如月真夜理さんは少し恐い人だ。
思い込みが強く、自分が「こう」と決めた事があると絶対に譲らない。
本当かどうか分からないけど空手の黒帯も持ってるらしい。
『怒ったら恐いんだよ』とよく僕を脅す。
友人も少ない…と言うか僕以外の人間と親身にしているところを一度も見た事が無い。かと言って性格は暗いわけではなく寧ろ明るい方だ。
友達がいないのは自分が興味を持ったもの以外は全く相手にしない性格のせいだろう。
だが容姿も頭も人並みはずれて素晴しい真夜理さんの事を周囲は偏見と憧れをこめてこう呼ぶ。『マヨイさん』と。

「ねえ?こう言うのはどうかな?」

自転車の後ろに乗っていたマヨイさんはそう言うと、僕の突然腰に回していた腕を股間に滑らせた。
ズボン越しにマヨイさんの手の感触がペニスに伝わり僕は急ブレーキをかけた。転倒しかけたが僕は片足で何とか踏ん張り自転車を静止させた。
マヨイさんはと言うとふらついた自転車から難なく飛び降り、僕の顔を興味深げに見ていた。


「いきなり、外でされるのってどうかな?」

危ないと言う僕の意見など我関せずマヨイさんは再び聞いてきた。
僕の困った表情を確認するとマヨイさんはニイッっと笑った。
顔に亀裂が走ったな何処か不気味な笑い方だ。

「こっちおいで」

マヨイさんは首を傾けると側にあった公園に入っていく。
こうなったらもう駄目だ。僕は諦めて後を追った。
マヨイさんと付き合うようになってからと言うもの、何度と無く似たような事があった。僕がどんなに拒否しようがマヨイさんは自分の意志を貫く。したいようにするのだ。僕は弄ばれるしかない。
マヨイさんは僕が困ってるのを見るのがとても楽しいのだと言う。
それに僕自身も困るとは言え、マヨイさんの行為が嬉しくないわけが無い。
僕だって男だ。
マヨイさんはとてもスケベだ。マヨイさんと付き合い始めて、
僕は童貞だった半年前では考えられないほど性的な行為をしていた。
殆ど毎日のようにだ。とは言っても普通の恋人同士がするような『H』は一度もした事は無い。何処か変態的な行為を、僕が一方的にマヨイさんから受けるだけだ。

「誰もいないのか…ちょっと興ざめ」

マヨイさんは公園を見渡すとベンチを発見しそこに座った。そして木で出来た小さな机を挟んだもう一つのベンチに座るよう僕に目で指示した。
諦めと仄かな期待が混じった気持ちで僕はマヨイさんの前に座った。

「外でオチンチン出すとどうかな?やっぱりドキドキする?」

マヨイさんは言葉の意味を飲み込めていない僕の返答を待たず行動を起こした。
いつの間にか靴を脱いで裸足になっていた足を机の下から僕の股間へと滑らせ器用に指先でチャックを下ろす。そして足をズボンの中にこじ入れると、足裏で僕のペニスを軽く圧迫した。

「このまま出しちゃおうか?人が来ると見られちゃうかもね…」

マヨイさんは緩急をつけながら足裏をグリグリと押し付ける。冷たい肌の感触と甘い刺激で僕のペニスはどんどん大きくなっていった。

「随分正直ね…フフ、足でされてるのに感じちゃうの?気持ちいいの?
変態だね?そこが好きなんだけどね…フフフ」

マヨイさんはペロリと唇を舐めた。彼女がご機嫌な時に見せる癖だ。

「ねえ?出す?外で…オチンチン出してみよっか?『それ以外のモノ』も出させてあげてもいいよ…フフフ…」


YESなんて言える訳も無い。だがNOと言えるほど僕の意思は強くない。
黙っているとマヨイさんはまたペロリと唇を舐めた。
沈黙している、それは即ちマヨイさんに「好きにしてください」と言ったに等しい。

