「どうなのかしら?返事なさいな」
 人差し指と中指で怯えた少年の貌をクイッと不二子は持ち上げた。不二子の美貌が
少年を覗き込むと少年の目に不二子の潤み発情しきった瞳と真っ赤なルージュを
刷いた唇は自分のペニスを咥えたものだ・・・ヌラッと妖しく輝いている。
どうして女性の唇がこうも少年の心を掻き毟るのか彼には判らなかった。ペニスが
びくんびくんと反応し、少年の肉付きの薄い脾腹が不二子のシルクのような
きめ細かな素肌の感触とむっちりとした躰で更に烈しく喘いでいた。
「はあ、はあ、はあ……か、鍵はボ、ボクの両親のお墓の……んんっ……!」
 不二子は少年の言葉を待たずして、唇を奪いに掛かった。少年はその刹那な
腰をふるわせて精液を不二子の股間に迸らせていた。ねえ、挿れたいでしょ?
大きくなって硬くなっていた少年のものは、不二子の鞘に押し入ることなく果てて
いた。少年の腰は四肢を縛られ不自由にもかかわらず跳ね上がり、赤いプリック
で不二子の柔らかい下腹をこづいていた。唇を不二子に奪われた少年は、淡い
ブルーの瞳をいっぱいに見開いていたが、不二子の蕩けるような鞘で果てる
ことの赦されなかった快美を噛みしめるように瞼をゆっくりと閉じて、涙をこぼした。
 その少年の涙は頬を伝い口吻している場所へと流れ込んできた。不二子は少年
の唇を挟んだり、ねっとりと舌で舐め廻したりして開くことを促す。もとより少年には
鍵の在り処のことで抵抗する気など無かったのかもしれない。男としてのプライド
だけが枷だったのだろう。
 涙は少年の開かれた唇に流れ込んできて、不二子の生温い唾液とともに
知覚される。少年は不二子の赤いルージュにまだ知らない爛れたヴァギナを
イメージしたのだった。不二子は唇をゆっくりと離すと、ウェーブの掛かった
ブルネットの髪を耳後ろに掻きあげた。
「だいじょうぶよ。すぐに元気になるから」 
 閉じていた瞳を開くと少年は掻きあげられた不二子の朱を刷いた耳を
ぼうっと眺めていた。真っ白だった不二子の耳が綺麗な朱を刷いている。

  朱色は蠱惑、そして少年は不二子の虜となった。この女(ひと)になら喰われても
いいと少年は思っていた。不二子は腰を引いて、少年のペニスを細くしなやかな指
を絡め手の中に包み込んで扱きたてた。それだけでまた、萎えていたペニスは
ちからを取り戻して、不二子への欲望を吐き出してしまいそうな感覚に襲われて
いた。
「うわああっ」
 少年はあまりもの快美感に太腿をきゅっと閉じ合わせた。
「かわいい。ほら、硬くなってきたわ。可愛い声ね、あなた」
 ボーイソプラノが不二子の欲望を焚き付ける。
「ハア、ハア、ハア……お姉さん……」
 不二子は薄く唇を開いて少年の紅潮した頬に、その唇をかるく擦りつけ、舌を
チロッとだして舐め廻す。少年は不二子の髪の甘い芳香を肺いっぱいに吸い
込んでいた。頬から舌は耳を責め始める。外回りを舌が生き物のように這って
いた。少年の耳には不二子の熱い吐息が吹きかかっていた。
「ボクのおちんちんが痛くなってきたのかしら?」
 不二子が少年の耳元で囁きかけると、少年からその扇情的な裸身を離すと
右脚をすっと拡げる。その美脚の下には赤いピンヒールが履かれていた。
 白魚のような細い指に絡めとられた、少年のおびただしい残滓を口元に
近づけて見せ付けるように舐める。少年のペニスは上下にびくんと痙攣した。
「お姉さん、ボクをもう苛めないで……」

