人も羨む高級住宅街のある邸宅の中で、ひとりの少年が、
「春奈、春奈」
と、誰かを探している。見れば、彼はきょろきょろと辺りを見回しながら、
春奈と呼んだ人物を求めて、だだっ広い屋敷の中をうろうろと歩いて
いた。
「どこへ行ったんだろう・・・」
少年はそう呟いて、陽光の漏れる廊下の窓から庭を見遣る。すると・・・
「あんな所にいる!」
庭に生い茂った立ち木の下で、メイド服姿もも麗しい妙齢の女性が、
のんきに昼寝をしていた。それを見た少年は、
「まったく、しょうがないな・・・春奈のやつ」
と、言いつつも、どこか嬉しそうに微笑みながら、春奈という名の女性
の元へ、歩いて行った。

「ぐうぐう・・・もう、食べられない・・」
木漏れ日の下で惰眠を貪るこの女性の名は、早乙女春奈。まだ二十歳
になったばかりだが、彼女はここに居を構える名家、『沢渡家』にメイドと
して奉職している身である。誰よりも美貌に恵まれ、母性を持った春奈
ではあるが、昼寝が大好きで仕事熱心とは言い難い性分をしていた。

「むにゃむにゃ・・・美味しいですね、これ・・・」
春奈は夢の中でもてなしを受けているらしく、目を閉じたまま頬を緩め、
寝言を繰り返すばかり。そこに、先ほどの少年がやって来て、
「春奈、春奈」
職務を怠り、夢見心地のメイドの体を揺さぶった。
「はれ・・・?ぼっひゃん・・?」
「あれ、ぼっちゃん、じゃないよ。まったくもう・・・」
揺り起こされた春奈は、まだ舌がうまく回らないらしく、寝ぼけ眼で真向
かいにいる少年をぼっちゃん、と呼んだ。どうやらこの二人、主従関係
にあるらしい。
「あ、あたし・・・寝てました?」
「寝てたよ。ぐうぐうと、いびきまでかいて」
「すみません・・・」
春奈はようやく己の失態を知り、少年に対して詫びた。ひょいと首を竦め、
うなだれる姿が今時の女性にしては、したたかな感じを見せず、愛らしい。
「夜更かししすぎなんじゃないの?春奈は・・・」
「いえ、ちゃんと毎晩八時間は寝てますよ」
「じゃあ、なんで今ここで、お昼寝なんかしてるの?」
「面目ありません・・・」
少年は一応、主らしくこの怠惰なメイドに対してお小言をひとつ。しかし、
言葉のニュアンスに怒気は無く、むしろ微笑ましく思っているようだ。

「まあ、いいさ。それよりもパパが呼んでるよ」
「え?旦那様が?」
「うん。何か急用らしいから、すぐに書斎まで来てくれって」
「あたし・・・何やったけなあ・・?ぼっちゃま、何か聞いてません?」
「知らない」
少年の用というものが、この家の当主からの呼び出しと聞いて、春奈は
小首をかしげる。実はこのメイド、お世辞にも手先が器用とは言えず、事
あるたびに失態を見せていた。たった今も職務を放棄して、昼寝と洒落込
んでいたような人物なので、思い当たる事も多い。
「う〜ん・・・もしかして、旦那様のお気に入りのマイセンを割っちゃった事
かなあ・・・それとも、お客様にお出しするチョコレートを、全部食べちゃった
事か・・・それとも・・・」
ぶつぶつと呟きながら、春奈が当主の書斎の方へ歩き出すと、少年は優し
く微笑みつつ、
「気をつけてね、春奈」
と、この秘め事の多いメイドの後姿を見送った。

「旦那様、春奈です」
「ああ、入ってきてくれ」
春奈が書斎に入ると、沢渡家の当主である正孝が、自らが営む事業の報
告書に印を押していた。沢渡雅隆、当節とって三十七歳。男盛りではあるが、
妻に先立たれ、今は息子の雅治が唯一の家族である。先ほど、春奈を探し
ていた少年だ。

「御用というのは・・・?」
春奈はおそれながら、といった表情で雅隆に問う。自分が秘める失態の
どれが明らかになったのか、気が気では無い様子。
「うむ、実は雅治の事なんだが」
雅隆が春奈を見据えながら、言う。実直な性格で、物事をまわりくどく言わ
ない彼は、お伺いを立てるメイドが相槌を打つ暇も与えず、
「あれももう十二歳になった」
と、呟いた。
「はあ」
と、生返事をしたのは、春奈である。息子の年ぐらい覚えているだろうに、
何をいまさらとでも言いたげな顔をしながら、だ。
「君には随分となついている。母親を早くに無くしたせいか。少々甘えん坊に
育ってしまったかもしれん」
「いや、しっかりしてますよ。あたしなんかよりも、ずっと」
雅隆の問いかけに、春奈は本心から答える。もっとも、しっかりしなければ
いけないのは、この怠惰なメイドなのだが。
「そこで、春奈。君にちょっと頼み事があるんだが」
「なんなりと」
当主に頼まれ事をされたメイドは、用事というのが自分の失態に関係ない
と知って、調子良く快諾した。まだ、頼み事の内容すら確かめていないと
いうのに、だ。ところが、雅隆が言葉を繋いだ次の瞬間、春奈は今までの人生
の中で、もっとも驚かされる事になる。その言葉とは・・・
「あれを、男にしてやってくれたまえ」
という、沢渡家の当主・・・否、一般論からしても、不適切なものであったからだ。

「はあ?」
男にしてやってくれ、という言葉が理解出来ずに、春奈はつい間の抜けた
返事をしてしまう。当たり前である。まだ十二歳の雅治を男にしろ、と言わ
れても、さっぱり見当がつかないに決まっていた。すると雅隆が、
「君の体で、あれの筆おろしをしてやってくれ、と言ってるんだ」
眉間に皺を寄せつつ、小首をかしげるメイドを睨みつけた・・・のだが、
「お断りします!」
春名は当主の頼み事を、言下にはねつけた。更に、
「何をお考えなんですか!いい年をして、いやらしい!」
メイドの身分でありながら心が乱れるに任せ、書斎にある立派な本棚から
書籍を抜き取り、当主に向かって投げつける。頬を真っ赤に染めている所
が、二十歳にしては案外純情な感じ。
「こ、こら!やめなさい、春奈」
豪奢な表紙の書籍が飛んでくると、雅隆は身を低くして春奈を嗜める。これ
では、どちらが主で従なのか分からない。
「やめません!なによ、このエロ親父!」
ぶんぶんと本を投げた後、春奈は大声で雅隆を怒鳴りつけた。よもや、
こんな性的嫌がらせを受けようとは、彼女自身思ってもみなかったに違い
無い・・・かと思いきや、
「は、話を聞いてくれよ。春奈・・・」
机の端からちょこんと顔を出し、狂乱したメイドの状態を伺っている雅隆が、
情けなく頼んだのである・・・

「なあ、春奈。男にとっても女にとっても、初めての・・・その、なんだ・・・
交わりを持つ時っていうのは、大事なんだ」
雅隆がそう言うと、
「まだそんな事を・・・」
拳を握り締めた春奈が食ってかかった。いくら当主と言えども、いやらしい
文句は許さない、と表情にも気迫がこもっている。そんなメイドをちょっぴり
斜に見つつ、雅隆は話を続けていった。
「まあ、聞いてくれ。どうも雅治は、君に妻の・・・あれにとっては、母親の姿
を見ているようなんだ」
「え・・・?」
「妻は優しい女だったから、同じように優しい君に母親の姿を見て取るのは、
やむを得ないと思う。だから、あれにとって女性の理想・・・すなわち、春奈。
君が、あいつを男に導いてやって欲しいんだ」
それだけ言うと、雅隆は机に手をつき頭を下げる。当主としての威厳もどこへ
やら、たかが一メイドに対して、慇懃な礼を以って接している姿が情けない。
「ええ・・・?え?そ、そうは言っても・・・」
春奈にしてみれば、たとえ雅治が自分を好いていると言っても、十二歳の
少年を褥にいざなう訳にはいかないだろう。ましてや、ようやく蕾を花咲かせ
ようとしている少年の男を、自分の胎内へ導く訳には・・・

