がたん・・・・・・ごとん・・・・・・
緩慢な電車に揺られながら、ぼんやりしている少年がいる。
彼の名は須藤タケル。中学二年生だ。
この夏休みに、栃木の祖母の家へ遊びに行き、その帰りに少し足をのばして
『木玉』という小さな温泉町へ向かっているところだった。
一昨年、家族と旅行に来て、タケルは山に囲まれた緑溢れる『木玉』を気に入っていた。
中学生にしては、山好き・温泉好きは渋い趣味であるが、初めての一人旅に
心躍るのは何ら変わりない。

タケルの座った車両には、隅で居眠りしている老人と、向かい側の吊り革につかまって
おしゃべりしている二人の若い女性がいた。
無論、年頃の少年であるから、老人よりお姉さんのほうに関心がゆくのは仕方ない。
さらに彼女たちは美人だった。
年の頃は大学生くらいだろうか。
残暑でも三十度を下らない猛烈な暑さのせいか、二人とも薄着で、肌の露出が多い。
色っぽいカラダの線を強調するような服装は、少年を魅了してやまなかった。
茶髪でセミロングの女性は、白いチューブトップにジーンズ生地のミニスカート
という格好だ。パンティが見えそうなくらい短いスカートからのぞく太股、
そして薄布に包まれた豊かなバストがとても魅惑的である。
もう一人の、黒髪ロングヘアの女性は、黒いタンクトップに黒い短パンという組み合わせ。
こちらも負けず劣らず豊乳だ。黒で統一された服装が白い肌を際立たせている。

(いけないいけない・・・・・・知らないお姉さんをじろじろ見るなんて失礼だ)
思春期の少年にはやや刺激が強い。
若干前かがみになりながら、タケルは視線を逸らして別のことを考えようとした。

「ねえ、キミ」
ふと。
かけられた声に顔を上げると、茶髪の女性が立っていた。
(え・・・?なんだろう。・・・もしかして、見てたことがバレた?)
詰問されるのでは、とタケルはどきどきしてしまう。
「な、なんですか・・・?」
しかし、茶髪の女性はにっこり微笑んで、
「キミ、須藤タケルくんだよね?」と言った。
「へ?・・・・・・あ、はい・・・そうですけど」
間の抜けた返事をしながら、タケルは彼女に見覚えがあることに気づいた。
「あの、もしかして・・・ユカさん?」
タケルの言葉に、女性の顔がぱっとほころんだ。
「よかったぁ〜、タケちゃん覚えててくれたんだぁ」
「そ、そりゃそうですよ。髪型が変わってて最初わからなかったけど」

彼女は中根ユカ。
タケルの近所に住んでいた六つ年上の女性だ。
明るく、元気なお姉さんで、幼い頃はよく遊んでもらったりした。しかし、三年前に
遠くへ引越してしまい、最近は年賀状のやり取りをする程度だったのだ。
「ホント偶然ね。あ、そだ、この娘は長尾レイ。大学の友達なの」
昔と変わらぬそそっかしさで黒髪の女性を紹介するユカ。
「よろしくね、タケルくん」
「は、はい・・・・・・」
「隣、いいかな?」
「え?は、はいっ」
二人の美女はタケルを挟むように左右に座った。
蕩けるような甘い女性の匂いに包まれ、どぎまぎしてしまう。
「フフ・・・そんなに固くならなくてもいいよ」
そう言われても、緊張してしまうのはどうしようもない。タケルはあまり二人を
見ないように視線を泳がせていた。
「で、タケちゃんはどこに行くの?実家がこの辺りだったっけ」
「はい・・・お祖母ちゃんのとこへ遊びに行っていたんですけど、その帰りに『木玉』で
一泊しようかと思って・・・・・・」
「えっ、『木玉』行くの?私たちと同じだね!」
嬉しそうにレイが言う。
「そ、そうなんですか・・・レイさんたちも?」
「ええ。大学の先輩が去年ここに来てね、静かな良いところだって」
「最初は海水浴に行くつもりだったんだけど、なかなか予定が合わなくって、
ホテルも見つからなかったの。それで、こっちになったわけ」
「そうだったんですか・・・」
タケルは、もしかして二人と一緒にいられるかも、と淡い期待を膨らませた。
「そういえば、背伸びたんじゃない?今、何センチ?」
ユカが自分と比べるように訊ねる。
昔は見上げていたのが、今ではほとんど変わらない。
「春に計ったときは、一五七センチでした」
「へえ・・・顔つきも男っぽくなって・・・ちょっとかっこいいよ、タケちゃん」
「・・・は、はぁ・・・・・・」
憧れの女性に『かっこいい』と言われ、頬が熱くなるのを感じる。
タケルはユカに声をかけられてから、終始ドキドキしっぱなしだった。
何より、涼しげな格好の美女に囲まれて、眼のやり場に困った。

