昨今、保父さんを目指す若者が増えているという。一般的な物の考え方で
あれば、保父さんという職業は優しい同僚の保母さんや、園児たちの若い
お母さんと仲良くなっちゃって、ウハウハ!などと思われているが、案外そう
でもない。幼い子供相手の仕事だけに、保父には何よりも清廉さが求められ、
身辺の美しさが求められるのである。それを、熟女萌えを自称する男、今枝
惣十郎(いまえだ・そうじゅうろう)二十二歳は知らなかった。

「みんなー!お遊戯の時間だよー。レッツ・ダンシング!」
「はーい!」

私立斑目(まだらめ)幼稚園。それは、学校法人斑目学院グループの底辺に
属する、女児ばかりの幼稚舎である。惣十郎は今年から、ここで保父さんを勤
めており、わがまま盛りの園児たちを相手に奮闘していた。今は、お遊戯の時
間らしく、惣十郎は目いっぱいにこやかに踊っている。

「ちょっと懐かしいけど、風見しんご風にブレイクダンスだ!」
そう言って足を投げ出す惣十郎。五つや六つのちびっ子相手に、風見しんごは
無いだろうと思うのだが、それ以上にブレイクダンスって・・・と、園児たちは呆れ顔。
すると、たまりかねたように、一人の園児が時代遅れな保父の踊りを遮った。

「てんてい!」
先生、と言ったつもりなのだが、舌足らずなために発音が怪しい園児の名は、
狩野初美(かりの・はつみ)。ロングヘアをつむじのあたりできゅっとまとめた、
日本一いけてる園児を自称する美少女である。彼女は、さる財界の大物の息女
で、幼稚園内でもVIP扱いのお子ちゃま。ゆえに、親の権威にかさを着たわが
まま振りが、他の保母さんたちを恐々とさせている。

「なんだい?初美ちゃん」
額に汗しながら踊り終わった惣十郎が問うと、初美はぽっと頬を染め、
「汗をおふきちます。ウフ♪」
と、持参したタオルを手に、保父へと近づいていった。

「ありがとう」
「どういたちまちて」
まるで世話女房のように惣十郎の汗を拭う初美。先ほど、彼女が親の
権威にかさを着て、わがまま放題をしていると記したが、何故かこの新米
保父に対してだけは、寛容であった。というか、従順という表現が似つかわ
しいほどに、健気な所を見せるのである。

「てんていの、ブリーフダンス、いかちてまちたわ」
「それじゃ、パンツ踊りだよ初美ちゃん。ブ・レ・イ・ク・ダンス・・・さ」
屈んだ惣十郎の横顔にうっとりと見惚れながら、初美はのたまった。しかし、
細めた目が淫蕩で、幼稚園児にしては少々、お色気過剰である。

「あたち、濡れちゃいまちた。ウフ」
流し目とあごに手を伸ばす悩殺ポーズで、惣十郎に寄り添う初美。意味は
分かってないのだが、又聞きで女が男にそそられた場合はこう言うのだと
知り、ちびっ子が口にしてはいけない事を平然としてしまう。しかし、惣十郎
はこれを別の意味と取った。

「え、まさか、お漏らしかい?」
濡れちゃいまちたという言葉を、失禁と勘違いした惣十郎はおもむろに初美
のスカートをめくり、下着をチェックする。どうでもいいのだが、彼女のパンツ
はちびっ子にしては派手すぎる、ラメ入りのTバックショーツ。しかも、色は黒。

「やーん」
「なんだ、濡れてないじゃないか。先生をひっかけたな?悪い子だ」
思わぬ下着チェックで、恥らいながらも初美は気分上々。心の中で、派手な
パンツを穿いてきて良かった!などと思っている。その上──

「いいえ。てんていは、あたちの女心を濡らちたの・・・ああ」
と言って、屈んだ惣十郎の頬へ、軽くキスをしたのであった。この一連の様子
を、他の園児は一部始終見ている。勿論、誰もが呆れ顔である事は、言うまでも
ない。


斑目幼稚園に、午睡のひとときがやってきていた。昼食を終え、放課を過ぎれば
園児たちには、緩やかな夢を見る時間がやってくる。だから、お昼寝部屋には天
使のような子供たちの寝顔が並んでいる・・・筈だったのだが。
「てんてい。こっち、こっち」
そう言って、惣十郎を手招く園児が一人いる。言うまでもなく、初美である。

「また、寝られないのかい?」
「うん。お話ちてくれたら、寝られそうなんだけど」
「仕方ないな」
ウサギの模様が入った寝具の上で、初美は惣十郎へ向かって早く来んかい!と
手を伸ばしていた。それも、わざと寝巻きを着崩し、膨らんでもいない胸元をちらり
と見せつけながらだ。