「頼む!」
机に手をついていた雅隆が、更に一段頭を下げ、頼み込む。と、なれば
あとは春奈の胸三寸という事になる。ここで、春奈は思案した。
(ぼっちゃまを・・・あたしの中へ・・・迎える?)
彼女の脳裏に、雅治をいざなう自分の姿が浮かぶと、何やら得も知れぬ
期待感が熟れ始めた女体を揺さぶった。気付けば、やや大ぶりな乳房の
先端が硬く尖り、ブラジャーのカップを突き上げている。そう、春奈は少年
を胎内へ迎えるという倒錯した妄想で、心が揺らいでいるのだ。
(もちろん、ぼっちゃまとセックスするって事だよね・・・)
そう考えると、女がきゅーんと疼いた。それが本能的なものなのか、女性
が生まれつき持っている母性なのかは、計り知ることが出来ないが、すで
に春奈の脳内では、雅治と交わる己の姿が見えている。何度でも、何処ま
でも十二歳の少年を受け入れる、二十歳の女性の淫姿が・・・だ。
「旦那様・・・」
春奈がそっと問いかけた。多少、うつむき加減ではあるが、はっきりとした
意思を込めた視線と共に。そして・・・
「分かりました。ぼっちゃまとのお勤め・・・お引き受け致します」
「そうか!ありがとう!」
春奈はとうとう、雅隆の申し出を許諾してしまったのである・・・

「春奈、どうだった?」
「あら、ぼっちゃま」
春奈が書斎を出ると、廊下には雅治が立っていた。どうやら、父親に呼ばれ
た彼女の身を案じ、ついてきたらしい。
「パパに怒られなかった?」
「いいえ。全然」
「良かった」
それだけ聞くと、雅治は春奈に擦り寄り、柔らかな女体に抱きついた。子供
らしい暖かな憧憬に触れたいだけのスキンシップ。春奈は無論、それを拒もう
とはせず、少年の体をしっかりと抱きしめる。そして、少年の耳元で、
「ぼっちゃま。今日、お風呂に入ったら、おちんちんをしっかりと洗っておいて
くださいね」
と囁いた。その言葉に驚いたのは、雅治だ。
「いつもしっかり洗っているよ。変な事を言わないでよ、春奈」
少年は春奈の言った意味が分からない。性器をしっかり洗っておけ、と言われ
ても、熟した女と違って淫らがましい妄想などが、脳裏を過ぎる事が無いからだ。
しかし、春奈は更に言う。
「今日から春奈は、ぼっちゃまとお布団を一緒にします。いいですか?」
だが、雅治はきょとんとしたまま、メイドの言葉にはて?といった表情のまま。
主従の間柄であっても、これまで褥を共にしたことなど無いので、春奈の言って
る意味が更に理解出来ないでいる。すると・・・
「あたしは、ぼっちゃまのモノになります」
春奈は瞳を伏せ、少年を切なく見遣った。

更に時は進み、静寂と宵が沢渡家を包んだ頃、春奈は下着を替えながら、
この後訪れる情事に胸を焦がしていた。
(照れくさいな・・・)
異性の為に下着を替えるという経験を、春奈は初めて知った。そう、実は
彼女、まだ男を知らない体である。別に異性を避けていたわけではないが、
なんとなく無垢なままで、二十歳を迎えていたのだ。
(初めての相手が、十二歳って・・・変だよね、絶対)
ふっと口元が歪む春奈。しかし、今更後戻りも出来はしない。雅治には前
もって言い含めてある。勿論、布団を共にするというだけでは、真意が伝わ
る訳がないが、どうせリードするのは自分だ、と春奈は案外軽やかな気分
でいられる。
「さて、行くか」
時計をちらりと見れば、午後九時。雅治はどんな気持ちで、自分を待って
くれているのだろうか、と春奈の胸が高鳴った。自室を出て、一歩一歩足
を進めるたびに、心音が大きくなっていく。いや、それだけではない。
十二歳の少年との情交に、ひりひりとした期待感を持つ彼女の女が、歩く
たびにきゅっきゅっと鳴いていた。女唇は開き、しくしくと女壷から流れる
涙が、とめどなく出てしまうのだ。
(あたし、十二歳の男の子に抱かれるのを期待してる・・・)
純潔を捧げる相手がまだ幼い少年、そう思うだけで、背徳感が得も知れぬ
快楽を与えてくれている。なんと、春奈は雅治の部屋へ着くまでに、折角
替えた下着を、ぐっしょりと濡らしていた。股布部分には、あからさまな愛液
の染みが出来ており、恥毛が完全に透けて見える。また、濡れた下着が
ひきつり、女唇に激しく食い込ませされていた為に、陰裂の形までくっきり
と浮かび上がっているという有り様であった。

「ぼっちゃま、入りますよ」
コンコン、とノックをして、春奈は扉を開ける。木製の古めかしい扉は、
ぎいと軋んでおごそかに開けられた。
「やあ、春奈」
部屋の中には、ベッドに腰掛ける雅治の姿がある。少年は、春奈の参上
を心待ちにしていたらしく、彼女が現れると、ぴょんぴょんと飛び跳ねて
は踊った。
「今日から、僕と一緒に寝るんだね」
「ええ、そうです」
「じゃあ、ここにおいで」
雅治はそう言って、ベッドに横たわると春奈を手招いて見せる。その顔に
は邪気が無く、ただメイドと夜を共に出来る事が、普通に嬉しいようだ。
「ですが、ぼっちゃま、その前にやる事があります」
つつっと足を揃え、その場に座した春奈は三つ指をつくと、深々と頭を下げ、
「ふつつかではありますが、春奈がぼっちゃまの夜のお世話を仕ります」
と、口上を述べた。その姿を見た雅治は当惑気味に、
「なあに?意味が分からないよ」
そう問い返す。夜のお世話、というくだりが、良く理解できないのだ。
「意味は、今から理解していただきます」
春奈は座したまま足を運び、雅治の前に傅くと、可愛らしい柄の入った少年
の寝巻きを脱がしにかかった。

「あっ!何をするんだ、春奈」
寝巻きの下をパンツごと脱がされた雅治が、春奈の顔の前に突き出された
性器を慌てて隠す。まだ性毛も生えてはいないのだが、形はすでに男と
見ても差し支えないような物になっていた。その若茎を、春奈はそっと手に取り、
「ぼっちゃま、どうかこれを、春奈の中へ下さいませ」
と言いながら、いかにも愛しげに頬擦りした。すると、若茎はむくむくと鎌首を
もたげ始め、恐ろしいまでの怒張を見せ付ける。もう、すでに女を刺し貫く能力
も持っているらしく、包皮を被った亀頭の先からはあさましいよだれを垂らして
いた。今ここで春奈が体を開けば、すぐにでも女芯を欲望で満たす事が出来る
ほどに。
「春奈・・・これは、どういう事なの?」
いきなりの淫事に、不安げな面持ちで雅治が問うと、
「ぼっちゃまには、これから男と女の営みを知って貰います」
春奈は紅を差した唇で、少年の若茎をぱくりと咥え込んでしまった。
「あっ!春奈・・・そんな、汚いよ・・・」
若茎を、尿を放つ器官としてしか見ていない雅治は、それを頬張ってしまった
春奈の行為に驚愕する。しかし、同時に男としての官能にも目覚め始めてしまう。
情事に不慣れな春奈の口唇愛撫は稚拙ではあったが、それでも懸命に舌を使い、
何とか少年を絶頂に導こうと奉仕する。もののついでとばかりに、舌先を丸め、
包皮にくるまった若茎の本身を優しく剥きつけてやろうと、額に汗をかきながら
青い性臭を貪る二十歳の乙女。