右を向いても、左を向いても、豊満なバストと魅惑的な谷間が待ち構えている。
下を向けば、両側に並ぶムッチリした太股が挑発的にさらけ出され、
視界に飛び込んでくる。
万が一でも彼女たちと目が合ってしまったら、その美しい瞳に取り込まれてしまいそうだ。
ユカやレイの美貌と甘美な肢体を心ゆくまで見つめたい、目に焼き付けたいという
誘惑を堪えながら、タケルは必死に前だけを向いていた。
どうしようもなく居たたまれない。
しかし、思春期の青い少年はここから脱け出す気にはなれなかった。

「でもぉ、まだちょっと華奢だよねぇ。ちゃんとご飯食べてる?」
「え、はい・・・」
さっきまでと違う、妖しい眼つきで美女たちは少年を見つめる。
「ホントかなぁ・・・ウフフ・・・」
微笑みながら、ユカはタケルのわき腹をつぅっと撫でた。
「あ、ひゃうっ」
「カワイイ声・・・・・・敏感なんだぁ」
レイも服の上からタケルの腋や背中を触り始める。
「ひっ、あう・・・ちょ、やめ・・・」
「だめじゃなぁい。アバラが浮いてるよぉ・・・ほ〜ら、こちょこちょ・・・」
「あ、あぅ、うふっ・・・ひゃあぁ・・・・・・」
「好き嫌いしてると大きくなれないぞぉ〜・・・クスクス」
ユカとレイは、服の上からタケルの身体を撫で弄んだ。

タケルも、この猛暑で半袖Tシャツに半ズボンという薄着だった。
二人の妖しい愛撫攻撃に、翻弄され、喘いでしまう。
彼がすっかり脱力したのを確認すると、美女たちは左右から詰めて密着し、
妖艶にしなだれかかった。
「あ・・・・・・はぁ、ぅ・・・んっ・・・」
ユカたちのしなやかにのびる腕や足がぴったりくっつき、
タケルは柔肌を直に感じていた。
(気持ちいい・・・・・・でも、こんなの誰かに見られたら・・・)
そんな少年の羞恥心を蕩かすように、レイはタケルの右腕を抱え込んで胸に押し付けてくる。
柔らかく、豊満な乳房の感触が、右半身を甘く痺れさせた。
「あれぇ、耳が真っ赤だよぉ〜・・・ふぅ〜〜」
わざとらしい声をあげて、ユカは耳の穴に息を吹き込む。
「ひいぃっ・・・やめて、ああっ・・・」
「ふふ・・・耳も弱いんだ・・・舐めてあげるね」
「ゃ、や・・・やめてぇ・・・ひゃあっ!あぅ、ぁん・・・」
ユカはタケルの頭を抑え、しゃぶるように耳を舐め弄る。
「タケルくんの足ってぇ、細くてきれいだね・・・・・・うふふ」
「ひぃ、ひゃっ・・・ぁっ、はぁ、ぃ、んっ・・・」
妖しい笑みを浮かべて、レイも股から膝小僧をさわさわとくすぐり撫でた。


