「ふぅー、やはりクニの空気はうまい」
長い航海を終えて帰ってきた、故郷カザム。
湿った空気に混じった、甘い果実と人々の匂い。
船から降りて、港に己の足で立った時、帰ってきた実感がわいた。

東方装束に身を包み、肩にかけた麻袋、腰には大きな曲刀を持った彼女は、ちょっと名の知れた海賊の頭である。
様々な種族の入り混じった世界、ヴァナディール。
時代は弱肉強食。
魔法の時代、剣の時代、技術の時代と移ろう、時。
海原の上でかつてはミスラ達が秀でていたが、今や三国連合海軍を相手に苦渋の日々。
ミスラ族の標的は、隣接したウィンダスへと向けられた。

だが、ウィンダス代表からの申し出により、同盟を結ぶ事となる。
『我等の国、民に手出ししなければ、海賊行為全てを黙認しよう』、と。
これにより、実質の相手はバストゥーク海軍のみとなった。
とは言え相手は最先端技術国、楽な相手ではなかった。

奪ったお宝を金に替え、彼女・・・ゼリトはご機嫌だった。
襲った商船・・・とは言っても盗賊まがいの商人共の船だったが。
その中に東方秘伝の織物がたんまりと積まれており、その全てを持ち帰れた。
部下達の給料に色つけて払っても、まだまだ手元には金が残っていた。

部下を連れて露店を見て回り、次の航海用の薬材や食料等を買い込む。
ある程度回ると、部下にお使いの礼金をあげ、船に積んでおくよう命じた。
「次の航海は四日後にする、整備を怠るんじゃないよ。」
「了解です、アネゴ」
赤ターバンを巻いた若い海賊は、そう答えると港の方へと帰っていった。

「・・・・ふぅ。」

空を見上げ、大きく一息。
ようやく『お頭』の仕事を終えたゼリトは肩の荷が降りた。
「さてと・・・」
ゼリトは露店に立ち寄り、果物酒を買う。
宿で一杯やるかな、とつぶやく。
「あっ、ゼリトのアネゴ!」
聞き覚えのある声に呼ばれ、後ろを振り返る。
そこにはチュニックに身を包んだミスラが立っていた。
「ワッテか、何の用だ。私は航海を終えて疲れているんだ。」
ぺこぺこと頭を下げる、ワッテと呼ばれたミスラ。
「はいな、実はアネゴにお知らせしたい事がありまして。」
「下らない用件ではないだろうな?」
ゼリトは胡散臭そうな相手を見るような視線を、ワッテにする。
「へへへ・・・実はですね、ウチの店に・・・・」
ワッテはゼリトに近寄り、耳打ちをする。
するとゼリトの尻尾と耳はピン! と垂直に立ち、瞳は輝きだした。
「そ、その話は本当か?」
ワッテの肩を掴み、興奮しながら聞き返す。
「えーえー、本当ですとも。苦労したんですよぉ? ゼリトのアネゴのために、元締めを説得するの。」
「よくやってくれた、ワッテ。これはひとまずの礼だ、受け取ってくれ。」
懐から金貨を数枚取り出し、ワッテの手に握らせる。
「ありがとーございますぅ」
金貨をしまってゼリトに頭を下げる、ワッテ。
「早速案内してくれ。」
「はいな!」


カザム族長館の、真逆の位置にある広場。
周りは岩肌に囲まれ、少々暗く、そこには保安部の小さな小屋。
そしてその反対側に洞窟があり、奥へと続く道が作られている。
マッテとゼリトは奥へと進んでゆき、しばらくすると洞窟の道は終わり、港のように海の上に作られた足場へと着いた。
そこには一風変わった、大きな宿屋に似た建物。

男娼館だった。

男の極端に少ないミスラにとって、男との交わりは中々味わえない。
同性で欲求を晴らすのも手だが、女やもめで飽きてしまっており、発情を抑えるためだけに行う味気ないものになっている。
そこで、海賊船が商船等を襲った時に、適当な男を見繕って、カザムに連れて帰るのだ。
そしてこの男娼館に売られる。
ミスラの相手をするためだけに。
外にある保安部は、客同士のいざこざを抑える役割を担っている。

