「プロローグ」
「アンナ・アンドレ?」
「じゃなくて、あ・ん・ど・う・あ・ん・な!!」
安藤杏奈・・・彼女はれっきとした日本人である。
父母も日本人なら彼女も日本生まれである。
確かに父の先祖はイタリア系、母のはアイルランド系であり、彼女の容姿は100%白人である。
しかし、日本に渡ってきたのは祖父母以前の代であった。
日本語しか話さず、英会話も日本人の平均レベル・・・中学生程度であった。
小学校以来、からかいといじめに晒された彼女ではあったが、
父から受け継いだ陽気さ、母からの粘り強さが級友の態度を友好へと変えさせたのである。
思春期以降露になった美貌はますます級友、特に異性との関係を有利にしていった。
だが、その容姿は彼女に一つの人生観をもたらした。
この身体で男の子たちの性の悩みを救ってあげよう・・・
以来、周囲の少年たちにとって彼女は性の教師となったのであった。
この話は彼女が1年の浪人の後とある大学に入学した後から始まる・・・



ジュブ、ジュ、シュブ・・・
下を見ながらゆっくりと彼女は腰を下ろしていった。降ろし終わると顔を上げた。
「おめでとう!これで童貞卒業やで」
「うーん、あんまり実感湧かないな」
下に寝転ぶ青年は彼女と顔をあわせた。その顔には興奮と困惑の色が混ざり合う。
「大体まだイッてないのに卒業っていわれてもなあ」
「でもペニスをヴァギナに入れたらセックスしたことになるで」
「理屈じゃそうだけどさあ」
「あんた理屈っぽいから理屈っぽく祝った方がええかなって」
「お前、お節介な所あるな・・・ほんとにやった男3桁?」
「正確には今回で305人目かな?」
「まじ?そんなにやってるん?」
「うん。25までには1000人超えたいなあ」
「延べだったら今年中にも越えられるんじゃない?」
「延べやったら中二の終わりで超えてたで・・・こんな話してるより先イッたほうがいいやろ。動くで。」
彼女は腰を上下に動かし始める。
「すごい・・・女のアソコってこんなに気持ちいいんだ・・・」
「そやろ?私も自分でやるより男とした方がいいって気付いたからやりまくってるんやけど」

腰は微妙に回りながら上下していく。
「腰使いどう?」
「うう・・・いい・・・これがセックスなんだ・・・」
「そやで・・・あ・・・あたし、そろそろ・・・・イキそう・やから・・・一気に・・・出るんやったら・・・気にせず・・中・で・・出して・・」
上体を弓なりにしながら上下を重ねる・・・二人の唇から激しい呼吸が放たれる。
「あ・・・ああ・・あんんあ!」
「ウア・・・イ、イク・・・出るぅ!」
彼女の身体は激しく上下に動き続ける・・・やがて彼が萎えたと知ると上体をそらし、後ろに倒れこんだ。
「ど、どないやった?」
「無茶苦茶気持ちよかった・・・満足したよ。」
「ほんま?満足してくれて嬉しいわぁ。」
「またやらせてくれる?」
「させるもんとちゃうで。したかったらしたいって言って。私もやりたかったら言うから。お互いやりたかったらやればええんやし。」
「本当!?マジでお前に会えてよかったよ。」
2人はシャワーを浴び、着衣に戻る。
「じゃあ、また明日の基礎社会学で」
「うん。バイバイ。」
青年は彼女のマンションを出て行った。
彼女の名は安藤安奈。彼の名は三河大樹。2人とも大学一年生。

大樹の筆下しが終わった1時間後。
安奈は小柄で愛らしい少年と大学の食堂で話していた。
「松村君ってこういうの初めて?」
「こういうのって?」
「女と1対1で話すってこと」
「4度あったで」
「え?あったん?」
「うん。2回は告白して玉砕したときでもう2回は中学高校で担任と進路相談したとき。」
「そうなんや。私なんか数えられへんほど玉砕したで・・・あ、ちゃんと2回進路相談したわ。高校と予備校の時や」
2人の話は恋愛の失敗談に及んだ。夕食を食べ終えてもなお続く・・・
「そろそろ出たほうがええな。食べたし」
「あ、いつの間にか食べてた。気付かんかった。」
2人は学食を出た。
「松村君ってこの後暇?」
「暇やけど」
「じゃあ・・・私に付き合わせていいかな?」
「ええで」
「じゃあ・・・あ、私自転車押していくから付いてきてな」
2人は安奈のマンションに来た。
「ここって・・・安藤さんの下宿?」
「うん。ちょっと来て。」
7階の安藤の部屋に2人が入った。
「ふーん、整理整頓できてへんやん」
「1人暮らしって男も女もこんなもんやで。」
「で、用事って?」
安奈はにっこり笑って言った。
「セックスしよ!」

松村啓介はいきなりの言葉にびっくりした。
「あ、安藤さん・・・」
「この前筆下しだけしたやん。もっと色々しよ!」
「で、でもいきなり・・・」
「またやろって言ってたの松村君やん」
「うーん、そやけど・・・」
「なんか不満?」
「唐突やからちょっと・・・」
「じゃあ、Hな気持ちになろう」
安奈は啓介の手を引っ張るとベッドに座らせ、本棚からレディースコミックを取り出す。
「いっぺんこれ読んで」

「また買ったん?」
「毎月買ってるで。」
「こんなん買わんでもやりまくってるんやからええと思うけど・・・」
「おかずにしてへんねん。プレイの参考にしたりしてるんやで」
そこには、淫らな人妻が出会いサイトで浮気に耽ったり、高飛車なキャリアウーマンが職場で上司に玩ばれるといった内容で溢れていた。
「したい事あったら言ってな」
「でもこれ、女責められるのばっかりやん」
「別に私、受けでもええで。」
「こういうハードSMでも?」
啓介が開いたページには天井から吊るされたまま4Pさせられる熟女の姿があった。
「それ、設備ないやん。」
「あかん?」
「いまは無理やけど・・・したかったらいつかしような・・・松村君ってこういうの好きなんやな」
「何でそう言うん?」
安奈の視線は啓介の股間を向いていた。
「勃起してるやん・・・」
「べ、別にこういうので興奮したんじゃなくて・・・」
「じゃあ、何で?」
「全般的にHな雑誌やから・・・」
「松村君ってHな本読んでる?」
「僕は本よりHPやけど」
「どんなページ?一緒に見よ!」
安奈はパソコンを起動させた。
「好きなページ出して」
「うん・・・じゃあ・・・」

啓介がアクセスしたのは、有名なアダルトHP「少年M」であった。
そこでは女性に少年が犯されたり、性の僕として調教されたりする画像や文章が扱われていた。
「こんなんみてるん?」
「ちょっとちゃうねん。ここからしかリンクしてへんページやねん」
リンクのページを開き、お目当てのページに飛ぶ。
そのページは「ペニスの取り扱い方」という名で、自慰や他人のペニスの愛撫方法が克明に記されていた。
また、体験談や投稿小説の欄もあり、文字どうりペニスの取り扱い全般のページとなっていた。
安奈は目を輝かせた。
「こんなページあったんや」
「うん。何でか知らんけどさっきのところしかリンクしてないんや」
「松村君はどういうとこ読んでるの?」
「こういうの・・・」
画面には年上の美女にあらゆる指技でペニスを玩ばれる少年の話が出ていた。
「こういうの読んでどうするん?」
「ちょっとそれは・・・」
「秘密にするから言って」
暫くためらった後、赤面しながら小声で返答が出た。
「・・・オナニー・・・してる・・・」
安奈は啓介の目を見詰めた。
「そうなんや。やってるときどういうこと頭に浮かべてるん?」
「男の子になりきって・・・・責められてるところ・・・妄想して・・・」
「そっか。じゃあ、手コキされたいんやな」
「・・・・うん・・・」
啓介の顔は真っ赤っかになっていた。
「じゃあ、最初は手やな。裸になろ」
もじもじしている啓介の前で安奈は服を脱ぎ始める。

「下着姿でした方が良い?それとも素っ裸の方?」
「・・・下着の・・・方」
安奈はブラジャーとショーツだけの姿になる。豊かな胸と尻は未だ白い布切れで押さえ込まれていた。
「松村君は?」
「・・僕も下着で・・・」
啓介もシャツとトランクスだけの姿になる。
「こっからどうしよ?」
「トランクスの入り口から・・・僕のを・・・出して・・・それで・・・」
「手の込んだシチュエーションやな。でも面白いな」
安奈は左手を中に突っ込むと右手でトランクスのボタンを外し、先端を出していった。
トランクスの真ん中から、にょきっと肉棒が顔を出した。小さめであるが、余りの皮はない。
安奈は筆下しの際の会話を思い出した。
・・・ちっちゃいけどええ形してる。剥けてるし。ずっと童貞やったのもったいないで・・・
・・・剥く時からずっと乳液つけてオナニーしてるから・・・それで剥けたまんまになったんやと思う・・・
「結構気使ってたんやな。じゃあ、あたしも皮伸びないように気使おう。」
安奈は右手で肉棒を握り締めた。
「とりあえずしごかずに責めるわ」

安奈の指が動き始める。それぞれの指が別々に動き、ペニスの根元と亀頭の付け根とが同時に刺激される。
「う・・んん・・・気持ち良い・・・オナニーのときよりずっといい・・・」
「やろ?ヴァギナみたいに動くんやで。」
「うん・・・いい・・・」
「もっと気持ちよくしたる」
安奈の左手はトランクス越しに啓介の陰嚢を揉み始めた。
「ウ、ううん・・・いい・・あああ、そろそろ・・・」
啓介の表情が恍惚になっていく。
「じゃあ、飲むわ」
安奈の唇は指先から顔を出している亀頭を軽く咥えた。頬が窄まると安奈の指の動きは激しさを増した。
「んん、ん、ぃ、い、くぅ〜」
「ん!んんん!」
安奈の口腔に熱い液体が放たれる。
それをゆっくりと飲み込み、舌で先端を舐めとると唇と両手が離れた。
「結構早かったな。濃いし。溜まってたん?」
「う、うん・・・2日ほど」
「ゆうてくれてらいつでも出来たのに・・・溜まると身体に毒やで。」
「ちょっと情報処理基礎のレポートで忙しかったやん。」
「松村君真面目に作るもんな。でも松村君の飲めて嬉しいわ。」
「ほんま?」
「この前のとき結構濃いのでたし、一度飲みたかったんや。それで乳液とか塗らんでしたんやけど。」
「安藤さん上手いね。」
「他の人にアソコいじってもらったこと無いやろ?それもあると思うけど・・・私でもアソコ指で弄られたら堪らないよ。」
安奈は口の中に残っていたものを舌で集め、飲み下した。
「こういうシチュのイラスト、さっきあったなぁ。したかったんやね?」
「うん。大学合格してからずっとあれと元の小説を見て・・・」
「でもよかったやん。ほんとに出来たんやし。じゃあ、次何しよ?」
啓介はもじもじして答えた。
「次は・・・」

啓介の声が小さくなる。
「シックスナインしたい・・・」
「シックスナイン?ええけど・・・」
「ええけどって・・・どうなの?」
啓介の顔が更に赤らむ。
「わざわざ声小さくして言うことじゃないやんか。ベッドの上やで」
安奈はにっこりして答えた。
「そ、そうだったね・・・」
「じゃあ、すっぽんぽんになろう」
「あ、安藤さん・・・出来れば・・・」
「出来れば?何?」
「上は着たままでしたい・・・」
「下脱ぐってことやな。ええよ。でも松村君こういうプレイ好きやな」
「う、うん・・・ずっとこういうのを妄想してしてたから・・・」
「ふふ、すっごいエッチやん。私はいくらでも相手するけど、彼女にはこんなこと頼まん方が良いで。」
「ま、まだ僕は彼女なんて・・・」
「松村君って可愛いしまじめやからすぐできるってば」
安奈にとって啓介は高校・予備校で何十人と相手した優等生タイプである。
だが、啓介を玩ぶ気は無い。こういった真面目な少年に性の悦びを覚えてもらうのが自分の使命と思っていた。

「じゃあ、脱がせてあげる」
瞬く間に啓介の下半身が露になった。
「松村君も脱がせてね。」
慣れない手つきで安奈の花園を隠していたものが降ろされていく。
「落ち着いて・・・・」
「う・・うん・・こういう感じ?」
「そう・・・もうちょっとや・・・」
何度か引っかかりながらも啓介は脱がせ終えた。安奈の豊かな尻と茂みが露になる。
「今みたいな感じで脱がせて。後何回かしたら慣れるで。」
「・・・あ、ああ・・・」
「松村君ったらすっかりアソコに意識集中してるやん」
啓介の視線は安奈の茂みに合さっていた。また啓介の顔が赤くなる。
「ご、ごめん・・」
「謝らなくてもいいで。アソコ見たくなるの普通やし。で、上になる?それとも下になる?」

赤らんだまま啓介は答えた。
「上のほうが・・・」
「分かった。」
安奈は寝転んで脚を開く。その頭上に啓介が跨る。
「どうすればいいんかな?」
「私の脚の間に顔入れて。」
啓介の頭が安奈の股間に挟まる。
「で、ビラビラのところ舐めてな」
啓介の眼前に安奈の花園があった。ヨーグルトのような香りがしていた。
花園はすでに花蜜で濡れている。
啓介の舌先が花びらに触れた。
「ああん!」
「愛液ってこんな味なんだ・・・」
啓介の舌には甘酸っぱさと塩っぱさが同時に感じられた。
「じゃあ、舐めあうで。」
安奈の舌が啓介の亀頭を舐め始める。
「んん・・・安藤さん・・・気持ちいい・・・」
「松村君も舌動かして・・・」

啓介の舌はめくれ始めた安奈のめしべに進む。
「いやぁ、いきなりそこはあかん!」
「ご、ごめん・・・」
「そこは・・・最後にして・・・」
再び安奈の口が啓介の亀頭を包む。唇の中で舌が啓介の割れ目を軽くなぞり、唇の締め弛めが亀頭の付け根を刺激していく。
啓介は小刻みに舌を上下させ、花びらの間の庭を舐める。
「むぅん、ん、んんん・・・」
「んんんん、あ、んんん!」
安奈の細く、優美な指が啓介の袋を包み揉み始める。
2箇所を同時に責められ、啓介は腰を震えさせる。
「ああ、安藤さ・・・ムんんん!」
喘ぎつつも啓介の舌先は愛液をすくい、めしべの先に近づく。
安奈の指は袋の中の玉を軽くなで、下は亀頭の先端を丹念に舐め続けた。
「ああ・・・安藤さん・・・いっちゃい・・・そう・・・」
「私のほうが・・・いきそ・・・・さっきのところ・・・お願い・・・・」
啓介の舌は再度めしべの先を舐める。
「あ・・・あああ・・・!で、でる・・・・」
「んんんん・・・・んんん!」
安奈は啓介のを口に含みながら絶頂に達する。
同時に啓介も先端から精液を放ち、果てていく・・・
数分後・・・ベッドで並んで寝転ぶ2人の姿があった。
「松村君、今日外泊できる?」
「う、うん、できるけど・・・」
「今日泊まっていかへん?」
「なんで?」
「朝まで松村君と一緒にいたい・・・」
「朝までするん?」
「出来たらそうしたいなぁ。それに・・・」
「それに?」
「松村君とエッチな話したい!すっごいエッチやもんな!」
安奈の手は啓介のペニスを握り締めた。




