「吉沢先生」
と、呼ばれて吉沢香奈枝が振り向くと、そこには三ツ矢健二という生徒が立っていた。
健二は成績優秀で素行にも問題の無い、お坊ちゃま然とした少年である。そのため
香奈枝の覚えがめでたく、日頃から特に可愛がられていた。教師だって人間である。
出来の良い生徒は可愛いに決まっていた。

「三ツ矢君か。先生に何か用?」
「あの、これ・・・今日、先生の誕生日だって聞いて・・・」
健二がおずおずと小さな包みを差し出した。包みには贈答用のラッピングが施され、一
目見てプレゼントと分かる。実は今日、香奈枝は二十九歳の誕生日を迎えており、健二
はそのお祝いを渡そうとしているらしい。

「もしかして、これ、先生への誕生日プレゼントかしら?」
「そ、そうです」
「うーん、困ったなァ・・・基本的に教師は、教え子から物を貰っちゃまずいのよね」
香奈枝がそう言うと、健二の表情が曇った。迷惑だったかもしれない。少年はそんな顔
つきをしている。
「でも、他ならぬ三ツ矢君からのプレゼントだし、ありがたく貰っておくわ」
「え、本当に?」
香奈枝が包みを受け取ると、健二は愛らしく笑った。

「じゃあ、あらためて。先生、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう。これ、家に帰ってからのお楽しみにさせてもらうわね」
香奈枝はプレゼントを胸に抱きとめて、ゆっくりと踵を返した。教師としてはあまり誉めら
れないが、生徒からの心のこもった贈り物を無下に断る事も無かろう。香奈枝はそう考え
ながら、その場を後にした。臨機応変。それが、彼女の持ち味でもある。


「何が入ってるのか、楽しみだな」
香奈枝はマンションに帰るとすぐ、包みを開く事にした。思いもよらない生徒からの贈り物
で、女教師の二十九歳の誕生日は微妙な盛り上がりを見せた。
「はて、何やら小物類の手触り・・・」
包みを開くと、黒い小さな布地がお目見えした。手触りはシルクっぽく、きわめて高価な印
象を受ける。

「ハンカチかな、スカーフかな?」
布地を持ち上げて、そっと摘んでみた。するとどうだろう、布地は美しい三角形に姿を変え、
下着のような・・・というか、そのまま黒いTバックショーツへと変化したのである。
「な、なに、コレ?」
目を丸くする香奈枝。なんと、生徒からの贈り物はショーツだった。いや、形こそショーツな
のだが、実際の話、ショーツの機能を果たせないようなデザインをしているではないか。

「これは・・・どうやって穿くのかしら」
腰の前にショーツを当ててみたが、どう考えても何も隠してはくれそうにない。フロント
部分には透けた素材が使われており、その上、恐ろしく布地が少ない。はっきり言って、
これを穿けば恥毛はその大半が露呈し、陰裂は割れ目をくっきりと浮かび上がらせる
だけとなるだろう。要するに下着としての機能は無く、異性の目を楽しませるような目的
で作られたショーツなのだ。

「横の部分は、ほとんど紐だわ。ジーンズならともかく、スカートだとショーツが落ちそう。
こんなの穿いて歩けない!」
香奈枝は頬を上気させながら叫んだ。こんな恥ずかしい下着がプレゼント?冗談じゃな
いと、黒いTバックショーツを包みの中に戻そうとした。しかし──

「せっかく貰った物だしなァ・・・」
贈り物と考えると、粗末には扱えない。まして、これを選んだ三ツ矢健二は、真面目な生
徒である。何か訳があるのかも知れない。香奈枝は思い切って、これを試着してみる事
にした。
「話には聞いてたけど、まさか穿く事になろうとは」
白いパンツスーツを脱いで下着まで取ると、香奈枝は黒いTバックに足を通した。しかし、
何と言う頼りなさだろう。下着に対してそんな思いが募るのは、これが初めてだった。

「いや・・・お尻が食い込むわ。おかしな気分になるじゃないの」
とりあえず穿き終わると、まずは尻の部分が気になった。Tバックはその名が示す通り、
後ろがTの字になっているので、穿き慣れていないと、まずここが気になるのだ。