(臭いけど、ちっとも嫌な臭いじゃない・・・)
目を閉じて、口唇奉仕に集中している春奈は、そんな事を思う。少年の
性臭は確かに生々しいものの、青い苦味が瑞々しく感じるのだ。そして、
無意識のうちに、彼女の手は自分の女へと伸びていた。指を激しく使い、
下着越しではあるがぷっくりと膨らんだ肉芽を撫で付けると、言い様の無
い快感が下半身を抜けていく。
「やだ・・・春奈・・・おちんちんを放して・・・」
男の快楽を初めて知った雅治が、不安に駆られて春奈の愛撫に怯える。
しかし、少年の若茎をすっぽりと咥え込んだまま、春奈はいやいやと頭を
振り、上目遣いで大丈夫とでも言いたげな視線を返すだけ。
「ああ・・・春奈・・・おしっこが出そうなんだ・・・放して・・」
雅治が腰を震わせながら、性器を咥え込んでいる女の頭を押す。だが、
女は決して少年の若茎を放そうとはしない。それどころか、茎の部分に
手を当て、迫りくる精の放出を早めようとする有り様であった。
(ぼっちゃま・・・それは、おしっこではありませんのよ、うふふ・・・)
ぴくんと若茎が跳ね上がると、春奈は雅治の樹液が放たれる瞬間を待つ。
そして、雁首がぐんと張り、わなわなと戦慄いたその刹那、
「ああ!」
雅治が背を反らせ、生まれて初めての絶頂を味わうと同時に、大量の
樹液が春奈の口を汚していく。しかし、春奈は、
(ううッ!ぼ、ぼっちゃまの精液だわ!ああ、たまんないッ!)
下着越しに這わされた指を激しく動かし、雅治と同時に達する事が出来た。
しかも、こってりと濃厚な樹液までをも、うっとりと目を細め、飲み干して
しまったのである・・・・・

「ふう・・・全部、飲んじゃった」
あらかた樹液を飲み干した所で、春奈はようやく咥えていた若茎を離した。
その時、つうっと精の残滓が糸を引き、少年の男と女の唇が、口唇による
愛撫で繋がっていた事を確かめさせる。
「春奈・・・僕のおしっこ、飲んじゃったの?」
腰が抜けたようにベッドへ座り込みながら、自分が排泄した物を飲んで
しまったメイドを気遣うように、雅治は問う。少年はまだ、それが男女の
営みで放出される、大切な子種である事を、知らないのだ。そこで春奈は
ふっと目を細め、
「ぼっちゃま、これはおしっこじゃありませんのよ。精液と言って、子供を作る
時に必要な、大事な、大事な・・・お花にたとえると、種のようなものなんです」
と言って、少年の肩を抱いた。
「種?」
聡明ではあったが、春奈の説明にまだ合点がいかない雅治は、放精を終えて
しんなりとうなだれている若茎を見下ろしてみる。
「ここから、種が?」
「ええ、そうです」
雅治は、若茎とメイドを交互に見つめ、何とか話のつじつまを合わせようとする
のだが、やはりまだ幼い。おおよそ、今の出来事が男女の営みに、どう繋がる
のかが、分からない様子であった。いや、それ以上に、男女の営み自体が、
理解できないのかもしれない。

「ちょっと、失礼して・・・」
そう言って、春奈は着ている物をそそくさと脱ぎ始める。上着を取ると、
ぎっしりと乳肉が詰まったブラジャーがお目見えし、スカートを床に
落とせば、見るもまばゆいパンティに包まれた下半身も露わになった。
「春奈・・・」
麗しいメイドの下着姿を見た少年が、感嘆したように瞳を輝かせる。それ
と同時に、うなだれていた若茎が、再びぴんっと反り返った。
「ぼっちゃま・・・あまり、まじまじと見ないで下さいね」
自ら半裸となった春奈ではあるが、それに呼応するかのように男を硬く
した少年の視線が、気恥ずかしい。そして彼を、今までの子供扱いが
出来なくなった事に、少しだけ落胆した。春奈も、沢渡家に奉職してすで
に二年の月日が経っている。ゆえに、少年との間で紡がれた信頼感や、
愛情のようなものが、薄れてしまうのでは、と危惧したのだ。
「今、これも取りますね・・・」
雅治に背を向け、ブラジャーのストラップに指をかける春奈。細い肩から
するりと紐が落ちると、カップに包まれた乳房が室内の空気に触れ、心許
ない気持ちにさせられる。
「ぼっちゃまは、お布団の中で待っていてください」
「う、うん・・・」
乳房を両手で隠し、背を向けたまま春奈は囁いた。そして、部屋の明かり
をそっと落とすと、布団を頭から被った雅治の褥へと、滑り込んでいく・・・

「えへへ。春奈のおっぱい、大きいね」
春奈が布団の中へ潜り込むと、雅治は大ぶりな母性の象徴を見て、
微笑んだ。早くに母親を無くした少年は、ぷるんとたゆむ乳房に何か
憧憬を感じているようで、興味深げに見遣っている。すると・・・
「良かったら、触ってみます?何でしたら、お吸いになってもよろしい
んですよ」
春奈は雅治の手を取って、温かな二つの丘にいざなってやった。
「わあ・・・柔らかいね」
「あんっ・・・手つきがいやらしいです・・ぼっちゃま」
ひやりと冷たい少年の手が、母性の象徴に触れた途端、春奈の女に
びりびりと電流が走る。男を知らないとはいえ、自慰に耽る時だって
あるのだが、これほどまでに胸が感じた事など無かった。
「吸ってみたいな。春奈、仰向けになってよ」
「・・・はい」
請われるがまま、仰向けになった春奈の体に雅治が馬乗りになり、
両の乳房をやわやわともみ込む。それと同時に、硬く尖った双丘の
先端へ顔を寄せ、愛らしい唇でちゅうっと吸いつけた。
「あうッ!」
クッションの効いた豪奢なベッドの上で、春奈は背を反らせ悶え泣く。
その途端、びくんと体をバウンドさせたメイドの様子を気遣って、
「ごめん。痛かった?」
と、雅治は尋ねた。
「い、いいえ・・・ぼっちゃん、続けてください」
顔を両手で隠しながら、春奈は答える。が、しかし、乳首を軽く吸われ
た瞬間、彼女は軽い絶頂を迎えてしまっていた。だから、淫蕩な表情に
なっている自分を見られるのが、恥ずかしいと思っている。

(いやだ・・・あそこが、ぐっしょり・・・)
まるで、失禁したかのように濡れそぼる自分の女があさましい、と
春奈は恥らっていた。少年は無邪気に乳房を弄んでいるだけだと
いうのに、自分の女はそれを喜んでいる。そう思うだけで、彼女の
羞恥は頂点に達した。そして、馬乗りになっている雅治の若茎が、
手の届くところにあると見た途端、
「ぼっちゃま、おちんちん・・・触ってもよろしいですか?」
と、自らをメイドから情婦に貶めたのである。
「うん、いいよ」
春奈に乞われた雅治は、乳房を揉みしだきながら、下半身をぴょこ
っと突き出すと、あつかましくも双丘の間に若茎を通した。ちょうど、
彼から見れば乳房に若茎が挟まれている形となる。更に、馬乗りに
なったまま両腿を絞れば、左右から押し上げられた乳肉が、己の
男を心地よく包んでくれるのだ。要するに、乳房が一端の性器となる
訳である。
「い、いやだわ、ぼっちゃま・・・春奈の胸にそんな物を挟むなんて・・・」
ぎゅうっと双乳を盛り上げられ、その間を欲望が貫くような淫らがま
しい雅治の姿勢に、春奈は気恥ずかしくてたまらない。まだ、純潔も
失ってはいないというのに、このような辱めを受けようとは思いも
寄らなかったからだ。