『発射訓練』
安奈は指を止めた。
暫くすると青年は口を開いた。
「んん・・・・続けてよ!?」
「あ、やっと違う反応した!」
青年は怪訝そうに安奈の笑顔を見つめる。
「早く!!」
安奈は笑いながら答えた。
「この1ヵ月同じことの繰り返しやったんやし、たまには違うことしようよ。」
「同じ?」
「うん。金曜の晩ずう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っといっしょやで。」
「ま、まあ、そりゃ英語の授業、夕食、俺んちで朝まで、の繰り返しだけど・・・」
「それもそうやけど、特に朝までの部分が全然一緒やん!
7分で服脱いで、10分一緒に風呂入って、3分で体拭いて、2分半私が手コキして、5分15秒文夫君がクンニして・・・」
「いつの間に時間計ったの!?」
「ここでしごいてたらほっといても机の目覚まし見えるで・・・あ!ポーズまで一緒や!」
「いつの間にか日課になっちゃったんだなあ」
文夫はふぅっと息を漏らした。
「でもさあ、イクまでのプロセスまで一緒やん。」
「そうだった?」
「1分で先走り開始、1分30秒で『もっと早く』って言って、2分10秒で『たまらない!』って叫んで2分半で『はぁん!』って喘ぎながらイクんだよね。」
「やっぱ俺って時計人間だな・・・どの辺でとめたん?」
「1分55秒やったからそろそろ喘ぎ声大きくなるころやな。『んぅ、その調子で』とか言って」
安奈は文夫のペニスに息をかけた。

堂島文夫は理学部だったが安奈と英語の講座が同じだった。
理系学部のご多分に漏れず童貞だったところを安奈と出会い、関係を持つに至ったのである。
「俺って本番もそんな感じ?」
「うん。一回目は正常位を1分40秒やった後、バックに変えて1分10秒でイクんだよね。」
「何でイってるのに分かるん?」
「毎度体位とか一緒やもんな。計りたくなるで。私んところから目覚まし見えるんやし。」
「う〜ん、俺って馬鹿?」
「こんな機械みたいなセックスしてもつまらんで・・・そうや、文夫君長持ちさせたい?」
「長持ち?」
「要するに・・・イクまでの時間延すんやけど・・・感じ続けられるで。」
「訓練とかするわけ?」
「うん。手コキしてイキそうになったら止めるっての繰り返すだけやけどな。」
「じゃあ・・・お願いしようか」
「分かった。始めるで」
安奈は嬉しそうに文夫の一物を握り締めた。




『ご休憩はキャンパスで』
初夏の学舎裏。安奈は正の腕を引っ張っていった。
「こっちこっち!」
研究棟に入り、4階まで駆け上がっていく。2人はあたりを見渡し、バリアフリーのトイレに駆け込んだ。
「ここなら大丈夫。」
「まじ?教官室のフロアだよ?」
「心配ないって。この時間やったらこの辺誰もいないから。」
今はゼミの時間。教授たちは出払っていた。
「大体こんなトコ、普段から人通り無いで」
「・・・じゃあ・・・」
そう言うと正は安奈に抱きつき、キスした。
それから手を降ろしていき、スカートの中に入れると安奈のショーツを降ろした。
「んん!いきなり脱がさんといてよ!」
わざとらしげに口で嫌がる。だが、安奈の細腕は、下降していく正の頭を包むだけで止めようとはしない。
正の頭がスカートの中に入るや否や、安奈の陰核に熱い舌の感触がする。
「あ!いや!いきなりはあかんって・・あんん!」
舌は十分に濡らし終えるとフードをめくり、更に中を舐めあげる。
「い、いや!んん!もっとじらし・・・あ、中途半端で止めんとって!」
舌の動きが止まる。

「どうしてほしい?」
「言わさないで・・・」
「じゃあやめとこ」
「・・・・あそこが開いてくるくらいまで・・・」
「あそこって・・・」
「それ以上は止めて・・・」
「いつもベッドの上では言ってるだろ」
「・・・・」
「はっきりしよう」
「う、うん・・・ヴァギナの入り口・・・」
「その辺で勘弁しとくか」
正の舌は活動を再開する。
「あ!は!そ・・・そんな感じ・・・あああ!」
安奈の太ももを雫が伝っていく。
「あ・・はぁ・・・そ・・・そのへんでとめて・・・」
安奈は正の髪をつかんだ。
「はいはい。」
正は顔を離し床に腰を下ろす。
「今度はあたしの番や」

安奈は正のスラックスを降ろす。トランクスに小さな濡れが付いている。
「うわ、先走ってるやん」
安奈はトランクスも降ろす。
「繋がる前に一発飲んであげた方がいいかな?」
「いや、いいよ・・・」
「浪人中に筆下しした時は2発くらい抜かんと一緒にイケなかったのに」
微笑しながら安奈は正のペニスを舐め始める。
まず先走りを舐め取り、続けて尿道口をちろちろと舐める。
「はぁ・・・」
続けて口の中に棹を入れ、丹念に舌と頬を絡める。
「ああ・・・そ、そこ・・・」
しゃぶりながら空いた手で陰嚢を撫で回す。
「ああ・・その辺で・・・止めないと・・・」
安奈の口から濡れた肉棒がしゅぽっと出て来る。
「ふふ、びしょ濡れ!今日はあたしが上やで」
安奈はバッグからコンドームを取り出す。
「トイレやし、堪忍な」
正に装着し終えると跨り、手のひらと指で正の先端を自らの中へと導いていく。
「ん・・・そのまま・・・」
「あ・・・繋がった・・・動くで・・・」
安奈の体が上下しだす。
正の舌技で濡れきったヴァギナは逆に正のペニスを包み込み、安奈の腰技とあいまって正の先端を一層濡らして行った。
正の両腕は上着越しに、安奈の胸をつかみ、揉みしだく。
「ああ・・・もうちょっと強く揉んで・・・そう・・・」
根元まで入れるたびに根元と先端を締め緩めする。ゴム越しに肉襞の感触が押し寄せた。
「あ・・もう少し、あ!私のほうが先に・・・」
「あ・・・おれ・・・あ・ああああ!」
「あんん、ああん!あああん!ああぁ〜」
安奈の方が先に上り詰め、身体を振り上げる。腰を下した瞬間、正もオーガズムに達した。

はァ・・はぁ・・ああ・・はぁ・・・
悦楽の呼吸が室内を埋めていた。
「はぁぁ・・・よかった・・・」
正は上体を起こした。
「ふぅ・・・マジで聞かれなかったかなぁ?」
「絶対無いって。」
「教授じゃなくて、西村さん・・・」
「貴ちゃんやったら今植物学Aの実習やん」
「そうだった。」
「彼女のスケジュールくらい把握しとかんかったらあかんで。付き合って3ヶ月なんだし」
「うん。」
2人は研究棟を出る。
「じゃ、明日の晩9時な。今度は生やから」
安奈は正と別れ、帰路に着いた。

吉川正・・・安奈の予備校時代からの友人(当時高三生で同じ授業を取っていた)。今は安奈と同じ法学部。。
西村貴子・・・正の彼女。大学に入ってから知り合った。今は農学部。正と同じスポーツ系イベントサークルに所属。
って設定です。




初めての2人っきり!

クリスマス1週間前のことである。
「安藤さん・・・クリスマスの予定は?」
「イブはサークルの友達とクリスマスコンパやけど・・・来る?」
「考えとく・・・クリスマス当日は?」
「夕方からは暇やで。」
「・・・やったら、一緒に遊ばへん?」
「松村君と2人?」
「・・・うん・・・」
「よかった!じゃあ、一緒に遊ぼうな!」
安奈の顔がぱっと明るくなった。
今までクリスマスと言えば、イブも当日も家族揃って教会→食事のコースだった安奈には、
2人でクリスマスを過ごすというのは夢であった。

クリスマスの午後・・・
遅い目覚めの後、私用を済ませた安奈は啓介との待ち合わせ場所に急いでいた。
大学から若干離れた繁華街の十字路。
「あ、ちょっと遅れた?」
「ううん、間に合ってる。よ」
2人の目は街頭の大時計を向く。
「じゃあ、とりあえず、どこに行こうか?」
「映画とかどう?見たいってゆうてたのあったやん」
「そうやな・・・吹き替えと字幕どっちがいい?」
「字幕の方がいいかな・・・」
映画を見終えた2人は、スーパーの前を通りかかる。
「ケーキ半額かあ・・・」
安奈が積まれたケーキに目を奪われる。
「どうしたの?」
「昨日昼間、あたしもケーキ売ってたんよ。ここの会社の。」
「へえ、そんなバイトしてたんだ・・・」
「試食とか、ケーキとかの派遣やってるから・・・」
「安藤さんは買ったの?
「買わんかった。うちはクリスマスケーキ、お母さんの手作りやったからあんまり欲しいって思わへん。」
「いいな・・・僕のところはそもそもあんまりケーキ買わなかったよ。」
「じゃあ,買って行こうか?ついでに夕食も!」

安奈のマンション・・・
「シャンパン飲む?」
「いや、僕はシャンメリーでいいよ。」
「松村君飲めるやん。」
「今晩は素面でいたいから・・・」
フライドチキンを手に、2人の会話が進む。
「何で昨日来なかったん?もったいなかったよ。」
「クラスのコンパ先週あったし・・・」
「2次会だけでも来る価値あったで。私と楽しめたのに!」
2次会で安奈は男20人と乱交に耽ったのである。
女1と男20の構図だけを見れば輪姦だが、実態は男の心身を次々と安奈が慈しんだのである。
「大塚君宅、修羅場やった。待ってる人同士であそこの比べあいとかもしてたしなあ」
恥らうことなく淫会の様相を口にする安奈に啓介は半ばあきれつつも熱心に耳を傾けるのであった。
「肝心の大塚君最後やったからなあ。ま、最後ってことで生でハメたからプラマイ0やけど。松村君はどうしてた。」
「僕はいつものように学問だったな。夕食が豪華やったけど。」
「自宅生はええなあ。」
後片付けを済ませると2人はベッドの縁に座り込む。
「安藤さん・・・」
啓介は顔を安奈に近づけた・・・

安奈は目をつぶり、啓介を待ち受ける。
唇が暫く触れ合う・・・
「大体こんな感じかな?クリスマスの展開って?」
「恋人同士やったらな。結婚してたらもう少し単刀直入でもいいけど。」
「あ、安藤さん・・・」
「何?」
「今晩呼び合うの・・・ファーストネームにせえへん?」
「いいよ・・・啓介君・・・」
啓介をベッドに押し倒し、再びキスをする。
「シャワー一緒に浴びよう。」
バスタブにて・・・
啓介が安奈とシャワー浴びるのは、夏に友人たちと花火を見に行った帰り以来である。
「安奈さん・・・んん」
身体を一通り洗い合うと二人は激しく抱き合う。
「ん・・・もっと・・・あ!あぁ」
安奈は自分より背の低い啓介の頭を抱き、自らの胸に埋める。
安奈の乳首に啓介は必死で吸い付く。
「あ・・はあ・・・」
胸に啓介の意識が集中している間に安奈の手は啓介の下腹部へと近づく。
「あ・・・んふぅ!安奈さ・・んん!」
安奈のしなやかな指が啓介の半勃ちした肉茎に絡みつき、完全な起立へと導いて行く。
他方の指は啓介の背のほうから、足の間で揺れる肉袋を掴み、揉みしだく。
「出して・・・ええよ・・・」
「あ・・ああん・・・安奈さ・・・ああ!」
啓介の小さくも端正な肉茎は赤く腫れ上がり、先の割れ目から白い液体を放った。

安奈の胸の谷間で啓介は顔を赤らめていた。
「はぁ・・はぁ・・・」
「啓介君・・・あたしのも触って・・・」
正気を取り戻した啓介は右手を安奈の茂みに入れる。先ほど指で綺麗に洗ったはずのそこに滑りを感じた。
「ああ・・・啓介君、すっごくうまいで・・・とりあえずベッドにもどろ・・・」
10分後のベッドでは、騎乗クンニで安奈が果てようとしていた。
「あ・・ああ・・・ぃい・・くはぁぁ!」
体を弓なりにして震わせたかと思うと、安奈は前にのけぞって腕をついた。
舌を蜜壷に入れたままだったため、啓介の口には溢れるばかりの愛蜜が流れ込む。
「ふぅ・・・・・」
安奈は啓介に覆いかぶさり、啓介の口を濡らす自身の蜜を舐め取った。その間に手は啓介の柱を確かめていた。
「啓介君・・・もう戻ってるやん・・・」
すでに直立している。果てて間もないにもかかわらず、安奈は啓介に跨る。
「安奈さん・・・ゴ、ゴムは?」
「今日は何も考えなくていいから・・・」
安奈は腰をかすかに回しながら下げ、啓介と結合する。
「ああ・・・いつもよりも中が熱い・・・」
「だってクリスマスやもん・・・見て・・・」
安奈の両足が開機、結合部分が啓介の眼前に現れる。
「ここで啓介君と・・・今日は一緒にいこう・・・」
言い終えると安奈の腰は激しく上下しだした。

「あああ・・・んん・・・見て・・・くっ付いてる上のほう・・・」
安奈のめしべはむき出しになっており、それが啓介の茂みや下腹部に触れるごとに蜜壷とは別の刺激が安奈の体を走る。
「ここ、啓介君の体に・・・あ・・あたって・・・あ!」
啓介の両手が安奈の乳首をさすりだした。
「あ・・・んんぅ・・きもちいい・・・あ・・あんな・さ・あは・・は!」
安奈も啓介の乳首を触り始める。
啓介の乳首は安奈の2周りほど小さいが、触られた際の反応は、安奈よりも激しいものであった。
「ん・・んは・・・これが・・ホント・の・・あは!乳繰り・・・合いや・・・・んは!・・やな・・・」
「あ・・・安奈さん・・・ぼ・・・僕・・・あ!」
「も、もうすこし・・・あ・・・あと30びょ・・・んふぅ!」
啓介は急速に快感が増していくのを覚えた。
安奈も,急沸したかのごとく腰まわりから燃え滾るような快感が全身に広がるのを知る。
「ああ・・・んはああああ!」
2人の喘ぎ声のピークが重なり、マンションの中を埋め尽くした。

声が途絶えた頃、2人は右手を握り合っていた。
「ああ・・・啓介君・・・」
「あ・・・安奈さん・・・・」
安奈は啓介にキスされた。
「初めて一緒にいけた・・・」
「うん・・・・」
「私な、2人きりのクリスマス初めてやねん。だからこういう感じでクリスマス過ごすのムッチャ嬉しいんやんか・・・」
「僕も始めてや。」
「啓介くん・・・」
安奈は啓介を抱き寄せた。
啓介の脳裏に「今だ!」の3文字が浮かぶ。

あたしな、彼氏いらん主義やから・・・セフレやったらいいけど・・・
啓介が秋に告白したとき、安奈の返事はそれだった・・・・

「安奈さん・・・」
「なぁに?」
「ぼくたち、セフレやけど・・・」
「うん・・・そうやけど・・・」
「これからもずっとファーストネームで呼び合おう・・・」
安奈はにこっと笑みを浮かべながら、
「いいよ!これからはずっと啓介君!」
安奈の唇が啓介に重なった。

初めての2人っきり!・・・おわり




熱帯の海辺では夜は意外と涼しい。
しかし、森の中は暑い。
森といってもこの島は林とも言いかねるほど小さい。
その木々の真ん中に小さなロッジが数棟あった。
丸太つくりでなんと冷暖房は完備。
環境に配慮して地下に発電所や浄化槽が備わっている。
本当は台風でしょっちゅうロッジが飛ばされるかららしいのだが・・・
今、日が変わろうとしている。
明かりのついたロッジが1つ。
中にいるのは6人の男女である。皆全裸で、何一つつけていない。
大型の2段ベッドが2つ平行に並んでいる。ベッドの間は通路になっていて、
そこを抜けると四角い小部屋になっている。反対に抜けるとバスタブがある。
ラジオがカウントダウンを告げ始めると6人は皆ベッドのへりに座る。
雄太と京は部屋に向かって右ベッドに、後の4人は左のベッド。
ぽ〜ん〜〜〜
年が変わった音だ。
「あけましておめでとう!」
「今年もよろしくお願いします!」
ロッジから新年の挨拶が聞こえてくる。