ゴクッ、と喉を鳴らす。
「ワッテ、早くその部屋へ案内してくれ。」
「あい、ただいま!」
マッテの案内のまま、ゼリトは後に続く。
館入り口正面のカウンターに立つミスラに挨拶し、そのままワッテの後を歩く。
二階を通り過ぎ、三階に上がり、廊下を進む。
「ここです! ささっ、中へど〜ぞ!」
「ほら。」
ゼリトは更に数枚の金貨をワッテに渡す。
「ありがとーございますぅ!」
「ははっ、それじゃあな。」
扉を開け、部屋の中へと入ってゆく。

部屋はそこそこ広く、縦長の作りになっており、入り口近くにエルシモパームが一対に置かれている。
氷のクリスタルを内蔵して作られた冷蔵庫に、床には柔らかい綿の絨毯。
貝殻を加工して受け皿にしたランプに、チリチリと炎が揺らめく。
部屋の隅にはハンモックのように編まれた太い麻綱があり、荷物置きとなっている。
中央には、寝台に大の字に縛られた、肌着一枚の男。
相当若い。

『実はですね、ウチの店にとびっきりの若い男が入ったんですよ。しかも、エルヴァーンの。」
ワッテはゼリトのために、この男を取っておいてくれたのだ。
元締めや従業員に『味見』される事なく。

男がゼリトを見つめる。
口には猿ぐつわを噛まされていた。
「気分はどうかな、坊や。」
ゼリトは妖艶な笑みを浮かべ、寝台へと歩み寄る。
男の瞳には、嫌悪と憎悪の熱い光が宿り、ゼリトを突き刺すように見つめていた。
「ふふ、良い瞳だ。」
興奮で、思わず鼻から息を漏らす。
だが男は『鼻で笑われた』と勘違いし、憤怒の唸り声をあげる。
「その口についた物を外してやる、が・・・一つ言っておくぞ」
甘く囁くように言葉を続けたゼリトだったが、男の頬を掴むと、
「もし舌を噛んで自殺したら、お前の背中を十回は斬りつけて、国に送りつける・・・『敵前逃亡した腰抜け騎士』と言う看板を背負わせてな。」
鋭く睨みつけ脅迫すると、男の顔が一気に青ざめる。
『背中を斬られる』と言うのは、敵に背を見せたから斬られたと受け取られ、騎士にとって最大の不名誉であり恥であった。
その不名誉の傷を付けられて国に送られる、と言う事は晒し者同然。
その一族は末代まで『臆病者』と呼ばれる。