「・・・これさあ、おトイレ行った後に穿けないよね。だって、何かついたら大変だもの」
自分へ語りかけるようにして、香奈枝はTバック初体験の感想を漏らした。しかし、身に着
けた感じは悪くない。
「よっ、ふんっ!あら、案外しっかりしてるのね。腰を振っても落ちたりしないわ」
香奈枝は体を左右に振ったりして、Tバックショーツのフィット感を試した。一見、頼りなさ
げな下着だが、腰骨に食いつくようなフィールは、中々、好ましく思える。何より軽いし、締
めつけるような窮屈さが無い。

「よく見ると、細かいレースが丁寧に織られてる。案外、高いんじゃないかなあ、コレ。三ツ
矢君、無理したんじゃないかしら」
ふと、この下着を贈ってくれた少年の顔が浮かんだ。香奈枝がこれを受け取った瞬間の、
あの愛らしい笑顔を思い出すと、胸が少しときめいてくる。
「三ツ矢君はどういうつもりで、これをプレゼントしてくれたんだろう・・・」
全身が映る姿見の前に立つ香奈枝。身に着けている物は黒のTバックショーツ、ただひと
つだけ。

「あの子、まさかあたしの事が・・・」
ドキン、と胸が高鳴った。そして、姿見に映し出された自分に向かって問い掛ける。
「このショーツを穿いて・・・見せてくれって事なのかしら・・」
今度は股間の辺りが鈍く疼いた。健二はまだ高校生である。香奈枝は今まで、生徒を
異性として見るような真似はしなかった。それが教師として当たり前だと思ってきた。
しかし──

「・・・三ツ矢君」
香奈枝は知らず知らずのうちに、疼く場所へ指を伸ばしていた。ちょうどTバックショーツ
のフロント部分がそこを掻き分けていて、敏感な場所を刺激してくれている。
「あん・・・先生、変な気持ちになっちゃったじゃないの・・・」
姿見から離れ、ソファに体を預ける香奈枝。気がつけば、柔らかな乳房を自分で愛撫して
いた。

「ああ・・・三ツ矢君ッ!」
想像の中で、健二が乳房を吸っていた。まるで駄々っ子のように自分に甘え、母性を求め
る少年の姿が香奈枝の脳裏で映像と化す。
「先生と・・・したいのね・・・いいわ・・・」
この日、香奈枝は久しぶりに自慰をした。そういえば、随分と異性から遠ざかっている。
そんな思いが、清廉な女教師を淫らな牝に変えた。もちろん、きっかけはあのTバック
ショーツである。

翌朝、香奈枝は眠い顔で登校した。昨夜は気が昂ぶって、中々、寝つけなかったのだ。
「ふああ・・・眠いな。おや、あれは三ツ矢君」
職員用の玄関を上がり、廊下を少し進んだところで、香奈枝は健二と会った。昨日、彼
女を燃え上がらせてくれた、あの下着を贈ってくれた少年である。

「おはよう、三ツ矢君」
「おはようございます、先生」
健二はさわやかな笑顔で挨拶をした。もう十七歳になるが、あどけなさがちっとも抜けな
い。またそこが、香奈枝の好む所でもある。
「先生、昨日渡したプレゼント、気に入ってもらえましたか?」
「ええ、まあ・・・ね」
健二が尋ねると、香奈枝は声を潜めて答えた。教師という立場上、ちょっと人目を憚らね
ばならない。幸い辺りに人影は無いが、注意するにこした事は無いのだ。

「そう言えば先生、プレゼントの中身・・・何でした?実をいうと、プレゼントはお姉ちゃんに
頼んで買ってきてもらったんで、僕は贈った物を知らないんです。お姉ちゃんは、女の人
だったら、絶対に喜ぶ物を選んだって言うんですけど」
にこにこと微笑む健二を見て、香奈枝はなるほどと頷いた。あれは姉のチョイスなのだ。

(やっぱりね。おかしいと思ったわ)
女心を読めない健二が、姉に頼んで買って貰ったもの。それが、あのTバックショーツ
なのだ。きっと彼の姉は、悪戯心が沸いたのだろう。それか、色気づいた弟をからかう
つもりだったのかもしれない。そう考えると、香奈枝は思わず吹き出しそうになる。

「うふふ。素敵なプレゼントだったわ、三ツ矢君」
「そうですか。喜んで貰えて嬉しいな」
健二は香奈枝が微笑んでいる様を見て、大いに満足しているようだった。どこまでも
純な少年である。香奈枝はそんな健二が愛らしく、また、からかいたくもなる。

