ルーヴェル(エルF4銀)×アリア(ヒュムF4黒)
「ふ…ああっ、ルー…ヴ」
ほの暗い部屋の中に、甘い声が響いた。街で過ごす夜は、たいてい二人一緒の部屋でこのまま朝を迎える。
鎧の繕いや荷物の片づけで手間取るアリアを、焦れたルーヴェルが寝台に引っ張り込む。それがいつものパターン。
背後から抱きすくめている娘を、愛おしげに見つめる水色の瞳の奥には、激しい男の情欲が渦巻いている。
白い胸元をまさぐる長い指が、桜色の先端をくいと捻った。アリアの体がびくんと跳ねて、ルーヴェルを愉しませる。
滑らかな肩口に唇を落としてきつく吸い上げ、紅い印を散らす。もう片方の手はすでに彼女の秘所に潜り込んでいて、
しっとりと溢れた蜜をすくっては塗り広げる。くちゅっ、と濡れた音がそこから響いて二人の鼓膜を震わせた。
「んん…ん……っっ」
頬を真っ赤に染めて、ルーヴェルの行動を受け入れるアリア。漏れる吐息を止められない。はあっ、と悩ましげに
息をつくと、すかさず耳を甘噛みされる。彼の行動は、的確に彼女を高みへと押し上げる。そして、悶えるその姿が
ルーヴェルを奮わせる。腰の当たりに、ルーヴェルの滾るモノの存在を感じて、アリアの体がかあっと熱く
なった。彼が自分を、求めてる。
「いいな?」
答える前に、ルーヴェルの両手が彼女の腰を掴んでぐいっと持ち上げた。降ろされた先には、張りつめきった
欲望が待ちかまえている。潤った花園の入り口にあてがわれたそれが、アリアの体内に侵入を果たした。
「はうんっ!……あ…あー…っ!」
熱い塊が、彼女の荷重に助けられるようにして狭い中を突き進む。ぎゅうっと閉じた瞼から、涙が滲む。
最初のこの感覚だけは、アリアは慣れることが出来なかった。痛みを訴えないように、唇を噛みしめる。
エルヴァーンとヒュームでは体格差がありすぎるから、どうしてもその苦痛だけは消せないのだ。
ルーヴェルもそれが分かっているから、挿入の時はできるだけ慎重に体を動かす。
びく、びく、と震える体から伝わる振動が彼の理性を激しく揺さぶるが、ルーヴェルはそれを鉄の意思で押さえ込む。
荒い息を付いて、アリアがルーヴェルの胸に背中を預けた。緊張がほどけて、あとは惰性が彼の分身を飲み込んだ。
彼女が呼吸する度、男の脊髄を強烈な快感が、がんがんと駆け昇る。甘く激しい劣情が、ルーヴェルを別人の
ように燃えさせた。手を伸ばして、自分とアリアの繋がる部分に触れてみる。
ふたりがひとつになっているのを確認するかのように。
「ルー…ヴ……」
切なげに、娘が男を呼ぶ。ルーヴは流れる蜜をすくい取ると、自分の分身に塗り広げた。その行為すら、
アリアにとっては耐え難い刺激になるのか、彼女は下唇をきゅっと噛んでふるふると震えている。
「アリア…もう、止めないぞ…」
ようやく、男は行動を再開する。腰を突き上げるようにして、彼女の中をまさぐる。
「…やっ?…う、くっ!ん、んふっ、あ!あっ…!」
押さえていた声が、ひときわ高くなって吐き出された。苦しげな声が、やがて艶を帯びたそれへと変化してゆく。
動く度、アリアの柔壁が熱い塊をすり立て、ルーヴェルに強烈な快感をもたらした。
「ルーヴ……あつい………!」
もう大丈夫。ひとかけらだけ残った理性が男にそう囁きかけた。それが引き金になり、彼は本能のしもべとなる。
「ああああっ!」
突き上げられる度、溢れる声。溢れる蜜。それがルーヴェルの欲望にまとわりつき、彼をますます激しく振る舞わせる。
しなやかな体がのけぞる。逃すまいと絡められた長い腕が、綺麗な獲物を抱きすくめる。白い手が縋るように
彼の腕を掴み、日焼けしたその肌に形の良い爪がきゅっと食い込んだ。
「はふ…あんっ…あ…あう…っ…」
「く…アリア、アリア…」
とろけるような声と、くちゅくちゅと響く湿った音。それが部屋を満たして彼らを包み、二人だけの空間が完成する。
「あ……」
体内に放たれた熱い欲情を感じて、アリアがぶるっと震えた。やがて、彼女もくたりと脱力する。
「顔…、見えない」
焦れたようにそう呟くルーヴェルが体勢を変え、一度体を離すと、アリアを仰向けに横たえた。額に軽くキスを
落とすと、膝を割って手を滑り込ませ、長い指を秘所に滑り込ませてかき乱す。