その事を、ゼリトは知っていた。
だからこそ、この若き騎士に脅しをかけたのだ。

「返事はどうした?」
ゼリトが鋭い声で問うと、男は静かに頷いた。
すると、母親が子供に対して向けるかのような微笑みを見せた。
「よろしい、では外してやろう。」
懐からナイフを取り出し、手際よく猿ぐつわを斬る。
「・・・ぶはあっ!」
男は口の戒めから解放されると、大きく深呼吸し、舌で乾いた唇を一嘗めした。
「初めまして、若き獅子。」
キッとゼリトを強く睨む。
「・・・私はサンドリア神殿騎士団団員、ルシアン。貴様、私をどうするつもりだ。」
「内を守る、と言われる神殿騎士様がこうも無様に捕まるとはな。」
歯を食いしばり、怒りをあらわにするルシアン。
「私はタブナジア侯国へ派遣されるべき名誉ある者だった・・・それをッ! 貴様等ミスラの賊が、航行船を・・・!!」
身を震わせ、顔を赤くして憤怒に燃える、ルシアン。
「タブナジア行きの船はバストゥークも海上警備に力を入れん。運が悪かったな。」
真顔でさらりと返す、ゼリト。
「この無念、解るまい! 貴様等獣人まがいの民には!!」
「まあまあ落ち着け、坊や。お前は生きているんだからそれでいい。それだけで儲けだぞ。」
ゼリトは寝台に腰掛ける。
ルシアンは一瞬驚愕するものの、すぐまたゼリトを睨みつける。
「私を拷問にでもかけるのか? 母国を売るような真似は断じて」
「解ったからもういい。とにかく落ち着け。」
ふぅ、と一息つくゼリト。
「拷問など、せん。サンドリアの情報もいらん。欲しいのはお前だけだ。」
ルシアンは口を真一文字にし、強ばる。
「・・・良いだろう。この命、とうに捨てている。殺すなら殺せ。」
「不粋な奴だ・・・ある種、純粋と解釈すべきか。まあいい。」
ゼリトはおもむろに衣服を脱ぎ始める。
眼を見開くルシアン。
「なっ!? き、貴様!? 一体何を企んでいる!?」
次々に衣服を脱ぎ捨て、真っ白い下着一枚とガーターベルトになった。
豊かに実った乳房が呼吸のたびに上下する。
ルシアンは思わず、ゼリトに目が釘付けになった。
そして背に手を回すと、胸を覆った下着はふわりと落ち、ゼリトの双房は露になる。
「小麦色の肌に白い下着・・・どうだ? 似合うだろう?」
ゼリトはルシアンの顔をのぞき込み、寝台がきしむ。
当のルシアンは答える事なく、ただ口を開け惚ける。
すると、ゼリトはルシアンの胸板に顔を埋め、強く抱き締める。
「なっ!! 離せ!!」
「んー・・・んふぅぅぅ、たまらん・・・若いオスの香りは。」
脚を絡ませ、ルシアンの身体全体に自分の匂いをこすりつけるように蠢くゼリト。
「んんんん・・・脳髄が痺れる。とろけてしまいそうな程良い香りだ。」
「や、やめろっ! 何を、するのだッ・・・!」
「マーキングさ。私の匂いをお前につけてるのさ・・・ほら、お前も。」
「ん、んむむっ」
ルシアンの頭を掴み、ゼリトは己の乳房の間に埋める。
「私の柔らかさと匂いを覚えるんだぞ、そらそら」
「むむ、んぶ、ぐむむっ!」

声ならぬ声をあげるルシアン。
ゼリトは押し付けては開放し、それを繰り返す。
「ぷはっ・・・・」
「ふふ、苦しかったか?」
苦しそうにむせるルシアンを、楽しそうに眺めるゼリト。
「・・・な、なにを、する気だ・・・」
「決まっている、お前は私と交わうのだ。」
「なっ・・・!? ま、まぐわ、う!!?」
狼狽するルシアンだが、ゼリトはお構いなしだった。
マーキングのような行為を繰り返し、オスの香りに悶え、悦に浸っている。
「ヒューム好きやタルタル好きには悪いが、私はエルヴァーンが好きでな・・・匂いが特に、な。」
眼を閉じ、熱く語り始めるゼリト。
「タルタルは近場で捕まえられるし、ヒュームは海上で戦った相手を連れて帰られる。だがエルヴァーンは、海上技術の遅れからか、正規な海軍が存在しないだろう?」
「我が国は剣の国、騎馬戦こそが真骨頂だ・・・!」
「そう、だからお前達一族はエルヴァーン好きの者にとっては中々入荷出来ない御馳走なのだよ。」
ゼリトはルシアンの首筋に吸うように口付けし、跡を作る。
「や、やめろ! 私の操は女神と共にあるのだ! 離れろ!!」
「ならば私がその女神とやらだな、ははははは。」
「貴様・・・! 女神の名を、汚すか・・・!」
ルシアンの動悸が激しくなってきた。
同時に胸板を隠す肌着を、ゼリトが引き裂く。