  みごとなまでの肉体美が少年の目の前に展開された。手の届きそうな位置に
あって、むしゃぶりつきたい衝動が込み上げてくるのに四肢は縄で拘束された
ままだ。少年の手首と足首は既に紅い縄目の痕がくっきりと白い繊細な肌に
印されていた。不二子に哀訴する少女のような瞳と声が官能の焔を焚き付ける。
「ああ……おいしいよ」
 白い指の自分の放ったものを蛇のように赤い舌が舐め取っていった。無垢なる
ものを支配し穢す悦びはなにも男だけの情欲などではない。卑猥な不二子の
肢体に少年のペニスは極限にまで膨張を見せつつあった。
「いじめないでよ……おねがいだから……」
 少年の瞳から哀訴の涙がぶわっと溢れて頬を濡らした。しかし、少年のペニスは
女の園を突き刺す凶器そのものだった。不二子は逆V字に開かれた脚の付け根に
少年の残滓を舐め清めた二本の指を秘所へとあてがいひくつそこを拡げて少年に
見せた。濡れて黒々と光る叢から峰不二子の薔薇が咲いた。
「ここにあなたのおちんちんを挿れるのよ。どう、欲しい?欲しくなってきたでしょう」
 不二子の貌は俯いて自分のヴァギナをネイルで傷つけないようにゆっくりと拡げ
妖しく蠢く肉襞を少年の目に焼きつかせた。少年は呆気にとられていた。こんなにも
綺麗なお姉さんにこんな醜いものが付いているのか。
(醜い……ボクのおちんちんだって、こんなにも醜いじゃないか。これがお姉さんの
アソコに突き刺さるのか、ああ……我慢できないよおおっ!)
 しかし、エロスの女神は生贄の少年から背を向けた。右肩を左にぐいっと
捻じって、腰も拡げられていた両脚もそれに倣った。少年がそこに目にしたものは
女性の肉付きの悩ましい透き通るような白い背中と見事なまでのむっちりとした
不二子のプリンヒップだった。

  不二子のブルネットのウェーヴの掛かった髪がふわっと美貌を隠すように舞う。
少年はこのまま射精してもいいとさえ思っていた。拘束されて手を触れることが
赦されないというのなら、大きく弧を描いて解き放ったボクの白濁でエロスの女神
の躰を穢してやりたい。
「ああ……もう、我慢できないよ!お姉さん!お姉さん!ふ、不二子さん!」
 少年の白い裸身は悔しそうにがくんがくんと揺れる。
「やっとわたしの名前を呼んでくれたわね。嬉しいわよ」
 不二子は首を捻じって拘束された少年の裸身を一瞥し、後ろ手に廻してウェーブの
掛かった髪をアップにするようにして持ち上げて万歳をした。そして上体を前屈
するようにして折って細い足首を掴んだ。拡げられた脚から不二子の豊満な乳房
が揺れていた。
「な、なにをしているんですか……?」
「こうするのよ」
 不二子の双臀が少年の屹立へと接触した。少年の屹立は不二子のプリンヒップ
のスリットに押し付けられて彼女によって扱き始められた。
「ああっ!もうイヤだよおおっ!おねがいだから!赦してください!」
「ボクのおちんちんがあんまり元気なものだから挿入できないのよ」
「そ、そんなこといわないでください。なんでもしますから!なんでも……!」
 少年の貌は快楽に歪んでいた。もしも少年は縄で縛られていなければ、爪を
双丘に喰いこませながら、後ろ向きになっている不二子にありったけのちからで
腰を打ちつけていたに違いない。それは夢で熟した女を少年が御することが
できたのかは甚だ疑問だが、少年は頭の中では不二子の肉体を犯していた。
たとえ拘束されていようとも外見は少女のような男でも、獣になって女を犯す
夢を見ていた。

  二度目の射精だったが、少年が精液を吐き出すのに不二子はさほど労を要さなかった。
少年の不二子のヒップのスリットに挟まれて扱かれていたペニスは傘を開いて、びゅるっ、
びゅくっと臀部と背中を穢した。飛沫の一部は不二子のブルネットの髪にも付着していた。
びゅくっ、びゅくっと少年が精液という弾丸を跳ばす度に、事実少年のそれは二度目だと
いうのにおびただしい量の体液を烈しい勢いで発射して彼女の躰を叩いていた。そして
不二子はその弾に撃たれたような官能的な嬌声を「あっ、あっ、あっ……!」と射精に
シンクロさせ発していた。少年には女のそんな反応を目の当たりにしたのはもちろん
初めてであった。
「ごめんなさい、ごめんなさい。不二子さん……」
 少年の二度目の若さに任せた射精によってムッとする臭気が部屋に漂い始めていた。
それを追う様に不二子の牝の匂いも混じって溶け合っていた。
「いいのよ、謝らなくとも」
「ごめんなさい、ほんとうに赦して……ボ、ボク……」
「だったら、今度はもう少し我慢しなさい。射精しそうになったら教えて。動きを止めて
あげるから。あなたは何か別のことを考えるのよ。いいわね」
「はい、わかりました」 「そう、素直なのがかわいくってよ」
 下から不二子の細長い手が伸びてきて少年のペニスを捉え、不二子の濡れ
そぼる秘所へと導く。少年はペニスをやさしく包み込む肉襞の感覚に呻き声を
迸らせていた。不二子の水蜜桃のようなプリンヒップは回転運動をして妖しく蠢いて
少年の躰を性愛の世界に陶酔させていた。
「は、はやくボクの手足の縄を解いて!おねがいです、不二子さん!」
「ど、どうしてなの!わ、わけをいいなさい!」 
「ボ、ボクの手であなたを抱きしめたいんです!おねがいです!愛させて!」
 不二子は少年の吐いた愛という言葉に嗤っていた。
「な、なにが可笑しいんですか!ボクは本気です!」 悲痛な声があがる。