一通り挨拶が済んだところで大が言い出す。
「じゃあ、とりあえず日の出まで何しようかな?」
繭がベッドの隅にあった小箱を取り出す。
「トランプでもします?」
「いいわね。」
由里が微笑した。
「最後に大富豪と富豪の人が元旦の初プレイを決めるってのはどうかしら?」
「いいね。じゃあ、初日の出10分前までに勝負を決めるってことで・・・」
夜明け・・・
旭日が海岸を照らし、6人の体を黄金に輝かせる。
ヌーディスト村でもあるこの島では、恥らうことなく裸体をさらけ出せるのである。。
「感動的!」
篠は叫んだ。
「あたし雨女だから初日の出初めてなんだよな」
京は海に向かって駆け出した。
由里が様子をデジカメで撮影する。今回くじで撮影係になってしまったのである。
「動画と静止画同時にやらせないでほしいわね。第一朝日で逆光ばっかりじゃない。」
と愚痴る割には嬉しそうに撮影していた。
1時間ほど浜辺で戯れた後、6人はロッジに戻った。
「さてと・・・あたし大富豪だったから・・・」
京は嬉しそうに大の腕に抱きついた。
「2人っきりで北海岸で楽しませてもらうよ」
富豪の繭が京に顔を向けた。
「私たちは南海岸で雄太君責めますね」
朝食を終えるとめいめい初プレイの場所へと用具を持って出て行った。

雄太たちは海岸に着くと早速ビニールシートを敷き始めた。
すでに日はかなりのところまで出ていて、体の隅々まで見渡せる明るさである。
大型のものを3枚ほど敷き、サンダルを隅に揃えると、待ってましたとばかりに繭が雄太を押し倒す。
「リラックスしててくださいな」
篠が雄太の陰嚢をさすった。
「でもここは勃たせといてね」
脇のほうから由里と繭が雄太の両乳首を責め始めた。
「あ・・・あ・・・あああ・・・」
早くも雄太の甲高い声が聞こえた。
2人の責め方は対照的である。
由里は舌先でチロチロと乳輪をくすぐるように舐めるのに対し、
繭は唇で軽く乳首を咥えてチュゥと吸い付く。
女にはノンケの由里と男にはノンケの繭の違いと言うものだろうか。
篠は雄太の唇を舌全体でペロペロ舐めている。
「ああ・・・んはぁ・・・・」
上半身の敏感な箇所への責めは、この麗しい青年の全身に悦楽の高周波を浴びせているようだ。
「もうこんなに・・・・」
由里が雄太の股間に直立するものをみやるとすでに尿道口から透明の液体が漏れ始めていた。
「先走ってますね」
繭はわざとらしげなまでの冷静な口調で述べる。
何か言おうとした雄太を篠の唇が遮る。
「んふぅ!」
「暫くは喘ぐだけにしてね。」
篠は雄太の構内でうごめく舌に自らの舌を絡めていく。

ちゅぱ・・ちゅ・・・
雄太と篠の舌からは飴玉を舐めるかのような音が生じる。
2人の紡ぎ出す音色を聞きつつ、繭と由里も一層乳首への愛撫を強める。
由里は乳首へと舐める対象を移し、繭は唇の挟み込む力を強める。
「んん!んん!」
雄太は口を遮られ、長い睫毛を半ば重ねながら妖しげな眼差しを篠に向ける。
「そろそろ口離してみる?」
繭が篠に呼びかけると、篠は舌を離した。
「ふぅ・・・・・あ・・そろそろ・・・あそこを・・・」
雄太は懇願する眼差しで篠たちに頼んだ。だが、由里は
「だめよ。」
ときっぱり拒絶した。
「最初は股間をいじらずにイッてもらうことになってるのよ。」
「ああ・・ん・・だ、だれが・・・・」
繭は微笑んだ。
「私が決めました。」
「あのカメラの前で感じやすい自分をさらけ出すのよ、ふふ・・・」
由里は仕上げとばかりに乳頭を舌先で責め始める。突付いたかと思うと舐め回し、また突付くのである。
繭も舌を乳首に宛がいながら一層きつく吸い付き暫くすると唇を離す、を繰り返し開放感と密着感を交互に感じさせる。
「ふはぁ!ひぁあああぁ!」
喘ぐ雄太の耳や頬に篠は息を軽く吹きかける。
「ああ・・・駄目、あ、いやぁ・・・ああ!!あああ!!!」
カメラは雄太の初射精を捕らえた。

射精を終え、萎えた雄太のペニスに3人は群がり、付着した精液を舐め取る。
「はぁ・・・あ・・・・」
「さて・・・と」
繭は雄太にキスする。
「とりあえずメモリが切れるまでは責めさせてもらいますね」
「後・・・どれくらい?」
由里はカメラのモニターをのぞきこんだ。
「2時間半ってところかしら?さすがマイクロドライブねえ」
「そ、そんな・・・・」
「じゃあ、続きをはじめま〜す!ハメ初めは私!」
繭は雄太の尿道口を舐め、陰嚢を揉み解しだす。
「あ・・・・んん!ふう!」
篠が雄太の股間に座り込む。
「次ハメる人にクンニしてね。んん・・・そんな感じ」
雄太の舌がすでにびしょ濡れになっている篠の密林を這い進む。
「みんなびしょ濡れにして待ってるのよ。」
由里は雄太の太ももをさすりだす。反対の手で自らの秘肉を撫ではじめながら。
「とりあえずフォロー入れてあげる・・・」
新年の初プレイが始まった。

午前9時・・・
すでに日は高くなっている。雲ひとつない青い空。穏やかな青い海。
浜辺では由里が激しく腰を上下させ、最後のオーガズムへと向かっていた。
3人の丹念な愛撫によってすでに数度の絶頂を迎えていた雄太は、由里の腰と膣の複合技を堪能していた。
篠と繭は雄太の両脇に寝そべって雄太にキスしたり、乳首をなぞったりしている。
「ああ・・・ああ・・・く、来るわ〜!」
「ああんんん!!い、いっちゃうよぉ〜」
雄太の精液が由里の中で放たれる。最後の一滴が出るまで由里は腰使いを止めない。
「あ・・・ああ・・」
ようやく終えた由里は雄太に倒れこみ、事後の抱擁と接吻をはじめる。
10数分後・・・4人は海に入り、身体を洗い流していた。
「ああよかった・・・雄太さん、どうでした?」
繭が雄太の萎えたものを指先で洗う。
「なんか自然に帰ったって感じかなあ。」
「私、このまま居座っちゃおうかな?」
海から出た篠はバスタオルで身体を拭き取る。
「その方がいいかもね。雄太君と2人で仲良く暮らしたら?」
シートを折りたたんでいた由里が篠のほうを振り向いた。雄太も篠に目を合わせる。
「俺はそうしたいけどなあ。篠は?」
「とりあえず、私はお昼まで寝まぁ〜す。雄太、添い寝してくれる?」
4人はロッジに戻って行った。浜では波が4人の営みの痕を消して行った。

「新春特別編 椰子の下であけまして」完




「雪の因縁」
1月。雪の降るキャンパス。
安奈は試験のため大学の図書館に詰めていた。珍しく真顔で学んでいる。
「そろそろお昼・・・あ!千佳ちゃんと約束してた!」
安奈はコートを羽織って飛び出した。
と、入り口で安奈に声をかける女性がいた。
「あれ?安ちゃん?」
「あ、千佳ちゃん・・・間に合った」
「待ち合わせは11時40分に第5講義室前じゃなかった?」
「え?今・・・まだ20分かぁ」
「じゃあ、・・・ここで待っててね・・・本借りるだけだから・・・」
千佳は館内に入って行った。安奈は入り口で待っている。
と・・・
「あれ・・・あ、やっぱり安藤だ!」
後ろから安奈に聞き覚えのある声がする。振り向くと、
「塚本!?」
安奈より一回り大きな青年が立っていた。
「お、どうしてんの?」
「どうでもいいでしょ!」
「いきなりそんな態度かよ」
塚本は安奈に近づいた。
「暇?だったら・・・」
「あんたといる暇なんかないよ〜だ!」
「あ〜あ、2年近くたっても忘れないんだな。仕方のないやつ・・・」
「ふん!」
塚本が去っていくと同時に館内から千佳が出てきた。
「安ちゃん、お待た・・・どしたの?」
「あ、なんでもないよ。行こ!」
2人は傘を差して中央の学生食堂へと向かった。

塚本忠司は安奈の高校3年の同級生であった。
中高一貫の公立校に高校から編入したのである。
安奈が一期生なので高校編入一期生ということになる。
学年、というより学校1の女たらしであった。事実安奈の学年で最初に行為を済ませたのである。
中学時代は広域に生徒を集める有名進学塾で随分と食い漁った。
高校に入ると、高校編入クラスの級友と部活の中学組をまずターゲットにした。
部活では他の編入組が中学組から安奈の話を聞きつけ、この麗しい夢魔に初穂を捧げていたのを横目に
他の中学組の女子生徒を先輩とおだて、巧みに関係を持ち込んだ。
続けてクラスの花々を堪能し、最後に安奈を食後のデザートとばかりに関係に及んだのである。
関係は3年間続いた。面白いことに、試験前日に2人が行為に及ぶと、決まって忠司の成績が上がり、安奈の成績が下がるのである。
センター試験時には交なかったのだが、滑り止めの私立の際には行為を重ねて安奈が落ちてしまった。
逆に滑り止めを合格した忠司が、
「本命で運を返すよ」
と言って本命の国立大前期では、前日から最終日まで日付が変わるまで安奈と耽ったのであった。
結果、安奈は落ち、忠司が受かった。
後期では入学手続きを済ませた忠司が安奈のホテルに来て
「運を返し足りなかった」
と言いつつ朝まで身体を重ね、挙句安奈は浪人する羽目になったのである。
もっとも、入試時には、忠司以外にも安奈と交渉に及んだ男は多数いたし、全員安奈の方から声をかけたので忠司に責任があるわけではなかった。
おまけに男の方は全員合格である。
安奈としては精と引き換えに運を捧げたようなものであった。
ただ、他の男がフリーだったのに比べ、忠司だけが他に女がいながらも安奈と肉体関係を続けたために安奈は忠司が自分を玩んだと誤解したのである。
誰とでも性を楽しむ安奈であったが、忠司は許せないと思うに至っていた。

安奈と千佳は昼食を済ませた。
「さ、また試験勉強しよ。」
「安ちゃん、明日法学入門のノート持ってきてね。」
「うん、じゃあ、風邪引かないでね」
安奈は千佳と別れ、図書館に戻った。
雪が積もり、足跡が地面のいたるところに出来ている。
入り口のところで大樹と出会った。
「お、試験勉強?」
「うん。三河君も?」
「そうだけど・・・あ、安藤さんは植物学1の範囲知ってる?」
「うん。ノートもあるけど、要る?」
「要る、要る。」
「じゃあ、晩に私の家に来てくれる?」
「いいよ。」
「なら、8時に来て。」
安奈は席へと戻った。
「何処までやったかな・・・あ、120ページか・・・」
安奈の後ろの窓から、大樹の原付が雪の中で煙を出すのが見える。
安奈はページを進めては見たが、まったく頭に入らない。
忠司の顔が行間に浮かんでいる。
・・・ちょっとくらい謝って欲しいのに・・・口から湯気ばっかり吐いちゃって・・・
そういや現役の時の入試、いつも雪だったな・・・きっと塚本にとってはあたしなんか使い捨てカイロだったんだろうな・・・
朝まで抱き枕みたいにあたしを抱きしめちゃってさ・・・
「忠司の馬鹿!」
安奈の大声に周囲の視線が瞬時に集まった。
「あ・・・あ・・・すいません・・・」
安奈の顔が真っ赤になる。

その晩、安奈は大樹に身体を預けていた。
「ん・・・みかわ・・くん・・・」
「あ・・・正常位なのに・・・こんなに締まるなんて・・・」
大樹の腰の動きが激しくなる。
「あ・・・・あ。ああああ・・・・あん!」
「ああんぐ、でるぅ!」
2人は昇天した。
「ふぅぁ・・・・やっと・・・リードされても一緒にイケた・・・・」
安奈は手足で大樹に抱きつく。
「うん・・・・自信もてたよ・・・・・」
「次は私が足閉じてても一緒にイケるようにね。」
2人は抱き合ったままであった。
5分ほどすると安奈が腰を動かす。
「次は私がリードするから・・・その前にシャワー浴びよう」
「また?」
「うん。その方がさっぱりしていいでしょ・・・ウーロン茶飲む?」
結合を解くと、冷蔵庫から安奈がコーラのペットボトルを出してコップに注いだ。
「あ、入れて・・・」
入れ終わるや否や大樹はコップを取って飲み干す。
「ふぅ・・・」
飲み終えると安奈は自分のコップを大樹に渡す。
「口移しして・・・」
大樹は口に茶を含むと安奈に口づけし、唇を広げる。
「ん・・ん・・・」
2人の唇から漏れたウーロン茶が雫となってベッドのシーツに落ちる。

大樹に後ろから抱きつかれながら、安奈はシャワーを陰部に当て、白濁液を洗い流す。
「シャワー持って・・・そんな感じで・・・・ああぁ、クリトリスに当てないで!」
シャワ−の1条が陰核の先端に当る。
数分後・・・
大樹はしゃがみながら安奈の茂みをバスタオルで拭き取っていた。
「結構生えてきたね」
「だって冬は水着着ないから・・・・」
夏場はモヒカンの部分が見事な逆三角に戻っている。
拭き終えると大樹はベッドに寝転ぶ。すでに大樹の部分は半立ちになっている。
「ふふ、あそこ拭いてるだけで興奮してる・・・」
安奈は大樹と反対向きに横寝になった。と思うと早速大樹の陰嚢をさすり始める。
「起立してね・・・」
すくっと直立する。安奈の舌がぺろっと先端を舐め取る。
「横になって・・・69しよう・・・」
安奈の脚がぱっと開かれ、大樹を誘った。大樹の頭がすっと股間に入り込むと、太ももはするすると大樹の頭を覆った。

瞬く間に文夫の恥部が勃起した。
「出そうになったら言ってな」
安奈の手は上下に動きだす。
ただ上下するだけではなく、指を動かし、文夫の裏筋や根元をたくみに刺激した。
「う・・あ・・・」
「さっき結構なところまで来てたし・・そろそろじゃない?」
「う・・・うん・・止めて」
安奈の指が再度止まる。
「萎え切ったらまた動かすで」
数分、正確には3分と25秒の後、安奈の動きは再開された。
「あ・・・うあ・・・うまい・・・ん!」
急に文夫のトーンが変わる。
「そろそろ?出かかったら手遅れだからちょっと早めに言ってな」
「うん・・・とめて」
再開と停止が3回繰り返される。次第に間隔が短くなってくる。
「次で最後までして・・・」
「ええよ。」
安奈の手が動きを取り戻す。指先は一層裏筋を撫で、根元を締め上げる。
射精できると安堵したのか、文夫は急速に精の感触を覚える。
「ああ、たまらない!」
「気にせずに出してな。」
「はぁん!」
文夫の精は勢いよく放たれ、放物線を描いてベッドの上に落下していった・・・・・・
落ち着いたのを見計らうと安奈は文夫に乗りかかってキスした。
「大体1日5回くらいこれ繰り返したらいいらしいで。」
「ありがとう。一人でするときも試してみるよ」
「セックスも日々のトレーニングが肝心やからなぁ」

数ヵ月後・・・
安奈の腰の動きが止まる。
「どうしたん?」
暫くすると文夫は口を開いた。
「んん・・・続けてよ?」
騎乗位のまま安奈は答えた。
「う〜ん、文夫君ってやっぱり時計人間やなあ」
「え?」
「手コキの時間が射精トレーニングの時間になっただけやん。」
「でも本番の時間は・・・」
「一回の時間が毎週10秒ずつ伸びてるだけやで。」
「やっぱり俺って・・」
「時計人間!」
二人は笑いながらみつめあった。

