「あなた、美術部に入らない?」
都内にある私立高校に通う松島薫が、担任の冴島響子にそう言われたのは、
彼女が教科を受け持つ美術の授業中の事。
「僕がですか?」
木炭を持ち、スケッチブックに静物を描く薫は、担任である響子先生が自分
に寄りかかりながら、そんな言葉を掛けてくれた事に戸惑う。周囲にいる
クラスメイトたちも、どこか訝しげな面持ちだ。
「うん。実はあたしが顧問をやっている美術部がね、定員割れしそうなのよ。
松島君は、部活に入ってないでしょ?だから、美術部に入部してくれないか
なあって・・・」
そう言われて、薫は言葉を詰まらせる。辺りのクラスメイトたちも、なあんだ
とでも言いたげな表情だ。要するに、部員の補填をしたいがための、勧誘なの
だ、と含み笑いを隠している様子。
(いやだ、と言いたいが・・・)
ここで断れば、自分は狭量な男となってしまう、と薫は心の中で自問した。何せ
今は授業中、周りには友人たちの目もある。いささか時代錯誤ではあるが、薫は
その優しげな名前とは裏腹に、男気というものを重要視していた。
「いいですよ」
薫がそう答えると、女教師は手をぱん、とひとはたき。
「ありがとう。でも、松島君は本当に絵のセンスがあるのよ。ほら、このリンゴ
なんか。生き生きしてるわ、いかにも美味しそう」
そう言って響子が指差したのは、彼女自身が教材として用意した桃であった。
クラスメイトたちから、クスクスと笑い声が漏れる中、薫は頬を上気させ屈辱に
こめかみをピクつかせている。いい、恥さらしだな、などと思いながら・・・・・

放課後、薫は重い足取りで美術部へ向かう。勢いとはいえ、入部の約束を
した事に後悔しながらも、とぼとぼと歩を進めて行くと、くだんの女教師
が廊下の向こうで手を振っていた。
「松島君、こっち、こっち!」
響子はいかにも楽しげ、と言った様相で、薫を手招く。そのオーバーな素振り
がどこか忌々しく見えた薫は、力無く肩を落とし俯き加減に女教師の元へ
誘い込まれて行った。

「ジャーン!新入部員、入りました!みんな、拍手!」
部室に入るなり、響子は普段であれば絶対に見せないようなおどけぶりで、
部員たちに薫を紹介し始める。薫はといえば、借りてきた猫の様な大人し
さ。実の所、薫はあまり人付き合いが得意ではない。しかし、一応は頭を
下げ、自己紹介を始める。
「松島薫です・・・よろしく」
女教師に引っつかまれた肩が、何とも惨めな薫。そして、部員の顔ぶれを
確かめるべく、部室内を見回すと・・・・・
(なんだ、部員って・・・三人しかいないのか・・・それも女ばっかり)
響子が率いる美術部の部員たちは、皆、女性であった。

「よろしくね、松島・・・薫君」
「かおる君だって、カワイイ名前ね」
「薫君って呼んでいい?」
三人の女生徒が、セーラー服のスカートをひらひらとさせながら、薫の元へ
駆け寄ってきた。校章を見ると、全員が上級生である。一年生の薫にしてみれば
皆、先輩のお姉さん方という事だ。ここで薫は、二回目の後悔をする。
(まずいな。下級生は、僕ひとりかよ・・・)
女三人寄れば姦しい、と言われているように、年を経た女性はしたたかさと
倣岸さを備える。それがいかにも、三人の先輩部員たちには表れていた。いきなり
の薫君呼ばわりにも参ったが、カワイイと言われた事が、彼にとっては憤怒の
種である。薫は確かに優しげな外見と、整った美しい顔を持つ。しかし、男気
を以って生きる、と心に誓う薫にとってみれば、それは侮辱でしかない。
(く・・・く・・く・・・腹立たしい!)
拳を握り締め、体が震え始めると肩を掴んでいた響子が、
「怒らないで。みんな、男の子が珍しいのよ。こう見えても、案外ウブなのよ」
と、囁いた。薫は気勢をそがれ、握り締めた拳から力を緩める。その時、薫は
気付いた。響子に掴まれている肩の骨が、彼女の握力でぎしぎしと悲鳴を上げて
いる事を。それは、反抗を許さない、とでも言いたげな、女教師の持つ威圧感で
あった。

「あたし、芦田美津子。よろしくね。一応、美術部の部長よ」
そう言って、眼鏡をかけた少女が薫に握手を求める。続いて、
「あたしは姫野真奈美。うふふ、薫くんかぁ・・・よ・ろ・し・く・ね」
と、腰まで伸びた美しい少女が、薫に寄りかかった。更に、
「滝本春香です。よろしく、松島君」
ショートカットに浅黒い肌を持つ、まるでスポーツウーマンとでも思しき
少女が、うやうやしく薫に頭を下げる。
「どうも・・・」
三人三様の挨拶に面食らう薫。出来るものならば、今からでも断りたいな、
などと思いながらも、最早引き返せはしないと諦め顔だ。すると、
「そして、あたしが顧問の響子先生よ。いまさらですけど、よろしくね」
響子が薫の肩を引き絞り、さらに身を寄せた。
「ちょ、ちょっと・・・先生・・・」
ぎゅむっと、響子の乳房が薫の体へ押し付けられる。そのボリュームは、
衣服越しにでも十分な存在感で、薫の焦りを誘う。彼はまだ女性を知って
はおらず、純潔を保ったままの少年だ。それとは対照的な響子は、二十七歳
の熟したボディと、匂う如き色香を備えている。薫の焦りは当然と言えた。