二人分の体液が、淫らな音と共に彼の指へからみついた。
「やあああっ…!」
新たな快感と羞恥で、アリアは悲鳴を上げた。足の指がひくひくと痙攣している。
溺れそうな誘惑と、ひとかけらの理性のせめぎ合いで悶えるその表情を、
ルーヴェルは熱に冒された瞳で見つめた。
それは、彼だけに許された密かな楽しみだった。目を開けてくれ、とルーヴェルは囁く。
潤んだ瑠璃の瞳が、それに応える。
愛して止まない、深い蒼色が彼の心を射抜き、男を再び奮わせた。
指を引き抜くと、宝石に魅せられた鑑定士のように、彼は白い瞼に顔を寄せ、唇を落とした。
こぼれそうになる涙を吸ってやる。
「いじわる…」
焦らされているのがわかったのか、アリアが涙声で抗議した。両手で胸を隠すと、抵抗するかのように足を閉じる。
あまりいじめると、彼女が本気で嫌がるから、ルーヴェルはいつもぎりぎりの所でそれを見極める。
一度だけ、本当に怒らせてしまい、2週間以上もお預けを食らってから、彼は尚更慎重になった。
あの時の辛さを思いだし、ルーヴェルはふと苦笑する。その後、三日間彼女を離さずにいて、充分意趣返しはしたのだが。
胸から手を離させると、固くしこった先端をちゅっと音を立てて吸った。それから自分の掌で覆ってしまうと、
パン生地をこねるように押し包む。温かな膨らみが、彼の指先一つで形を変えるが、みずみずしい弾力がすぐにそれを
元の姿へと戻してしまう。その繰り返しを、彼はゆっくりと楽しんだ。穏やかな愛撫を、アリアがうっとりとした顔で
受け入れる。手を離すと、彼女は少し残念そうな顔をした。そろそろ、ルーヴェルの方が限界だ。
膝を割って腰を滑り込ませ、再び張りつめた分身をゆっくりと挿し入れた。くぅっ、とアリアの喉が鳴る。
躰全身で、愛おしい娘の中に分け入る行為が、彼に罪悪感と征服欲と、どうしようもない愛おしさを感じさせる。
「アリア…くそっ、だめだ…!はっ、はああっ…!」
凶暴に暴れ回る劣情を、ルーヴェルは押さえきれない。
自分の胸の下で、小柄な躰が寝台と一緒にぎしぎしと揺れている。
もう、何度登り詰めたかわからない。それでも、怖ろしいまでの欲求が、際限なく彼を突き動かす。
「んっ、あふっ!…るー…ルーヴ、ダメ…ダメよ、こわれちゃうっ…!」
滅茶苦茶に貫かれながら、途切れそうな息の下でアリアが辛うじて声を上げる。
「…あああっ…あ…ルーヴ、ルーヴ、ルー……!」
何度も達し、焦らされ続けた白い全身が、きゅうっと硬直した。締め上げられて、ルーヴェルも一瞬意識が飛びかけ、
再び欲望を解放する。しばらくして、汗ばんだアリアの体がふっと脱力した。呼吸が浅い。
繋がったまま、ルーヴェルは額に浮かんだ汗をぬぐった。息をする度上下する、柔らかな胸元を眺め続ける。やがて、
力無く身動きする恋人の姿に、解放したばかりの劣情が刺激され始めた。自分の中の、ルーヴェルの欲望がまたしても
狂った熱と堅さを持ち始めたのを感じて、アリアがひくっと息を飲む。
「すまん…」
己を抑制できない男に、女は首を横に振った。
「…いいの、ルーヴ。もっといっぱい…ちょうだい」
アリアはルーヴェルの首に腕を回して縋り付いた。彼の心の奥に巣くう焦燥感、それが、彼女にも伝わっている。
夜が明ければ、三国をも巻き込みかねない恐ろしい戦いが始まる。
誰にも知らせられない、仲間同士でしか乗り越えられない、命をかけた戦いが。
「明日から…しばらく出来なくなる、よね? だから…」
甘い吐息が男の耳をくすぐった。怖い、と彼女は決して言わない。
我慢しているのだと、彼には分かっていた。
だから尚のこと切ない。愛おしすぎて気が狂いそうになる。
お前だけ、見てる。何があっても、お前だけは離さない。どんな辛い現実が待っていようとも。
「…今夜は、眠れると思うなよ。アリア」
「…うん」
胸の内の激情を、違う言葉にして、ルーヴェルはそう囁いた。アリアが、素直にそれに応える。
唇が重なる。軽く触れたかと思うと、今度は深く口づけあった。片方の舌がもう片方のそれをからめ取る。
乱れきった寝台の上で、彼らはいつまでも互いを求め続け、それは止む事がなかった。