「藤原っ!!アンタはいつになったらまともに仕事ができるようになるの!」
僕は部長の前で何回も頭を下げた。
僕の名前は藤原祐一。一年前にこの会社に入社し、今年で2年目だ。
だが、いつもヘマばかりして部長に怒られている・・・。
この女部長の名は須藤裕美。28才ながら、この部署の部長を任されている。
まあ・・・俗に言うエリートって人なのかな。
もの凄い美人で、今まで交際を申し込んだ社員は十人を越えるらしい。
だがその申し込みはことごとく断られ、最近ではレズではないか・・・?
というウワサまでちらほら囁かれている。
「いい?次に同じ失敗したら即刻クビよ、く・び!分かってんの!?
アンタみたいなのはいられるだけでも迷惑なのに、それを我慢しておいてやってるのよ!
その辺りもよく考えなさいよ!この役立たず!もう行きなさい!」
「は、はい・・・すいませんでした・・・」
僕はうつむきながら、トボトボと自分の席に戻った。
はぁ・・・確かに僕はヘマばかりしてるけど、いくらなんでもキツ過ぎ・・・。
なんか涙が出てきそうだよ・・・。

今日の仕事が終わり、僕は帰り支度をした。
「おう、藤原。飲みに行かねーか?」
「いや・・・今日はやめとくよ・・・」
今日はいつもの数倍は疲れていた・・・原因はやっぱり部長の説教だろう。
僕は肩を落としながら、同僚に別れを告げた。

僕は帰宅途中、レンタルビデオ屋に寄っていた。
僕が借りるのを楽しみしていた新作が、今日レンタルを開始したからだ。
そのビデオをレジに持って行った時、ある事に気付いた。
・・・財布・・・・ないじゃん・・・・
おそらく会社の机の中に入れっぱなしだったのだろう。
僕はすぐに車のエンジンをかけ、会社へと戻った。
何せ財布が無いと、今日の晩飯も食えないしね・・・。

会社の駐車場に車をとめると、
僕はほとんど電気の消えかかった会社に、ダッシュで飛びこんで行った。

幸いにも僕がいる部署の電気は薄暗いが、
まだついているようだったので僕は扉の前に走って行った。
ゆっくりと息を落ちつかせ、さあ入ろう!とした瞬間、中から声が聞こえてきた。
「ああっ・・・・んん・・・」
どう考えてもそれは、女の喘ぎ声だった。
ったく・・・誰だよ、会社でHなんてしてる奴は。
そういや山川と阿部さんって付き合ってたよな・・・間違いない、あいつらだ。
「ん・・・あっ・・・だめ・・・」
なーにが「だめ・・・」だよ。
・・・そうだ、ちょっと覗いてやろう(笑)
僕は音を立てずに少しだけドアを開け、隙間にゆっくりと目を近づけた。
だが中にいたのは山川と阿部さん・・・ではなく、須藤部長ただ一人だった。
「え・・・ウソ・・・だろ・・・」
部長はイスに座り、机に寄りかかりながら、股間で手を動かしていた。
「ま、まさか・・・オナニー・・・してるのか?」
「ん・・・ああっ・・・んんっ」
部長はオナニーに夢中のようだった。
僕はその光景を見て、自分の股間が大きくなっていくのが分かった。

その光景に見入って1分が過ぎた頃だろうか。
僕はハッと我に返り、この場を去ろうとした。
部長に覗いてた事がバレたらどんな恐ろしい目に遭うか・・・。
会社を即刻クビになり、裁判を起こされて多額の賠償金を取られるかも・・・。
少し恐くなった僕はゆっくりとドアを閉めた。

・・・つもりだったが、予想に反してドアノブは「ガチャッ」と大きい音を立ててしまう。
僕は慌てて暗い廊下を走り出した。
心臓がバクバクいってる・・・これが犯罪者の気持ちなのかな(笑)
と思った瞬間、僕の目の高さが急に低くなり、体全体に痛みが走った。
ヤバイ・・・こけた。
急いで起き上がろうとしたその時・・・僕のスーツを誰かが掴んだ。
恐る恐る振り返ると、部長がにこっと微笑んでいた・・・。