「何を焦っているの?松島君」
響子が両腕を薫の体に絡め、熟れた女体を更に密着させる。薫の背中に当て
がわれた豊満な乳房が、二つのゴムマリよろしくグニュグニュと弾んだ。
それは、乳頭の存在までもはっきりと分かるほど強烈に押し付けられ、
童貞少年を赤面させて行く。
「先生・・・あ、あの・・・」
薫が遣る瀬無い、と言った表情で、女教師を諌め様としたその時、
「あっ、響子先生、ノーブラだ!」
姫野真奈美と名乗った少女が、響子の装いに異変を認め、そう叫んだ。
「ばれた?ふふ、だって、どうせ脱いじゃうんだから・・・ね」
しかし、響子は悪びれず、そう言ってニヤニヤと頬を歪めるだけだ。おお
よそ、教師にあるまじき彼女の変節に、薫は戸惑うばかり。
(どういう事だ?)
薫が呆然としていると、美術部部長である芦田美津子が一歩進み出て、
「何で?って、顔してるわね、松島君。改めて、紹介させて頂くわ。よう
こそ、美術部こと、『童貞喪失クラブ』へ」
と、珍妙過ぎる言葉を放った。

「ど、童貞喪失クラブ?」
薫がガタガタと肩をいからせ、その珍奇なネーミングに呆れ返る。すると、
薫を戒める女教師がくくっと低い笑い声を漏らしながら、
「先生ね、美形の童貞少年、飼ってみたいのよ」
などとおどけてみる。しかも、響子の手はいつしか薫のズボンへ伸びており、
ベルトのバックルをカチャカチャと鳴らしているではないか。
「ああ!先生、やめて下さい!」
「いやよ。松島君を最初に見たときから、この機会を窺っていたのよ。やめて
なるもんですか。ほら、みんな薫ちゃんを脱がしちゃいなさい。おちんちんを
品定めさせて貰いましょう」
「はーい!」
こんな遣り取りをしているうちに、薫は手足を戒められ、衣服を剥ぎ取られて
いく。
「やめてくれ!」
男気を売りにしている薫にとっては、女たちにいいようにされては黙っていられ
ない。しかし、彼を戒める女教師の手は力強く、薫を自由にさせてはくれそうに
ない・・・
「薫ちゃん、動いては駄目。動くと肩が外れてしまうわよ。響子先生は、古武術
の達人でもあるんだから・・・」
何時の間にか、薫ちゃん扱いとなった童貞少年に、滝本春香がそう囁く。彼女は、
浅黒い肌にいかにも筋肉質な、恵まれた肢体を持っている。それが、言葉に重み
を持たせ、薫から抗う心を奪っていった。

「出た!おちんちん、結構大物よ!」
ズボンをパンツごと引き下ろされた薫の初心茎、すなわちペニスが四人の
淫女の前に晒された。少年の純潔を目の当たりにして、興奮した面持ちを
見せる美術部、いや、童貞喪失クラブ部長、芦田美津子は薫のペニスの前
へそっと跪き、
「美味しそう・・・先生、舐めてもいい?」
と、少年を戒める女教師へ了解を求める。
「う〜ん、本当は先生が最初に味見したいんだけど・・・まあ、いいわ。
その代わり、お初は先生が頂くわ。それでいい?」
「はい」
女教師に了承を得た美津子は、薫のペニスへ顔を近付け、上目遣いに股間へ
唇を寄せる。そして・・・
「やめてくれ!」
身を捩って、淫戯を拒もうとする薫を一瞥した後、厚ぼったい唇を開き、童貞
少年のペニスをぱくっと咥え込んでいった。
「ううっ!」
初めて受けるペニスへの口唇愛撫に身悶える薫。がくっと膝が折れ、全身から
力が抜けそうになる。
「おおっと!大丈夫?薫ちゃん」
すると、背中から少年を戒める響子が薫を抱きとめた。その力強さといえば、
とても女性とは思えぬほどで、優れた体躯から沸き起こる膂力に女教師の威圧感
を見る。立ったまま戒められた少年の姿は、まるで母親に抱えられる赤子の如き
であった。

