、ん・・・けほっ、けほっ。ふぅ」
咽かえった紗希が一息ついたところで声を掛けた。
「紗希、面接の時間はいいの?」
俺の言葉に釣られて、紗希が不思議そうに顔を上げる。
「えっ?面接終わったよ。コウくんが人事担当」
「えっ?あれ?じゃあスーツは何?」
「就活面接設定のつもりだったんだけど・・・ハズしちゃったかなぁ?」
どうも腑に落ちないな。
「なあ、紗希。そういえばDHSって何の略なの?」
「ええ〜・・・恥ずかしいなぁ」
紗希の視線が泳ぎまくっている。おい、怪し過ぎるぞ。
「恥ずかしいことなの?てか今までフェラしてた口が恥ずかしいとか言うの?」
「・・・コウくん、怒らない?」
「いや怒るとこじゃないし」

照れ顔で俺を見上げる紗希は
「そお?・・・あのね、それ・・・デキ婚・ハメ婚・授かり婚なんだって」

おしまい