「・・・良い身体だ。」

ゼリトは舌なめずりしながら、つぶやいた。

「それに、こっちも元気が良さそうだ。」
ゼリトは腰を浮かせて手を差し込むと、下着に張り詰めたルシアンの股間を撫でる。
「ぐっ、ぬっ・・・!」
「熱く脈打っているぞ・・・・ふふ、私に発情したか?」
「だ、誰が貴様等ミスラ族なぞにッ!!」
顔を真っ赤にして否定する。
しかしゼリトはルシアンの様子を楽しんでいた。
「ふふふ、素直じゃない所が一層幼い。」
ゼリトはそう言って妖しく微笑むと、少しずつ下へ下へとさがる。
丁度、股間の盛り上がった所に顔が合う位置までさがると、ルシアンを熟視。
ゆっくりと下着に指を引っかける。
「や、やめろ!! やめてくれ!!」
ルシアンが泣き出しそうな声での懇願。
しかしゼリトが聞き入れるはずもなく、
「そぉらっ!」
指を勢い良く引き、ルシアンのモノを露出させた。

ピンッ!

下着と共におろされた勢いで、少し下に引かれた反動で跳ね返り、隆起した。
「くそぅ・・・やめろ・・・・」

「なんと立派な男根だ・・・一物ならぬ、逸物。」
ゼリトはルシアンのモノをまじまじと見つめ、つぶやく。
おそるおそる手で触れて握り、感触を楽しむ。
「ふふふ、坊やの癖に男根は成熟しきっている。傘も大きく開き、幹も実に良いぞ。」
「・・・・うぅっ、くそっ。馬鹿にしやがって・・・」
ルシアンは顔を背け、悔し涙に頬を濡らしていた。
「ふふ、ミスラを獣人まがいの種族と称したのに怒張するとは。」
期待に胸を高鳴らせるゼリトとは裏腹に、ルシアンは身を震わせる程泣いていた。
騎士としての誇りが踏みにじられている。
そう感じているのだろう。
「早速頂かせてもらおう。」
ゼリトが舌を覗かせ、怒張したルシアンのモノへと近付いてゆく。
「何をするつもり・・・うっ!? う、ああああ!!?」
寝台が大きくきしみ、ルシアンの身体が弓のように反り返る。
ゼリトの舌が、ルシアンのモノを愛撫し始めた。
「ふふふ・・・」
ゼリトは楽しそうに、幹の根元からゆっくりと舌を這わせて上がり、鈴口まで嘗めては又戻ると言う動作を繰り返す。
舌が這ってゆく度にビクビクと痙攣する男根の反応を楽しんでいる。
「うぐ、づ、あっ、うぁああああ」
身をよじらせ、初めて味わう快楽に抵抗する。
その様をさぞ愉快そうに眺める、燃えるメスの眼。
ゼリトは幹に手を添え、優しく握る。

這わせていた舌が離れ、ルシアンが気を戻したのも束の間。
先端の部分を口内に包みこみ、強烈に吸われる。
「うあっ!!!」
一際強くのけぞるルシアン。
構わず、ゼリトは吸引を開始した。
「ずっ。ぢゅぱっ。じゅるるるっ。じゅっ、じゅっ、じゅっ・・・」
「くう! うああああ!! や、やめ、てくれぇぇ・・・!!!」
時折頭を捻り、時に口内で舌で転がしたり、時に強く吸い、口を離しては裏の筋に舌を這わせる。
ルシアンは駄々をこねる子供のように抵抗するしか出来なかった。
ゼリトは更に強く吸い付くと、一旦口を離した。
「うむ・・・良い味だ。若々しいオスの甘美な密が程良く漏れる。」
「はぁっ・・・はぁっ・・・わ、訳の、解らん事をぅ、あああ」
ルシアンの言葉が途切れ、再びゼリトの口淫が始まった。
吸引の音が部屋に響く。