「何のお話がいい?」
惣十郎が尋ねると、
「人妻あばれ旅がいい」
と、初美は答えた。このおませな園児は、どこかで見たアダルトビデオのタイトル
を適当に述べ、惣十郎の野心を焚きつけようと思っている。

「そんな話、聞いたことないな。コラッ、先生を困らせて・・・」
惣十郎がそう言って、人差し指で初美の鼻をつん、と突付こうとした。
と、その時である。

「あーん」
初美は迫る指をぱくりと食べ──いや、正確に言うと吸った。それも、上目
使いで惣十郎を見つめながら、ちゅうちゅうと。

「こ、こら・・・初美ちゃん・・」
駄々っ子のたわいない悪戯・・・そう思いはしたが、初美の表情があまりにも
淫蕩に見える。吸われている指が、自分の男の代わりを果たしているような
錯覚を得た惣十郎は、思わず身震いした。すると──

「てんてい。おちんちん、吸ってあげようか。あたち、知ってるよ。男のちとは、
そういうの好きなんでしょ?」
「な、何を言うんだ、初美ちゃん」
「しーっ!静かに。みんな起きちゃうよ」
初美はゆっくりと身を起こし、戸惑う惣十郎の上へ圧し掛かった。そして、ジャー
ジに包まれた下腹部へと手を伸ばしていく。

「わああ!」
「ウフ♪おちんちん、ゲット!」
衣越しに、熱い昂ぶりを手にした初美が淫らに微笑んだ。それでも園児かいな!
と、ツッコミが聞こえてきそうであるが、とにかくこのちびっ子は、自らの意思で
惣十郎の股間を侵していったのである。

「こッ・・・困るよ、初美ちゃん」
「いいのよ。てんていはじっとちてて」
四つんばいになった惣十郎の足の間から滑り込み、男根を手に取る初美。
おそろしく大ぶりなそれは、園児の両手にもあまるほど逞しい。

「ぺろぺろちてさし上げます」
「あう!」
男根の先に舌を這わせ、くるっと円を描く初美。尿道が敏感な事を知っている
のか、その周辺だけを懇切丁寧にねぶっている。

「ごしごしもちてあげる」
「うわあ・・・」
今度は、男根の茎の部分を両手で擦り、締め上げていく初美。やや、包茎気味
のカリ首が刺激されると、惣十郎は玉袋をきゅっとひきつらせ、淡い快楽を得る。

「てんてい。気持ちいい・・・?」
「う・・うん・・・しかし、こッ・・・これは困ったなあ・・・」
「ぜんぜん困らなくていいの。てんていは、あたちのものなんだから・・・」
初美が鼻先でカリ首を突付くと、びくん──と惣十郎の背が反った。反射的に尻
穴を締め、あさましい放精の予感に怯えている。

「ああ・・・で、出る」
「白いおちっこが出るんでちゅね?いいわよ、てんてい・・・」
男根がぴくぴくと震えると、初美はそれを愛しげに頬擦りした。舌を絡ませ、鼻先
で敏感な部分を刺激しながら、一端の女気取りで愛撫を捧げたのである。

「はうッ!」
「きゃあッ!」
惣十郎の射精が始まると、幼い初美の体は見る見るうちに白く染まっていく。
男液は園児の頭から体までをすっかり色づかせ、恥ずかしげもなく嘶いている。

「あ・・・あ・・は、初美ちゃん」
「てんていのおちっこ・・・くさーい!ウフフ・・・」
糸引く粘液が、初美の肢体を濡らしていた。男根は幾度も力を込め、獣じみた咆哮
を繰り返した後、ようやく大人しくなる。しかしその時にはもう、初美は生臭い男液ま
みれになっていた。それも、精液を浴びて淫らに微笑んでいたのである。


お昼寝の時間が終わりに近づいた頃、初美はトイレで髪を洗っていた。そして、彼女の
すぐ隣には、同じく初美の衣服を洗う惣十郎もいる。初美は寝巻きを濡らされて、パンツ
一丁というあられもない姿。無論、お遊戯の時間にチェックされたTバックパンティが、尻
の割れ目に食いついている。

「きせいじじつができたから、せきにんとってね、てんてい」
精液まみれになった初美が、得意顔で言うと、
「そ、そりゃないよ、初美ちゃん。自分から迫っといて!」
と、情けなく答える惣十郎。この時点で、勝敗は積極性を持つ園児に上がった。もっとも、
彼女は既成事実の意味を理解してはいないのだが。

「誘ったのはあたちだけど、てんていは断らなかった。いまさら、言い訳は見苦しいわよ」
髪を櫛で梳かしながら、初美は笑った。そして──
「幼な妻って感じかちらね」
と言って、自分では結構いけていると思う流し目で、惣十郎を見遣ったのである・・・・・

おしまい