僕は部長と一緒に部署に戻った。
部長は膝を組んで、イスにどかっと座りこんでいる。
これは・・・やっぱり怒ってるなぁ・・・。
僕は床に正座し、頭を下げた。土下座ってやつだ。
「すんません部長!俺、財布を机の中に忘れちゃって・・・。
それでここに戻って来たら部長がいて・・・その・・・・。
と、とにかく!!この事は誰にも言いませんから、許して下さいっ!!」
僕は床に鼻をつけて深く頭を下げた。
これで・・・許してくれる訳ない・・・よな。
突然、部長が両手で僕の頭を掴んだ。
僕は一瞬ブルッと震える。
もしかして・・・頭を掴んでの膝蹴り!?
きっとそうだ・・・間違いない・・・恐いぃぃぃ・・・。
そのまま僕の頭は上げられる。すると目の前には部長の顔があった。
「え、あ、あの・・・部長?」
すると部長は僕の唇に唇を合わせてきた。
部長の柔らかい舌が、僕の口の中で動いている。

「ん・・・ん・・・」
部長が声を漏らす。
僕も無意識のうちに、自分の舌を部長の舌と絡めていた。
少しして、部長が顔を離す。
あの真っ白で美しい部長の顔が、ほんのりと紅潮していた。
「ふふっ・・・驚いた?」
部長が少女のような笑みを見せる。
あの堅くて厳しい部長とは別人のようだった。
「あ、あの・・・部長・・・なんでこんな・・・」
部長が僕のキョトンとした顔を見て、笑いながら言う。
「私ね、藤原君の事好きなんだよ」
「はっ!?」
僕はますますキョトンとしてしまう。
社内一の美人で、男を全然寄せ付けない部長が。
僕を目の敵にして、怒りまくってた部長が。
僕を好き?
「私が藤原君ばかりいつも怒ってたのはね、君に早く一人前になって欲しいからなの。
他の社員の誰よりも・・・ね。」
「そ、そうなん・・ですか。」
「そうよ。でも藤原君は私の事恐がっちゃっうしなぁ」
そりゃあんな怒り方されたら恐がりますって・・・。
でも、なんか・・・凄く嬉しいな・・・はは・・・。

「で、藤原君は私の事好きなの?」
「えっ!?は、はい・・・入社した時から・・・ずっと・・・。
でも怒られてばかりだったから、てっきり嫌われてるのかと・・・」
「そっか・・・色々とキツく言っちゃってゴメンね・・・」
部長が僕の体に腕を回して抱きついた。
ふわぁ・・・といい香りが部長の髪から漂ってくる。
僕も部長の体に腕を回した。
「・・・でも!私の恥ずかしいトコ見られた代償はして貰わないとね」
部長が体を離し、そう言い放った。
僕はドキッとして体を硬直させる。
「だ、代償・・・ですか?」
「そう、代償。そうね・・・下半身、裸になって」
「ええっ!!」
僕が少しためらった・・・だが、
「・・・藤原っ!早くしなさいっ!!」
部長がいつもの口調で言い放つ。
「は、はいぃっ!」
僕は反射的にベルトを外し出した。
あの声で怒鳴られると、反抗できないんだよな・・・。
「ぶ、部長・・・これでいいでしょうか・・・」
僕は上はシャツとスーツ、下はスッポンポンという恥ずかしい格好で立っていた。
さっきのキス、そして部長に見られているというのも相俟って、
僕のあそこは痛いくらい勃起していた。

「藤原君・・・」
部長がゆっくりと僕のアソコを手で握る。
白くて綺麗な部長の指が、僕のアソコを這い回る。
「あっ・・・ぶ、部長・・・」
すると部長はアソコに顔を近付け、ゆっくりと口に含んだ。
「ん・・・ふうっ・・・」
そしてゆっくりと口を前後に動かす。
ちゅぷ・・・ちゅぷ・・・といやらしい音が部署内に響いた。
「うわっ・・・そんな・・・部長・・・あっ」
「んんっ・・・ちゅっ・・・はぁ・・・部長じゃなく・・裕美って呼んで」
部長・・・もとい裕美はそう言うと、再び口を動かし始めた。
「ゆ・・・みっ・・・ああ・・・」
「ふうっ・・・んんん・・・んぐっ・・・んん・・・」
「あっ・・・」
僕は裕美の口の中で果てた。
裕美はそれを吐き出す事無く、ゆっくりと全て飲んでくれた。
「はあ・・・どう?よかった?」
「うん・・・よかった」
そう言って微笑んだ裕美の顔を見ると、僕のアソコは再び大きくなってしまった。
そういや最近溜まってたからなぁ・・・疲れてて性欲も無かったし。
「じゃあ・・・藤原君、あお向けになって」
僕は裕美の言われるがまま、床にあお向けに横になった。
アソコは真っ直ぐと上にのびているのが間抜けだが・・・。