安奈の舌が大樹の棹を舐め始めると大樹の舌も安奈の芽を突付き始めた。
ちゅぱ・・・ちゅぅ〜ちゅ、しゅ、ちゅぱ、ぴゅちゃ・・・
二人の股間から淫らな音が漏れてくる。
責めたりないと思ったのか、安奈の手が背面から大樹のフグリをもみしだく。
大樹の舌の動きが止まる。
この責め、まだまだ有効・・・
安奈はそう思いつつ指先で皺を玩んだり、大樹の根元を締めたりする。
大樹は我慢できず安奈の豊かな尻を撫でる。口淫を終える合図だ。
二人の脚が開かれ、再び大樹が仰向けになる。
「もう少し、粘ろうね!」
安奈は大樹の唇を軽く舐めると大樹に跨り、直立したものを持って結合作業を始める。
まずはいつものように騎乗位に持っていく。
挿入の段階から腰と膣を使うのが安奈の交合法である。
半ばまで入れるとゆっくり身体を上下させながら奥へと引き込んでいく。
「あ・・・安藤・・・そんなに責めると・・・・」
「まだ大丈夫でしょ?さっきあれほど出してるんだから・・・」
次第に安奈も悦楽を発生させる作業に没頭していく。
次第に体の向きを変えながら、先まで固くなった乳首で円弧を描く。

「んん・・たまには後ろ向きで・・・」
安奈は大樹に背を向ける形になる。月見茶臼と呼ばれる体位となった。
騎乗ではあるが、バックの感触をペニスに覚えた。
「ああ・・・いつもとちがって・あ!締め弛めもいつもよりはげしい・・」
パンと張った丸尻が揺れるさまを見て大樹の興奮は増す一方だ。
「ああん!中で大きくなってきてるぅ!ああぁ、三河くぅん!」
安奈の声色が絶頂の甲高いものへと変わっていく。すでに陰核はフードに隠れ、安奈が頂上を目前にしていることを示していた。
無意識のうちに大樹は安奈の尻を撫で回す。
「あ、あはぁ!安奈、出るよぉ!」
「わ,私もぉ〜、ああぁっ!」
安奈が身体をのけぞらせると同時に二人はオーガズムを覚えた。
2時間後・・・・
大樹は帰る間際に言った。
「来週はどう?」
「ごめんだけど、試験終わるまで休ませて。ちゃんと勉強したいし。」
安奈が内心未だ決めかねていることは、着替えたはずのショーツがすでにびしょ濡れになっていることが示していた。
もう雪はやんでいるのに。




『新「入」生を探せ!』
「合格おめでとう!」
合格発表の日、この大学では熾烈なサークルの勧誘が行われていた。
構内の道々でチラシが飛び交う。
外では不動産業者や専門学校も加わり、修羅場と化していた。
「あ、テニスサークルのボービです。歓迎会やるからね〜」
「サッカー部、見学OKなんで・・・」
通行者は大きく3種類いる。
1 合格した人
2 合格しなかった人
3 学生・職員
安奈は3だった。
普段はサークル活動しない安奈も千佳の頼みでチラシ撒きのバイトである。
千佳は専門学校の方で手一杯なので、イベントサークル・12(トゥエルヴ)の方を担当してた。
「あ、12です。コンパに来てくださ〜い」
安奈の容姿ゆえか、それとも「外人」のお姉さんが流暢な日本語で話しかけるのがもの珍しいためか、
わざわざビラをもらいに来るのまでいた。
安奈の心中は新入生のなかでどれだけ女を教えて上げられるかと言うことで埋められていた。
かわいいなぁ・・・
この子、絶対童貞ね!
品定めしながら安奈はせっせとビラを配った。

数日後、入学手続きの日。
午前のビラを配り終えると安奈は昼食を取りに学食へと向かっていた。
と、ビラを渡した少年が学食の前に立っていた。
学食の制度を知らずにおどおどしているようであった。
「どうしたのかな?」
少年は安奈の声に驚いたらしい。
「あ、この前の・・・」
「困ってるみたいだね」
「あ、ここって入学前でも・・・」
「誰でも利用できるよ。自分でお皿とっていってレジで払えばいいから・・・」
「あ、ありがとうございます」
少年はお辞儀した。
「あ、あと・・・この前のビラに乗ってた花見って・・・」
安奈はにこっと笑い、
「来るんだったら今聞いとくよ。名前と携帯教えてね」
「えっと名前は小川博之です。」
携帯の番号を確認すると、安奈は自身の携帯に登録した。
「じゃあ、又連絡するね。」
博之を見送ると、安奈も昼食をとりにいった。
しょうゆラーメンをもってテーブルを見渡すと、千佳が先に来ていた。
「あ、安ちゃん」
「一緒に食べよう」
「うん」
テーブルに着くと、千佳が話しかけてきた。
「さっきの子誰?」
「新入生。12のお花見来るって。」
「で、食べるの?」
「千佳ちゃん、待たせてしまってごめん」
「お昼じゃなくてあの子。」
「どうしよっかな?携帯聞いたし。」
安奈は麺をすくいながら微笑んだ。

夕方、ビラを配り終え、サークルのほうと連絡を取った安奈は博之に電話した。
「あ、小川君・・・だったよね。12のお花見、受けつけました。」
博之の声が聞こえてくる。
「OKだったんですか。よかった・・・」
「今日あいてる?よかったら、もっと詳しく説明するよ。」
博之の声が嬉しげになった。
「はい、お願いします。」
安奈はにやっとした。釣りで糸を手繰り寄せる際の顔つきだ。
「じゃあ、電話で言うのもなんだし、会って話したほうがいいよね。大学これる?」
「は、はい。」
時間と場所を決めると安奈はしてやったりと言う顔になった。
「じゃあ、7時にね。」
安奈は博之を待ち構えていると1分ほど遅れて走ってくるのが見えた。
「はあ、はあ・・・す、すいません。」
「いいの、いいの。じゃあ、こっちで説明するからついてきて」
安奈は自分の家へと博之を誘った。
2人が前を過ぎた書店では千佳が待ち合わせついでに立ち読みしていた。安奈たちに気付くこともなく・・・
「ここは?」
「私の下宿。ここのほうが邪魔入らないでしょ?」
安奈は博之を中に案内すると、パンフを取り出した。
「で、いま、スタッフも募集してるんだけど。よかったら4日とか説明会やるし・・・」
「4日はレッツの花見が・・・」
その言葉を聞くと安奈の口調が荒らいだ。
「レッツ!?あそこやめといたほうがいいよ!イベントしょうもないし、スタッフの質悪いから!」
「は、はあ・・・」
博之は気押されしたようだ。
安奈としては忠司がスタッフを勤めるレッツは、許しがたい仇敵のように思えるのだ。
「ご、ごめん、ちょっと興奮しちゃって。ま、あんまりレッツのイベントは参加しないほうがいいからね。」
落ち着きを取り戻しつつ、安奈は1通りトゥエルヴの説明をした。

そのころ千佳は、司法試験の塾で説明会を聞いていた。
司法試験の塾といっても、今はロースクールの予備校である。
千佳の心はホワイトボードの前で説明する講師と上の階で警官試験講座の説明を聞いている青年とを往復していた。
久々に片岡君んちにお泊りできる!
千佳の心は司法よりも片岡憲の方を向いていた。
その時、憲の顔が珍しく虚ろだったのも偶然ではないだろう。
千佳さん・・・
いつのまにかノートにはそうメモが取られていた。
安奈は説明を終えると博之に顔を近づけた。
「まだ時間、空いてる?」
「あ・・・終電11時なんで・・・」
「まだ下宿に入ってないんだ。」
「ら、来週荷物入れるんです・・・」
「そうなんだ。でも、これから3時間はあるよね・・・・」
安奈の顔がさらに博之へと近づく。
「小川君、彼女、いる?」
「い、いないです。」
「やっぱりね・・・」
安奈の腕が博之の背へと回りこんだ。
「抱いてあげる!」

博之の顔が瞬時に赤く染まった。
「あ、あ、あの・・・これって・・・」
安奈は笑みを浮かべながら唇を寄せる。
「私、あなたのような後輩がほしかったんだ・・・」
「え・・あの・・・抱いてあげるって・・・」
「決まってるでしょ。セックスするのよ・・・」
安奈の唇は博之まで1センチとはなれていない。
「キスしたことある?」
「は・・はい・・・」
「じゃあいいよね」
接吻がなされた。博之の顔は耳元まで赤くなっていた。
するすると安奈の手が動き、博之の頬を包む。
「かわいい・・・」
腕は博之を安奈の胸へと迎え入れた。
「こわがらなくていいのよ。私が教えてあげる・・・」
安奈の目が半閉じになった。唇は笑みを浮かべたままだ。
博之の顔が胸から起き上がった。安奈と目が合う。
「ほ、本当なんですか!?ぼ、僕は・・・」
「別にだましたり冷やかしたりしてるんじゃないの。私はね、性を知らない男に教えてあげるのが趣味なの。」
博之の顔が若干白みを戻した。
「ちょっと落ち着いたら服脱がしてあげる。」
安奈の口調は柔らかであるが、落ち着きはらっている。

千佳は塾があるビルの入り口で憲が出てくるのを待っていた。
おそいなあ・・・・
そう思いつつももらった資料に目を通し、時間をつぶしている。
街灯は千佳の周りを明るく照らしていた。
初春の冷たい風が千佳の体を冷やす。
さむい・・・
中で待ったほうがいいと判断した千佳はちょうど来たエレベーターへと駆け込んだ。
安奈のマンションでは、博之が下着姿にされていた。
安奈の腕が優しく、シャツを脱がせる。
博之の体を覆うのは、ブリーフ1枚であった。
「ふふ、もう興奮しているな!」
安奈の視線はテントになったブリーフの前に注がれた。
「あ・・・そ、それは・・・」
「恥ずかしがらなくっていいわよ。最後の一枚は後のお楽しみにとっておいて・・・」
安奈は顔を上げた。
「次は私を脱がせてね。」
「ぼ、僕は脱がせ方なんて・・・」
「教えてあげる!」
博之は恐る恐る安奈の衣服を脱がせていった。
「うん・・・そんなに強くひっぱらないで・・・」
「そう・・そんな感じ・・・フロントホックの場合はやり方が違うから気をつけて・・・」
薄桃のショーツだけになったところで安奈は博之を止めた。
「ここから先はお風呂の中!」
「え、ええ!?」
「先に入ってパンツ脱いでてね。」
そういうと安奈は博之をユニットバスにいれ、ドアを閉めた。

博之は戸惑いながらもブリーフを脱ぎ、棚に置いた。
「入るわよ〜」
声が聞こえたかと思うとドアが開き、安奈が現れた。
身には何一つつけていなかった。だが、前をタオルで覆っている。
「じゃ、体洗おうね」
そういうと安奈はバスタブに座っていた博之を立たせ、シャワーを当てた。
「ひゃあ!」
「ごめんごめん、冷たかった?すぐお湯が出るから」
安奈の片手はシャワーを握っているが、もう片方はまだタオルで前を覆っている。
博之の視線はタオルへと注がれた。
「ふふ、見たいでしょ!?」
「は、はい・・・」
「後でじっくり見せてあげるから今は我慢するの!上向いてて!」
博之は上を向くと、安奈は博之の体をタオルとシャワーで洗い始める。
「これから使う部分だけでも綺麗にしておかなくっちゃね」
タオルとシャワーは博之の固くなっているところを洗い始める。
「ああん!」
「ちゃんと剥けてる・・・」
安奈の指が博之の先端に触れた。
「あ!」
「足と足の間は全部洗っとくね・・・」

ボディソープが塗りこまれ、泡立てられる。
安奈の指と泡の感触が博之の棒と袋に心地よさを与えた。
「ああ・・・あ・・・」
シャワーで洗い流し終えると、棒は一層大きく硬くなっていた。
夜、街灯の下を千佳と憲は歩いていた。
「やっと見えてきた・・・」
千佳は憲に寄り添っている。
ようやく憲のマンションに着いたのだ。
「すぐに・・・ね!」
「分かってるよ。」
憲はポストの郵便を抱えながらオートロックの玄関を開けた。
博之はベッドの上に仰向けになっていた。
安奈は博之の頭上にまたがり,自らの花びらを鑑賞させていた。
「ぬ、ぬれてる・・・」
「当たり前でしょ。見られてるんだから。」
すでに興奮でめしべは先端を露にし、花びらは開いて奥の花園を見せている。
「舐めて・・・・」
安奈は腰を下ろした。まるで犬のように博之の舌が安奈の花弁を舐めまわす。
「あ、ああ・・・そんなに激しく・・・丁寧に・・あん・・・お願い・・・」
安奈の甲高いあえぎに混ぜながら博之に交わいを教えていく。

ラジオで22時の時報を聞きながら、憲はベッドの上で千佳の乳首を吸っていた。
髪を解いた千佳は少し色気が増したように見える。
「憲くん・・・ん・・・まえより・・・いい・・・」
他方の胸を揉み解し、千佳に頭を抱かれながら、憲の愛撫は続く。
空いた手を千佳の茂みに這わせて・・・
博之は自らの棒が安奈の中に入り込んでいくのを知った。
まるで体全体を包み込まれるかのように思えた。
「ふふ・・・気持ち・・いい?」
「は、はい・・・」
安奈は博之の手首をつかんだ。
「いつもこの手で慰めてたんでしょ?これからは女の人を慰めるのに使うのよ。」
そういうとむき出しになった自身のめしべに指先を触れさせた。
「出し入れするときに繋がってるところを愛でてね。こんな感じで・・・」
安奈の指が博之の袋をさする。
「ああ!」
「やさしく愛でて・・・」
安奈は腰を上下させていく。
同刻に憲も腰を上下させ、千佳の中に体の一部を出し入れしていた。
「ああ・・・けんくぅん・・・もっと・・・ゆっくり・・・」
オーソドックスに正常位での行為を行う。
まるで教科書のように二人はあえぎ、体を動かした。
「うう・・千佳ちゃんの中がすごくて・・・」
「ちゃんと締めゆるめできてる?」
「うん。すごいよ・・・」
千佳の手足は無意識のうちに憲に絡みついた。

結合から数分・・・・博之の中で何かがこみ上げてきた。
すでに安奈は最後の1段を博之と登ろうと我慢していた。
「な。長持ち・・するね・・・・・来る前に一人・・で・・・した?」
「は、はい・・・あ、ああ・・・で、でそうです・・・」
千佳と憲も絶頂の寸前であった。
「け、けんくぅぅん!」
最後の締め付けが憲を上り詰めさせた。
「ああ、ち、ちかちゃ・・ん!」
「ああ!」
「あ、わ、私、が、がまんでき・・ああああ!」
「ああ、でるぅぅ!」
4人は同時に果てたのであった。
次の日の昼は春雨が降って寒い。
安奈と千佳はびしょぬれになって学食で遅い昼食を取っていた。
「安ちゃん、食べた?」
「うん。おいしかった。」
「やっぱりね・・・今日も他のを食べるんでしょ!?」
「うん。今晩は2皿予約済み。」
「安ちゃんって食べすぎ。」
「片岡君って小食だね。」
「でも、愛情がこもった食べ方するよ。」
「私は食べ方を教えるのが趣味よ!」
新入生が食堂に入ってくる。
「あれは来週かな?」
安奈はシーザーサラダを平らげた。
『新「入」生を探せ!』 完




「水着でGO!」

安奈はいそいそと白のワンピース水着へと着替えた。
ビールのCMによくあるような肋骨の辺りまで切れ込んだものだ。
「で、これでいいかな?」
「はい・・・」
「じゃあ、はじめましょ!」
安奈の手が一夫のズボンを下ろす。
「さすがにかちんかちん・・・」
「へえ、勃ってても半剥けじゃん」
「見るなよ!」
「こらこら、見られても気にしないって約束でしょ!」
安奈はそう言いながら一夫の皮を剥いて濡れタオルで亀頭をふき取る。
「ちゅばちゅば・・・」
早々に安奈は口の中に含む。
指で皮を下に引っ張られ、完全に剥きだしになった一夫の亀頭に安奈の舌が絡む。
「あ、ああ・・・ふぅ、うは・・・ああ!」
ゴクン・・・
安奈の喉が一夫が放った精液を飲み込んでいく。
「ちょっと濃いね?ま、帰るまでには薄くなってるわよ」
安奈は口を開けると、一夫のふぐりをさすって微笑んだ。

