興味
おれはAFを取るためにオズトロヤに向かった。リビングキーをわんさか用意したのは内緒だ。
程なくオズにつき30分ほどうろつくと、コッハーが目の前に沸いた。
あけようと歩み寄ると、前方よりものすごい勢いで走ってくる気配がし、
正面でぶつかった。
「痛ぁ!」
「いて!」
二人がぶつかってる間に、後からきたシーフに空けられてしまった。
「あ・・・とられちゃった・・」
声の主はがくっと肩を落とした。ミスラだ。
なんとなく悪い気がして
「わるいな」
手をさし伸ばす。
「いえ、こっちもぶつかっちゃ・・どこみてるんですか!」
ん?俺は気にしなかったが彼女はパンツを見られてると思っているらしい。
こちらに注意を払いつつ立ち上がる。もちろん手を掴んでくれるはずもない。
「はぁ?わるいけど興味がなくてね」
「あー次は一時間後か〜」
無視かよ、まあいいさ。
「よければとっておきのトコ知ってるけど?」
「どこどこ!?」
・・・・・。ため息をつくと俺は案内することにした。
「そこならモンスもいないから取りやすいぜ」
「へーそうなんだ」
彼女は少し笑顔をみせてくれた、が目が会うとそらされた。
「そこでまってな あけてくる」
「うん」
松明に点火、そして何事もなく扉をくぐる
「わーすごい シーフはそんなことが出来るのね」
軽く拍手された
暗号部屋にはいり、じゃあこれでと挨拶をすると
「あ ありがとう」
おどおどと周りをみまわしている。心配だな・・。
「なんか話でもしてまってようか?ひまだし」
最初は二人緊張してまともな会話はできなかったが
母国が同じ、レベルも近いなどわかるうちに自然と笑顔がうまれてきた。
「あはは、それからねぇ・・・」
「お!コッハー沸いたぞ!」
小一時間、たったのだろうか幸運にもこの場所に沸いた。
「わー、やった あけても・・・いい?」
「俺ならいつでもあけれるから あけるといいよ」
しっぽふりふりミスラはコッハーをあけ、見事タバードを手に入れた
「わーい みてみて!」
笑顔でタバードを両手で持ちクルクルとその場で回りだした。
俺はクスッと微笑みわかれをつげよ・・・うとしたら
「さてと着替えるかな♪」
「ちょっとまて 俺がいるんだけど・・」
「興味ないんでしょぉ?じゃ、いいじゃん着たとこ お礼に見せてあげる♪」
おれは恥ずかしくて顔を横に向ける、でも見たいかも・・・。
ブリガンをスルッと脱ぎはじめ、小麦色の背中が目にはいる。
ゴクリ
自分が生唾をのむ音を聞く。
「フンフーン♪」
上機嫌でタバードをながめる彼女。
細い、折れそうなほど細い足。
しなやかな、それでいてやわらかそうな腰。手を伸ばせばたやすく届きそうだ。
ふわりと 結っていた絹糸のような飴色の金髪がなびく。
背中越しにこちらをみる彼女はいたずらげに こう言った。
「あーみてるし〜」
・・・・・。
「ミ・・・」
「よーし着替え完りょ・・おわぁ!」
振り向く彼女をつい押し倒してしまっていた。
「う、いたた なにす・・」
「【ミスラ】【興味あります。】!」
「興味ないって言ってたにゃン!」
一緒に
オズでは一時GMを呼ばれるところまで行きかけた俺だが
猫赤(お好きな名前でどうぞ)をなんとか説得して、事体をなんとか治めることに成功した。
「興味あるなら言ってくれればいいのに〜」
「・・・・うむ・・。」
「うむって何よ、もう」
今ではフレンドになってしまった。かわいいし悪い気もしないのだが
いかんせん記憶がなくて困っている。(前話参照
ぶらぶらジュノ下層をうろついていると、
「あ 赤猫やっほー」
「暗猫さん こんにちはー」
知り合いだろうか 大きな鎌をしょった暗黒騎士と話を始めた。
「赤猫〜よかったらPTいかない?」
「ん ちょっと待ってね」
赤猫がこちらをみて どう?という顔をする。おれはうなずいた。
「いいよー いまシーフと一緒だけどいい?」
「む シーフ・・・」
何かまずいのだろうか?暗猫が表情をくもらせる。
「わかった赤猫。みんなHPにいるから先にいってて」
「え・・・うん わかった」
振り返り振り返り赤猫はHPへ向かっていった。
「さて 表へ出ようか?」
暗猫はあごでロランベリー指した。
午後の暖かい陽気のロランベリー。時折涼しげな風が吹いている。
なぜここに呼ばれたのだろうかわからぬまま 暗猫は立ち止まった。
「あんたにゃ恨みはない。私が嫌なのはシーフであること。」
そう言いつつ振り向き ピリピリとした空気に変わる。
「へー なんでシーフが嫌いなの?」
「騎士と呼ばれる私たちが連携の華、〆をシーフなぞに奪われている事が許せない」
「・・・・そんな事か」
「そんな事だと!」
暗猫は鎌を構え 険しい表情をする。
「どちらが強いかなどわかるとおもうが試させてもらう、構えろ」
「やれやれ どうやら言ってもわかってもらえなそうだね。」
いつの間にか風はやんでいた
「先手必勝!」
暗猫は鎌を片手に魔法を唱え始める バインドか!
「・・・空蝉壱!」
幻影が俺を包む そしてバインドを受け流す
「な くっ!」
同時に気流の渦が巻き起こりお互いの視界を遮った。
不意打ち!
隠れる!
おれは持てるアビリティを使い 暗猫の背後に回りこむ
「む どこに!?」
あたりを見回しすでに姿を隠した俺を探す。
・・・・チャキ
「おっと 動くなよ、ズドンと行くぜ」
「く くぅ!」
肩の力が抜ける暗猫 尻尾もきもち だらりとなる
「俺の勝ち だな」
「・・・・。」
「たしかに力強さではあんた達には遠く及ばない だがその力も当たらなければ
意味を持たない」
逆上するでもなく むしろ納得しているかのようにうつむき俺の話を聞いてくれている
「おれも仲間が 背中を貸してくれなければ仕事はできない それじゃあダメだろうか?」
「・・・・。」
スッっとバーゴネットに手をかけて脱ぎ去る。黒髪がサラリとロランの風になびく。
再び心地よい風が二人を包み込む。
「どうやら強くなることに夢中になって大切なことを見失ってたみたい」
コバルトジェリー色の瞳がこちらをみつめる。
「試すつもりが 逆に教えられちゃうなんて・・・」
「わかってもらえればいいんだ」
暗猫はコクリと頷く。
「あ みんなを待たせてた」
暗猫はビクッとそのことに気付く
「そうだったな 赤猫も心配してる」
「えっと・・・」
「こんな私とでよければ【一緒にやりませんか?】」
や やりませんか!? なにを言い出すんだ しかし周りにはだれもいない
「う しかし・・・」
「私は大丈夫だよ」
うぅいかん こんなかわいい子が誘ってくれている 据え膳食わねば男が廃る!
「いいかな? はやく玉だして」
・・・・玉だと うはwwwwwおkwwwww 意識が薄らいできた・・・
もうどうにでもなれと おれは暗猫に飛びついた!
「え あ ちょっとっ! 【そっち】じゃないにゃン!」