「んふ…いいのかな?思い切り恥ずかしい目に合わせちゃうよ?じゃ、頂いちゃうね?
君の可愛いオチンチン…」

一体どのように動いたのか理解できなかったが、マヨイさんが足を僅かに
動かしただけで僕のペニスは外気へと触れた。
その慣れない感触に机越しで見えないが、固くなりかけていたペニスに一気に血が
流れ始めた。

「さぁて、どうしようかねぇ?このまま足でしちゃおうか?それとも何かリクエストは
あるかな?どんなふうに気持ちよくして欲しい?」


マヨイさんは机に頬杖をつき、真正面から僕の顔を見据えてケラケラと笑った。
今、自分の顔を鏡で見せられたら死にたくなるだろう。そう思えるくらい情け無い顔を
している実感があった。
端から見れば年頃の女学生が後輩の男をからかっているようにも見えるだろう。
だが実際はからかっているなどと言う簡単な言葉で片付けられるレベルの問題ではない。

「このまま君の真正面の顔を見ながらして欲しいなら足で…真横で恥ずかしい言葉を
囁きながら虐めて欲しいなら手でって所かな…さて、どっち?」

どちらも魅力的すぎる提案だ。だが自分の口から「こうして下さい」とは恥ずかしくて
言えない。マヨイさんとしても僕の返答を期待してはいないだろう。

「流石にここで口で、生で…なんて言わないよね?私としてはそれも有りだけど…
君は一応、世間では普通人で通ってるでしょ?本当はこんな変態なのにねぇ?
くふふ、私と同じでね?」


「う〜ん…どっちも捨てがたいな…君の恥ずかしい顔を真正面から観察するか、
それとも私の声に反応して荒くなる呼吸を側で楽しむか…迷うね…」

やはりマヨイさんは僕の意見など初めから聞くつもりは無かったようだ。
真剣な表情をしながら僕の顔をじっと見ている。本気で迷っているんだろう。
そんなマヨイさんの顔を見て僕は思わず溜め息をついた。

「あっ!違うぞ?別に私だけが楽しもうなんて思ってるわけじゃなくて…
これはあくまでも君が喜ぶと思ってやってるんだ」

僕が呆れたような態度をとった途端、マヨイさんは慌てだした。
僕を困らせるのは大好きなマヨイさんだが、僕の態度が淡白なものになると非常に焦る。

「ほ、ホントだよ…?」

語尾が聞き取れないほど小さな声になりながらマヨイさんは、叱られた子供のような顔を
して僕の目を覗きこむ。マヨイさんは本当に可愛い。
そんなマヨイさんの姿をもっと見ていたいと思った僕は、わざとつまらなそうな顔を
しながらマヨイさんから視線をそらした。


「あ、ああ…ちょ、ちょっと待っててよ?」

マヨイさんはオロオロと辺りを見回すと突然走り出した。ペニス丸出しのまま置き去りに
された僕は唖然と走るマヨイさんの背を目で追う。
マヨイさんは公園に備え付けられていた自販機の前で立ち止まり何かを購入すると
すぐに戻ってきた。手には炭酸系飲料水が握られている。

「こ、これ!の、飲む…でしょ?」

マヨイさんは僕の前にペットボトルを置くともう一度僕の顔を覗いた。
泣きそうな表情になっている。僕がこのまま無言を貫き通せば本当に泣いてしまうかも
しれない。

「あ、蓋…開けておくね…?」

マヨイさんが蓋を捻ると『ブシュッ』と言う小気味いい音と共にペットボトルの中身が
外に向かって噴出した。走って来た為に激しくシェイクされていたのだろう。
マヨイさんはその直撃をもろに喰らってしまう。
その間抜けな様子に僕は無表情を貫けず思わず噴出してしまった。