「むくっ・・・んむむっ・・・」
ちゅるちゅると音を立て、ペニスを貪り舐める美津子。唇の端からは唾液と
男液が混じった粘液をしたたらせ、一心に薫のペニスを吸いたてる。その瞳
はうっとりと緩み、さも美味といった面相であった。
「美津子・・・美味しい?」
腰まで伸びた黒髪をたなびかせ、姫野真奈美が奈津子へ問い掛ける。唇へ指を
当て、羨ましいとでも言いたげな表情が、少女とは思えぬほどの艶やかさだ。
「う・・・うん」
美津子が頭を上下させ、問い掛けに答える。この間も口唇愛撫は間断無く続け
られ、薫の官能を揺さぶっていった。
(な、なんなんだ・・・この女たちは・・・)
ペニスを咥え込まれ、情けなくも感じ入っている自分が腹立たしい、と思い
ながらも、薫にはどうにも出来ないでいる。雁首を甘く噛まれ、尿道口に舌を
差し込まれたペニスは、例え恥知らずと言われても止むを得ないほどに、滾って
いた。しかも、絶頂が近付いている。

(僕は、どうしたらいいんだ!)
ペニスがぶるっと震えると、薫は何とも切ない気持ちになった。このまま、
射精しても良いものか。この淫女たちのいいようにされてもいいのか、と
葛藤を繰り返す薫。すると、絶頂の予感を感じ取ったのか、ペニスを咥え
込んでいる美津子がにやり、と頬を歪ませると、薫の最も敏感な雁首の裏へ
カリッと歯を当てた。
「うわっ!」
肛門に力を入れ、射精を拒んでいた薫の忍耐力が、ここで潰えた。ペニスは
堰を切ったように樹液を放出し、美津子の淫靡な微笑みを誘う。
「あッ!あッ!あッ・・・」
どくどくと先輩部員の口中へ樹液を放つ童貞少年は、情けない声と共に腰を
戦慄かせ、ひりひりと尿道を通過する熱い精液の抽送に打ち震えた。薫の樹液
を舌の上で味わう美津子は、目を閉じて青臭い粘液を感慨深げに賞味している
様子だ。すると、その有り様を見ていた真奈美と、春香が憤る。
「美津子だけ、ずるい!薫ちゃんのザーメン、独り占めする気?」
真奈美はそう言うと、美津子を突き飛ばし、まだ精の残滓が垂れ込める薫のペニス
へむしゃぶりついた。

「ううッ!」
ずずっと強引な吸引により、薫のペニスは尿道に残った樹液を吸い付け
られる。それは凄まじい勢いで引き付けられ、一滴も精液を残さぬ、と
いった鬼気迫る淫女の様相を良く表していた。
「あたしも、薫ちゃんのザーメン、飲みたーい!」
一人出遅れていた春香が、突き飛ばされて尻餅をついている美津子に覆い
被さり、何の躊躇も無く唇を重ねた。舌で強引に唇をこじ開け、美津子の
舌に残る薫の樹液を掬い取っては、苦みばしった若味に舌鼓を打つ。
「美味しい!薫ちゃんのザーメン!こってりしてて、まるでコンデンスミルク
みたい!ああ・・・青臭いわ・・・」
美津子の口中から奪った薫の樹液を、むぐむぐと舌で味わってから笑顔を
浮かべる春香。その表情は、いかにも醍醐味を味わったかのような、恍惚
としたものであった。

(く、狂ってる!)
三人の淫女に己の子種を分け貪られた薫は、その異様なまでの貪欲さに身を
竦める。女を知らぬ、純潔な少年にとってみれば、彼女たちの行動はいかにも
狂気じみた物に見えた。しかし、そんな少女たちをまとめる女教師は、少しも
慌てず、
「みんな良かったわね。薫ちゃんの精液が飲めて」
と、したり顔で呟く。その声には艶が乗り、彼女も興奮状態にある事をはっきり
と示していた。

「うふふ、先生も飲みたいわ、薫ちゃんの精液。でも、あたしはお初を
頂けるから、良しとしますか」
響子は薫を戒めたまま、片手で少年のヒップをさわさわと撫で付ける。
割れ目を指が侵し、菊座のあたりまで来た時に薫が小さな悲鳴を上げた。
「ひッ!せ・・・先生・・・」
ぎゅうっと肛門へ沈め込まれる女教師の指。菊門を抜け、敏感な場所を
指先が探り当てた時、薫のペニスはびくびくと波打った。
「きゃん!」
精の残滓を吸い取っていた真奈美が、突然暴れ始めたペニスに慄き、顔
を背ける。前立腺を刺激され、たらりと垂れていた薫のペニスは再び
力を得て、鎌首をもたげはじめたのだ。
「聞き分けがいいのね、薫ちゃんのおちんちんは。うふふ、好印象よ」
これだけ言うと、響子は薫の唇に自分の唇を重ねていく。そして、少年
は尻穴を指で穿たれながら、切ない思いを脳裏によぎらせる。
(僕は、この人たちのおもちゃになるのか・・・)
ぐい、と肛門へ入れられた指が引き付けられ、薫の性感を揺らす。すると
ペニスは先走りをしたたらせ、十分な滾りを取り戻していった。
(こういうのも、悪くないか・・・)
陽が翳り始める中、薫は四人の女性に囲まれたまま、今後の自分が強制的
に男を花開かされる事を予感する。それは、薄暗い美術室に掲げられた少年
像に刻まれた悲哀を、己の身にやつすかのように・・・・・。