「春奈のおっぱい、気持ちいいな。ずっと、こうしていたいよ」
雅治が太腿を揺らすと、春奈の乳房もたぷたぷとたわんだ。少年は
図らずも、女性の乳房が男の欲望を満たしてくれる事を、今ここで
知ってしまう。まだ、十二歳という年少であるというのに、だ。
「じゃあ・・・ぼっちゃまは、胸を悪戯していて下さい。春奈はまた、これ
を頂きますから・・・」
少年に乳房を弄ばれるという恥辱に身を焦がしながら、春奈は双丘
の割れ目から、自分の顔に向かって突き出されている若茎の先端を、
ぺろりと舌で嬲った。悪戯へのお返し、という訳では無いが、剥きつけ
になった雅治の男を、少しいじめてやりたいと思ったのだ。
「ああ、春奈・・・おちんちんが、気持ち良いよ」
形良い乳房を犯した挙句、美麗な乙女に口唇愛撫まで捧げて貰って
いるこの果報な少年は、ようやく放尿以外にも若茎の使い道がある事
を知った。女体に馬乗りとなり、雁首を吸いつけられた雅治は、これで
女犯への道しるべを与えて貰った事になる。それも、純潔を二十歳まで
守ってきた、忠実なメイドの奉仕によって、である。だが、そのメイドも
また半熟の女を温め、男を迎える準備が出来ていた。
(もう、いいわね・・・ぼっちゃまもこれで、不安はないでしょう)
唇と舌で少年の包皮を剥き、青臭い恥垢まで舐め取ってやる。それが
奉職の義務という訳では無いが、春奈はこの淫靡な交わりで、心の中で
ずっと燻り続けていた『何か』を見つける事が出来た。その『何か』とは・・・
(愛しています・・・ぼっちゃま)
目を閉じて、若茎から滲み出る先走り液をずずっと吸った時、春奈は
ようやく真実に至ったのである・・・・・

二年の付き合いで情が移ったという訳では無いが、沢渡家にあって自分は
充実した日々を送れた、と春奈は思っている。それも全て、メイドとして雅治
と接した時間が与えてくれた物なのだ。そして、雅治が少年から男になる瞬間
に立ち会える自分は、過分なまでに幸せ者だとすら思う。そうなれば・・・
(一秒でも早く、ぼっちゃまが欲しい・・・)
と、無意識のうちに指を這わせていた女が、はしたなく疼く。もう、そこは愛蜜
で濡れそぼり、とても処女肉とは思えないほどに、ほぐされていた。たとえ、
今すぐに雅治の若茎で刺し貫かれようとも、何一つ拒む物など、無い。
「ぼっちゃま」
「なんだい?」
僅かに身を起こし、春奈は馬乗りになっている雅治を、切ない眼差しで捕ら
える。そして、
「これを・・・おちんちんを、春奈のここへ・・・下さいな」
ぐんと張り詰めた少年の若茎をそっと手に取ると、ずぶ濡れとなった自分の
女を指差したのである。

「どうすればいいの?」
薄暗い部屋の中で、自ら体を開いたメイドを前にした雅治が問い掛けた。
まだ十二歳の彼が、女を犯す作法など知る由も無いからだ。すると、
「ぼっちゃまは、ベッドに寝ててくださいな」
春奈はそう言って、少年を優しく仰臥させる。そして今度は、先ほどとは
反対に、彼女が馬乗りになっていく。

「ぼっちゃま、見えますか?ここに、ぼっちゃまのおちんちんを入れるん
です。ほら、ここ・・・」
片膝をついた姿勢で、春奈は腰を落とし自ら女をくつろげていった。処女
肉はすでに蜜でぬめり、裂け目の下の方に見える女孔がぽっかりと口を
開けている事も分かる。それを確かめた雅治は、
「うん。見えるよ。なんか、ぐにゃぐにゃしてるね」
と、刺すような視線で、細い指先で押し広げられた女肉を捕らえた。彼も、
それなりに男としての目覚めを認めているようで、息遣いも荒くなっている。
「春奈も初めてここに・・・お、おちんちんを入れるので、無作法はご勘弁を。
でも、精一杯ご奉仕しますね・・・」
口上を終えると、春奈は若茎を逆手に握り込み、女の入り口へといざなった。
そして、目を閉じ、呼吸を整えると・・・・・
「い、入れますよ・・・ううんッ!うんッ・・・」
ずぶり、と若茎が生肉を裂く。この時、二十歳の乙女はとうとう純潔を、十二歳
の少年へ捧げてしまったのである。
「ああ!春奈!」
ぬるんだ花弁が一瞬、少年の若茎にひたりと絡みついた後、処女肉はずず
っと掻き分けられ、あっという間に破瓜は行われた。恥肉は捲り上がり、粛々
と進入してくる男を拒むようで拒まない、そんな様相を見せている。
「うわあ・・・ぼ、ぼっちゃま・・・」
額に脂汗をかきながら、春奈は身を仰け反らせ身悶えた。その刹那、処女宮
を侵された彼女の頬に、涙がつつっと零れ落ちる。それが乙女で無くなった
事への悔恨によるものなのか、はたまた随喜の涙なのかは計り知れないが、
ともかく二十歳の処女と十二歳の童貞は、今ここで散ってしまった。まるで、
くちなしの花が生を終え、地に落ちるかのごとく。

(ああ・・・とうとう、ぼっちゃまを迎え入れてしまったわ・・・)
くくっと声を殺し、涙をこらえる春奈。じくじくと疼く女とは裏腹に、彼女の
胸には罪悪感が込み上げて来る。何といっても、雅治は十二歳の少年。
それに対して、自分は二十歳の大人の女・・・世間の常識に照らし合わせ
れば、これは決して許される行為では無い。しかし・・・
(でも、嬉しい・・・春奈の処女を貰っていただいて・・・)
そんな気持ちにも、嘘はつけなかった。それと同時に、やはり自分はこの
少年を愛している、という事を確かめる。何故ならば、破瓜の痛みが少年の
若茎によってもたらされたのだから。今、女孔を満たしているのは、間違い
なく愛する者の分身なのである。その事実が、二十歳の女を感激させて
いたのだ・・・・・
「春奈、泣いてる」
窓から差し込む月明かりが春奈の顔を照らすと、そこに涙の跡が幾筋に
も光っている事を見咎め、雅治が呟いた。しかし、春奈は少しも慌てず、
「嬉し泣きです」
と、言い切った。更に、
「ぼっちゃまのおちんちんを入れて貰えて、春奈は嬉しいんですよ」
そう言いながら、少しずつ腰を使い始めたのである・・・・・

宵月に雲がかかると、春奈はいよいよ激しく動き始めていく。闇が、この
秘め事を隠してくれるような気がして、それに乗じたのだ。
「あッ・・・あッ・・・あッ・・・」
雅治の若茎が膣孔に馴染むと、春奈は少しずつではあるが、快楽を得る
事が出来ていた。まだ、処女肉はぎこちなく動くものの、蜜はたっぷりだし、
何より女の弱点を責めてくる雁首が、肉襞を擦り付けてくれる。たまに恥骨
と恥骨が当たれば、もう何と表現したらいいのか分からないような、むず痒
い快感を齎してくれた。それは、気をしっかり持っていなければ、正気を保つ
事さえ難しいほどに。
「春奈ぁ・・・」
座位に近い形で、春奈刺し貫いている雅治は、彼女の背に手を回し、ぎゅっ
と抱き締めているままだ。柔らかな乳房の間に顔を埋め、小さく震えている
のは、春奈に母親の影をやつしているのかも・・・知れない。
「ああッ!ぼっちゃま・・・の・・・精液が・・ああ、駄目・・・」
春奈は膣内で雅治の子種が放出された事に気付いた。とくんとくんと小さく
波打つ若茎は、何の躊躇も無く彼女の女を自分の子種で、浸していく。
「えへへ・・・また、おしっこ出しちゃった・・いや、種だっけ?」
雅治はにこやかに言うと、汗ばむ乳房へむしゃぶりついた。その瞬間、
「あーッ!い、いくッ!ぼっちゃまッ!」
両手で雅治を抱きかかえながら、腰だけを激しく使う春奈が、女としての
絶頂を得たのである・・・・・