「あっ・・・」

そんな僕を見て、マヨイさんの表情が曇る。演技していたのがばれたのだ。

「ふ〜ん。君って結構意地悪なことするんだ?私といい勝負じゃないか?」


マヨイさんは僕の真横に座ると僕の顔をグイッっと引き寄せ唇を奪った。
炭酸系飲料水の仄かな甘みが柔らかい唇越しに僕の舌に伝わった。

「思いっきりいじめてやるからね」

マヨイさんは可愛らしく微笑むとさらに体を寄せてきた。僕の肩に頭を預ける。
マヨイさんのクセっ毛から甘いいい香りがした。

「このジュースと同じような目にあわせてやるからね」

周囲からは若いカップルがイチャイチャしているだけに見えるだろう。
マヨイさんの声は小声で周囲には聞こえない。
だがその小ささがかえって耳を擽り、僕を興奮させた。

「わからない?中身を『ブシュッ』って飛び散らせてやるって意味だよ…」

マヨイさんは座ったまま僕の体側にある足を、僕の太股の上にあげた。
スカートが捲り上げられパンティが覗いた。ピンク色の薄い生地だ。
今の格好では僕だけではなく背後からも見られてしまうだろう。
僕はマヨイさんの腰に手を回すとさり気無くスカートを直し、
背後からパンティが見えないようにした。これならば余程注意してみない限り
マヨイさんの足が僕の太股に乗せられていると気づく人はいないだろう。

「ん?他の人に私のパンツ見せたくなかったのか?私のこと独占したいの?
ん?ん?どうなの〜?」

マヨイさんは周囲から気づかれないようにと行った僕の行為を何か勘違いしたらしく
酷くご機嫌になった。
まるでネコのように額を僕の顎に擦りつけて来る。
柔らかい毛がとても擽ったかった。

「ん〜。やっぱり君も男の子だよねぇ。私みたいな美人が側にいると一人占め
したくなっちゃうかぁ!えへへへへ」

締りの無い笑い声でマヨイさんは笑った。そして視線を僕の股間に移すと
太股の上の脚を僅かに動かし、膝裏にペニスを優しく挟んだ。

「いいよ?独占しちゃっても…ガチガチに心を縛って貰うの…私、好きだな」

最高に美しく、淫らな表情でマヨイさんは僕に囁いた。
同時に膝を上下に動かしながら頭だけ出したペニスにその手を被せる。

「足か手、どっちがいいって聞いたけどさ。これなら両方一緒に味わえるでしょ?」

マヨイさんの責めが始まると同時に公園の入り口から騒がしい声が聞こえて来た。
僕達の方向へ向かってくる一団がある…僕の体が緊張で硬くなった。

「うん?面白くなってきたね…そう簡単にイッちゃダメだよ?ふふふ…」


声の主は少年達だった。見たところまだ小学生だろう。手には野球道具を手にしている。
どうもこのまま通り過ぎていく気配はない。

「ふふふ。これで変な声出せなくなったね?あの子達に恥ずかしい所を見せようか?
いい年したお兄さんが女の人にオチンチン触られて喘いでるとこ…」

マヨイさんは足をクネクネと動かしながら笑う。
僕は喘ぎ声を漏らしそうになるのを必死に堪えながら冷静を装った。
だがペニスからは既にカウパー液が滲み、マヨイさんのムッチリとした太股を汚していた。

「誤魔化せるかな?ほら、あっちの子チラチラこっち見てるよ?呼んでみようか?
このお兄さん足と手でオチンチン苛められてイッちゃいそうになってるよ〜って」

冗談で言っているのだろうが、マヨイさんの事だ。
僕が困るのを見ていたら本気でやりだすかもしれない。

「今凄く可愛い顔してる。私好みの情け無い顔だよ?ねぇ、その顔のままキスしてよ。
嫌とは言わせないよ?子供達にオチンチン見られたくないでしょ?
この少し皮被ったオチンチン…あの子達とそう変わらないかもね?」


マヨイさんはクスクス笑いながら自分の唇をツンツンとつついた。
『キスして』とアピールしている。これを断ればマヨイさんはかなり機嫌を悪くするに違いない。
機嫌を損ねたマヨイさんは手がつけられなくなる。
何をするか分からない…子供達を呼ぶくらいでは済まないに違いない。