「ごめんなさいね、ボク。でも、愛だなんて言葉、軽々しく言うものではないわ!」
「どうしてぇ……ああっ!あっ!ああ……」
 全裸にされた少年は拘束されながら悔しそうに身悶え、容赦ない不二子の
締め付けと彼女のプリンヒップのダンスの蠱惑に躰がまた爆発しそうになっていた。
「で、出ちゃいそうです!ああっ、う、うごかないでぇッ!おねがいいっ!」
 少年のボーイソプラノの哀訴が不二子に心地よく響いていた。このまま、欲望を
びしゅっびしゅっと膣内(なか)に受けたいという衝動に駆られる。少年の若さに
任せた射精は出すたびに性愛を貪ろうと獣欲を剥き出しにしてぶつかって来ている。
なりは少女といっていいくらいなのに、愛という忘れかけていた言葉まで吐いて
愉しませてくれる。「もう、よしたいの?」 「で、でそうなら、いいなさいって不二子さんが!」
「わたしがいったからなのかしら?そうなの?」 
「ち、ちがいます!ボクはもっと不二子さんとこうしていたいから!ずっとずっと、
夢のようなところを歩いていたいから!ああ……おねがいです、不二子さまあぁあああっ!」
 全裸に四肢を柱に拘束された少年の下腹に擦りつけて怒張を咥え込んでいた不二子の
プリンヒップはダンスをやめると、左足首を掴んでいた手を右足首に移すと、両手で右脚の
外側をゆっくりと撫でるようにして腰まで上がって、前屈していた上体を起こし貌を捻じって
流し目を送った。妖女(あやかし)の不二子の流し目も少年には強烈だったが赤いピンヒールに
細い足首。そこからカモシカのような美脚を綺麗な両手が舐めるように這い上がる様は
弄ばれているとは判っていても堪らない。そしてネイルにも赤がほどこされていた。正確には
毒々しいラズベリーだったが少年の目にはヴァギナの赫でしかなかった。

  女の悩ましい肉付きの背中が迫ってきた。そしてそこには、先ほど解き放った
夥しい残滓が付着している。
「ボク、舐めてくれる?できるわよね」 「は、はい。不二子さま……」
  少年のパステルアクアの瞳の眦からは涙が流れる。屈辱の涙か倒錯の涙か、
それとも歓喜の涙なのか少年はもう考えないことにした。この禁断の果実に呑み
込まれてしまえ!少年はそう叫んでいた。少年には同い年の憧れていた少女が
いたが、不二子の嬲りに自分がもう戻れない遠い存在になったような気がして
いた。不二子の背中にかけられた残滓の放つ臭気にあてられ、少年は錯乱して
いた。「オトナになりたい?挿れたい?」 不二子の問い掛けが少年の心を
惑わして、近づいてくる背中を前にして生唾をごくりと呑んで、舌を不二子に
這わした。不二子は少年を倒錯した世界に送り込んだことで、ぞくっとした快感
が走って、ああっ!と叫ぶと顔を烈しく左右にふってブルネットの長い髪が少年の
素肌を刷く。不二子はふたたび躰を動かして踊り始めた。逆V字に綺麗に
伸びていた両脚はスクワットをする体位となって、膝に両手が載せられ背中がくなくなと
蠢いていた。顔も烈しく振られ、後ろの拘束されている少年を長い髪で鞭打つかの
ように嬲っている。
 少年はいっしょうけんめいに放った白濁を舐めていた。熱い吐息とともに唾液が
幾度も込み上げてきて、最初は息継ぎをしながら飲み込んでいたのに、今は
流れるままにしていた。不二子の背中は白濁から少年の唾液に塗られていき、
少年の舌には苦い味から、不二子の薄っすらと掻いた汗の味と変ってゆく。
 不二子のダンスで少年との繋がりは解けてしまい、ふたりでこさえたどろっとした
スープが不二子の膣から床にぼたっぼたぼたっとこぼれ落ちる。