「やめ・・・やめろぉ・・!や・・・め・・・・・ッ!!!!」

ぅあっ! とルシアンが苦しそうに叫ぶ。
その瞬間、ゼリトは動きを止め、眼を閉じると喉が上下した。
ゴクッ。
ゴクッ。
ゴクッ・・・。

「・・・・ぷはぁっ・・・・。」
ルシアンのモノから口を離し、満足気に大きく息を吸い込むゼリト。
「はぁ・・・はぁ・・・うぅ・・・」
再び先端に口をつけ、強く吸い、尿道に残った精液も吸い尽くす。
「うぉああっ!!!」
それを飲み干すと、ゼリトはうっとりと恍惚の笑みでルシアンを見つめる。
「こんなに濃厚で大量なのは初めてだ・・・味と香りも一級だったぞ・・・ふふふ。」
舌なめずりを幾度とし、舌に残る味を名残惜しんでいるかのようだ。
妖しげな雰囲気を醸し出し、淫らそのものの存在。
「ほら、見てくれ。飲んだだけなのに、こんなに発情している。」
ゼリトはルシアンに跨ると、そのまま180度回り、尻を突き出して見せる。
すると純白の下着はそこに染みを作り、大きく広がっていた。
「あっ・・・・、・・・・・。」
ルシアンは思わず喉を鳴らす。
強烈な快感を受けて痺れきった意識を鮮明にさせたのは、ゼリトのそこから発せられる発情したメスの匂いだった。
ゼリトはルシアンの様子を見て、嬉しそうに微笑む。

堕ちた。

固い樹木のような意志は、淫らなメスと言う強風に煽がれ、折れた。

ゼリトは下着を脱ぐと、裸体に白いガーターベルトと言う格好になった。
そして再びルシアンを跨ぎ、己の秘部を露にして見せた。
「・・・・・・」
ルシアンは釘付けになったかのように、ゼリトの秘部を見つめる。
「ふふふ、そんなにまじまじと見つめられると恥ずかしいぞ。」
頬を染め、照れるゼリト。
「えっ、あ、いや、その・・・」
ふふ、と笑うとゼリトはルシアンの手の戒めを解く。
先程と同じ体勢・・・互いの性器を見せあう位置に戻ると、
「ほら・・・見て、触って、思うままに調べたりしていいぞ。乱暴にはするなよ?」
ルシアンはゼリトに手を導かれ、尻に置かれる。
「こ、これが・・・・」
吸い寄せられるようにして、顔を近付けてゆく、ルシアン。
濡れて、煌くように光るそこへ、舌を伸ばす。
なめろ、と言われた訳でもないのに。
溢れる蜜を絡め取るかのように、なめ上げる。
「あっ・・・ン。」
ゼリトの身体が痙攣する。
ルシアンはそれで止め、ゼリトの方を見つめる。
「ああ・・・・もっとしてくれ・・・私も、またしてやるから、な?」
その言葉と同時に、ゼリトとルシアンは互いに愛撫を始める。
ルシアンは渇いた喉を潤すかのように、秘部から溢れる蜜を吸い始めた。
ゼリトの愛撫にも熱が入り、執拗に鈴口に舌を押し込み刺激し、樹液をすすろうとする。
ルシアンは口を離すと、秘部の周りに舌を這わせて付着した蜜を嘗め取り、味わう。
「あ・・・! ああっ、上手だよ・・・ああ、気持ちいい・・・」
ゼリトの尻尾は垂直に立ち、喜びに震えていた。
誉められたルシアンは一層愛撫に熱が入る。
「ああっ! やはりオスの舌は違う! 荒々しくて、貪られるかのようだ・・・!」
秘部にぷっくりとした小さな突起を見つけ、そこに舌を這わせると、
「はあぁん!! そ、そこは、一番・・・び、敏感な所・・・!!」
ゼリトは腰を振って悶え始めた。
ルシアンが舌で嘗め回し、つつくと、ゼリトは短い悲鳴を細かに上げる。
ふと、ゼリトがルシアンの額を押しやり、秘部から離させた。
身体の向きを変え二人は向き合う形となり、ゼリトの手はルシアンのモノに添えられる。