「唇に触れるだけのキスじゃやだよ?私の舌を絡めとって、私の涎を吸いながら…私に唇を重ねて…」

マヨイさんは目を瞑り顔を僕の方に向けた。子供達の視線が僕らに集まる。
恥ずかしくて堪らなかった。でも、マヨイさんに逆らう事は出来ない。

「ん…」

マヨイさんが可愛い声をあげた。同時に子供達も歓声をあげる。
口々に僕らを囃し立てる声が聞こえる。
僕はマヨイさんの舌に自分の舌を絡め、唇を啄み、溢れる唾液を啜った。
マヨイさんも僕の唾液を飲み干している。目を閉じたまま、体を僅かに震わせている。

「キス…上手くなった。でも…」

僕が唇を離すとマヨイさんは名残惜しそうに言った。
そして今度は自分から激しく唇を合わせてきた。僕がやったのと同じように…だが激しさはまるで違う。
『精気』と言うものがあるとするなら、それを根こそぎ吸いとるかのような激しさだ。


「私に責められる方が好きでしょ?ほら、好きって言って?私の事が好きって…」

マヨイさんはいつもこうやって僕を激しく責める時、いつも僕の愛を確認する。
その瞳の奥は、いつも何処か悲し気に光っている。僕はそんなマヨイさんが堪らなく好きだ。

「私は君の事が好きだ。この世界で一番好き。君以外の人間なんてどうでもいい。
君が好き。君だけが好き。他には何もいらない…」

マヨイさんの足と手のひらが一層激しく動く。
僕の中身を全て搾り尽くそうとする容赦のない動きだ。もう耐えられそうにない。

「イクの?私の足でイクの?それとも私の手でイッちゃうの?ほら、出しちゃうよ?
いいの?こんな場所で無理矢理射精させられてもいいの?みんな見てるよ…?
みんな見てる前で私にイカされるんだよ?ほら…抵抗しても無駄だよ?
もうイカせちゃうから…君は絶対に射精を堪える事は出来ない…ふふ…」

マヨイさんは僕の耳に息がかかるほど唇を近づけて言った。

「イク時はちゃんと言うんだよ?私の顔をしっかり見ながら射精するの。
君がイク瞬間の恥ずかしい顔を私がしっかり見ていてあげるから…
ほら、もう出しな?搾りとってあげるよ…我慢できなくてお漏らししちゃうんだよ?」

マヨイさんが僕の目をじっと見つめた。キラキラと光る黒い瞳が僕の情けない姿を映している。
僕の全てをマヨイさんに見られている…支配されている。
足元に白球が転がって来た。子供達が投げ損ねたのだろう。
その瞬間、マヨイさんの膝が強く閉じられ、手のひらが亀頭を激しく撫で回した。

『イ…イクッ…』
「いいよ。全部私が食べてあげる。君を私に頂戴…」

僕は小声で叫んだ。そしてマヨイさんの唇が大きく開かれるのを見た。
マヨイさんは僕のぺニスが絶頂に達する寸前で足を地面に戻すと、体を折り曲げ、僕の股間に顔を被せた。
ぺニスが僕の視界から消え、代わりにマヨイさんの後頭部が現れる。
と同時にぺニスが生暖かく、ぬめった何かに包まれる。一瞬で僕のぺニスはマヨイさんに食べられていた。
マヨイさんの口内に閉じ込められたその瞬間に舌がペニスに巻きつき、精液を搾り出してしまった。
ほんの一瞬の出来事だった。

「んっ…凄く濃い…ホントにお漏らししたみたい…くふふ、射精させちゃった…」

体がビクビクと震え大量に精液を吐き出す。
その間、マヨイさんはずっと僕のぺニスに吸いついていた。
一滴残らず飲み干すとマヨイさんは足元にあった白球を拾い立ち上がった。
白球が白い放物線を描くのを、僕は呆けた頭のまま見つめていた。


「さ、帰ろうか?」

マヨイさんは唇の端についた白い液体をペロリと舐めとると、少し恥ずかしそうに笑った。

マヨイさんとの話はまだまだ沢山し、これからも増えていくだろうが、
今回はここまでにしておこうと思う。