「藤原君・・・私も藤原君の事、祐一って呼んでいい?」
「もちろん」
「そう・・・祐一、好きだよ」
「・・・僕もだよ」
いくつになってもこういう会話は何となく恥ずかしいな・・・。
でも僕の気持ちにウソは無い。
入社したての頃、戸惑ってる僕に一番気にかけてくれたのは裕美だ。
いや、言い方はキツ過ぎるけど、今でも一番気にかけてくれるのは裕美だ。
忘年会の時、飲み過ぎて気分が優れない僕を介抱してくれたのも裕美だ。
いつでも僕を気にかけてくれていたのは裕美だ。
でも僕はそれに気付かず、変に恐がりだした。
それが裕美を余計イラつかせたんだな・・・。
おそらく彼女は自分から「好き」と伝えるのが苦手なんだろう。
だから・・・気付いて欲しかった。
それを僕は気付けなかった・・・僕は・・・情けないな。
「あ・・・ああっ・・・」
裕美が喘ぎ声をあげる。
同時に僕のアソコは裕美の中へと入っていった。

「あんっ・・・ああっ・・・あっ・・・」
裕美が激しく動く。それに合わせて僕も腰を上げる。
「ああっ!!・・・はあ、はあ・・・ごめんね祐一」
「何が・・・?」
「初めてがこんな形になっちゃって・・・ああっ・・・。
私、ホントはこんな・・・んんっ・・・」
「いいんだ、分かってる。」
おそらく僕がもっと早く気付いてれば、もっとちゃんとした形でできたんだろう。
僕のせいだ。だからこそ、僕はこれから有り余るくらい彼女を愛そうと思う。
「あっああっ・・・はあっ」
裕美が僕の体に覆い被さる。
裕美の顔は紅潮していた。
あの堅いと言われている裕美が、僕の前ではこんな・・・。
そう思うと、僕は裕美をたまらなくいとおしくなった。
「裕美っ・・・」
僕は激しく腰を動かした。
「ああっ・・・ああっ・・・祐一っ・・・・。
あっ・・・・ああああーっ!!!」

僕は裕美の中で果てた。
そして裕美の体を痛いくらいに抱きしめた。
「ああっ・・・はあ、はあ・・・・」
裕美が目を瞑り、僕の体にうずくまる。
もう迷い、恐れなどこれっぽっちも無い。
僕は裕美を愛している。


あの夜から2週間が過ぎた。
裕美と僕は職場仲間に隠しながら、交際を続けている。
「藤原っ!またなの!?いい加減にしなさいっ!!」
裕美は持ってるペンで僕の頭を叩いた。
「すいません!!やり直します!!」
僕は頭を下げ、いそいそと自分の机に戻った。
イスに座ると、隣の山川がひそひそと話しかけてきた。
「相変わらず大変だなー。よく平気でいられるよ、ホント。」
「まあ・・・ね」
僕は少し笑いながら、携帯のメールを見た。
「ごめんね、痛くなかった?」
と、裕美からのメール。僕はさっそく返した。

「いや、大丈夫。僕がヘマしちゃったのがいけないんだしね。
じゃあ今夜、僕の家でね☆」
こう送り、このメールを見た裕美に僕は笑いかけた。
裕美もさりげなく僕にウインクをくれる。

そして夜。
裕美は僕の家に来て二人で晩飯を作り、
会社の事など色々な事を話しながら楽しく食べていた。
プルルルル・・・・。
電話だ。僕は二人の時間を邪魔され、ちょっと嫌だったが仕方なく出る。
「はい、もしもし」
「あ、祐君?久しぶりやな〜」
「あ、美奈姉ちゃん!?」
美奈姉ちゃんは僕のいとこで、今は3人の子供を持つお母さんだ。
「いや〜祐君はそろそろ結婚せーへんのかなと思って電話かけてん。
お姉ちゃんがお見合いでも企画したろか〜?」
「いや、ええよ。僕もう結婚予定の相手・・・おるしね」
僕はそう言うと、裕美ににこっと笑いかけた。

      おわり