ミッションの完了報告をしに、久々にウィンダスに帰った。
天の塔でランク更新の手続きをして、報奨金をもらって、街に出る。
ちょうど祭りの時期らしく、仮装をした人で溢れかえっていた。
身につけているのはパッと見、ホンモノと区別のつかない位リアルなモンスターのコスチュームだ。
この地方じゃ見られないオークやクゥダフまであって、なかなか面白い。
ちょっと、着てみたいな。
目の前を通りかかった骸骨に頼むと、快くコスチューム一式を着せてくれた。
「街の外にでちゃダメだよ。…特にソレはシャレならないからね、本物と間違えられて殺されても知らないよ」
翼を軽くあげて『了解』の意を示すと、骸骨は鎌を担いで足早に去っていった。
…いや、殺されることは絶対ないんだけど。
池に身体を映してみる。長躯のヤグードが水面から僕を、じっと見ている。
確かにシャレにならないリアルな造形だ。
サルタバルタ近郊をうろちょろしてる駆け出し君になら、間違えられても文句はいえないな。
本物のヤグから見たらどうなんだろう?僕のこと人間だって気がつくかな?
うーん、試してみたい。
試しちゃおうかな?
ちょっとだけならいいよな?
善良な市井の人である骸骨との約束を破ることにちょっと罪悪感は感じたけど、好奇心には勝てない。
僕はヤグードのコスチュームを着て、サルタバルタに足を踏み出した。
結論からいうと、僕はこのあたりのヤグなら顔パスであることをすっかり忘れていたわけで。
かなり近寄っても何事も起こらなかったが、それが仮装の効果なのか顔パス効果なのかは全くわからなかった。
だからといってオズトロヤの奥まで持っていって試すのはリスクが高すぎる。万が一それで倒されでもしたら、いい笑いものだ。
悪戯心がわいて、そのへんで頑張ってる駆け出し君にも近づいてみたのだが、どうもヤグードは敬遠されるらしく、
ことごとく逃げられてしまった。リンクを警戒してるんだろうな。
「…つまんね」
しばらくウロウロはしてみたものの、そんな調子なのですっかり飽きてしまった。
木の陰に座って、カブリモノだけ脱ぐ。
頭が人間で身体がヤグード状態の僕を見て、駆け出し君たちがぎょっとする様を楽しみつつちょっと休憩。
サルタバルタはいいね。何ていうか、ジュノに比べて時間の流れがゆるやかな感じがする。
秋の空は快晴で風も穏やか。長閑な長閑な昼下がり。
そんな中、広がる草原のはるか前方から何かが走ってくるのが見えた。
……ヤグード?
目を、こらしてみる。
間違いない、ヤグードの集団だ。
少なめに見積もっても7、8匹はいる。先頭に1匹。少し離れて追いかける集団。
「だすげでぇぇぇぇぇぇ」
追いかけられている1匹が、くぐもってはいるけど、はっきりしたヒトの言葉で叫んだ。
1匹だけ丸腰のそいつは、よたよた走るところを他のヤグードに突付きまわされて、既に羽根がボロボロだ。
なるほど。ヤグードには仮装は通用しないって、ことか。…オズトロヤにいかなくてよかったよ。
僕は立ち上がった。タゲはがしてやらないと、死んじゃいそうだしな。
「【外ホルトト遺跡】【エリアチェンジ】【まってろ】!!」
走ってきたボロっちいヤグードに向けて叫んでからケアルとプロテスを撃ちこみ、すぐ側の魔法塔を指差す。
「ありがどぉぉぉぉ!」
そいつが羽根をぼろぼろ落としながら遺跡の中に走りこんでいくのを確認して振り返ると、追いかけてきた集団が眼の前まできていた。
あぁめんどくさいな、僕ガ系使えないから1匹ずつ叩くしかないか…。1匹1発でいけるかな?