ユカとレイは豊かな胸や腰を押し付けながら、少年の全身を優しく嫐り回した。
その手つきは性感マッサージの如く官能的である。
「ふふ・・・目がとろぉんってしてきたね・・・・・・堕ちちゃったかな?」
「よだれ垂れてるよ・・・クスッ、カワイイね・・・」
「・・・・・・・・・ぁ・・・ぅ・・・・・・」
二人によって、タケルは完全に悦楽の泥沼に沈み込んでいた。
Tシャツの中で乳首を弄られ、切ない喘ぎ声を洩らしてしまう。
(あ、ああ・・・そんな・・・・・・乳首触られて感じちゃうなんて・・・でも、きもちいい・・・)
「じゃあ、最後はここだよね・・・・・・フフッ、ごたいめ〜ん」
ジジッとファスナーが下ろされ、中ではちきれんばかりに膨張したソレが姿を現す。
ビンビンに勃起しているが亀頭の半ばまで皮を被ったペニス。
タケルは冷水を浴びせられたように、はっと我に返った。
「・・・あ、まって、やめて・・・そんなぁ・・・」
あまりの羞恥に慌てて隠そうとするが、美女たちは意地悪く彼の腕をつかんで放さない。
「い、いやぁ・・・・・・みられちゃうよぉ・・・」
「大丈夫よ。あのお爺さんも寝てるし、誰も見てないわ」
「見てるのは私たちだけ。お姉さんにオチンチン見られるの、イヤ?」
「・・・・・・ぁ、ぅ・・・」
激しい羞恥が徐々に快感へ変わり、頷くことをためらわせる。
そんなタケルの様子に内心ニヤニヤしながら、二人は優しくペニスを撫で始めた。
「ひっ・・・ひぅ、はぁん・・・・・・ぅぅ、ぁ」
今まで自分でしか触ったことのないペニスを、憧れのお姉さんに愛撫されている・・・。
タケルの中で、快楽への期待が恐怖や不安を上回っていった。

愛撫は次第に扱く動作へと移っていった。
ユカたちの細い指に絡められ、ペニスはピクピクと我慢汁をこぼし続ける。
「ぁん・・・タケちゃんの、とっても熱いよ・・・」
玉袋を揉みながら、うっとりした表情で言うユカ。
「ピンク色がかわいいね・・・チュ、チュッ」
「はううっ!」
亀頭へキスの雨を降らせるレイ。
さきほどの拒絶はどこへ、タケルは再び悦楽の世界に呑まれていた。
「・・・・・・ぁぁ・・・も、もっとぉ・・・ぅん・・・」
「もっと?もっと、どうして欲しいの?」
レイは扱くスピードを速めながら訊ねる。
「・・・・・・ィ・・・せ、て・・・」
「きこえなーい」
「い、イカ、せてぇ・・・」
「年上にものを頼むときは違うでしょぉ?お姉ちゃん、言わなかったかな〜」
意地悪な笑みを浮かべて、ユカは焦らす。
「イカせて、くださいぃ・・・ぉ、おねがい・・・しますぅ・・・・・・」
欲望が、理性を打ち負かした瞬間だった。
「ウフ、ご・う・か・く。ご褒美に、とっても気持ちよくしてあげるね」

ユカは唇で耳たぶをくわえてしゃぶり、わき腹を撫で擦りながら、ペニスの根本を扱いた。
レイは首筋をねっとり舐め上げ、太股をくすぐりながら、亀頭を扱いていく。
二人の絶妙なコンビネーションに、タケルはあっというまに高められてしまった。
もっとこの快感を味わいたい。
そう思っても、充血したペニスは白濁液の噴出を止められない。
「あっ、ああっ!い、イクぅ!!」
ビクビクッ、ドクドクドク・・・・・・
美女たちに握られて、タケルは果てた。

『まもなく、木玉、木玉でございます・・・・・・』
アナウンスが響く。
三人は荷物を持って立ち上がった。
タケルの射精は、レイがどこからか取り出したおしぼりできれいに拭き取ってある。
「ねぇ、タケちゃん」
「な、なんですか?」
「私たちと一緒に来ない?ここのこと、いろいろ案内して欲しいな」
「え、あ・・・まあ、ちょっとくらいなら、わかりますけど」
「ふふ、じゃあ決まりね」
プシューーッ
ドアが開き、タケルたちは降りていった。
残された老人はまだ居眠りをしていた。


時刻は午後二時を回ったあたりだ。
「少し遅いけど、お昼にしようか。タケルくんオススメは?」
さっそくのご指名。
「え、えっと・・・この先の、お寺の近くに蕎麦屋さんが一軒あったと思います
・・・・・・いいですか?」
「うん、そこにしましょ。いいよね、レイ」
「ええ。この暑さだし、ちょうどいいんじゃない」
タケルの案内で、三人は蕎麦屋へ歩き出した。
(さっきは、あんなことされちゃったけど・・・・・・きっと何かの間違いだったんだよな。
うん、三年前と変わらないユカさんだ・・・)
電車の中での妖艶さとは打って変わった二人のさわやかな雰囲気に戸惑いつつ、
少年は年上の女性に頼られる喜びに満ちていた。