夏休み直前の語学試験前、たまった後輩たちのリピドーを満たすのが安奈の趣味である。
が、今年は万悪く生理にぶち当たり、本番の代わりに水着でサービスとなったのである。
安奈の部屋には数人の後輩たちがいた。
「で、次は?」
「おれ、スクール水着で・・・」
「勝信ってそういう趣味なのかよ」
「勘違いするなよ?俺は安藤先輩の体が水着からはちきれそうな・・・」
「はいはい。高校のときもそういうのいたからね・・・」
安奈は着替えながら呆れ顔である。
サポーターもニップレスもつけていないスクール水着は、健康的なエロスをかもし出す。
「じゃあ、勝信君は手こきだったわね」
「スペシャルですぅ!」
「いまどきオバ専でも使わない死語は使わないの!」
手に乳液をつけ、勝信のペニスに塗り込むと、安奈の手が上下しだす。
「うう!ああ!」
ベッドに仰向けの勝信の横に寝転んで安奈は手を勝信の陰部に絡ませる。
「ふぅ・・・」
「勝信君は風俗好きだものね。」
「まじですか?」
「だってこっそり中1でデリヘル使ってるのに私と会うまで素人童貞だったし・・・」
「ウワ、サイテー・・・」
「はぁい、ティッシュの中に出しましょうね」
「う、うぅぅ!」
安奈がもう一方の手に持ったティッシュを勝信の先端にあてがうと放たれた体液でティッシュにしみが出来ていった。
「ちゃんとトイレに流して、っと。次は?」
洗面台で手を洗いながら安奈はリクエストを受け付ける。

「プッシュアップの迷彩ビキニでお願いします。スカートつけて・・・」
幸弘が声を上げる。
「じゃあ、ええっと・・・これね・・・」
「アンダーは何も着ずに・・・」
「着替え中見えるんだし、そこまでして透け乳首とか見たい?」
「水着越しがそそるんで・・・」
「仕方ないわねえ・・・」
そう言いながらもうれしそうに着替える。
「ああ、またがってくだ・・・うふ!」
安奈は幸弘の顔に跨ると幸弘の柱にコンドームをつける。
幸弘の手が自身の柱をしごきだす。
「幸弘ってこんな趣味あるんだ!?」
「すげえな・・・俺じゃあ勝てねえよ」
「アソコの匂い嗅ぎながら1人でするなんて、ねえ」
安奈もくすくす笑っている。
コンドームの先にやがて白い液がそそがれる。
「マジでイッてるよ」
「筆下ろしの時もまずにおい嗅がせて、だもんね。ボディソープでちゃんと洗ったんだけど」
幸弘が顔を出す。
「メンスの香りとアロエソープの香りが混じりあってる・・・」
「コンドームはちゃんとビニール袋に入れて燃えないゴミに入れといてね。」
と、恍惚な表情の幸弘に支持すると、安奈は次のリクエストのVフロントに着替えだす。

「次はパイ摺りだったわね、天男君」
「はい・・・」
「どう?青だけど似合うかな?」
「すばらしいです・・」
天男は下半身をむき出しにしていすに座っている。
胸の谷間に乳液を塗った安奈は天男の突っ立っているものを胸に挟み、上体ごと胸を動かす。
「ああ、安藤先輩・・・」
「我慢せずに全部出しなさいね」
「あ、も、もう我慢でき、ああ!」
瞬く間に天男は果てる。
安奈は水着を脱ぐとシャワーで胸周りを洗う。
「次は?」
「黒の三角ビキニで・・・」
「オーソドックスね。ちゃんと服脱いでね」
全裸になった十郎はバスタブの中に立った。
後ろから安奈の手が伸びるとすでに乳液で白くなった十郎の物を扱き出す。
「あ、ああ・・・いいよぉ・・」
「存分に放ってね」
バスタブのドアは開けられ、他の後輩たちが見入っている。
「ちゃんと出すときイクって言うのよ」
「ああ、イ、イク、イッてます!」
十郎の精液がバスタブ内にぴちゃ、ぴちゃっと放たれた。
「さて、1順目最後は栄治くんね」

「ホタテビキニで・・・」
「さすが、ね」
ベッドの上で安奈が足をそろえて這い蹲ると栄治は自身のものを安奈の乳液で光った太ももに挟む。
「栄治君は高校まで彼女に素股してもらってたのよ」
「そこまでしたらどうして食わないんだよ」
「出来ちゃうとまずいだろ。俺ゴム買う金もないんだし・・・」
「大学で株やってるようなやつのセリフじゃないよな?」
「う・・あ・・・やっぱり中よりいい・・・あふぅ!」
今度は安奈の太ももが別の液体で光る。
「よかった?本番前でも素股リクエストするくらいだし。」
全身をシャワーで洗いながら安奈は聞いた。
「次は何着ようっか?2順目順番決めといてね」
「水着でGO!」完




「安藤さん、安藤さ・・・」
「ふぁぁぁぁ?」
「テーブルで寝ないでくれよな。」
顔を上げると目の前には定雄の顔。
「あ、守川君・・・」
「疲れてるのは分かるけど、そこ新刊置くんだからさあ」
「ごめん・・・・」
「じゃあ、新刊積んでよ」
定雄は軍服姿である。
だが、実在の軍服とは微妙に違い、所々に機械を模したオブジェがついている。
「ふぁぁ〜い」
安奈は起き上がり、台車に詰まれたダンボールを開けて中に詰まった本を取り出す。
それは同人誌という種類の本である。
表紙には特別号と書かれていて、一風変わった服に身を包んだ安奈たちのカラー写真が印刷されていた。
一風変わった姿・・・それは大ヒットしたアニメやゲームのキャラクターの衣装を着た、コスプレと称されるものであった。
安奈のいるイベントサークル「12」が設立当初、資金難打破のためにとったのがこの写真集の同人誌を売るという手法であった。
案内チラシでスタッフを写真で紹介していたところから思いついたというこのアイデアは正解であった。
スタッフを含めた容姿端麗な男女が人気キャラに扮する写真集はたちまちにして人気を集め、今は初期のものは万単位とさえ言われている。

「12」は、いまや最大の売り上げを持つとさえ言われているのである。
その理由は
・スタッフを含めたコスプレイヤーであるのレベルの高さ
・日本最大の同人誌即売会に初期のスタッフが運良く当選し続けたこと
・編集・レイアウトの巧みさ
・優れた発売戦略
などといわれているが、その一つが前回の本のアンケートで人気NO1だったコスプレイヤーがそのまま販売員として出ることであった。
安奈はここ数回ダントツでトップだった。
それもそのはずでコスプレに関しては小学以来のベテランなのである。
安奈が「12」のスタッフに名義参加したのはこれが理由だった。
ただで同人誌即売会に参加でき、おまけに給料がもらえるとなると当然であった。

3日連続で行われるこの日本最大の同人誌即売会・・・
安奈たちの通う大学から遠く離れたこの海辺の展示場周辺にはすでに10万人以上が開場を待っていた。
安奈はサークルの一員として参加しているので自由入場でおまけに向かいのホテルに泊まっているので楽々と出入りできる。
初日、第二日とも知り合いからサークル入場券をもらっていたおかげでお気に入りの同人誌を一足早く抑えた安奈は寝不足だった。
安奈の参加する二大目的、すなわち同人誌の入手とナンパの双方を満たすには睡眠時間を削るしかなかったのである。
昨晩もいきずりの少年を数人くわえ込んだ安奈は彼らの泊まるホテルを転々としながら終電でホテルに戻り、さらに入手した同人誌を読破していたのだった。
最も、「12」出版部長の定雄と下半身をつなげながらだったのだが。
「今晩くらいちゃんといきたいな」
「どこに?」
「とぼけないでくれよ。昨日安藤さんマグロだっただろ。ちゃんと今度は伝説の腰使いを・・・」
「わかったわかった。ちゃんと帰ったら一晩相手するから。」
安奈はせっせとCDと同人誌を並べる。
数年前よりCDROMも出したのである。
CDROMにはシークレットで一線を越えた写真が入っているとのうわさがあった。
最も、このうわさは販売戦略の一環であり、デマに過ぎなかった。

安奈のコスチュームは毎日変えていた。
この日は午前が前回着ていたもの、午後は今回の新刊に掲載されていたものであった。
今来ている前回着ていた姿、それは数年前に大ブームとなったアニメのヒロインの姿であった。
安奈自身この作品に夢中になったものである。
もっとも、安奈のグラマラスなスタイルには反する衣装ではあった。
それゆえにピチピチになってしまうのだが、それが返って写真では人気を博したのである。
「ああ、きつ・・・これなら服の順番変えたほうがよかった?」
安奈は汗びっしょりである。
「そのほうがそそるんじゃないの?」
緑はダンボールを積みながら口を挟んだ。
出版副部長にして編集長の六角緑は、安奈が着ているのと同じ作品のコスチュームであった。
「初日もその格好だったんだし」
「それは買い出し終ってからだからよかったけど・・・」
「きついのはみんな一緒。まあ、人気は分からないけどね」
「あら、どうかしら?私はメインヒロインなのよ!」
「一昨日も議論して分かったでしょ。設定やらマニアやらと一般とは違うのよ!」
「おいおい、その話は後にしてくれよ。作業終えないと。」
定雄がとがめる。
「あんたサイボーグなんでしょ」
「だから、それは作品世界であって俺は生身なの!」
定雄のキャラは今なお続く人気漫画の名キャラでサイボーグとして蘇ったという設定があるのである。
「じゃあ、機械はずしたら?」
「そっちじゃやばいキャラになるってば。」
「髪型まんまで国籍かえりゃあゲームの・・・」
「軍服ってなあ、国ごとに違うんだよ!」
などと言いながら3人は並べ終えた。

安奈はダンボールの山を一瞥した。
「後は二便三便まで持つかって事ね。」
緑がため息をついた。
「安藤さん、昔ここのサークルで並んだとき、一便が二便まで持ったことってあった?」
「なかったわねえ」
「二便が三便まで持つことは?」
「なかったわねえ」
「三便が終了まで・・・」
「なかったわねえ」
「じゃあ、その間売り子さんがどうしていたか知ってるわよね。」
「うん、先にお金払って引き換え票渡して・・・」
「で、引き換えって終了までに間に合ったことは・・・」
「その辺は知らないけど・・・」
「いつもぎりぎりなの!だから気合入れて引き換えるのよ。」
緑が力んだ。

そこへ1便担当のスタッフが戻ってきた。
「間に合った・・・」
定雄は安奈と緑を見ながら
「今日は2人とも昼食1時間以外ぶっ通しだから今の間に本押さえに行ってくれよ。」
「やったね!」
と、なかよくハモって叫んだ2人は目当てのサークル目指して走っていった。
開館直前・・・
「はあ、はあ・・・」
走ってきたのは緑だった。
「安藤さんは?」
「もう戻ってるよ。」
安奈は他のサークルの客相手にすでに販売している。
「事前の予約って肝心なの!」
嬉しげな安奈を見ながら
「へえ、やるじゃない」
と緑。
「感心する前に売ってくれよ。サークルだけで1便終わるかもしれないからな・・・」
「お、並んで売ってる!!」
「あ、後で写真お願いします・・」
「ちゃんと撮影会はやるからそのときにね。」
「今日はダメなんですか?」
「初日と二日目はOKってHPにも書いてありますよ」
撮影場所がサークルの販売場所から離れているこの即売会では、
多忙な販売当日の撮影は不可なのである。

「お、開場だ!」
販売は仲間に任せたのか、サークル入場券入手組なのか、
サークル入場の行列から離れる人は少ない。
「おお、来たああああ!」
すさまじい勢いとともに人の波が押し寄せ、あっという間に行列は会場の外を囲んだ、
この即売会では、並ぶサークルによっては数百mの列もあるので、海上の壁に沿って人気サークルが配置され,特に人気の場合は展示場の外に並ぶようになっていた。 「12」は会場を一周するほどの長さができることで有名だった。
「何冊ですか?今回からDVDもありますよ」
「300冊と、CD200枚・DVD100枚です。」
「35万円になります。」
本・CDは500円、DVDは1000円である。
瞬く間に在庫がさばけていく。
人によってはダンボールに収納されたまま購入したり、ダンボールだけを200円で購入する人もいた。
ダンボールも数年前から独自のデザインとなり、プレミアがつくようになったのだ。
安奈と緑は後ろで仕分けされた本やCDをおつりとともにせっせと渡した。
仕分けは別の人が行い、売り子は引渡しと勘定を行うのだ。

昼食の時間。
「安藤さん、用意がいいわね」
安奈はパンやおにぎりをぱくついている。
「昨日の晩にね、GETした子とホテル行く前にスーパー回ったの」
「私はそんな間もなかったわよ。昨晩は10人相手だったからねえ。」
緑は昨日のことを思い出した。
昼下がり・・・
館内の通路には椅子があって食事を取ることができる。
椅子で即売会のカタログを見ている少年がいた。
緑は横に座ると少年に語りかける。
「すいません、ちょっとカタログ見せてくれません?ちょっと置いてきたんで・・・」
少年はちょっとためらった後、
「少し待ってください。チェック終わりますから」
「じゃ、待ってます。」
数分後、カタログを返しながら緑は言った。
「サークルの場所よく分かったわ。ありがとう。」
「あ、はあ・・・」
隙を見てすかさず少年の股間に手を伸ばす。かすかに膨らんでいた。
「お礼をしてあげる。」
「あ、ああ、いいです。」
緑の手が少年の股間をまさぐる。
「そうね、ここじゃあまりできないから、4時半ぐらいに向かいのホテルロビーに来てくれる?」
携帯の電話番号とメールアドレスを書いた名刺を渡すと、緑は次の獲物を探しに席を立った。

4時過ぎ・・・
「やっぱり来たわね。」
ホテル前で普段着に着替えた緑は少年を発見した。
「じゃあ、部屋に行きましょう。」
おどおどしながらも少年はついてくる。
「あ〜ら、貴方もコスプレしてたのね。ちょうどいいわ、コスプレしながら、ね」
たじろぐ少年を着替えさせ、自身も着替える。
少年は老舗3D格闘ゲームのメインキャラになった。
「さあ、お礼の始まり,よ」
緑の指がコスチューム越しに少年の股間をまさぐる。
「さっきいいですといっていたのはどこの誰かな?」
「あ、ああ、す、すいません・・・」
「ゲームどおり3ラウンド制よ」
「あ、ああ・・・それいじょうは・・・」
少年の声色が変わる。
「衣装汚されたくないでしょ?」
緑はズボンを脱がせ、続けてブリーフを脱がせる。
「あら、剥けてるのね」
かわいらしいスモールサイズながらも剥け上っていた。
「4連コンボよ!」
下と唇が先端を責め、さらに両手で左右から袋が揉みしだかれる。
「あ、あぅぅん!」
少年のKOの証が口腔に放たれた。
「まずは1ラウンド、ね。」
昨日の記録ビデオが緑の頭で再生されていく。

ビデオは安奈の声で一時停止となった。
「どうしたの?」
「いや、なんでもないの。そういえば、安藤さんは何人かしら?」
「昨日は会場で1人やって、その後5人ほどね」
「会場で?そんな場所あったの?」
「パンチラずうっと撮ってる子がいたからね、
おしおきに一緒に同人誌チェックしているふりして指責めしてあげたの。」
「パンチラ?」
「私は昨日はこの格好じゃなかったからね」
安奈が昨日着ていたのはこれから着替えるミニスカの衣装だった。
「ズボンどころか本まで染みたの。それもプロの作家さんのを。」
「結構きついわね。」
「ま、犯罪には厳しいのがモットーだし。」
と、作業中の定雄が2人のほうを向いた。
「あ、食い終わったらさっさと着替えてくれよな。」
「はいはい。」
2人は昼食を片付けると更衣室へと向かった。