「さぁ、お前を男にしてやるぞ・・・。」

熱のこもった声で囁くと、ゼリトはゆっくりと腰を落とす。

「う、あ・・・!!」
先端が触れ、音も無く飲み込まれると、ルシアンが身震いする。
「お、大きい・・・中に、引っかかる・・・!」
ゼリトは張り詰めたルシアンのモノを、無理矢理押し込むように少しずつ腰を落としていく。
「あ、あああ、うあああああ」
ルシアンが眼を虚ろにしながら、惚けたように声を出す。
徐々に徐々に、奥へと入ってゆく快感に打ち震えているのだろう。
「ふ、ん・・・!」
力を込めて最後の一押しをすると、ルシアンのモノは根元までゼリトに飲み込まれてしまった。
しばらくそのままで動きを止め、感触を楽しむ。
「ふぅ、根元まで挿入させるのに一苦労だ・・・どうだ? 初めての女の味は?」
ゼリトの問いかけにルシアンは答えない。
歯を食いしばり、ひたすらに快感を耐えていた。
その様子を見て ふふん、と鼻で笑う。
「堕ちたと思ったのにまだ理性を持っていたか、本当に不粋だな。」
左右に腰を捻り、内壁でルシアンのモノを擦り始める。
「今の一時を受け入れれば楽になるぞ? 下らぬ騎士の誇りなど捨ててしまえ。どうせ祖国に帰る事が出来たとしても、没者扱いされて、生き恥を晒すだけだ。」
優しく、そしてなまめかしくルシアンに語るゼリト。
「快楽に身を堕として何が悪い? 私達は今、オスとメスの正しい行いをしているだけだ。これを悪とし、操を守る事を美徳とするなら、何故神はオスとメスを作った?」
「し、しかし、私は・・・」
「わからない男だな・・・ならば一度女の中に子種を放つ快感を教えてやる・・・!」
ルシアンの胸板にゼリトは両手を置き、膝を曲げ、身体ごと上下に動き始める。
「ぐっ、あ、あぐぅ、づぅぅぅ・・・!!」
寝台がギシギシときしみ、粘膜同士の絡み合う粘質な音が部屋に響く。
「ああぁ・・・何と固くて素晴らしいモノを持っているんだ・・・これを使わないとは、バチが当たるぞ?」
「ああああううう、や、やめてくれぇぇ・・・も、もう・・・・」
ルシアンの懇願を聞き、ゼリトは笑う。
「先程、私の口に射精したのを忘れたか? 今更やめろ、は無いだろう? ほら、出せ出せ。私に種付けしてしまえ。」
「ううっ、で、出る・・・やめ、や、め・・・うああッ!!!」
ルシアンは思わず腰を勢い良く突き上げ、ゼリトの奥底まで一気に突き、
「くぅっ!! 熱ぅっ!!」
大量に精を放った。

二人の荒い呼吸が部屋の空気となる。
ルシアンは痙攣を繰り返し、射精の快感に酔い知れていた。
「ふふふ、子宮が焼けるかと思ったぞ・・・こんなに熱い精子を浴びたのは初めてだ・・・。」
吐息の一時を破ったのはゼリトだった。
「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・」
「さあ、聞くぞ。」
ゼリトはルシアンの震える手を掴み、己の乳房へと当て、押し付ける。
「お前が恥を晒してでも祖国に帰りたいと言うのなら帰してやらなくもない。だが、ここに居るのならば・・・この快楽を毎日味わえるぞ。」
まだ固いままのルシアンのモノを締め付けながら問う。
「ま・・・毎、日・・・?」
「ああ・・・毎日さ・・・。」
舌足らずのルシアンに、甘く囁く。
ゼリトはルシアンから離れると、ルシアンのモノが音を立てて抜けた。
「あっ・・・」
名残惜しそうにルシアンが声を出すのを聞き、ゼリトはルシアンの足を紡いでいた綱を外す。
そしてそのまま背を向け、ルシアンに尻を突き出す。
粘ついた精液が滴り落ちる様を見て、ルシアンは更に男根を張り詰めさせる。
「帰りたいと思っているなら、目を逸らせ。この国に居たいのなら・・・」
ゼリトは指で秘部を広げ、
「私を犯せ・・・それが返答の方法だ。」
誘いの一言を放つ。

ルシアンは答える前に起き上がり、ゼリトの腰を掴んで、一気に深くまで挿入した。

「はぁぁぁ・・・ん、す、凄いぃ・・・。」
獣のように荒い腰使い、呼吸。
そこにはもう理性は無く、本能の赴くままにゼリトを犯すルシアン。
骨盤が尻肉に勢い良くぶつかり、パンパンと絶え間無く乾いた音を立てる。
「あぁぁ、子宮、が・・・貫かれ、そう・・・!!」
グヂュッと粘着音がすると、ゼリトの肉壷に放たれた子種が突かれる度に溢れ出す。
「はっ・・・あっ、あああんっ!!」