しかし、意気込んで来た彼らを待っていたのは・・・・・・。
「う、そ・・・・・・閉まってる・・・?」
看板が外され、シャッターの下りた、『元』蕎麦屋だった。
「えっと、『当店は三月○×日をもって閉店します』だって。
この辺、あんまり人来ないのかな」
「・・・・・・・・・ご、ごめんなさい・・・・・・」
はしゃいでいたのが急に恥ずかしくなって、タケルはうなだれた。
「タケルくんのせいじゃないでしょ。仕方ないわ」
「そうそう。元気出して、他の場所を探しましょう」
「・・・は、はいっ」
「ねぇ、あそこの団子屋さんで買って、お寺の境内で食べるのはどう?」
ユカの指差す方には、古めかしい小さな団子屋があった。
「いいわね。天気良いし、外で食べるのも悪くないかな。タケルくんもそれでいい?」
「はい。石段を上がった境内からは、町の風景がよく見えるんですよ」
「よーしっ、それじゃあ、レッツゴー!」
元来がアウトドアなユカは、団子屋で三人分パックに入れてもらうと、
競うかのように石段を駆け上がった。
「ちょ、ちょっと、ユカさん・・・・・・」
「まったく・・・いつまでも子供なんだから・・・・・・ほら、私たちも行こうか」
「え、あ、はいっ」
続いて上り始めるタケルとレイ。
(ユカさん、気づいてるかな・・・・・・パンティ見えてるんだけど・・・)
ただでさえ短くて、見えそうなスカートは、下からのアングルでは丸見えだった。
黒っぽい下着としなやかな美脚に一瞬、見惚れてしまった自分を恥じ、
なるべく下を向いて石段を上るタケルであった。


それから一時間ちょっと、三人は昼食をとり、そして境内を散歩して回った。
寺は存外広く、食後の休憩には最適だった。
また、境内の隅にある小高い丘からは、『木玉』の町を一望することが出来た。
瓦屋根の少し古風な町並みと、豊富な緑が広がり、その向こうには山々が連なる風景は
来てよかったと思わせるだけの魅力に満ちている。
中でも、ユカは大喜びで、走り回る彼女をタケルとレイは追いかけるのに大忙しだった。
「そろそろ下りて、町の方を見て回らない?あんまり遅くなると、ホテルの人にも
迷惑かけちゃうし・・・・・・」
「うん、そだね。・・・って、待って。カメラのフィルムがなくなりそう・・・
・・・ちょっと買ってくるから、待ってて」
「でも、ユカさん。この辺で売ってるとこありましたっけ」
「駅の前にお土産屋さんがあったから。行ってくるね!」
そう言うや、ユカは走って行ってしまった。
(相変わらずっていうか・・・全然変わってないなぁ、ユカさん)
むしろ磨きのかかったアクティブぶりに、タケルは呆然としてしまう。
「どうする?ユカが帰ってくるまで、少し時間あるけど・・・」
確かに、寺と駅を往復すれば、三十分以上はかかるだろう。
「僕は、特には・・・・・・」
「そう?だったら、まだ見てないところ行ってみようか」
「え?そんなとこ、あったんですか?」
「うん、さっき回ってるときに見つけたの。ホラ、ユカがいないうちに、
二人だけの秘密だよ」
レイは悪戯っぽく笑って、タケルの手をとり歩き出した。

この数時間。
二人と一緒に過ごして、タケルは彼女たちの関係が何となくわかった。
明るく、元気で、活動的なユカ。
落ち着いた大人の雰囲気を漂わせるレイ。
対称的だが、とても仲が良い。ユカが引っ張り、レイがブレーキをかける、
といった感じであろうか。

「なんか、薄暗いところですね・・・」
レイに連れられて、タケルは呟いた。
最初来たときは気づかなかったが、細いわき道があり、そこを抜けると
別の小さなお堂があった。
「ええ、そうね・・・」
ぼんやりとお堂を見つめるタケル。
その背中へぷにっと柔らかい感触がつぶれた。
「ひぃ、えっ!?」
何が起こったのかわからず動揺する少年を、レイは背後から抱きしめた。
「ふふ・・・タ・ケ・ル・く・ん♪」
「え?・・・あ、はぅ・・・・・・れ、レイさん・・・」
熱っぽい吐息を首筋に感じ、へなへなと力が抜けてしまう。
ぎゅっと抱きしめられた背中には、豊かな乳房が密着していた。
「ちょ・・・なにするんですか・・・」
「タケルくんは・・・彼女いるの?」
「ぃ、いません・・・・・・」
「好きな子はいるでしょ?同じクラスの女の子とか」
「・・・・・・は・・・はい」
「ふ〜ん・・・ふふふ・・・・・・」