追いかけてきた計11匹のヤグードを片付けて、魔法塔からホルトト遺跡に入った。
ホルトト遺跡はいくつも入り口を持つけど、この入り口付近は安全なはずだ。
動かずに待っていてくれれば、の話だけど。
「あ、あのぅ、大丈夫ですか…?」
入り口から差し込む光がギリギリ届くか届かないところで、声をかけられた。
陽の光の下にいたせいで目が慣れてなくて、あまり見えない。
しばらく凝らしていると、僕と同じ格好〜身体はヤグードで頭だけ人間〜の女の子が
ぺたんと座り込んで、こちらを見上げているのがわかった。
…やばい。顔を見て、そう思った。
狙ってるのか!というほど僕の好みの顔立ちの女の子。
具体的に言うと柔らかそうな髪の毛と、つるんとした肌と、長い睫毛にふちどられた
大きな眼と、ぷくっとした肉感的な唇がツボなわけだけど。
その、非常にそそるイキモノが、だ。
「ありがとう、ございました」
僕のことを少し警戒している様子を見せつつも気丈に礼なんか言ってくれたりするわけだ。
これは、グっときますよ?
「…ああ、僕は平気、無事でよかった」
できるだけ平静を装って返事をしながら、横に腰を下ろした。
ヤグードの巨大な爪を模ったハリボテのミトンを外しながら、彼女をよく、見てみる。
羽毛を模したマントはあらかた羽根が抜け落ち、黒い皮膚に見立てた布地もあちこち綻びていた。
特に右の脇腹から臍のあたりまでは大きく裂けていて、塞がりかけた傷口と白い肌が露わになっている。
…ダメだ。がっついた年齢でもないのに心臓がバクバクしてきた。
華奢な腰の線が丸みを帯びた腿が細い腕が、全部気になる。
肌から目を離せなくなっている僕には気づいていないのか、彼女は腰にくっつけていた小さい鞄の中を
ごそごそしはじめた。
「あのっ、私まだ冒険者になったばっかりで、お礼全然たいしたことできないんですけどっ…」
そういいながら石畳の上に、鞄の中身を広げていく。
炎栗が3つに10ギル玉が5枚、蜂の一刺しに絹糸にララブのしっぽが1つずつ。
あまりにささやかな中身に、思わず笑ってしまった。初々しくて可愛いなぁ…。
笑ったのを否定の意と取ったのか、彼女は困ったように頬に手を当てる。
「……だめ…ですか?」
僕にすがりつくような視線を向けてくる。
「でも、もう他には何も…」
今にも涙が溢れそうな蒼い眼に見つめられて、
「さしあげるものが、ないんです…」
理性の糸が切れた。
「アイテムもお金もいらないから」
僕の声は多分、上ずっていたと思う。
目を反らして正面から彼女を抱いて、耳元で囁く。
「させて?」
「…えっ……なにを…?」
少し時間を置いて、腕の中の白い耳から首筋までが見る見る紅く染まった。
「何をって」
言っている意味を理解したのか、ものすごい勢いで逃れようともがきはじめる。
「お礼、キミでいいから」
僕を押しのけようとする手首を掴んで石畳の上に押し倒した。弱体とか入れるまでもない。
怯えて震えはじめた身体にのしかかって、ボロボロになっているマントの留め金を引きちぎった。
借り物の衣装だけど、既に使い物にならないぐらい傷んでるから、まぁいいかなっと。
「やっ……ちょっ……!」
ヤグードの皮膚に見立てた黒い服は、ごく普通のシャツとズボンだ。
黒いシャツの裾を捲り上げて、邪魔な下着もずりあげると、薄暗い中に白い乳房が浮かび上がった。
「…困りますっ……っ……やめて……!」
