アナ ミスラ7b
ヅル ミスラ8a


エルシモからさらに南方に位置しミスラ本国からそう遠くない集落で・・

ミスラ社会の中では小規模の部族で暮らすアナとヅルは仲の良い姉妹だ。
16になる活発で狩りの上手な妹のヅルは、子供の頃より大人に混ざって狩猟に出るのが日課で今では
一人前に扱われることも多くなった。5つ年上の姉、アナは大人しい性格であまり狩りを好まず、
もっぱら村落内で骨工を職にし、後は家事や酪農の手伝いをして暮らしている。
二人の髪はおそろいの栗毛色でアナは伸ばした後髪を一つに結っており、
ヅルは二番目だからという理由で二つにしていた。

ヅルには夢があった、ウィンダスに渡って冒険者になるというもので、何度か遠方に狩りに出るうちに
広い世界を夢見るようになっていたのだ。しかし、そんな彼女の思いとは裏腹に、
部族の大人達はヅルに子供をもうける時期が来たと考えていた。男の数が少ないミスラの社会では、
出産のチャンスはそう多くはない、だから優秀な女は早くから子供を産み優秀な血統を極力増やす
というのが彼女たちの基本的な考え方だ。ある日ヅルは族長達の元へ呼び出され婚約の話を持ちかけられた、
本国に連れて行き、そこで婚約の儀を行うというのだ。妻に空きのある男はなかなか見つからない、
適齢期の娘達の中から今回選ばれたことはとても運のよいことだと言い聞かされたが、
その一方的な話にヅルは内心穏やかではなかった。

ミスラは子供を自分では育てない、子供がある程度の歳になれば生母から引き離されるが、
それでも母親になれば直ぐに集落を出るなどできなくなるだろう。それでも厳しい掟に生きるミスラとして
これに逆らうことは出来ない、年上の案内人に連れられヅルは本国へ発つこととなった。

婚約の儀とは言っても、多種族のように男女が夫婦として暮らすようになるわけではない。
子供が出来るまで夫の元に通うというのが彼女たちの婚約の儀である。
夫の住まう大きな家、儀式を行うという部屋で婚礼用の装束に身を包んで座るヅルはとても気が立っている。
本国に着くやいなや、産婆達に体中調べ上げられ、ようやく夫の家に着いたと思えばここでも
丸裸になり股を明らかにされ薬湯でこすられたのだ。

子供なんてほしくないのに!本国に着いてからのあまりに不躾で彼女の自尊心を無視した大人達の行為に、
まだ本当は自由に世界を渡りたいという思いを捨てられないヅルが穏やかでいられるはずがなかった。
集落から一緒に来た案内人がヅルをなだめようと懸命になっているが、あまり成果は出ていない、
そんな時に部屋に男女が一組入ってきた。生まれて初めて見る男、ヅルは苛立ちを忘れ
その姿に釘付けになった、精悍な顔立ちに引き締まった肢体、女の民族衣装と同じ意匠が施されたズボンに
上半身は肩から二の腕に衣を纏い、厚い胸板と引き締まった腹筋は露出している。
(かっこいい・・・・のかな?)
ぼーっと眺めているヅルの目の前に夫となる男が座り、一緒に部屋に入ってきた女が儀の始まりを告げた。

ヅルに薬酒が盛られ、それを飲み干すように言われる。苦くて訳の分からない味にアルコールで胸が焼ける、
カーッと体が熱くなった。
「・・・の部族より参りましたヅル・バラビァと、私、・・・この度は・・」
案内人がヅルの部族やら日頃の生活について喋っているようだったが、意識が朦朧としてきて
何を言っているのか分からない、ヅルはぼーっと夫を眺めていた。
夫の侍女の側からも何やら話があったがやはり耳に入ってこない、そんなことより胸が早鐘のように
打っており、そして性的に興奮していることに気が行っていた。夫に飛びついてしまいたい、
その後何をすればいいかは良く分かんないけど・・、女性側が経験を積みにくいミスラが
性交渉に失敗しないように伝えてきた薬酒の効果はてきめんである。