レイは抱きしめながらカラダをくねらせ、股の間に足を割り込ませる。
短パンからのびた生足が、タケルの足に擦り付けられた。
彼女の艶かしい動きにタケルは蕩けてしまう。
「・・・だったらぁ、その娘を思って、オナニーしたことも、あるんでしょう?」
耳元に口を寄せてささやく。
「ぁ、はあっ・・・そ、そんな・・・あ、あうっ・・・」
Tシャツの下に潜り込んだ魔の手が少年の胸をいやらしく撫で回し、乳首をクリクリ弄くる。
さらに、首筋や耳たぶへキスをまぶしつつ、生温かい舌を這わせた。
「んふっ、シてるんでしょ?・・・女の子の名前叫びながら、妄想の中で犯しながら、
おちんちんをシコシコしてるんだよねぇ・・・」
美人のお姉さんに後ろから抱きしめられ、エッチな悪戯と淫靡なささやきを受けている。
タケルのまだ幼い理性には強すぎる刺激だ。
熱い舌と唇の感触は首筋をぞくぞく悶えさせ、スラリと長いが肉付きの良いムッチリした太股
がタケルの細い足に絡みつく。
指先が乳首を弾くたびに妖しい快感を生み、豊満な乳房は押し当てられている背中を
蕩かしてしまいそうなほど柔らかかった。
「んぁっ・・・・・・ふあぁん・・・あ、ぅん・・・」
レイもまた少年の痴態に興奮しているのか、頬を赤く染めながらタケルを責め続けた。
それがさらに愛撫を激しく、快感を幻惑的なものにしていた。

「こんなに大きく、固くしちゃって・・・いやらしいね・・・」
いつの間にか、レイの手がタケルの股間を撫でていた。
カチャカチャ、という音と共に、ベルトが外され、ズボンとブリーフが下ろされる。
亀頭の半ばまで皮を被ったペニスが露出した。
「・・・れ、い、さん・・・こんな、ところで・・・」
寺社という聖域の中で淫らな行為に及ぶ背徳感が興奮をいや増す。
「ふふっ・・・タケルくんのおちんちん、仏様に見てもらおうね・・・」
羞恥に悶えるタケルを愛でながら、レイは妖しく微笑む。
そして、彼の身体をお堂に向けると、優しくペニスを扱き始めた。
再び女性に肉棒を握られる悦びに、タケルはうっとりとなる。
「どう?気持ちいい?」
「は、はい・・・・・・とても、きもち、いいです・・・」
「そう・・・・・・でも、今イッちゃうと、お寺にかかっちゃうね」
「え?」
タケルとお堂の距離は五、六十センチほど。少し勢いが強ければ精液がかかってしまう。
「仏様、どうするかな?罰が当たって、タケルくんのおちんちんを二度と射精出来ない
ようにしちゃうかもね〜」
クスクス笑いながらとんでもないことを言う黒髪の美女。
「そ、そんな・・・あぁっ!い、イッちゃうっ・・・やめ、やめてください!」
もちろん彼女にやめる気配はない。むしろ、少年の裏返った喘ぎ声を
心地良く聞きながら、指の動きを速めていく。

「もぉ、女の子みたいな声出しちゃって・・・ユカは『男っぽくなった』って
言ってたけど、本当はタケルくん、女の子なんじゃない?」
「ふぇ・・・え、あぅ・・・ぼくは・・・はぁんっ・・・・・・んっ、おと、こ・・・」
「うふふ・・・おちんちんの生えたエッチな女の子・・・・・・さぁ〜て、いつまで耐えられるかな?」
レイは意地悪く、玉袋をこちょこちょくすぐって射精を促してくる。
気を張り続けていなければ暴発してしまいそうだった。
(あぁっ、もう、もうダメだよ・・・・・・い、イッちゃうっ・・・ん、うぅ・・・)
ペニスはピクピク震え、尿道からひっきりなしにカウパーが溢れている。
銃身に精液の弾が込められ、引き金を引かれるのは時間の問題であった。
「はうぅっ!い、イクう!」
「はい、ストップ」