片手に余る程の柔らかくて暖かい感触。掌と指に力を込めて握ると、彼女が身を固くした。
腕を必死に突っ張って、僕の身体を押し返そうとする。
「…さっきのヤグードの団体に突付きまわされて輪姦されてから殺されるほうがよっぽど困るとおもうけど…」
乳房を掴んだまま、根元から揺する。いびつに形が変わってユサユサ動くのがよく見えた。
そのままやわやわと揉むと、柔らかい肉が指に絡み付いてきた。
奥のほうにはしっかりした弾力があって、ぷるぷる弾んで、僕が触れるのを拒むみたいに押し返してくる。
「……それは……!でも……」
僕の言いがかりに近い理屈に動揺しながらも、彼女は時折身体をびくんとのけぞらせた。…感じてんじゃん。
反った喉に唇をつけて、舐めて、反応を楽しみながらさらに苛めてみる。
「まぁ、それが望みならギデアスの奥まで連れてってあげるよ?」
前髪を軽く掴んでまっすぐ目を見て言ってやった。…これでヤグのがいいって言われたらかなり凹むなぁ。
「……やだぅ……」
蒼い眼から涙がぼろぼろ溢れる。僕の胸あたりで暴れていた彼女の両手が、おとなしくなった。
「衣装借りるときに、外に出たらダメっていわれなかった?」
「……言われたけど……でも……街の中だけじゃ飽きちゃったし……」
いやまぁ、気持ちはわかるけどさ。外でりゃ危険がいっぱいよ?
「泣くぐらいなら、街の人がダメって言うことはしないことだよ、新米さん」
目の縁に溜まった涙を吸って、前髪を掴んだまま唇を塞ぐ。もう抵抗は、しなかった。
「……んっ」
舌先で割って、歯茎をつーっとなぞると、鼻に抜けた声を漏らした。
口腔の中を、ゆっくり嘗め回す。唇の裏、頬の裏、歯列。
口を開けさせて、舌をからめとって、じゅくじゅく吸う。
くちくちとくぐもった水の音がして、その度に彼女は小さく跳ねた。口の中でもそういうポイントが、あるらしい。
顎を押さえつけて逃れられないようにして貪りながら、胸の先端を指で弄る。
親指と人差し指で摘みあげてすり潰して、こね回していると、ほどなく芯を帯びた。
「勃てちゃって。イイの?」
こういうの指摘するの好きだから、唇を離して訊いてみた。爪先でぴんぴん弾きながら。
「………っ……く……!」
僕の上着をぎゅっと掴んで、必死に声出すの、我慢してる。あー堕としたい。っていうか絶対喘がせる。
「いいよ、誰も来ないと思うから声だしちゃいな?」
硬くなった乳首に爪を立てて、力を入れて捻った。耳たぶを口に含んで、舌で届くところを全部なぞる。
「…んくっ…あっ……ひあっ……やぁんっ……!」
彼女がたまりかねたのか、大きく喘いだ。眉をぎゅっと寄せて辛そうな、でもよさそうな表情で。
「ヤらしい顔して」
「やだっ……も……んっ…あぁぁっ……」
乱れて顔にかかった髪を漉いて、胸に触れていたほうの手を、そろそろと下に滑らせた。
滑らかな脇腹を撫でてちょっとくすぐってから、ズボンのホックを外して、下着の中に侵入する。
指先に髪とは違う質感の毛が触れ、さらに伸ばすと暖かくて湿った箇所に、届いた。
「………っ……?」
彼女が慌てて脚を閉じようとするのを、腿で割って入って、邪魔する。
いい具合に空間ができて、触り易くなったそこに、あらためて指を伸ばす。
開ききった襞は、ぬるりとした熱い液を溢れさせて、僕の指先を奥へ奥へと招き入れた。
「すごい、濡れてる」
探るように動かすと、ぐちゅぐちゅと淫らな音が響く。
奥のほうからどくどくと出てきて、指を伝って掌まで溢れた。