「ねえ、春奈」
「なんです?ぼっちゃま」
行為を終えた二人は、頭からすっぽりと布団を被り、裸のまま静かに
抱き合い、手を繋いで夜が明けるのを待っていた。どちらも照れ臭いら
しく、まともに視線を合わそうとはしないものの、心はすっかり通い合って
いる。それが、きつく重ねられた手にも現れていた。
「これからも、僕の傍に居てくれるよね」
不意に雅治が問う。その眼差しは健気で、春奈の優しさに触れた幸せを、
決して手放さないぞ、という気概に溢れていた。すると春奈が、
「もちろんですよ、ぼっちゃん。いいえ、ご主人様・・・」
目を細め、まるで我が子を思いやるような表情で、雅治を見入る。彼女も
すでに、この愛しい少年の元を、離れようとは思っていない。それが、
ご主人様、というくだりにも現れていた。
「僕がご主人様?じゃあ、春奈の事は何て呼べばいい?」
雅治は春奈の変節に若干戸惑い、問い返してみる。そこで春奈は、少し
思案を巡らせた後、
「今まで通り、春奈で結構ですよ」
と、答え。少年の唇をそうっと奪うと、またもや鎌首をもたげはじめた若茎
を手に取り、淫らな手つきで愛撫を捧げるのであった・・・・・




「ぼっちゃま、お茶のお代わりはいかが?もぐもぐ・・・」
「うん。ちょうだい」
ある休日の午後、春奈と雅治は二人きりでお茶の時間を楽しんでいた。先日来、
褥を共にし、男女の営みを紡ぐ仲ではあるものの、夜の生活以外に変化は無い。
今も、春奈が焼いた手遊びのスコ−ンをパクついてる雅治の姿は、十二歳の少年
然としているし、二十歳のメイドもそれなりに職務をまっとうしている。僅かに変わった
事と言えば、雅治が若干大人びた印象を持った事。そして、春奈のおっちょこちょい
が多少ましになった事だろうか。
「春奈、アプリコットジャム取って」
「はい、どうぞ。もぐもぐ・・・」
テーブルに置かれたバスケットには、山盛りのスコーンとジャムが数種類。それらを
忙しなく口に運ぶのは、少々メイドとしての自覚に欠ける春奈。
「美味しいよ。春奈が焼いたスコーン」
「ありがとうございます。もぐもぐ・・・我ながら・・・もぐもぐ・・良い出来です・・もぐ」
普通、メイドが主と共に会食する事など無いのだが、彼女は別。あけっぴろげと
いうか奔放というか、手っ取り早く言うと、お調子者なのである。
「ずずず・・・お紅茶もいいお味・・・」
一脚数万円もする茶器で、品無く紅茶をすする春奈。良識ある人間が見れば、眉
をしかめるような姿だが、彼女の対面にいる少年はにこやかな面持ちで、茶を共に
喫しているメイドを見遣っている。

「ところで、春奈」
「なんです?」
春奈が紅茶を飲み干した所を見計らって、雅治が問いかけた。
「今日、従兄弟の芳春がうちに来るんだって。聞いてる?」
「芳春様が?へえ・・・知りませんでした」
主に言われて、ようやく来客がある事を知った春奈。この辺りに、メイドと
しての自覚が欠落していると言うのだ。
「芳春様って、ぼっちゃんと同い年でしたよね」
「うん。ほら、噂をすれば・・・」
雅治が窓の外を指差すと、沢渡家の門扉を抜けてくる一台の高級外車が
見て取れる。その後部座席には、春奈も見知っている少年の顔があった。
「あっ、芳春様だ。大変!お迎えに出なくちゃ!」
「僕も行くよ」
そう言って、二人はお茶の時間を切り上げ、ばたばたと玄関の方へ走って
行く。ちなみに芳春とは、雅治の父、雅隆の弟である沢渡芳正の一人息子。
たまたま生まれ年も同じで、家も近いためか雅治とは特に親近感を持って
おり、よく遊びに来ているのだ。

「こんにちはあ・・・誰かいませんか?」
その頃、玄関では運転手に付き添われた芳春が来訪を告げていた。見る
からに品の良い、美しい少年。それが、芳春だった。すると・・・
「はい、は〜い!ここにいま〜す・・・ああっ!」
ばたばたばた・・・とけたたましく走ってきた春奈が、玄関マットに足を取られ
毛躓いた。そして、まるでマンガを思わせるように、よく磨かれた廊下の上を
つーっと滑って行く。

「あらららら・・・誰か止めてえぇ・・・」
春奈はそう叫びながら玄関を通過し、どすんという音と共に廊下向こうの壁に
張り付いた。それを見た芳春は、
「相変わらずだなあ、あのメイドさん」
と笑ったのである・・・

「いらっしゃい。よっちゃん」
「お邪魔します。まさ君」
雅治が来訪を快く迎えれば、芳春はにこやかに答える。互いを、愛称で呼び合
う所などが、二人の親密さを示していた。そこに、
「粗茶ですが・・・」
と、春奈が割って入る。一応はつつましやかに振舞ってはいるものの、先ほど
の失態をリカバリーするには及ばない。だが、芳春は粗忽者のメイドをやさしく
見つめると、
「こんにちは、春奈さん」
そう言って、うやうやしく彼女の差し出すお茶を受け取った。彼も雅治と同じく、
躾が行き届いており、育ちが良い。
「芳春様もお変わりなく」
にっこりと春奈が微笑んだ。この品良い少年の挨拶に、何とか格好をつけようと
上品に笑ったつもりだが、なにせ奔放が売りの春奈。作り笑顔がどうにもぎこち
ない。

「ところでまさ君。今日は何かボクに教えてくれるって言ってたけど・・・」
雅治の自室に落ち着いた芳春が、春奈の出してくれたお茶を手にしながら
言うと、
「うん。そうなんだ」
雅治はそう答え、ちらりと春奈を見遣った。どうやら、本日の来訪は雅治の
お呼び立てによるものらしい。そうとも知らない春奈は、二人の少年の傍ら
で立ったままお茶を啜っているのだが・・・
「ねえ、春奈」
「なんですか?」
不意に雅治が春奈を呼ぶ。そして、
「よっちゃんにも、僕と同じ事してやってよ」
「へ?」
「僕と春奈が、毎晩やっているあれ。セックスってやつを、よっちゃんにも
教えてやって欲しいんだ」
「え?え?え?」
そう言われて、春奈は前のめりになる。事もあろうか、雅治は芳春に男女の
営みを教えてやってくれ、と言ったのだ。
「でっ、出来ません!」
手を顔の前でぶんぶんと振りながら、春奈は申し出を拒んだ。当たり前で
ある。雅治の身内とはいえ、芳春にまで淫らな行為を紡ぐ訳にはいかない
からである。

「なあに、それ?セ・・・セ・・・クス?」
きょとんとした顔で、問うのは芳春。彼はまだセックスという言葉すら、知ら
ないらしい。すると、
「セックスっていうんだよ。すごく気持ちいいんだ。僕、春奈と毎晩やってる
んだよ。だから、よっちゃんにも知って貰いたくってさ」
雅治が答えながら、春奈の手を取った。
「ぼっちゃま!いけません!それは、内緒の事なんですから!」
顔を真っ赤にして、春奈は叫んだ。そして、十二歳の少年の無邪気さを
少し恨んでみる。
「頼むよ、春奈。よっちゃんは、僕の大の仲良しだから、隠し事をしたくは
ないんだ。春奈だって、セックスが気持ちいいって言ってたじゃないか」
「それとこれとは別なんです。いいですか、ぼっちゃま。あれはですね・・・」
そうやって、雅治と春奈が言い争う様を見た芳春が、
「ボク・・・仲間外れなの?春奈さん・・・」
くしゅんと顔を歪め、呟いた。瞳には涙を浮かべ、自分だけが蚊帳の外で
ある事が悲しいらしい。
「そ、そうではありません。泣かないで、芳春様・・・」
慌てた春奈が、涙ぐむ芳春をそっと抱きしめながら囁く。だが、
「春奈さん、意地悪だ」
芳春は淑女の胸の谷間に顔を埋めながら、しくしくと本泣きとなってしまう。
それを見た雅治は、
「あーあ、泣かしちゃった・・・」
と、春奈を責めるような眼差しで見つめたのである。