着替える2人。
服を目にしながら安奈は昨日のことを思い出した。
コスプレ撮影を終えて同人誌のブースへと戻る途中、女装した2人の成年とすれ違った。
2人とも安奈より背が高かったが、1人はもう1人より背が高く、痩せていた。
背の低い方の顔に見覚えがあった。
他でもない忠司である。
昔、安奈が初めてこの即売会に参加したのは忠司と一緒だった。
そのときに使った衣装は2人で作ったのだ。

あのときの衣装、さっき着てたのと同じのだったな・・・
あんなことがあってから忠司がらみのもの、全部段ボール箱に詰めて倉庫に叩き込んだっけ・・・
まだ残ってるんだよね・・・
でも、女装なんか真っ平ごめん、おかまキャラでもやだって言ってたのに・・・
ひょっとして男に目覚めたから私捨てたのかな・・・
と考え込んでいると緑が注意する。
「早く着替えないと守川君うるさいわよ!」
「はいはい」
安奈はスカートを手に取った。

安奈が洗面台で髪形を変えていると横で緑が染髪料を開けていた。
「色一緒なのに染め直すんだ」
「あんたと違ってこっちは色合い変わるのよ!」
安奈は金髪に、緑は青色に染めていた。
ふたりともちゃんと脱色してから染めるという念の入用である。
「ご丁寧ね。じゃあ、先行ってるわよ。」
安奈は急ぎ足でサークルの売り場に向かった。
売り場では定雄たちが2便のダンボールを待っていた。
ようやく到着したところで緑が戻ってきた。
「ぎりぎりだな」
スタッフの1人が言った。
「色合いあわせるのに苦労したのよ」
「そんなことより早く手伝ってくれよ」
言われて緑も作業に入る。
「大体、あなた苗字が不吉なのよね」
緑が冗談半分で安奈に言った。
「どういうことかしら!?」
意味を察した安奈がわざとらしげにとぼける。
「まさかそのコスチュームして知らないはずないわよね!?」
2人がコスプレしているアニメでは、安奈と同じ姓の作画監督がむちゃくちゃな作画をしたことで有名なのである
「んん?なんのことかな?ふふふ・・・」
安奈はポーカーフェイスだ。

「まあ、いずれにせよ、今度も私が人気NO.1キャラなんですからね」
緑はあけすけに高飛車な口調だ。
「馬鹿ねえ、今度は一般認知度私のほうが上になるのよ!」
安奈が切り返す。
「そういうセリフは単独主役の映画作ってから言うことね!」
定雄が割って入った。
「こらこら、キャラになりきるのはいいけど作業続けてくれよな」
「は〜い」
2人はまた口をそろえて返事した。
「ま、行列の長さ、午前は譲ってあげたけど、午後は圧勝するわよ」
緑は自信ありげだ。
準備を終えると早速販売が再開される。
確かに緑の方へ集中している。なかにはわざわざ緑の方に並び替える人さえいた。

緑はノーパンノーブラにしていたのだ。
着替えに時間がかかったのは実際のところ下着をはずして着なおすためだった。
初日から、知人のサークルへうわさを流していたのである。
行列に並ぶ男性は、半分以上がズボンを膨らませていた。
中にはカメラを手提げの紙袋に仕込んでいる人もいた。
いいのよ、今回は・・・たっぷりと見せてあげるからね・・・
緑はわざと足を広げて椅子に座っていた。
角度によっては足の間にあるものが丸見えになるのだ。
加えて
「DVDを101枚買ってサインを紙袋にするとメアドを交換してもらった上に無修正画像を送ってもらえる」
といううわさをインターネットの掲示板でこっそりと流していたため、売り上げは安奈をはるかに凌いでいた。
ちょろいものね・・・ちゃんと無修正の普段着姿を送ってあげるわよ・・・
緑の営業スマイルが一瞬凄みを帯びたように見えた。

負けられないわね・・・
安奈は前かがみになって胸元を客に強調する。
客の視線が熱くなるのを感じた安奈はスカートをめくり上げ、大胆なパンチラ戦術を展開した。
行列差が縮まり出したところで二便は終了した。
「ずいぶんと人気集めたようね」
安奈のジャブに緑が軽く交わす。
「おたがい、ね。後は三便と引き換えだし、頑張りましょうね!」
2人の顔は笑顔だったが、殺気があることはたまたま通りかかった入場者にも分かることだった。
三便をてきぱきと並べると、2人は席に座る。
販売が再開された。
「いらっしゃいませ!!」
2人の声が響き渡る。
販売員は4人いるのだが、安奈と緑以外の2人は100枚単位での大口客専用である。
もっとも、安奈と緑に近づこうと大口でも安奈・緑に並ぶ客も多かった。

三便は引き換え分を含むため、すさまじい量になっっている。
安奈も緑も汗だくである。
2人のコスチュームは白基調のため、汗で透けだした。
やや緑の方が多めだったのが再逆転した。
透けると下着つけてるほうがそそるのよ・・・
あえて下着をつけたままの安奈は内心にやりとした。
緑は奥の手に出た。
「ふう、暑い・・・・」
あえてスカーフを緩め、コスチュームを崩した緑は、一層官能的に見えた。
2人の列は拮抗する。
が、そんなお色気競争も壮絶な引き換え作業の前には児戯に等しかった。
あまりの引き換え客の多さには、考える間もなく、仕事で精一杯となる。

「ふう、よくやったな・・・はじめて終了前に引き換え終わったよ・・・」
即売会終了の拍手をしながら定雄はダンボールをたたんでいた。
10数人のスタッフも拍手をしながら片付けの作業に追われていた。
後片付けを終え、更衣室に向かう前に定雄が安奈と緑に話しかけた。
「2人ともいい感じになってるな。このまま部屋に連れ込みたいよ・・・」
びしょぬれのコスチュームをはだけさせた二人は妖しげというよりむしろ健康的な色気を感じさせた。
「おあいにく様ね。打ち上げまでに2人先約入ってるのよ。」
緑はわざと色目使いで返事した。
「私もサークルさんと先約あるから・・・」
安奈も声色を艶やかにしながら答えた。
「ま、3次会まで待つか・・・」
定雄はリュックを背負って仲間と更衣室へと向かった。

その夜・・・
定雄の部屋は修羅場となっていた。
2次会までの酒でつぶれたものは各自の部屋に収容され、
一番広いこのツインルームで残りのものが性の宴に興じている。
安奈と緑はそれぞれスタッフと騎乗位しながら、
大いびきで寝ている定雄の一物について議論していた。
「今日は長持ちしたのね、守川君」
「そりゃそうでしょうね。夕方、我慢できずに部屋で抜いてたそうよ」
「何をおかずに?」
「今日の私たちらしいわよ。」
「へえ・・・・」
「さっき指責めしてるときに吐いてくれたわよ・・・」
「それならそうといってくれれば手コキぐらいしてあげたのに」
「前夜祭のときはずいぶん早かったのよ。30分3ラウンド。」
「昨日も人をマグロ呼ばわりしながら早漏してくれちゃってね・・・」
「安藤さん、守川君と長くやりたければ2発ほど抜いてあげないとだめなのよ」
緑は縮みあがった定雄の竿を指ではねた。
「そうね・・・」
今度は安奈が定雄の袋をなでまわした。

「見よ!真夏の大変身!」 完




「密林の伐採」

「ああ、この日が来るなんて・・・」
圭介は嬉しさを顔にジンと滲ませた。
「おかげで最近あんまり過激な水着着れないんだよねえ」
安奈はちょっと浮かない顔つきになる。
「ごめんごめん・・・でもまた着れるようになるから」
安奈はやれやれという表情をして服を脱ぎだした。
圭介も服を脱ぐ。きちんと服をたたむ圭介を見ながら
圭介君なら大丈夫だよね
と安奈は安心するのだった。
全裸になった安奈は浴室に腰掛けると足を広げる。
「また元通りに茂ってる・・・」
「でしょ?私結構生えるの早いのよ。」
まずは地ならしとばかりに圭介は安奈の股間を丹念にシャワーで洗う。
「ん・・・あ・・・あんまり触っちゃダメ・・・」
「どうして?いつも触ってるところだよ・・・」
圭介の指が密林に隠れた花園を撫でる。
「あんん・・」
安奈の声色がちょっと興奮気味になってくる。
「じゃあ・・・」
圭介は鋏で茂みの伐採を始めた。

「腰動かさないでね・・・」
「う、うん・・・」
会陰から陰唇の両側を切り込み、恥丘へと上っていく。
「どうしたの?」
「いつも前から見えるところは残してたから・・・ちょっと緊張しちゃなあ」
短く刈り込むと、圭介はシェービングクリームを手に取る。
圭介の指で安奈の茂みはクリスマスツリーのように白く飾り付けられていく。
「怪我しないようにたっぷりつけておこうね・・・」
「ああ・・・指動かさないで・・・」
安奈の股間は白い泡で包まれた。
「剃るよ・・・」
「う、うん・・・」
ゾリ、ゾリ・・・
浴室に伐採の音がかすかに響く。
まずビーナスの丘がむき出しにされた。
続けてラビアが露となる。
「動くとやばいから・・・でも開いてきてるね」
「や、やだ・・・」
ラビアは両側に開かれていた。
会陰と菊の周りもゆっくり慎重に剃っていく。
「ここもむき出しに・・全部剃ろうね・・・」
「け、圭介君・・・」

シャワーで洗い流すと、安奈の秘部は生まれたままの姿に戻っていた。
「見、見るのは後にしてよ・・・写真もムービーも撮っていいから・・・」
「本当?」
「その代わり圭介君のも取らせてよね」
「う、うん・・・」
次は圭介の番。
「もうカチカチじゃない・・・先濡れてる・・・危険だし、こうしてあげる!」
軽くシャワーで洗うと安奈は圭介のそそり立っている部分を咥えた。
「ああ・・・そんなに吸い付いたら・・・あん!」
たちどころに安奈の口内で圭介は果てた。
「早いわね・・・溜めてたんでしょ?」
ゴクンと圭介の体液を飲み込むと、安奈は圭介を見上げる。
「うん・・・」
「ふふ、溜めなくってもいいのに。」
袋をじっくりと観察すると、裏側に数本生えていた。
「私看護婦さんみたいにこの辺剃れないし、切っとくね」
圭介はちょっと怖がりながらも、安奈に切られるに任せた。
茂みも伐採されていく。
「頭ふさふさなのにこっちはあんまりなのよね。Sサイズだし、バランス取れてるけど」
圭介のものは確かに小さい。先端が綺麗に剥けているのとは対照的だ。
シェービングクリームを塗りこむと安奈の持つかみそりが圭介の棹周りを整地していく。
「ああ・・・」
「しゃぶった直後でも感じてるのね」
タマを持ち上げると裏側からお尻のところまで同様に剃りだす。
「そ、そこも?」
「当たり前でしょ?私も剃られたんだし・・・」

そのままシャワーを浴び、2人はベッドでの観察タイムに突入した。
「可愛いわねえ・・・剥けてなかったら小学生でも通用しそう」
「そ、そう?」
「うん。」
「でも安奈さんのここは綺麗だなあ」
「でしょ?」
「まるで彫刻みたいだ・・・鏡の前に立ってくれる?」
「いいけど?」
立ち上がると、鏡には安奈の背面が映し出される。
「なんだかギリシャ彫刻というか・・・」
「私はイタリア系なんだからローマとかルネッサンスとか言ってほしいわねえ」
「う、うん・・・なんか神々しいなあ」
安奈は頬を赤らめた。
「ありがとう。この前はどっかのお騒がせユニットみたいだって言ったのにね」
お騒がせユニットとは安奈のコスプレ写真を見た圭介の評価である。
もっとも、そういう声は多かったのだが。
「圭介君はダビデ像かな?」
「え、そんなに立派な体じゃあ・・・」
「少年ダビデの方よ。10歳くらいの。」
「ええ?10歳?」
「圭介君はもう少し大きいし、剥けてるけどね。」

安奈はベッドに倒れこみ、圭介を抱きしめた。
「今日は股間と同じように心も子供に戻ってやろうね。」
圭介にしばらくキスすると、安奈は圭介と相舐めし始めた。
「毛がないぶんしゃぶりやすいわね」
ちゅぱ・・ちゅぱ・・・
剥き出しの花弁を舌と唇で愛でられ、安奈も普段以上に蜜を流す。
「アン・・いつもより・・・かんじるぅ・・・」
じらし方が以前より数段うまくなったこともあって、安奈は口淫を中断してしまう。
「う、うまいわぁ・・・じゃあ私も・・・」
安奈の両手が圭介の袋と棹の元を優しく揉み解し、撫で回す。
「あああ・・・すごい・・・まえよりも・・・」
2人は互いの尻を3回撫でる。結合を求める合図だ。
「はあ・・はあ・・じゃあ・・最初は私から・・・」
安奈は圭介の上に跨ると棹を自身の壷に入れていった。
入れるや否や腰を上下させる。
「す、すご過ぎ・・ああ・・い、いつもより・・・」
「気、気持ちいい・・・足そんなに開けてるのに・・」
「あ、あは・・・むき出しになったところにむき出しのものが出入りしてるわああ」
程なく2人は絶頂を覚えた。
次のまぐわいへの合間、安奈は
「冬も剃ってね!」
と満たされた表情で圭介を抱きしめていた。
「密林の伐採」完




安奈「最近、出番なくない?雄太君や由里さんばっか書かないで欲しいわね。」
緑「仕方ないことでしょうね。貴方の人気から察しますと・・・」
安奈「一回しかでてない人にはいわれたくないわね」
緑「ふふふ、状況がお分かりでない様子ね。」
安奈「状況?」
緑「今回も貴方の出番はありませんのよ。それどころか大切な人を寝取られますの。」
安奈「そ、それ、どういうこと!?」

『寝取り』
12月22日。クリスマスイブの前々日。
啓介は雪の残る大学構内を歩いていた。
とりあえず今日で年内の授業も終わり、明日から冬休み・・・
寒い。とりあえず下宿に戻って・・・・
「松村さん」
振り返ると、緑が立っていた。
「ノートのコピー、ありがとう」
「あ、どうも」
「おかげで英語、何とかなりそうです。」
「役に立ててよかった・・・」
「あっ、ちょっと他に試験のことで話したいことがあるのだけど、晩に、時間取れます?」
「うん、7時以降なら・・・」
「なら、学食の前で待ち合わせってことでいいですか?」
「いいけど・・・」
「では待ってます」
緑はすうっと啓介と反対側に去っていった。

学食前の時計は午後7時を指した。
5分前から待っていた啓介は時計を見る。
と、学食の中から緑が出てきた。
「松村さん、お待たせしました。」
「気にしなくていいよ、時間厳守ってわけじゃないんだし。」
「気を使っていただいてありがとう。では、場所を変えましょうか。ここでするのもなんですし。」
「う、うん・・・」
「なら、ついて来ていただけますか?」
雪が今だ残る道を2人は歩き出した。緑はかすかに笑みを浮かべている。
緑が案内したのはキャンパスの近くにある駐車場だった。
奥の方に停まっている白いセダンの前に来ると、緑はドアを開け放った。
「では、乗ってただけます?」
「は、はい。」
啓介は後ろの席に乗り込んだ。
「では、行きましょうか。」
真冬とは思えないほどエンジンが心地よくかかる。
車は駐車場を出ると、幹線道路へと出た。

啓介は車内を見渡す。
落ち着いた色合いである。ちゃんとシートの枕にもカバーがしてある。
「これ、緑さんの車?」
「そうです。自分のお金で買いましたの。」
「し、新車だよね?」
「まさか。中古車ですわよ。」
「で、でも、高かったでしょう?」
「そうですわね。登録税やらなんやらで50万はしたかしら。」
「5,50万?ま、まあ六角さんは金持ちだから・・・」
緑の笑みが少し増した。
「お金は一切いただいてませんわ。父にも、母にも。」
「じゃあ、どうやって・・」
「自分で稼いだのですわ。」
「そ、そんなに・・・」
「貯めるのには苦労いたしましたの。やっと先月買ったばかりなんです。」
「そうですか・・・」
「なんて話していると着きましたわね。」
車は巨大なマンションへと入っていった。