「はぅっ……んっ……あっ…」
羞恥から、横に背けた顔を無理に向き直らせて、。襞を擦ってかき回し、膨らんで剥けた肉芽を弄る。
「ひぁっ…!あっ あぁっ はぁぁっ!」
我慢できなくなったのか、押し殺していた声が弾けた。
細い腰をがくがくと上下させる様が、焦点の定まらなくなってきた潤んだ目が、啼き声が、
僕を誘って、急かせる。
彼女の下着ごとズボンを足首まで引きおろした。
濡れ光ったそこはだらしなく口を開けていて、赤みの濃い肉の色が見える。
奥のほうで膣口がひくひくと蠢いていて、とろとろと液を、垂れ流していた。
マントとハリボテの靴のついた中途半端な仮装のままなのが、余計にいやらしい感じがする。
僕は穿いているズボンのホックを外した。
膝を立てさせて、白い腿を大きく割る。
「……やっ…………!」
この期に及んでまだ逃れようと後ずさる腰を抱き寄せた。
「ホントは嫌じゃないでしょ」
…まぁ嫌っていわれても、僕もう我慢できないし。
どろどろになった中心に自身をあてがい、押し挿れる。
「はぁぁあぁぁっ………っ…!」
彼女の背中が弓なりに反った。身体が小刻みに震えて、白い胸がふるふる揺れる。
苦しげな表情とは裏腹に、ぷっくりした濡れた肉は僕の赤黒い器官を貪欲に咥えこみ、呑んでゆく。
火傷するんじゃないかって程熱い柔らかい壁が、ひたひたと締め付けてきて、眼の前が一瞬白くなった。
痺れるような怠いような快感がのぼってきて、それに衝き動かされるまま、彼女を責める。
「はぁんっ…あっ…んぁっ……っ…!」
遺跡の中に嬌声が響く。…そんな蕩けた顔して髪乱して啼かないでよ。僕のが余裕、なくなる。
入り口の襞と僕が擦れて、そこから聞こえる水の音でも、頭に血が昇る。
最奥まで深く沈めて腰を動かすと、柔らかい尻がぶつかって肉の弾ける音がそれらに重なった。
「……ぁ……っ…!やぁっ……んっ!」
胸と腰まわりだけはだけた身体が、激しくしなる。腕を僕の首から背中にまわして、自分で腰を揺らしてくる。
「ひゃああっ……!あぁっ!んくっ… っ あぁっ あっ っ!」
短い喘ぎ声と同期したリズムできつく緩く締め上げられて、腹の奥から滾った何かが昇ってくる。
欲がもう勝手に、滅茶苦茶に暴れまわって、手に負えない。抑える気にもならない。
「…はぁぅんっ……あっ……だめぇっ……イっ……イっちゃうぅっ……!」
耳のすぐ側で、切羽詰った吐息と獣じみた啼き声。それに煽られて、突きまくった。
「…イっていいよ…イっちゃいな……!」
…っていうかイっちゃってください。でないと僕が……!
「イっちゃ…イッちゃうよぉ…!あぁっ はぁぁんっ あっ はぁあぁぁぁぁあぁぁうっ…!」
彼女の内壁が激しく痙攣して、ものすごい勢いで締ってきて。
「………っ……!」
僕は呑まれたまま、爆ぜた。
こんなコトがバレたら、コツコツ勝ち得た名声も冒険者ランクも何もあったもんじゃないな。
果ててしまった彼女と繋がって寝転んだまま、、そんなこと頭のすみっこで、考えた。
顔を傾けると、四角く切り取られた石造りの入り口の向こうが、オレンジ色に染まっているのが見えた。
ああ、日が傾いて来てる。骨が沸く時間になる前にウィンダスまでこのコ送っていくか…。
ハリボテの手足とカブリモノを着けなおして、ぐったりしたままの彼女を背負って、遺跡を出た。
背の高さがだいぶ違うから、ヤグの親子かなんかに見えてくれるといいんだけど。
……ちょっと、無理があるかな。