「ボク、おうちに帰る・・・」
「待ってください、芳春様・・・ぼっちゃまが悪いんですよ!もう!」
ぐずる芳春をなんとかなだめようと、懸命な春奈。雅治に食って掛かっても
みるが、事態は悪化する一方である。
(もし、このまま芳春様を帰しちゃったら・・・)
自分の失態が塗り重ねられてしまう、と春奈は危惧した。ただでさえ、メイド
としては及第点ぎりぎりの彼女ゆえに、これ以上の悪評は避けたい。
「芳春様・・・お口は堅い方ですか?」
「え・・・?」
「秘密が守れます?と、聞いているのです」
春奈は芳春の耳元でそっと囁いた。声に艶が乗っている。何か、秘め事を
隠しているらしい。
「ボク、おしゃべりじゃないよ」
芳春はそう言って春奈の瞳を見つめた。泣き顔の中にも、真摯な気持ちが
こもっていて、それが春奈を安堵させる。そして・・・
「じゃあ、芳春様にもお仲間になっていただきます」
ふうとため息をひとつついた春奈が、芳春の半ズボンをそそくさと脱がし
始めた。
「そうこなくっちゃ」
場が収まったのを見て、ぱちんと指を鳴らしたのは雅治。自分の不用意な
発言がこの事態を招いたにも関わらず、何の反省も見せないで、良い気な
ものである。

「よっちゃんのおちんちん、皮が余ってるね」
「まさ君のおちんちんは、何か亀みたい。変なの」
すっかり裸となった雅治と芳春が、互いの性器を見比べながらそれぞれ
感想を述べていると、
「は、春奈は・・・恥ずかしくて、死にそう・・・です」
と、彼ら同様に裸となった春奈が胸と股間を手で隠しながら、もじもじと身
をくねらせていた。見れば顔を耳まで赤らめ、二つの男性器を目にして、
気もそぞろといった感じである。
「ねえ、春奈。よっちゃんのおちんちんの皮、僕みたいに剥いてやってよ」
芳春より少し大人びた若茎を持つ雅治が、腰に手を当てつつ春奈を促すと、
「少しは心の準備をさせてください!」
と、従順だか反抗的だか、よく分からないメイドが吼えた。
(何で、こんな事を・・・)
芳春の足元に傅いた春奈は、胸と股間を隠す事もままならない状態で、
少年の男をそっと手に取る。すると・・・
「あっ!芳春様の・・・大きく・・なって・・・」
若茎がむくりと鎌首をもたげ始めた。それが男の生理である事は分かって
いても、気恥ずかしさが先に立つ。そこに、
「皮を剥くんだよ、春奈」
という、雅治の声が飛ぶ。その瞬間、春奈はきっと眦を上げて、
「分かってます!」
と、再び吼えたのであった。

「芳春様・・・ゆっくりと皮を剥きますけれど・・・痛かったら、言って下さいね」
「うん。春奈さん」
春奈に問われた芳春が、素直に答えたのを合図に、少年の蕾が二十歳の
乙女の指で、少しずつ花開いていく。
(ああ・・・あの臭いだわ・・・恥垢の匂い・・・)
包皮の先を少し剥くと、何とも形容しがたい匂いが、春奈の鼻をついた。あの、
男が持つ独特の性臭である。だが、雅治の包皮を剥いてやった時と同じく、
春奈に嫌悪感は無かった。どころか、
(舐め取ってあげようかな・・・この、恥ずかしい汚れを・・)
そう思うや否や、恥垢の香ばしい匂いに臆する事なく、すっぽりと芳春の若茎
を咥え込んでしまったのである。
「わあ!春奈さんが、ボクのおちんちん、食べちゃった!」
下半身に縋りつくような格好で、身を寄せる春奈を見た芳春が叫んだ。まだ、
無垢な少年である。口唇愛撫というものが理解出来ないに違いなかった。
すると、
「大丈夫。春奈は、よっちゃんのおちんちんを食べたりはしないよ。舐めるだけさ。
ああ、そうそう、もうちょっとすると、おしっこがしたくなるかもしれないけれど、
それはおしっこじゃないからね。精液って言って、お花に例えると種みたいな
ものらしいよ。ね、春奈」
雅治はそう言って、芳春の性器を咥え込んでいる春奈に同意を求める。

「んんッ・・・んッ・・」
こくこくと二回頭を振り、雅治の問いに答える春奈。そして、ようやく芳春の
若茎を唇から離すと、
「む・・・剥けました・・・わ」
包皮の戒めから解かれ、生々しい本身を覗かせている『男』を、そっと手に
取り、微笑んだのである。
「わあ!なんだ、これ?」
自分の若茎が姿を変えたのを見て、驚く芳春。男肉には、春奈の唾液やら
彼自身の先走りやらで、きらきらと輝きを放っている。すると、
「ご苦労様、春奈。よっちゃん、こっちへおいで」
雅治は這いつくばっている春奈の後ろに周り、男の本能を剥き出しにした
芳春を手招いたのである・・・

「春奈は、動いちゃ駄目だよ」
尻肉を分け、女性器をあからさまにした雅治が命じると、
「は、恥ずかしいなあ・・・もう・・・」
春奈は四つんばいになったまま、うなだれた。『そこ』を隠す事が出来ず、
二人の少年に見つめられるというのは、身を焦がすような恥ずかしさで
ある。
「よっちゃん、おちんちんを、ここ・・・ここに入れるんだよ」
雅治の指が、尻の割れ目をつつっと伝い、春奈の急所を指す。『そこ』は
すでに愛蜜でぬめっており、誰の目にも興奮状態にある事が明らかだ。

「なんで濡れてるの?ここ。もしかして、おしっこ?」
春奈の女がぬめっているのを見て、芳春が無邪気に問うと、
「ううん。なんか、おちんちんを入れる時に、必要な水なんだって。ねえ、
春奈。そうでしょ?」
と、雅治が又聞き。たまらないのは、春奈の方だ。
「・・・・・」
少年たちから性器について、あれやこれやと尋ねられた春奈は、無言
で頷くだけだった。成人男性であれば、熟した女がぬめる事ぐらいは、
誰でも知っている。だが、彼らは少年ゆえに好奇心が先立つようで、
しくしくと女泣きをする秘部に、興味津々という有り様。
「あの・・・あんまり、『そこ』を見つめないで下さい」
「だって、よっちゃんは初めてだから、きちんと説明してあげないと」
羞恥に耐えかねた春奈が懇願すると、雅治はそんな答えを返した。
しかも、二人の少年はただ見るだけでなく、小さな指を女陰に這わせ、
ああでもない、こうでもないと花弁を掻き分け、女性にとってもっとも
恥ずかしい部分を観察している。
「ああ・・・やめてください・・二人とも」
「あっ!まさ君。春奈さんのここ、動いたよ」
「うん。ここは、指とかおちんちんを入れると、動くんだよ」
女が濡れている事を指摘されただけでも恥ずかしいというのに、女肉の
蠢く様を見咎められてしまうとは、と春奈はうなだれた。これほどの羞恥
がこの世にあるとは、つゆとも知らなかった二十歳の純情。

「ボク・・・おちんちんが、カチカチになっちゃった。まさ君、これどうしたら
いいの?」
男の本能を目覚めさせた芳春が、性に関しては先輩である雅治に問う。
見れば、芳春の若茎はぐいと反り返り、先走った淫液をだらだらと垂れ
流している。すると、
「大丈夫。おちんちんが硬くなるのは、僕も同じだよ。今から、春奈が
小さくしてくれるから、安心して。ね、春奈」
と、雅治が羞恥で身を縮ませているメイドの手を引いた。
「あっ・・・乱暴にしないで下さい」
四つんばいから膝立ちとなった春奈の顔前に、二本の若茎が向きつけ
られる。雅治がこうやって、春奈に性器を突きつける時は、口唇愛撫を
求めている事を意味していた。
「いつもみたいにしゃぶってよ、春奈。よっちゃんのもね」
雅治がそう言うと、春奈の頬がかあーっと熱くなった。いつもみたいに
しゃぶってよ、という言葉が恥ずかしいのである。この言われようでは、
自分と雅治の間で紡がれている淫事が、芳春にも知られてしまう。
春奈の常識では、二十歳の女性が十二歳の少年の若茎をしゃぶると
いう行為に、恐ろしいほど背徳感がある。だから、それを他人に知られる
事に抵抗感があった。