2人は広大な駐車場を歩いていた。
マンションの地下にあり、屋内ではあるが、広さゆえか屋外並みに寒い。
「こ、ここは・・・」
「私のマンションです。」
「ひょっとして、マンション全部?」
「まさか。私、一室を借りているだけですわ。」
緑はオートロックのドアを開ける。
「ひょっとしてそれも自腹?」
「ええ。家賃だけで10万以上ですけど。」
2人はエレベーターにのり、、最上階にある緑の部屋へと入った。
部屋は狭いながらも1LDKである。
ダイニングキッチンの2人がけ食卓へと案内すると、緑は啓介に聞いた。
「コーヒー、紅茶、緑茶、何になさいます?」
「紅茶で・・・・」
ティーポットへの湯の注ぎ方からティーカップへの注ぎ具合にいたるまで、緑のしぐさは作法どおりで、
丁寧なものであった。
さすがは六角のお嬢様・・・
と啓介が感心しているところへ、緑は椅子に座って切り出した。

「で、話ですけど、まずは先日の12クリスマスパーティのご参加ありがとうございました。」
「へ?ああ、あれは誘われていったものだし・・・」
「いえいえ、理由はどうであれ、私どもの主催したイベントに参加していただいたこと、感謝しております。」
「はあ・・・」
大げさだな、と啓介が感じたのを察したのか、緑は切り口を変える。
「松村さんのようなまじめな方があのように楽しんでいただいたのはわれわれスタッフとしても光栄です。」
「いやあ、そんなに僕はまじめじゃ・・・」
「あらあら、貴方のようなまじめな方ばかりでしたら大学の授業も満員御礼でしょうに。」
「ま、まあ一応は出てるからね・・・」
「私のように試験しか顔を出さないものにとっては感謝し足りないくらいですわ。周囲を見渡しても貴方のノートばかりコピーされてますしね。」
緑は紅茶に口をつける。
そのしぐさを見て、啓介は今までとは違った印象を抱いた。
ちょっとかわいいかも・・・
ストレートなミディアム・・・啓介のボキャブラリーではおかっぱなのだが・・・の黒髪に落ち着いたファッションスタイル、
TPOに応じて口調を変化させ、沈着冷静そのものの態度・・・
令嬢という言葉を象徴するかのような存在が緑であった。
もっとも、少々きつめで、委員長タイプなところもないわけではなかったが、
ノートを貸すと一番早く返しに来ては必ず礼を言うのが緑であった。
今までの令嬢や美人といったイメージとは違ったものを今、啓介は感じた気がした。

緑はティーカップを置いた。
「で、試験対策のことですけど、またノートお貸し願えないかしら?」
「ああ、それならいつでもいいよ。まだ終わってない授業もあるけど。」
「今すぐではございませんわ。まだ目に通していないノートのコピーも多いですし。」
「じゃあ、いつでも携帯に電話して・・・ええっと、番号教えたかな?」
「クリスマスパーティの際にメールアドレスともども教えていただきましたわよ」
「あ、そうだったね・・・」
「ではまたメールで連絡いたしますね。私、今年は教養の単位のみならず専門も一通り揃えたいですの。」
「がんばってね。」
啓介には緑が少しはにかんだようにも思えた。
「それで、少し分からなかったところがあるのですけどご教授願えないかしら?」
「いいよ。」
「ありがとう。助かりますわ。こちらで教えていただけますか?」
緑は奥の部屋へと案内した。
勉強部屋は寝室も兼ねている。
セミダブルのベッドはきちんと整えられ、大型の机の上にはパソコンとライトが置かれていた。
本棚には学術書から漫画までが区分されて整然と収納されていた。
緑の質問は難題ともいうべきところであったが、啓介にとってはお手の物であった。
緑のほうも次々と疑問を聞き出してくる。
いつの間にか時計の針が1回りしていた。
「さすがは松村さんですわ。」
「それほどでもないよ。僕も最近やっとつかめたかなって感じだし、六角さんの質問でまた覚え直せた気がするよ。」
「そんな・・・うれしい・・・」
緑は顔を赤らめると啓介の手を握り締めた。
「松村さん!」
啓介は緑の方を向いた。
「ど・・・どうしたの?」
「私・・・ずっと前から・・・あなたが好きでした!」

「え?」
啓介はあっけにとられていた。
「ごめんなさい・・・・こんな機会でないと打ち明けられませんでしたの・・・」
「そ、そんなこといきなり言われても・・・」
「そうでしょうね。こんなこといきなり申されても・・・・で、でも、あなたが好きなのですわ!」
「う、うん、ど、どうして」
「まじめで、知的で、やさしい・・・だから・・・」
「で、でも僕は・・安藤さんが・・・」
「安藤さんを愛してらっしゃることは前から存じておりましたわ。でも、あの方とは心底愛し合えませんわ!」
「な、何でそういえるの?」
「あの方は他の方を愛してらっしゃいます!」
「ぼ、僕は安奈さんが好きだよ!安奈さんも・・・」
「確かに安藤さんもあなたを好いていらっしゃるでしょう。でも分かるのです。あなたより気にかけてらっしゃる方がいると。」
「何で分かるの!」
「女の感ですわ!」
啓介は返す言葉が出なかった。
「それに・・・あの方は・・・あなた1人へ愛をささげるのに躊躇っております。」
「それは・・・安奈さんが、誰とでも寝る主義だから・・・」
「あなたはどうでいらっしゃいますの?安藤さんしか見ていないのですか!?」
啓介は改めて緑の顔を見た。
端正な顔を高潮させ、その中に輝く目・・・そこには自分が写っている・・・その目は涙が今にも溢れんがばかりであった・
六角さんってこんなにかわいい・・・

と、緑はとっさに啓介を抱きしめた。
「分かりますの。あなたの心、今揺れ動いていると。」
「・・・今・・・僕は・・・」
「あなたのその素直なところ、私、好いておりますわ!」
緑は涙を溢れさせながら、啓介に口付けした。
啓介はしばらくそのままにしていたが、やがてゆっくりと唇を離した。
「い、いいのかい?、こんなことして」
「私の気持ちの現れですわ」
「そ、そうじゃなくって、六角さんみたいな名門の令嬢が」
「あなたもご存知でしょう。私の性の営み。それからすれば接吻ぐらい・・・」
「な、なおさら・・・」
「不思議に思われるでしょうけどそれが家訓ですの」
「え?冗談・・・だよね・・・」
「冗談ではなく真実ですわ。許婚をつくるな、汝自身で伴侶を見つけよ。それが六角家の方針なのです。」
「そ、そうなの・・・・」
「そのためには数度のお試しをなすのは普通ですわ。」
「はあ・・・」
「まして手軽に避妊しうる現代で、どうして性の営みを我慢する必要がございまして?」
「そ、そうだけど・・・」
「こう見えても相手を見定めた上で体を重ねておりますわ。」
緑の腕がいっそう強く抱きしめる。
「ぼ、ぼくなんかじゃ・・・」
「あなたは未来の教授、いや学長とお声の高いお方。どうして自身を低く見積もりなさるの!?」
「そ、そんな・・・」
「あなたなら父も母も不満を言うはずがございませんわ!」
涙で閉じられていた緑の目が開かれた。
「お願い!今宵あなたと交わいとうございます!どうかこの私を抱いてくださいませ!」

「そ、そんなこといきなりいわれても・・・」
「ご都合が悪いのですか?」
「悪くは・・・ないけど・・」
緑は立ち上がると服を脱ぎだした・・・
「お願い・・・ですわ・・・」
瞬く間に緑は下着姿となり、それもすぐにはずし、一糸まとわぬ姿となった。
啓介が驚くまもなく緑は再び口付けした。
「一緒に汗を流してくださいませ・・・」
バスルームの中で、緑は啓介にシャワーを浴びせ、タオルで体を洗う。
「ああ、りりしいお顔ですわ・・・小さくとも整ったお体・・・」
緑の手と視線が下がっていく。
「おなかも出ていない・・・ああ!思ったとおり!小太刀でも鞘が被さってませんわ!」
啓介の一物を包み込むように緑はタオルを着けて洗った。
背中を洗い流すと、緑は目をつぶった。
「こ、今度は私を洗ってくださいませ・・・」
今まで当惑して意識していなかった啓介は、ようやく緑の肢体を視野に納めた。
白い、スレンダーなボディに整った胸と尻をつけている。
腹も鍛えていて、しっかりとへこんでいた。
啓介がそこから下に視線を動かさないのを見て緑は口を開いた。
「見てくださいませ。私の・・・最も見せたいところを・・・・」
啓介が視線を下げると、目の前に豊かに茂ったものが見えた。
安奈より薄めだが、逆三角形に茂っていて、それが色白の肌と対照的であった。
「軽くこすってくださいませ・・・足の間も・・・・・・」
タオルで茂みの中を軽くこすると緑は少し息を漏らした。

体を洗い終えると緑は後ろから啓介を抱きしめた。
「寒いですわ。湯船に一緒に浸かってくださる?」
湯船は2人が入っても十分な広さがあった。
入り終えると、緑は啓介の手を握った。
「10数えてくださる?」
「ううん・・・いいよ・・・1,2,3・・・10!」
数え終えると緑は微笑んだ。
「うれしい・・・」
ベッドの上で緑は啓介を抱きしめた。
「ああ、夢のよう・・・」
軽い口付けのあと、緑は啓介の一物に触れた。
「シャワーのときからずっとお立ちですわ。つながる前に一度お果てになって」
緑の指が湯上りのペニスをまさぐる。
「ああ・・・」
「もうすぐのご様子ですね。私がお飲みいたしますわ。」
緑は口に含むと、舌で満遍なく舐め上げる。
「ん・・んあ・・・あああ!」
啓介は緑の口の中へ精を放った。

口内で萎えていく啓介のものを緑の舌が舐めまわす。
「はぁ・・・はぁ・・ん・・」
「んん・・・んふぅ!」
口から啓介を解き放つと、緑は中に放たれたものを飲み下ろした。
「うふっ、美味しい・・・」
啓介の頭上に緑が膝立ちになる。
「勃つまで、私のを舐めて・・・」
「う、うん・・・」
「見て・・・ちょっと貴方を咥えただけなのに・・・もう興奮してこんなに・・・」
啓介が見上げると、目前は豊かに茂っている。
その中心には花びらがあり、すでに花蜜が出始めていた。
「さあ・・おねがい・・・」
啓介に跨ると、緑は仰向けになる。
啓介の舌が覆いから頭を出した陰核に触れると、緑の体に熱いものが走った。
「ああっっ!」
舌先が芽の周りを愛でていく。
「ああん・・・いきなりそこを・・あは!」
啓介は舌を蜜が滴りだす部分へと動かした。
蜜を舌で何度か掬うと、中心の穴へ次第に潜り込ませる。
「ぬふぅ・・ああ・・・いまからここを入れるのですよ・・・」
緑は上体をひねらせ、半閉じの目を啓介の陰茎へと向けると、指先で撫で始めた。
舌の動きがかすかに鈍くなる。
「び・・敏感なお方・・・いいですわ・・・」
緑のもう片方の手が陰嚢をもみ始める。
出して時間がたっていないのに。啓介は下腹部に何かがこみ上げてくる気がした。

啓介は小陰唇を舌で舐め始めると、緑の指は啓介の裏筋をさする。
「感じなさっているのね・・・私も・・一緒に・・・悦びを・ああぁん!」
啓介がそそり立ち出すと、緑は一層指の動きを強めた。
啓介の唇がむき出しになった陰核を咥えた。
「んん・・んんん!ん!」
「しっかりお立てに・・もう少し・・・ああ・・そう!こんな感じでいいかしら?」
啓介は口を離した。
「うん・・・いいよ・・・」
緑も両手を離す。
「では・・・」
今度は啓介の腰の上に跨ると、緑は啓介を見つめた。
「ああ・・・いよいよ一緒になれるのね・・・」
「そうだね・・・」

啓介のペニスを握り締めると腰を下ろしていき、先端を自身のヴァギナへと導いていく。
「んん・・ああ・・」
啓介はゆっくりと緑と結ばれていった。
熱いものが元の部分まで次第に覆ってくる。
まるで全身が緑に覆われたかのように感じられた。
「ああ・・・熱い・・」
「熱いはずですわ・・・貴方が愛してくださったのですから・・・」
緑は腰を動かし始めた。
ゆっくりとだが、上下させていく。
緑にとっても、啓介は熱く感じられた。
小さいが、着実に自分に出入りしてくる。
「ああ・・あは・・ああ・・・ぁ!」
次第に乳の揺れが激しくなってくる。
啓介は緑が閉め緩めを繰り返しているのを感じた。
根元から締め上げてくる。
「ああ・・いい・・・熱い!」
「いい・・・いい・・・む・・胸が・・・ああ・・」
啓介の両手が緑の胸を揉んでくる。
「ああ・・・く・・・来るの・・くるの・・・もうすぐぅ・・・・」
「んん・・出すけど・・・いいの・・・かな・・」
「いいのよ・・・・だして・だして・だしてぇぇ・・・」
緑は上体をそらすと全身を震わせる。、
同時に啓介も緑の胸を鷲掴みにした。
「ああっ・・・あはぁ!」
2人は悦びの声を重ねた。

緑は啓介の手を握り締めると啓介に覆いかぶさり、そのまま抱きしめた。
しばらく静寂がベッドの上に訪れた。
啓介はまだ目が半閉じの緑を見た。
「六角さん・・・」
「緑と呼んで・・・」
「緑・・・さん・・・」
「・・・啓介君と呼んでいい?」
「うん・・・」
「よかった・・・こんな口調で話したかった・・・」
「どうして?」
「今までベッドの上では女王様かお嬢様でしかなかった・・・」
「そうだったの・・・」
「うん・・・」
緑は軽く啓介に口付けした。
「1人の女として、学生として、愛し合いたい・・」
啓介は毛布をかぶせた。
「寒くなってきたね・・・」
「うん・・・」

寝取り 終わり





バレンタイン特別編
「2・14」

午前7時。
信也は大音量で目が覚めた。
「信也君、おっはよ〜!」
目の前には理沙。
「な、中村先輩」
「りさりん でいいって言ったでしょ!さ、顔洗って!」
と、手を引っ張られる。信也も理沙も素っ裸だ。
「そこに服たたんどいたよん。」
顔を洗ってると全身鏡の前で
「りさりん、ガンバ!」
と理沙が叫んでる。
(ああいうイタイとこなかったらかわいいんだけど・・・)
と思ってしまう。
「信也君、今日時間あるかな?」
「パーティ途中で抜けるからその後なら・・・」
「そっか、今年はスタッフじゃないんだよね。じゃあまた夜に!」

午前8時。
信也はいったん下宿に戻った。
昨日の晩、理沙に
「チョコつくり手伝ってくれる?」
といわれ、ほいほいと行ったのであった。
やらされたのは買出しだったり、食器洗いだったり。
終わると
「信也君、久々にやろうよ」
などといわれ、ベッドインとなった。
がむしゃらにがっついてくると思ったら、指やら腰やらの使い方がうまい。
指だけで信也は2度も果てたのだ。
あれは雄太先輩が仕込んだかな?
と思っていると携帯電話が鳴った。
午前9時。
憲は中庭に立ってで本を読んでいた。
「片岡君、おまたせ〜」
後ろから理沙が走ってきた。
「あ、中村さん」
「この前の講演会、ありがとう!」
「そんな、照れますよ・・・」
「やっぱり2回生で司法試験受かるのはすごいよね!法学部の人ってすごいな・・・」
「まあ、2年間勉強詰めただけですよ」
「ご謙遜を!義理になっちゃうけど・・・」
理沙は丁寧に包んだ箱を渡した。
「ありがとうございます。」
「どういたしまして。本命は?この前の人、彼女だっけ?」
「ま、まあそんなところかな・・・」
「人前でキスできるって結構なとこまで行ってるよね?うらやましいなあ。」
「中村さんこそ・・・」
「私なんてずっと実らなかったよ。片岡君、将来は決まったんだし、彼女を大切にね!」
理沙は駆け去っていった。