  少年の耳には自分の速まる鼓動が太鼓の音色に聞えてくる。どん、どん、どんと
不二子の貌は少年の鼓動に合わせるように振り上げられ髪が宙を舞う。不二子の
背中には少年の熱い吐息に、小動物のようなかわいらしい舌、そして時折背中を
とろりと滴らせる唾液が躰の隅々までもぞくぞくさせている。
 少年のペニスにはどくんどくんと血が流れ込み、不二子のやわらかい臀部を
小突いた。「んああっ!気持ちいいわッ!」と不二子が吼え、拘束された少年の方に
くるっと躰を向けると右脚を上げてヴァギナをぱっくりと開いて、天上を向いている
少年の男を握って加え込ませ柱にしがみ付いた。豊満な乳房は少年の躰にぎゅっと
押し付けられ揺り動かされる。不二子は奉仕して口が痺れて半開きになっている
少年の顔を覗き込むと唇をだらしなく開いてむしゃぶりついていった。
 少年は見ていた。不二子の赫い唇がゆっくりと開かれ真っ白い前歯が覗くその
瞬間を永遠に刻んでいた。不二子は大きく口を開いて舌を烈しい勢いで抽送して、
少年を性愛の焔へと導いて行く。しかしいくらセックスに耽溺しようと、今だ少年は
不二子の玩具だった。唇が密着して生温かい甘露な不二子の唾液がたっぷりと
少年の口腔へと流し込まれ、少年の白い咽喉はこくんこくんと何度も鳴っていた。
豊満な乳房と硬くしこった乳首が少年の上体を責め、下腹では痙攣するペニスを
喰いちぎらんばかりに責め続けられる。少年がいくら腰を突いたところで女を御し
征服するという男としての快美感は望めなかった。拘束されている以上、依然と
主導権は不二子にある。不二子はゆっくりと唇を離す。
 しかし、不二子にとっても片脚で腰を振っている体位は安定をもたらすものではなく
やるせない。ベッドに連れて行ってたっぷりと可愛がってやろうか。それとも、
この不安定な格好のままで苛めて跳んでやろうかと女の子みたいに泣く少年を覗き
込みながら瞳は妖しい煌きを放っていた。

「不二子さま……か、鍵はボクの両親のお墓に……ひっ!赦して!赦して
下さい!」 不二子は木の古びたテーブルに置いていた、アーミーナイフを
手を伸ばして掴んだ。少年のペニスは不二子の膣内で恐怖に萎縮することなく
むしろ硬くなって掻き回して痙攣していた。「ああっ、ああ……いいよ」
 少年は殺されると思い、もうそれでもいいという気持ちが肉体に反映していた。
しかし、口からは命乞いをして男のプライドを著しく傷つけたことで、少年の柱に
括られた裸身を抱くようにして後ろ手に縛られている拘束を切ろうとしている
不二子の肩に貌を乗せる格好になっていた少年は天上に向って「あああああッ!」
と泣き声を放っていた。その泣き声と同時に不二子の膣内に少年の熱いものが
迸っていた。両腕の拘束は解けて少年の躰は柱から摺り落ちていった。膝立ちの
格好で少年は両腕をだらりと垂らして、勃起しているペニスからは黄色い液体が
細く勢いよく放物線を描いていた。少年のペニスは下腹に付かんばかりに
反り返っていてびくんびくんと痙攣して床に尿を撒き散らしていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい!なんでも言うことを聞きますから赦して下さい……」
 不二子は自分の股間から少年が失禁した尿がこぼれて、白い内腿を穢すのを
見て嗤うのを必死に堪えていた。むろん、壊れそうな少年を嗤うのではなく、少年
の性を貪婪に求めてやまない自分をだ。
 その魅力はなんといっても若さと無垢に尽きる。果てることの無い精と弾丸の
様にびゅるっ、びしゅっと噴き出て子宮を射抜くタッチに夥しいその量は不二子に
とって蠱惑だった。少年をたぶらかしているのは自分なのに、少年の蠱惑に負ける
自分が可笑しくて嗤える。そして女の性によって少年が壊れる瞬間が不二子には
愉しい。不二子は少年の顎を持ち上げて「お仕置きをしてあげなくちゃね」とやさしく
答えた。少年の尿を出し切ったペニスは萎縮することなく、また痙攣していた。