ゼリトの尻尾がピンと伸び、四肢を痙攣させる。
「あっ、だ、駄目・・・!イッた後は、少し休ませ・・・て・・・! あ、ああ!」
ルシアンは構わず腰を振り、絶頂を迎えたゼリトを更に突き続ける。
「あああああ、ああああ!! 激しすぎ・・・!! ああぅっ!!」
またしても絶頂を迎えるゼリト。
「ううッ!!!」
ルシアンは倒れそうなまでに上体を反らし、強烈な一突きと共に二度目の精を放つ。
「ああん・・・若いオスの元気な子種が・・・私の中に・・・。」
大量の精を子宮に受けて快楽に酔う、ゼリト。
二人の汗で寝台のシーツはびたびたに濡れている。
ゼリトは射精を受けている合間に身体の向きを変え、二人は向き合う形となった。
「あ・・・・んん・・・凄い量。」
悦に浸っている最中だったが、ルシアンは再び腰を振りはじめた。

「あっ、あ、はあぁぁぁん! あっ、あっ、あん!」
ルシアンにのしかかられ、好き勝手に動かれるゼリト。
若いオスが激しくメスを求め、本能のままに突きまくる。
結合部からは、混じりあった二人の粘液がゴポゴポと音を立てて溢れる。
突かれる度に乳房が揺れて存在を強調する。
ルシアンはそこに顔を埋め、頂点の桃色の突起を口にし、強く吸う。
「あひっ! はっ、はあああん!! んんぅ!!」
乳首を吸う度にゼリトはルシアンのモノを締め付け、包み込む。
「はぁ! はぁ! はぁ! ぐっ!!」
一心不乱に腰を振るルシアンの呼吸が荒くなる。
「イキそう? またイキそう? 良いわよ出して!!」
二人の興奮は最高に高まり、熱愛中の恋人同士のように激しく求めあう。
「出してぇ!! 私もまた、あ、あぁっ、あぁぁぁイクぅぅっ!!」
ルシアンを抱き寄せて脚を絡ませ、身体を強ばらせると、ゼリトは締め付けは更に強くなり、同時に奥底深くで三度目の精が勢い良く放出された。

「ああああぁぁぁぁーーーっ!!!」

精液の熱を子宮に受けたゼリトは、これまでにない快感と共に絶頂へと達した。


互いの意識が吹き飛ぶ程、強い絶頂からしばらく経った。
「はぁぁ・・・んん、ふう・・・」
ゼリトは未だに余韻に浸っている。
ルシアンの頭を撫で、のしかかっている身体を押し、どかす。
「ふふ、気が抜けて眠ってしまったか・・・凄く良かったぞ、お前。」
ゼリトは寝台から起き上がり、服を着て部屋の扉へと向かうと、
「ワッテ、どうせ居るんだろう?」
と、言葉を投げた。
「あちゃ、バレてましたか」
扉が開くと同時に、ワッテが姿を見せる。
「へへへっ、お気に召してくれたようで何よりです」
「ああ・・・最高だよ、あの坊や。私をあっさりイカせるだなんてな。」
ルシアンを一瞥し、再びワッテに眼を向ける。
「店に置いておくには惜しい・・・金に糸目はつけない、あの坊やを買い取らせて貰おうか。」
「ありがとーございますぅ! 早速元締めに伝えてきまぁす!」
ワッテはお辞儀をすると、どたばたとやかましく走り去っていった。
ゼリトは扉を締め、部屋の中に戻ると寝台へ歩み寄る。
ルシアンの頭を優しく撫で、愛でる。

「ふふ、約束通り毎日可愛がってあげるよ、坊や。祖国の事なんて忘れてしまう程に。」

そう言い終えると、ゼリトの内股につつー・・・と、二人の混ざりあった液が伝った。