「二本いっぺんには、咥えられません!」
顔を真っ赤にしながら、春奈が吼えた。人を何だと思っているのか、と
今にも食いつかんばかりの表情で、二人の少年に詰め寄る。
「春奈さん、怖い」
芳春がそう言って、雅治の背中に隠れた。その様を見て、
(いけない!また、芳春様がぐずったら・・・)
春奈は口元をわざとらしく歪め、作り笑いを見せる。そして、
「芳春様、ほら、こちらへいらっしゃいな。春奈が抱っこしてあげましょう」
両手を伸ばし、雅治の背中で様子を見ている芳春を迎えてやった。
「怒ってない?春奈さん」
「全然。さあ、春奈の胸においでくださいませ」
「うん」
それならば安心・・・と、芳春が春奈の傍らにちょこんと座って、ふっくら
と母性に恵まれた乳房に身をもたげる。すると、
「僕も」
と、雅治も春奈の横に座って、柔らかな憧憬に頬を寄せた。
(ふう・・・やれやれだわ)
両手で二人の少年を抱きながら、春奈はほっとため息をひとつ。
「柔らかいね、春奈さんのおっぱい」
芳春が上目遣いに言った。言いながら、そうっと乳房の先端を指で
啄ばんでいる。

「あまり、いじっちゃ駄目ですよ」
伏せ目がちに春奈が言うと、芳春は少し悪戯っぽく笑い、
「やだ。だって、気持ちいいんだもん」
と、アンプのボリュームを調整するように、乳首をひねり始めた。
「ああっ・・・」
思わず声が漏れる春奈。先日、異性から乳房や乳首を愛撫される事が、
恐ろしいほどまでに女を昂ぶらせてくれる、と知ったばかりの彼女は、
じくじくと疼く女芯を、あさましくぬるませていた。そこへ、
「春奈は、おっぱいを吸われると、すごく喜ぶんだ。よっちゃん、一緒に
吸おうよ」
と、雅治が口を挟む。二人で、春奈の両の乳房をいたぶろうと発案したのだ。
「うん」
それに呼応した芳春が、すぐさま乳房に吸い付くと、負けてなるかと雅治も
続く。そうして、春奈は二人の少年から、同時に乳首を吸われる羽目となった。
「い・・・いや・・こ、こんな恥ずかしいこと・・・」
ちゅうちゅうと乳肉を貪る音が室内に響き渡ると、春奈は背を反らし身悶える。
二人の異性から、同時に胸を愛撫されるという行為が、おそろしく恥ずかしいのだ。
「やめてください・・・ああ、噛まないで・・」
雅治が甘く乳首を噛む。それは、まるで赤子が乳を求めるような、切ない愛撫
ではあったが、愉悦を知ったばかりの春奈にとっては、何とも形容しがたい
刺激であった。

「もう・・・春奈も負けませんよ」
乳首を弄ばれながらも、春奈は反撃に出た。少年たちを抱きかかえて
いる手を伸ばし、硬く張り詰めた若茎を握り締めたのだ。そして、丁寧
に、優しい愛撫を捧げていく。
「わあ・・・気持ちいい」
雁首を、親指と人差し指できゅっとしごかれた芳春が囁いた。見れば、
ぐんと肉傘の張った、瑞々しい男である。十二歳という若年ではあるが、
女をしっかりと貫けるだけの能力は、持ち合わせているように見える。
「僕も気持ちいいよ」
一方、雅治の若茎も、春奈の手の中でくねくねと蠢き、男を歓喜させて
いた。もっとも、こちらはすでに女犯の快楽を知っており、メイドの手遊
びにもどこか余裕げである。
「ああんッ!」
突然、春奈が絶叫と共にびくびくと女体を戦慄かせた。雅治の手が、
彼女の尻の割れ目を犯していたからである。指を二本揃え、じっくりと
ヒップの丸みを堪能しながら、濡れたケーブへと下っていく。
「ぼ、ぼっちゃま・・・ああん・・」
「すごく濡れてるね、春奈のここ。よっちゃんも触ってごらん」
「うん」
恥肉にあてがわれた、二少年の指が女孔を求めて蠢いている。すると、
春奈は恥知らずにも軽い絶頂を得てしまった。僅か、十二歳の少年
たちから受けた愛撫によって、である。

(こんな・・・こんな、恥ずかしい事って・・ああ・・・)
くらくらと快楽に脳を揺さぶられ、春奈は思考能力が欠落しかけて
しまっていた。少年の指が大小の陰唇を分け、女孔を探り当てた。
ただ、それだけで達してしまったのである。二十歳の女としては、認
めたくない羞恥の極みであった。
「ほら、春奈。ベッドに行こう。もう、おちんちんが欲しいんだろう?」
「は・・・はい」
絶頂により崩れかけた女体を支えつつ、雅治と芳春がベッドの上に
春奈を這わせる。そして、間髪を入れずに、
「今日はよっちゃんがお客様だから、先に入れなよ」
雅治が、四つんばいにさせた春奈のヒップを指で割り、もはやすっかり
とほぐされた女孔をくつろげた。
「ここに、おちんちんを入れれば・・・いいんだね?」
鮮やかな紅鮭色の女肉を左右に広げ、芳春は若茎の先をひたりと
女孔へとあてがった。普通の男女間の営みであれば、ここまであから
さまに女をくつろげる事は無く、大抵手探りで『そこ』を確かめる。だが、
少年たちは無邪気だった。その無邪気さゆえに、女の羞恥など慮外
なのである。
(は、恥ずかしくて、死にそうなんですけど・・・)
犬のように這わされ、ヒップの割れ目を裂かれ、女孔を露呈させられる
という行為が、心底恥ずかしい春奈。だが、それも一瞬の戸惑いの後に、
快楽へと変わっていった。

「入った!」
まさしく男肉という形容に相応しい芳春の肉傘が、春奈の女へ飲み込ま
れてしまった。ひくっと一瞬、膣口がすぼまったが、すぐに彼女の女は、
十二歳の少年を二人目の男として、迎え入れてしまったのである。
(ううっ!意外にきついな・・・)
愛蜜に溢れ、女肉がほぐされていても、春奈はまだまだ経験が足りない。
それゆえ、新たな少年の若茎が馴染んでいないのだ。だから、真後ろから
ぐぐっと押し込まれる異性の性器を、自身の女が拒んでいるような気がする。
だが、それもしばしの杞憂でしかなかった。
「よっちゃん、もうちょっと、おちんちんを前に出してごらん。春奈の腰を
掴んで、引き寄せるんだ」
「こうかな?」
雅治のアドバイスで、芳春は女犯のコツを一つずつ学んでいく。そう、少年
は、今まさに男へと変わろうとしているのだ。
「うああ・・・あああ!入ってくるゥ・・・ッ・・」
芳春の男が、茎の部分まで完全に埋没されると、春奈は息を荒げ、ひい
ひいと肩で泣く。女肉が割られ、今や完全に女を貫かれた、と女泣きに、
泣かされる二十歳の乙女。
「くうーッ・・・あッ!あッ・・・」
女犯の衝撃に身を焼かれるような思いがする春奈は、シーツの端を掴み、
身悶える。ぐい、ぐいとねじ込まれる少年の男が、自分を淫らな女へと変え
てしまう、そんな気がしていた。