 不二子は柱に括られている少年の足首の縄も切ってやると、そのまま少年は
うつ伏せに床に倒れこんでしまう。ほんとうに壊れてしまったんじゃないでしょうね、
と心配になってナイフを柱に突き立て少年の背中に白く細長い手でふれた時、
少年はくるっと向きかえって不二子の頬を引っ叩く。不二子はよろめいて尻餅を
ついて少年の叛乱に遭い組み敷かれていた。
「よ、よくもボクをバカにしてくれたな!」 少年は不二子の躰に跨ると平手を数回
見舞わせていた。「きゃあッ!」 不二子の上げる悲鳴、奴隷から支配者に取って
替わった快感に少年は男を漲らせる。「や、やめてちょうだい……!おねがい
だから」 「赦してなんかやるもんか!お前なんか、お前なんか……!」
 不二子の赧腫れた頬に少年の涙がぽたぽたとこぼれてくる。少年は不二子の
顔をじっと凝視する。不二子は堪らずに少年の視線からプイッと外して左を向いて
下唇をきゅっと噛み締める。少年にとってはそんな不二子の姿も不思議だった。
可愛いというには熟れすぎた女の躰、散々いたぶられたのに愛しくさえある。
恋心と性愛がごっちゃになって少年は錯乱したまま屹立に手を添えて秘孔を探し
出すのに懸命になっていく。もういちど蕩けるような瞬間を取り戻すために。
女を支配する男のプライドを満足させる為に。不二子は少年が入りやすいように
腰だけで誘導してやっていた。これだから、少年は面白いと少年の膨らんだ
ペニスをきつく締め付けてやる。「ごめんなさい……ごめんなさい……」としおらしく
振舞って少年の支配欲を烈しく駆り立てる演出で戯れる。不二子の豊満な乳房の脇に
少年は手を付いて闇雲に抽送を繰り出していた。不二子は脚を曲げてもどかし
そうに腰を揺り動かす。少年の付いた手首をしっかりと握り締め、もっと少年の
ペニスを深く欲しいと我慢できず両脚を不二子は高く掲げた。
 少年は不二子の両脚が高く掲げられ、腰が妖しく蠢くのを感じて不二子に
躍らされていることに気づく。「ボ、ボクを騙したな!」 「苛めて、もっと苛めて、ボク!」

  不二子に翻弄される少年は苛立ちを覚えてはいたが、それは憎しみなどでは
なかった。自分の腑甲斐無いさまに、不二子の肉体を御することのできない
悔しさに泣きながら腰を突き入れ、不二子は赫いヒールを弾き飛ばして床に
カラカラと回りながら滑って行く。少年は不二子が脱ぎ捨てた赫いヒールを腰の
律動を止めて振り向いて見ていた。はじまりは少年が見た赫だった。
 真紅の車に乗せられて城に連れてこられた。「貴族から買い取った城をあなたに
見せてあげる」と誘われたのだ。しかし、少年は城などに興味は無かった。不二子の
美しさを眺めていたかったのだ。赫のレザージャケットを纏っただけで、ウエストに
フリンジのついたベルトをかるく巻いて留めていて、大きく開いた胸はシャツを着てさえ
おらず、不二子のむっちりとした胸の谷間が覗いて見える。
疾走する車、風に靡く不二子のウェーブ掛かった長いブルネットが少年を興奮
させていた。少年はまさに夢の中にいる心持でいる。運転する不二子の貌を、その
綺麗な瞳を黒のメタルサングラスで隠していてもパーフェクトな女を感じさせて
モジモジしながら股間を膨らませ盗み見していた。
城についてからは少年は股間の膨らみを気取られはしまいかと急いで自分から
下りようとしていたら「まって」とやさしく声を掛けられ、先に下りてドアを開けて
くれて笑顔で「どうぞ」とエスコートしてくれた。しかし少年が見ていたものは
不二子の笑顔などではなく、不二子の美脚を覆うメッシュの黒のストッキングで、
むっちりとしている太腿のところに見える黒のストッパーにも興奮してしまう。
もちろんやさしい口調でエスコートしてくれた赫いルージュを刷いた唇も見逃しは
していない。「さあ、降りて。どうしたのかな?」
 お茶を飲んでから、城の中を見せてあげるとホールに通された時だった。
不二子の赫いヒールがカツンカツンと床を叩く音が勇ましく憧憬の眼差しで見て
いたことまでは記憶があった。気がついたときには少年は大理石の柱にいた。