「ちなみに今、身に着けているのよ。三ツ矢君のプレゼント」
「そうなんですか?」
「ええ。見てみたい?」
「はい。でも、何だろう。イヤリングかな?それとも香水かな・・・」
「ちょっと、こっちへおいで」
香奈枝は健二を伴って歩き出した。まだ始業には間があり、教師も生徒も急ぐ事は無い。
二人は渡り廊下を抜け、体育館の方までやって来た。

「先生、どこへ行くんです?」
「ちょっと、人目を憚るのよ。さあ、この部屋へ入って」
香奈枝は訝しがる健二を体育館の倉庫に連れ込むと、黙って鍵を締めた。そしておも
むろにスカートへ手をやり、一気に裾を捲り上げると、
「これが、あなたがくれたプレゼントよ」
そう言って、下半身に食いつくあの黒いTバックショーツを、健二に向かって見せつけた
のである。

「せ、先生!」
「どうしたの?もっとよく見たら」
香奈枝はスカートの裾を絞り、食い込んだフロント部分を前に突き出した。陰裂に沿って、
小さな布切れがそこにぴったりと張りついている。しかも、フロント部分はほとんどが妖し
い粘液できらめき、強い牝臭を放っていた。

「素敵なプレゼント、ありがとう。先生、気に入っちゃって、昨日からずっと穿いてるの」
香奈枝は淫らな笑顔を浮かべながら、健二に迫った。この少年の困惑した顔が、たまら
なく可愛い。香奈枝は健二に擦り寄り、お互いの息がかかるほどに近づいた。
「ほ、本当に中身はこれだったんですか?」
「そうよ」
「お姉ちゃんのやつ!」
「あら、怒ることなんてないわ。先生、喜んでるのよ」
だって、おかげで二人の距離が近づいたじゃない。香奈枝は呟きながら、健二の唇を奪う。

「うふッ・・・先生、プレゼントのお返ししなくちゃね」
香奈枝は健二の足元に傅くと、迷わずズボンのベルトに手を伸ばした。

「せ、先生・・・」
「あら、こういうの嫌い?」
「嫌いも何も・・・僕、そういう事・・・した事ないから」
「だったら、先生が教えてあげるわ」
ただ立ち尽くす健二のズボンとパンツを下ろし、香奈枝はいきり勃つ若茎を手に取った。
若さが物を言ってか、それは鋼鉄のように固く、熱い。

「やだ・・・ギンギンじゃないの」
「だ、だって・・・先生の・・パンティ見ちゃったし」
「うふふ、パンティって言い方、可愛いくて良いわね」
香奈枝の手が若茎を上下に扱き始める。そしてすぐさま、肉厚な唇で亀頭部分をすっぽ
りと包み込んだ。
「あう!」
健二の膝が震え出した。少年にとっては憧れの女教師が、自分の性器を咥えていると
いう事実は、あまりにも凄艶過ぎた。香奈枝は淫らで美しい笑顔をたゆませながら、時
おり上目遣いに健二を見つめて、ちゅるちゅると若茎を啜る。

「ああ・・・三ツ矢君のコレ、美味しいわ」
「先生・・・僕、オチンチンが蕩けそう」
「うふふ・・・そうね。三ツ矢君のオチンチン、蕩けるまで先生が舐めちゃおうかしら」
雁首を甘く噛み、茎の根元を啜りつつ、宝玉袋も舌でひとつひとつ丁寧に転がしてやる。
そうして、若い茎全体に唾液と先走りでぬめりが行き渡ると、香奈枝は倉庫内に置いて
ある跳び箱に視線を映す。

「あれが役に立ちそうね」
香奈枝は健二の手を引いて、跳び箱の前に立った。そして手をつき、馬跳び遊びをす
るような格好で、尻を高く上げた。
「さあ、三ツ矢君。大人の馬跳びをしましょう。うふふ・・・でも、あなたはカウボーイじゃな
くて、さしずめ種馬ってところかしら」
きゅっと引き締まったヒップに手を当て、香奈枝はスカートを腰の辺りまで捲り上げる。
だが、黒いTバックショーツは脱がなかった。