「まさ君。おちんちんが、むずむずするよ」
「でも、気持ちいいでしょ?春奈のそこは」
「うん」
「僕と春奈は、毎晩やってるんだよ、これを」
「いいなあ」
芳春と雅治は、麗しい女体越しにそう言って、笑った。その様を、春奈
はがくがくと震えながら、どこか恨めしそうに見ている。
(こっちは、恥ずかしくて仕方がないというのに!)
思わず、吼えそうになった。二十歳の女が、十二歳の少年二人からいい
ように弄ばれ、持ち物を品評されている。いくらこの家に仕えるメイドで
あっても、こんな恥ずかしい仕打ちを受ける覚えは無い。しかし、
「よっちゃん。腰を動かすんだ。そうすると、もっと気持ちよくなるよ」
「こうかな?」
という雅治のアドバイスで、芳春が腰を前に突き出した。
「あうんッ!」
若茎がずずっと蠢く。膣肉がぬめって、若々しい少年の男を優しく
包み込むと、もういけない。春奈は、真後ろから貫かれるという、辱め
を粛々と受け入れるしか、術が無かった。
「だ・・・駄目」
理性が少年を拒もうとする。が、しかし、春奈の女は、若茎をがっちりと
咥え込み、決して放そうとはしていなかった。

「ぼ、ぼっちゃま・・・もう、堪忍してくだ・・・さい」
そう言って、春奈は真正面にいる雅治の手を取った。こんな辱めは
やめてくれと懇願しているのだ。しかし、
「うふふ。エッチな事してる時の春奈はカワイイね」
と、雅治は差し伸べられた手を自分の股間へいざなった。そして、
「舐めてよ、春奈」
ぐいっと腰を突き出し、大きく反り返った若茎を、従順なメイドの顔の
前へ持っていった。
「・・・・・」
目を伏せ、顔を若茎から一瞬逸らした春奈。この、剥きつけの欲望を
しゃぶれと言われても、はいそうですか、と答える訳にもいくまい。だが、
「舐めてくれないの?」
雅治が春奈の顔を覗き込みながら、少し表情を曇らせつつ、問う。ここ
で春奈は気づいた。
(あたしは、ぼっちゃまのモノになるって誓った筈じゃないの?)
メイドとして。いや、寡婦として貶められても構わないと、純潔を捧げた
あの日、そう誓った筈ではないか、と春奈は思った。今、まさにそれが
試練として、この身にぶつけられていると思い直したのだ。そうなれば、
(ぼっちゃまのおちんちんを、しゃぶる事ぐらいなんでもないわ。望まれ
れば、精液を飲んでもいい。芳春様を楽しませてやってくれ、と言われ
れば、それも喜んで受け入れよう)
と、春奈は考えを改めてしまうより、他が無い。

そんな逡巡の後、春奈は突き出された若茎を、そっと唇で包んだ。
あくまでも優しく、ソフトな口唇愛撫を心がけようと、舌先に気持ちを
込め、丁寧に舐めしゃぶっていく。
「うふん・・・」
鼻から甘くくぐもった声が漏れた。少年の持つ性臭が愛しく、舌に感
じる青臭い先走りの味が、ちっとも嫌じゃない。
「気持ちいいよ、春奈」
雅治の手が、春奈の後れ毛を掻いた。僅かにウェーブのかかった
美しい黒髪を、少年は亡くした母親の面影を追うように、絡めている。
「んんっ・・・」
若茎を咥え込みながら、上目遣いに雅治を見遣る春奈。彼女も、
言葉にならない何かを伝えようと、懸命だった。それはやはり、
『恋慕』
というものに相違ないだろう。そうでなければ、二人の少年と犯され
ながら、口唇愛撫をするという淫らな行為に甘んじる訳が無い。
「だんだん気持ちよくなってきたよ、まさ君」
ぬめりにぬめった女肉を味わっていた芳春がそう言うと、春奈は
頬を羞恥の色に染める。恥ずかしいけれども、気持ちいいと言われた
事が、何気に嬉しい。そんな表情を見せている。

(このまま、二人の精液を浴びるんだわ、あたし・・・)
芳春の腰使いが荒くなった事を知り、春奈は心の準備をする。初めて
女犯を知る彼の若い茎は、もう爆発寸前に違いない。それと同時に、
口唇愛撫を捧げている雅治の男も、絶頂が近いようだった。そうなれば、
春奈は二人の樹液を受け入れる事になる。また、彼女自身それを拒もう
とは思わなかった。
「まさ君。ボク、おしっこしたくなっちゃった。いや、種だっけ?」
「うん、いいよ。それは、春奈の中に出すんだ。精液っていうんだ。僕も
もう出そうだから、よっちゃん一緒に出そう」
春奈を前後に挟んだ少年たちは、いよいよ放精に備え感情を昂ぶらせる。
芳春が狂ったように腰を動かし、雅治が目を閉じて春奈の黒髪をきゅっと
掴んだその刹那、
「ううッ!何か出るよ!」
「春奈、出すよ」
芳春、雅治共に、ほぼ同時に射精した。初の放精を経験する芳春は、大量
の樹液を二十歳の女の中へ注ぎ込む。肉傘が力を貯め、一瞬の間を置いて
欲望の全てを放ったのだ。
(い、いやッ!すごく出てる・・・芳春様の精液・・・)
温かな少年の樹液が、自分の女を浸していく様がはっきりと確かめられた
春奈は、膣口をきゅっと絞って芳春の射精を助けた。この時、雅治の若茎も
絶頂に達し、春奈の舌に香ばしい苦味を与えている。二人の少年は意に
叶い、麗しいメイドの女体で、同時射精を果たす事が出来たのである・・・

沢渡家に夕日が落ちてきた頃、雅治の自室では春奈を挟み、二人の
少年が寝息を立てていた。
「可愛い寝顔・・・まるで天使ね、二人とも」
そう言って、春奈は芳春と雅治の寝顔に見入る。まだ三人とも全裸で、
荒淫の余韻をしっかりと残していた。
「精液臭いなあ・・・あたし」
全身に少年たちの樹液を浴びた春奈が呟いた。二人が一度の放精で
は飽き足らず、体を入れ替え何度も何度も麗しい女体をなぶり続け、
思いを果たした為に、春奈は精液にまみれている。もっとも、幾度となく
女肉を割られ、彼らの若茎が膣に馴染んでくると、彼女自身もたまら
ない快楽を得て、訳が分からなくなるほどの絶頂を迎えてしまった。
二本の若茎と一つの女は、互いの思いをたっぷりと満たし、受精の
愉悦をさんざん貪ったのである。
「しかし・・・恥ずかしかったなあ・・・って言うか、恥ずかしすぎ!」
理性が戻ってくると、四つんばいになって二人の少年に犯されたと
いう事実が、とてつもなく恥ずかしく感じた春奈。若茎から放たれる
精液を飲み、自ら腰も振った。それも、十二歳の少年たちに、である。
二十歳の自分が・・・だ。

「う〜ん・・・あたしって、淫乱なのかしら?」
腕を組み、そう言いながら首を捻る春奈。先日、処女を捧げたばかりなのに、
もう淫行に身を焦がすことが出来ているので、人より性に貪欲なのかもしれ
ない、と考えている。その時、
「春奈・・・」
雅治が寝言で、春奈の名を呼んだ。すると・・・
「・・・・・ううん、違うわ。あたしが昂ぶったのは、きっと・・・」
この少年の為だ、と彼女は思った。彼が望めば、何でも受け入れようという、
恋慕にも似た気持ち。それは、女性が生まれながらにして持っている、
『母性』
である事に、春奈はまだ気づいてはいない。しかし・・・
「春奈はここですよ」
そう言って、雅治の手をそっと握った春奈。母親を早くに亡くした少年を、
優しく包むような、慈愛に満ちた抱擁だ。その優しさが、彼女の天性なので
ある。
「ふふ・・・春奈ってば」
手を包まれた雅治が微笑む。彼はきっと、夢の中でも彼女の優しさに触れて
いるに違い無い。それを見た春奈も口元が緩む。
「ぼっちゃま、いい夢を・・・」
それだけ言うと、春奈もゆっくりと夢の中へ滑り込んでいった。そして、部屋に
入り込む西日が、芳春と雅治、それにちょっぴりおっちょこちょいで、情け深い
メイドの三人を、暖かく照らしたのであった・・・・・