「どうしたの!もっとわたしを苛めて!ほら!」
 不二子が少年のペニスを締め付ける。「ううっ」と少年は呻いて不二子の口元が
悦びに変った。少年は更なる強い律動とともに不二子の脈打ってのたうつ裸身に
重なって前歯を覗かせて薄っすらと開いて喘いでいる唇にむしゃぶりつき、不二子も
少年に応えようとした時だった。烈しい痛みが不二子の唇に走り「んんっ!」と
今度は不二子が呻く番だった。
 少年は不二子の唇に噛み付いて血を流させたのだ。不二子の細く白い顎に赫い
筋がツーッと滴る。しかし、不二子は瞳を怒りで見開くことなく官能に変えてしまい
同じようにして少年の唇を噛み切った。大理石の床に転がっている女と少年は唇の
痛みに悶えながらも、腰を蠢かす妖しい蛇のようにのたうっている。
 血は顎から首を伝い、不二子の鎖骨まで滴って来ていた。少年の口腔には鉄の
味が拡がっていたが、それが不二子のものなのか自分のものなのか区別は
つかないままに、その血を啜っていた。もう、このひとには勝てない。ボクはこの
女(ひと)に呑まれるのなら本望だと諦めて口の力を緩めようと考えていたら、
不二子の方が先に弛緩して頭の髪を掻き毟るように抱かれ、少年のきゅっと
引き締まった臀部に両脚を絡ませて来る。しかし少年には不二子が男としての衝動を
求めてきているというサインがわからなかった。
「す、好きにしていいのよ。そしてわたしの膣内にだしてちょうだい!」
(膝裏を抱えて、わたしを押し潰すように犯して!)
「はあ、はあ、ああ……射精そうです!不二子さまああッ!」
「いいっ!そうよ!そう!わたしをあなたのおちんちんで往かせてっ!」
 少年の耳に不二子が初めて歔く声が届いてきた。鼻に掛かる甘い調べ。ボクの
ペニスがそうさせているんだと少年は不二子を衝きあげる。
(ボクが不二子さまを泣かすんだ!) ふたりの奏でる淫水の音と呻く声がホールに
響いていた。(男になって、もっともっと悦んで貰うんだ!) 「いっ、いい……!」

  不二子の嬌声がホールに響いて、少年は力を漲らせて不二子を抉った。
少年の心のなかには不二子から受けた屈辱よりも、男として認められたいという
想いの方が勝ってゆく。けれど、少年は自分の華奢な肉体が不二子のボリューム
ある躰を御していることは俄かに信じられなかった。それもやがて、男のプライドを
を嬲られ疵を付けられながらも跪いて赦しを請うたことが快楽に変ったように、
サキュバス・峰不二子の美貌に跪くことが男の本望のように思われてくる。
「だ、ダメ……慌てないで!ね、ねっ!あああっ、たまんない!」
 不二子の細長く白い手が少年の喘いでいる貌を掴んで、擦れた声で語りかけて
咽喉を晒して仰け反ってゆく。不二子は少年の唇に血のルージュが刷かれ、形の
よい顎に血を滴らせて自分の乳房を濡らす倒錯に顫えた。少年のペニスには
烈しい締め付けが襲ってきていて、不二子の白い歯が切った唇を噛んで必死に
なって堪える。大理石の床に散って拡がる不二子のブルネットの長い髪、白い
透き通った素肌に滴った赫い血に少年の傘は開き始めていた。
「もう、ボク、射精そうです!不二子さまああっ!」
 少年は射精を懸命に堪えて頭に力を加えたことで不二子の腕ががくんと折れて
顔を掻き抱くような格好になった。 「いいっ、いいわ!たっぷりと膣内にだして!
見ていてあげるから射精してちょうだい!」 不二子は仰け反った快楽に
耽溺した凄惨な貌を起こして、乳房にむしゃぶりつこうとした少年の顔を無理やり
引き剥がし少年の貌は悔しさに歪んだ。仕方なく少年は不二子の豊満な乳房の
脇に両手を付いて抉りたてる。
不二子の脚は曲げられたまま膝裏は少年の肩甲骨に掛かるようにして、彼女の
細い足首は重なり合った。少年は快楽に負けて、涙を眦から溢れ出させ……
「ほら、見てごらん!ボク」 少年は薄目を開けると、律動から喘ぐ乳房から
ペニスがヴァギナに咥えられて唾液を垂れ流しているのを無理やり見せられ、
堰を切って堪えていたものが不二子の子宮へと弾丸のように迸っていった。