射精寸前でレイはペニスを扱くのを止めてしまったのだ。
あと一コキというところで寸止めされ、タケルのペニスはむなしく空打ちする。
「よく我慢できたね。偉いよ、タケルくん」
限度をはるかに超えた快楽に責められ続けたタケルは荒く息を吐きながら呆けていた。
お堂に精液をかけずにすんだのは良かったが、どこか残念な気持ちもある。
しかし、そんな複雑な感情はレイの次の行動で吹き飛んでしまった。
「・・・うふふ、それじゃあ、ご褒美にもっと気持ちのいいことしてあげるね」
レイはタケルの身体を反転させてお堂の壁にもたれかけさせると、
その足元に膝立ちになった。
「・・・?・・・ふ、ふぇ・・・?」
惚けながら怪訝な表情をするタケル。
淫乱な美女は頬にかかる髪を掻き上げ、色っぽい唇を肉棒に近づけていた。
「うぅ〜ん、イイ匂い・・・いただきま〜す」
不安そうなタケルの視線を感じつつ、親指と人差し指で勃起ペニスを挟む。
そして、パックリ亀頭を口に含んでしまった。

「・・・・・・うっ、はぁっ!」
熱く濡れた口腔に男性器が包み込まれる。
手コキとは違う快感が少年の身体を震わせた。
じゅ、じゅる・・・くちゅくちゅ・・・・・・ぷちゅ、ちゅ・・・
「や、やめてっ・・・きたないよ、くちで、なんて・・・あぁんっ」
タケルはまるで犯される処女のように悶え乱れる。
ちゅぅ、ちゅっ・・・じゅる、じゅるじゅるじゅるぅ〜・・・
「・・・あふぅ、ぁん・・・す、すわないでぇっ!・・・・・・」
レイの肩をつかんで引き剥がそうとするが、ひっきりなしに送られてくる
快感のために力が入らない。

(だ、だめ・・・まずいよ・・・・・・い、イッちゃう・・・)
さっきまでの手コキだけで限界だった彼に、もう耐えられるはずがない。
黒髪の美女は頭を左右に振りながら容赦なく責めたててくる。
(うぅ・・・お、おねえさんの、くちのなかで・・・で、でちゃうよぉ・・・)
唇が竿を挟んで扱き上げ、舌が裏筋を舐め回す。
「ふふ・・・ひもひいいほ(気持ちいいの)?」
「ひゃぁ・・・あぁっ、しゃ、しゃべらないでぇ・・・」
舌が動くたびに悲鳴をあげるタケル。
「ひゃあ、ひょほへはほ(じゃあ、とどめだよ)」
いっそう濃厚に、激しくなるフェラチオ。
少年のイチモツは完全に射精態勢へ入っていた。
そして・・・・・・・・・。

つうぅ・・・・・・
「ひぃっ!!・・・あぁぁ〜〜・・・・・・」
びゅるびゅる、ドクドクッ、ビュ、ビュゥ〜〜
トドメとばかりにレイの指がタケルの尻を撫で、口腔の中で肉棒が炸裂した。
次から次へと溢れてくる精液。
あれだけ我慢した後なのだから、当然だろう。
自慰では得られない、想像を絶する悦楽で、タケルの表情は完全にイッてしまっていた。
「・・・・・・はぁ・・・あぁ・・・ふあぁ・・・」
射精は一分ほど続いた。
ごくごくと飲み干すレイだが、それでも洩れて砂利に落ちるほどの量であった。
「うふふ・・・ごちそうさま♪」
年上の女性の口を汚した嗜虐感と、支配され何かを吸い取られたような被虐感。
それが混ざり合って、不思議な感覚の中にタケルはいた。

「もうっ!遅いよ!二十分近く待ったんだからね」
「ゴメンゴメン・・・」
タケルとレイが戻ると、ユカは既に帰って来ていた。
「携帯にかけても出ないし・・・どこ行ってたの?」
ジロリと睨むユカ。
「そ、それは・・・・・・」
「ヒミツだよねー、タケルくん?」
レイは意味深な笑みを浮かべて言う。
「え?・・・あ、はぁ・・・」
「うわー、ムカツク!人にお使い行かせて、二人で楽しんでたのね!
タケちゃん、お姉ちゃんを裏切るなんて・・・うぅ・・・」
おいおい嘘泣きするユカに、レイはニヤニヤしながらタケルに抱きつく。
「ダメよ、タケルくんは私のものなんだから。ユカでも渡せないわ」
「フーンだ、こうなったら思いっきり案内させてやるんだから!」
(・・・な、なんか・・・とんでもないことになった・・・かも)