午前10時。
「まあ、片岡君には要らないと思うけどね」
啓介はバッグからノートを一式渡した。
「いやいや、大学の試験なんて初めてなもんで緊張しますよ」
憲は頭をかいた。
「2番で入って司法一発合格なんだからぜんぜん余裕と思うよ。」
「主席入学の言葉には重みがありますね」
「なあに、君なら大丈夫だって。それに君の場合恋愛は主席だろ?」
憲の顔がちょっと赤くなった。
「まあ、飯山さんは今年が勝負ですし、ちょっと会い辛くなるかもしれませんね」
「そこを励ますのが彼氏の役割さ。そういえば、もうチョコは貰ったかな?」
「今晩ですね。気分転換かねて・・・」
「デートしてチョコ貰ってそれから・・・」
「それ以上はお楽しみということで。で、松村君は?」
「今、僕は揺れているのさ・・・」
「安藤さん以外にいたんですか?」
「ちょっと前までは彼女だけだったんだけど・・・」
午前11時。
「ちょっと待ってて・・・電波弱いから」
啓介は電話を受けると研究室を出た。
「啓介くん、今晩10時に」
「うん、分かった」
「じゃあ」
緑は携帯電話を切ると、自動車のキーを回した。

正午。
「いいじゃない、いっぱい貰えて」
「お返しが大変なんだよな・・・」
すでに定雄の手元には100近くチョコが届いている。
「私は体でいいですけど」
緑は小悪魔のように舌を出した。
「緑ちゃんには本命もらえる仲になれると思ったんだけどな・・・」
「体ばっか漁るからでしょ。」
「ま、今の関係も悪くはないけどさ」
定雄は緑と結ばれている部分を触った。
「心は漁るものでなく、育むものですわ」
緑の指先が定雄の唇をつついた。
「私としては守川君の一物も育んだつもりですわ」
定雄にまたがった緑は腰を緩やかに上げ下げする。
「う、う・・いい・・・」
「こんな日に昼間から求めるのは守川君くらい・・ああ・・ああ・・いいの・いい!」
午後1時。
定雄はドラッグストアにいた。
サックを探して手に取ったところで女性2人が来た。
「あ、すいません・・・」
ちょっと顔をうつむけると定雄は何事もなかったかのようにレジに向かった。
棚の前では明恵と繭がサックを探している。
「この辺のはずなんだけど・・あ、あったあった!」
「繭さんってこんなの使うの?」
パッケージにはストロベリーテイストと書かれていた。
「相手年下だし、遊んであげないとね。明恵ちゃんは?」
「私はいつものこれかな?」
明恵は定雄が取ったのと同じ極薄20枚入りをつかんだ。

午後2時。
診察外時間。牧医院の待合室。
「へえ・・・明恵さんらしいな」
「たいしたことないけど・・・」
雄太は明恵に貰ったカードを見ていた。
明恵の手描きイラストはパステルタッチだ。
「チョコよりもこういうのの方がうれしいな」
「どういたしまして・・・」
午後3時。
電車の中で篠は雄太の手を握っていた。
「いきなり美術館行くなんてどうしたの?」
「気分転換さ・・・レポートも来週が山なんだし」
「そうだよね。で、今年のチョコはどう?」
「ちょっとグロすぎというか、リアルな心臓型ってのはねえ」
「大さんが研修医のころ付き合ってた看護婦さんに貰ったらしいよ。」
「ていうか、先週の血液学の試験見て思いついたんだろ・・・ま、”医者の卵”同士いいけどね」
「これがほんとの”本命”よん」
篠は微笑んだ。

午後4時。
「トイレ行ってくるね」
篠はてこてこ廊下を歩く。
「あ、塚本君!」
篠はトイレから出て来た忠司と鉢合わせた。
「どうしたの?」
「いやあ、チョコの代わりに券を貰っちゃってね」
「今日のお連れさんは誰?」
「ゼミの後輩ですよ」
「キープ済みなんでしょ?この色男!」
篠がひじで突っついた。
「いやあ、そこまで考えてないですけど」
「ご謙遜を」
さらにひじで突っついた。
「じゃあ、また後でね!」
午後5時。
とある創作料理店にて。
陽平は忠司からメールを受け取った。
・・・ごめん、今日はパーティ行けなくなった・・・
「塚本君も来ない・・か・・・雄太さんも篠さんも来ないし、ちょっとさびしくなっちゃうな」
まだスタッフしかいない会場を見渡しながら陽平はつぶやいた。
「同回の男は少ないな・・・」

午後6時。
店の中にはすでに参加者であふれている。
店外に出た陽平がふと見ると、前から女が歩いてきた。
「レッツのバレンタインディナーは・・・」
陽平の声がなかったかのように女は通り過ぎていった。
違ったのかな・・・ああいうのって篠先輩とは別の魅力があるんだろうな・・・
その女・・・安奈は少々面食らっていた。
辻を曲がるとすぐの角のビルを5階へ上がると緑がいた。
「レッツと20mしか離れてないなんてトゥエルヴも張り合うわねえ。」
「今年のスタッフはやる気満々なんですって。」
「いよいよトゥエルヴがトップになるのかしらねえ。」

夜。
ここそこで開かれるバレンタインのパーティ。
乾杯の声・・・プレゼント・・・
2次会、3次会・・・
義理が本命になり、本命が義理になる。
気の早い人は即お持ち帰り。
雄太がカラオケボックスではじめちゃったり、
由里が繭と男の子をサンドイッチしたり、
安奈がビルの非常階段でチャック開けてしゃぶるのはいつものことだけど。
日付が変わる。
緑の腕の中では啓介が寝ていて、千佳はまだ憲とベッドトーク中。
雄太はべろんべろんになった篠をおんぶしてタクシーから部屋まで運んでいた。
信也はようやく下宿のマンションまで戻ってきた。
理沙がいた。
「こんばんわ!おそかったね!」
「あ、ごめん・・・」
「いいの、いいの!はい、これ!」
理沙は手に持ったでっかいプレゼントを渡すと去っていった。
中を開けると、10cm四方はある立方体のチョコと手紙が入ってた。
手紙を広げるとかわいい丸文字で
信也、ガンバ!
と書かれていた。
中村先輩、俺に惚れちゃったんだな・・・
信也は複雑な顔つきでベッドに寝転んだ。




ビーチ アラカルト

人物紹介
安奈・・・・サークルの人事部員兼モデル。見た目も中身もラテン系。
緑・・・・サークルの編集長兼モデル。お嬢様。
谷雄・・・・安奈の父。イタリア系3世。
真里・・・・安奈の母。アメリカ経由のアイルランド系2世。

辰野水夏(すいか)・・・かわいい顔に名前どおりのスイカップ。
門川花衣(かい)・・・・ちょっとお姉さまタイプ。美乳・美尻が自慢。
神楽真亜子(まあこ)・・・・ボディラインは並だけど顔は端正な美人タイプ。
柘植貴生(たかお)・・・・サークル「12(トウェルブ)」の会長

谷男が包装紙を開いた。
「ほお、今年はネクタイか」
安奈の目がウィンクする。
「ほら、去年の暮れに欲しいって言ってたから」
「あぁ、そんなこともいったっけ。」
「安奈も気が利くようになったのねえ」
真里が拭いているのは母の日に貰ったテーブルクロス。
「ま、それほどでもないけどね」
「安奈は才色以外もアンドレア家一かな、ははは」

ここまでは父の日の話。
ここからはその一週間くらい後の
イベントサークル「トゥエルブ」恒例夏の水着写真集撮影ロケにて。

「海外ロケって誰が決めたんだか」
「トウェルブ イベント動員数トップ記念ということで、ね」
安奈は飛行機の外に見える海を眺めた。
「去年、冗談で言っただけなのに、まさか本当になるなんて、なあ」
「おっ、島が見えてきたぞ!」
「さて、どうなることやら」

去年・・・・
雨の中でカメラを3台ほど壊しながら撮影したり、
写真集用の水着撮影よりプライベートのハメ撮りのほうが撮影枚数が多かったり
大学のプールで追加撮影する羽目になったりと
ずいぶんトラブる
どうしたわけか出来はよく、トゥエルブの写真集として売り上げは過去最高・・・

飛行機を下り、ホテルに向かう。
2階奥のツインルーム数室に陣取る。
ベランダから階段で前のビーチへと出られる。
”撮影”にも”撮影後”にも便利な構造だ。

新入生のスタッフにとってはこの写真集作りが初仕事。
先輩スタッフに手取り足取り教えてもらうのだ。
もちろんベッドライフも・・・・
打ち合わせのため、ロビーに集まる新入生たちを見て緑は微笑んだ。
私も1回生のころはコドモだったわねえ・・・
「どしたの?」
安奈の声で緑は我に戻った。
「いや、ちょっとね・・・・ほほほ」

段取りを決め、撮影スタッフが機材のチェックをしている間に
モデルたちは水着に着替えた。
「おまたせ・・・」
新入生の水夏が現れた。
若干小柄ながらも名前どおりの胸を強調する
緑のビキニがインパクト大だ。
少々遅れてきた花衣と真亜子も
赤と青のビキニ。
次々とモデルが揃う。

が、安奈が浜辺に着くと歓喜の声が上がる。
「おお、主役登場!」
「先輩、さすが!」
「今年は大胆だね」
会長の貴生は去年のおとなしさにがっかりした一人だ。
「まだまだ序の口よ、かいちょ!」
ワンピースながら、角度30度、胸のすぐ下まで切り込んでいる白の薄布は
健康的なエロスを感じさせた。
「先輩、私たちのお披露目なんだから、お手柔らかにね!」
「まったく安藤さんったらいいわねえ」
貴生と一緒にカメラを調整していた緑も白のワンピース。
こちらは胸の切込みが素晴らしい。
出版部長の定雄が小道具のセッティングを終えた。
「こっちはOK!」
「じゃあ、撮影スタート!」
夕食後・・・
「はじめよければ終わりよし、かな?」
「私としてはもうちょっと見せたかったなあ」
「結構疲れたけどすごかったっす」
「これくらいで疲れちゃあだめよ」
「そう、今年はデジカメだからむっちゃ楽になったよな?」
「去年なんかフィルムが半分くらい駄目になったし・・・」
「それよりも、疲れてる暇ないわよ。これからが体力使う時間だからね」
緑が妖しい笑みを浮かべた。
「ど、どういうことっすか?」
「撮影中にしたがってたことをしてもらうのよ」
「そ、それって?」
「しらじらしいわねえ。ブリーフパンパンに膨らませてたのはだ〜れかしら?」

夜の打ち合わせが終わってから
部屋の中に悦びの音が上がるのに30分とかからなかった。
「うう、はぁ・・・んん・・・」
水夏の胸を真っ先に堪能したのは貴生である。
根元から全体を包み込んでなお余りあるほどだ。
「会長さん、どうです?」
「ん、んん、たまんない・・・・」
両側から押し寄せる勢いはまるで胸そのものが揉み込んでくるかのようだ。
「そろそろですか?」
「う、うん・・・ああぁ!」
乳液のように濃い液体が水夏の谷間に放たれる。
隣の部屋では花衣の手が定雄の一物を包んでいた。
「へえ、定さんがデフォでマグロって本当だったんですね。」
「俺は疲れてんの。」
「こっちは元気そうですよ」
花衣の手は根元をゆっくりと締め緩めする。
もう一方の手は袋を揉みしだく。
「そこ・・う、うん・・・もう少し、あ・・それは・ああ!」
「そろそろですか?」
「い、いやちょっとま・・・あ・・・あ!」
まだ一分と経っていなかった。
「速射砲ってのも本当なんだ・・・」
「ば、馬鹿、初顔合わせは弱いんだよ!」
「日付変わるまでお手合わせ願いますよ・・・」

翌朝・・・
日の出をバックに撮影。
睡眠時間3時間の定雄はあくびだらけだ。
「カメラ高さあってる?」
「ふぁあ、あってる、あってふぁ〜」
きっちり6時間睡眠の緑と真亜子はぴんぴんしていた。
「誰がこんな時間の・・さつえいを・・・」
「おやおや、あなたでしょ。朝日の中、撮影も”コト”もしたいなんて言ったのは」
「へえ、そうだったんですか」
「撮影終わったら”ソーセージ”1本食べましょうね」
昼の撮影は島の裏側。
一段落着くと、自由時間。
安奈は島の海岸をぐるっと1回り。
と、ヤシの下で寝そべっている定雄を発見した。
傍らにはトップレスの水夏。
「あら、味見されてたの。」
「です。」
「どう?」
「胸だけでこうなっちゃいました。」
定雄は大いびきだ。
水夏の胸には雫のような体液がちょっぴり。
安奈はわざとすまして、
「こういう粗チン君には荒療治が必要よん♪」
と水着を取り上げる。

夕方のロビー・・・
「表ですっぽんぽんになっていいのは打ち上げのときだけよ」
緑はわざと意地悪そうにいう。
「仕方ないだろ。知らない間になくなってたんだから・・・」
「私は見慣れているけどね、今回は新人さんが多いんだから気をつけないと、ねえ」
「へえ、見慣れてるんですか?」
新入生の文也の声。
「そうよ、まあ、女子のスタッフなら見慣れることになるかもね」
「先輩、うらやましいっすよ」
文也はヤシの実ジュースをちゅるちゅる吸う。
「こういうことはうらやましくないだろ!」
「まあ、でも気をつけたほうがいいって事だな」
貴生が割り込む。
「まだ2日目なんだし、夜は長いよ」
といいつつ、今日のベッド割を考え始めた。
オールツインルームに男女1人ずついれる。
意図は言わずもがなだ。
最終日までに1回は床を重ねるようにしていた。

文也君の胸日記

安奈先輩
胸ちょっと固め。でも谷間に挟むとすごい勢いで揺さぶってくる。
柔らかめのスマタをされてる感じ。
フィニッシュは必ずフェラ。
こっちの顔色見て絶妙のタイミングで移行される。
「どうせ出すのなら味わいたい」だって。
緑先輩
柔らかい。もち肌なのでやさしく包み込まれるみたい。
亀頭だけをまず挟んでじんわりと根元まで入れられる。
吸い込まれるような感じ。
安奈先輩と逆に必ず胸の中で中だし。
「天然のコラーゲンを直につけるのが肌を持たせる秘訣」なんて言ってた。
花衣さん
同年齢とは思えないぐらいの落ち着き。
パイずり前に下ごしらえとかいって
乳首吸わせてもらったり胸もませてもらったりした。
弾力のある胸でじっくり挟まれる。
1回目が早かったので2回してくれた。

真亜子さん
あまり胸がないのでパイずりはなし。
かわりに乳首吸わされながら指攻めされた。
後騎乗位してると胸もませてくれた。
ちょうどつかみやすい大きさ。
水夏さん
見た目どおり。
正面、横、逆と一通りの角度でパイずりしてくれた。
本番はゴムつきだったけど胸は全部生。
柔らかい上に大きいのですっぽり入る。
胸だけで5,6回出した。
後、顔も埋めさせてもらう。
初体験は大学入る前だけど胸の初体験は中一(当時すでにBカップ!)
だって。Fカップ万歳!
(以下略)

最終日。
海岸には大きな砂山。
横から定雄の顔がひょこっと出てる。
よく見ると山の中腹からもなにやら出ている。
「だ、出してくれよ」
「あらあら、ブツを焼いてあげるのよ」
緑と安奈が定雄の横にしゃがんでいた。
「そうよ、先っちょまでしっかり焼いておかないとね・・・ぬれた?」
「もうちょっとです」
真亜子がサンオイルを定雄のブツに丁寧に塗っていた。
「裏筋も・・・これくらいですか?」
「まあ、そんな感じかな?」
「部、部長まで・・・助けて!!」
「ABCの海岸で〜って言うし」
「やだあ!」
「挟むのはカニじゃなくてあたしたちだからね!」
「嫌がってる割にはカチンカチンだし、まんざらじゃなさそう」
「先輩のソーセージ、こんがり焼けたら私が味見してあげま〜す」
「はなしちゃだめだぞ」
そんなこんなの撮影会だった。