「先生・・・僕はどうしたらいいの?」
「今、三ツ矢君の一番固くて熱い物を、先生にちょうだい」
開襟シャツの裾元を持ち上げている健二の若茎。そこへ香奈枝は流し目をくれながら、
ふっと低いため息をつく。

「先生のここに入れるんだね。僕のオチンチンを」
若茎を握った健二が、跳び箱にもたれかかった香奈枝の尻に挑みかかる。もう、逞しい
物は女の園の目前まで来ていた。

「三ツ矢君がプレゼントしてくれたショーツ・・・じゃなくて、パンティは脱がさないでね。紐
の部分を横にずらして、ここに入れるのよ」
香奈枝の指が肉厚な陰唇を割り、目指す場所を示した。そこはしとどに濡れそぼり、まる
で息づいたかのようにヒクヒクと蠢いている。健二は己の分身を二、三度振り扱き、ついに
香奈枝をゆっくりと貫き始めた。

「先生の中に入っていく・・・僕のオチンチン」
「ああ、来たわ・・・これが三ツ矢君のオチンチンなのね・・・最高よ」
目を閉じると、少年の分身が胎内を侵してくるのが分かる。少年には狭い洞穴を手探りで
進むようなぎこちなさがあるが、それもまた愉しい。香奈枝は舌なめずりをして、若茎がも
っと深い場所までやって来るのを心待ちにした。
「いやあ・・・奥まで届いたわ・・・大きいね、三ツ矢君のオチンチン」
「せ、先生・・・」
健二は、若茎全体が柔らかな肉の襞で包まれているような感覚に怯えていた。このまま
香奈枝の胎内に引き込まれ、同化してしまうのではないかという錯覚すら覚える。それほ
ど、二人の密接度は高かった。

「先生、僕・・・足が震えてる」
「そう。だったら、先生が動いてあげるわ。三ツ矢君は先生のお尻を持って、しっかりと
しがみついてるのよ」
香奈枝はそう言うと、しずしずと腰を動かし始めた。最初はゆっくりと前後に。そして今
度は右回りに円を描き、招き入れた若茎に夢心地を味あわせてやるのだ。

「先生、先生!ぼ、僕・・・」
「いきたい時は、いつでもいきなさい。先生の中で・・・ね」
跳び箱についた手を支えにして、香奈枝は腰を使う。男肉と女肉が交わるあの音が生々
しく室内に響き、なんとも表現しがたい性臭が立ちこめる。
「ああ・・・先生の中って・・・温かい。すごく気持ち良いよ」
「お褒めに預かって光栄よ。ふふ、三ツ矢君も先生を喜ばせてね」
気がつけば、香奈枝は驚くほど淫らになっていた。年が一回りも違う生徒と、教職にある
自分が男と女の関係を持つ。その背徳感が、たまらなく愉しい。これも今、身に着けてい
るTバックショーツのおかげだろうか。ふと、そんな事を思う。

「先生、僕・・・いきそう」
「まだ早いけど、いいわ。先生の中に精液を出すのよ」
「ああ・・・僕、ぼ・・・く」
健二の若茎に律動が始まった。そして次の瞬間、大量の白濁液がそこから放たれる。

「ふうッ!す、すごいッ!」
ビシャビシャと放たれる健二の子種。若茎のわななきは十回近くも続き、凄まじい勢い
で粘液を放出した。香奈枝はそれを胎内で感じ取り、また新たな愉悦に浸る。

「先生・・・」
健二が香奈枝の体を後ろから抱いた。放精後の虚脱感からか、何かに縋りたい気持ち
になっているのだろう、少年は赤子のように女教師の背へ身も心も預けた。
「うふふ、呆けた顔しちゃって。そんなに気持ち良かったの?」
「はい。最高でした」
「まあ、可愛い事を言って・・・先生を困らせる気ね」
まだ健二の若茎は胎内にある。香奈枝はそれを意識して、体を健二と向かい合わせに
なるように入れ替えた。そして二人は見詰め合う。

「素晴らしいプレゼント、ありがとう。三ツ矢君のお姉さんに感謝しなくちゃね」
「はい」
「でも、だからって、お姉さんとこんな事しちゃ駄目よ、うふふ・・・」
香奈枝は健二と唇を重ねた。その時、始業を知らせる鐘が、福音のように鳴り響き、少年
と女教師を包んだ。

おしまい