「ふぅ・・・・・・疲れた・・・」
夕方、三人はホテルに着いていた。
部屋は広く、落ち着いた和風な装いが心地良い。
窓からの眺めも、黄昏時の山景色が美しかった。
それなのに、タケルたちは美景に見向きもせず、ぐったりしている。

案内役となったタケルだが、小さな町であるし、見る場所も限られているので
大したことはないと鷹をくくっていた。
しかし、それはあまりに楽観的な考えであった。
やたらとテンションの高いユカに引きずり回され、劣らず元気なレイにからかわれる。
少年は、終始お姉さんパワーに圧倒されっぱなしだったのだ。

「・・・そろそろ、温泉に行こうか。六時半から夕飯って言ってたし」
「そうだね〜・・・・・・」
べったり畳に寝そべって返事をするユカ。
動くだけ動いて、エネルギーを使い果たしたらばたんきゅう、という性格は
昔から変わってないんだな、とタケルは思う。
「ほら、ユカさん。立ち上がって」
「タケちゃんおぶって〜・・・」
「えぇっ!?」

温泉はよい湯加減で、旅の疲れを癒してくれた。
夕暮れの涼しい風を感じることが出来る露天風呂。汗を流す蒸し暑いサウナ。
タケルは温泉を満喫しきり、浴衣に着替えてコーヒー牛乳を飲んでいた。
(いろいろあったけど、来てよかった・・・)
夏休みであるのに、旅館に人は少なかった。お盆を外しているのと、
『木玉』のように小さな温泉町はあまり流行らないせいだろうか。
彼の他に温泉に入っていたのは、中年の男性が三人と、五歳くらいの男の子だけだったし、
ロビーにも人は数えるほどしかいない。
タケルはコーヒー牛乳を飲み干すと、売り場の棚にビンを戻した。
鍵はレイが持っているので、一人で部屋に帰ることも出来ず、のんびり待つことにした。

「・・・・・・・・・」
ユカとレイはなかなか出て来ない。
女湯の様子を想像して、思春期の少年は胸を高鳴らせた。
それに伴って脳裏に浮かぶのは昼間の出来事。
電車での、二人がかりの愛撫。
寺での、レイによる手コキ、フェラ。
性に関する興味が薄かったタケルには強すぎる刺激だ。
(ふぅ・・・・・・変な気分になっちゃう。別のこと考えよう・・・)
正面にある掲示板が目に入る。
『午後十一時から午前二時まで 混浴』
(・・・こ、こんよくっ・・・・・・いや、落ち着こう。僕がユカさんたちとお風呂に
入るわけないじゃないか。・・・と、言うか、一緒に入ったりなんかしたら、
鼻血が出ちゃいそうだよ)

「あ、ごめ〜ん。遅くなっちゃって」
女湯ののれんをくぐって二人が出てきた。どちらも浴衣姿だ。
(うわぁ・・・なんか、すごく色っぽい・・・・・・)
白くきれいな肌が火照り、濡れた髪がいつもと雰囲気を変えている。
流れる汗で女の匂いがいっそう濃くなり、傍にいるだけでクラクラしてしまう。
昼間の服装と違って胸の谷間や太股が露出されることはないが、時折着物の隙間から
チラッと覗く肌が男の欲情を誘う。
タケルは、風呂上りの艶姿に見惚れてしまった。
「どうしたの?部屋に戻って夕食にしましょう」

座敷には既に夕飯の料理が並べられていた。
山に囲まれた温泉町だけあって、山菜などの汁物や川魚の塩焼きが美味である。
夕食は三人でにぎやかに進んだ。
デザートを食べ終えると、片付けられて、布団が敷かれた。
しばらく布団の上に座ってしゃべったり、ゲームをしたりしていたが、
明日も早いので寝ることになった。
「僕・・・真ん中ですか」
布団の配置でタケルは驚いた。
ユカとレイが並べられた三つのうち早々に両側を取ってしまったのだ。
「どうして?何かおかしい?」
電車での出来事を思い出させる構図だ。
(ひょっとして、襲われる?・・・・・・いや、いくらなんでもそんなことは・・・)
電灯を消し、三人は床に就く。
しかし、まだ何か起こりそうな夜であった。