ようやく侍女と案内人の挨拶が終わり、ヅルと夫の服を脱がし始める。羽根飾りや花などで着飾っていた
ヅルが裸にされ、同じく裸になった夫に押し倒された。組み伏せられ、右足は案内人に膝を押さえつけられ、
大股を開いた格好で動けなくなる。夫にのし掛かられ触れ合う肌にヅルはとても興奮した、硬い筋肉に熱い肉体、
彼の重さを全身で感じることに至福を感じる。ゆっくりと夫が迫ってくると秘部に何かが当たった。
夫がゆっくりと体をスライドさせる、
「痛っ、、え?ちょ・・・っ!」
思わずヅルが声を上げると、右足を押さえていた案内人がよりいっそう強く足を抱きかかえ体重をかけて押さえつける。
なにかが自分の体に入り込もうとしている、が、とても入りそうにないほど自分の入り口と大きさが合っていない。
「痛いよ、やだ・・痛い!」
足を閉じようと抵抗してもしっかりと押さえつけられ、更に夫が迫ってくると涙が出るほどの痛みがヅルの股間に走った。

彼女の貞操が最後の抵抗をするかのごとく進入を拒んでいたが、夫の一番太い部分まで入ると
彼女の貞操は抵抗を諦め散ってしまい、その後はずるりとスムーズに進入していく。
「ぐぅぅぅぅ・・・」
苦しそうに唸り眉間にしわを寄せ、暴れそうになるヅルを案内人がなだめる。夫は徐々にヅルの肉を押し分け、
ついに底を押すまで至った。すっかり痛みで引いてしまっているヅルを優しく抱き、繋がったまま今度は動かない。
入り口の傷みが徐々に引いてくるとヅルにも余裕が出てきた、
(優しくしてくれてるのかな)
また体が興奮を感じだし、繋がっていることに幸福感を覚える。入り口は限界まで開ききって夫をくわえており、
閉じようと力が入るたびにズキリと痛むが、体内に差し込まれた部分は力強い樹幹のように頼もしく愛おしい。
息苦しくて呼吸が速くなっているが、夫に抱きつけばだいぶ楽になる気がして夫の背中に腕を回して力を込めた。

ヅルが夫を受け入れようとしているのを確認すると案内人がヅルの右足を離し二人の行為を見守る、
夫がゆっくりと体を引き抜き始めた。ビクンビクンとヅルの体が痙攣し、下半身に快感を
覚えたヅルは嬌声を上げた。ゆったりとした動き、ヅルが痛みに体をこわばらせれば止め、
逆に興奮しているようなら動きを増し、彼女を追い込んでいく。
「アッ、アア・・・アッアッアッ」
だいぶ体が慣れてきたころ、ヅルは快楽の波の中を漂っていた。しかし同時に、
薬酒の酔いが醒め薬効が体から引いてきていた。普通ならここまできていれば後は快楽に
身を任せていれば最後まで済ますことが出来る、しかし彼女は頭が回るようになると行為に
乗り切れない部分が出てきた。やはり母になるより冒険者になりたい、そこが本音であるように思われたのだ。
目の前の快楽に引き込まれそうになるところで、踏みとどまってしまう理性、先ほどまで溢れ潤っていた
秘所も徐々に濡れにくくなってきている。ついに、最後まで行かないで、そう願うようになってしまい、
それでも優しく導いてくれる夫にも何か申し訳なくてヅルの瞳から涙がこぼれる。

唐突にヅルの初夜は終わりを告げた。急に夫がヅルの体から引き抜き、体を離したのだ。
侍女が薬湯の満たされた桶から取り出した布で夫の性器を丁寧に拭き、布には拭き取られたヅルの純潔の証が赤く付着した。
「何かご不満でもございましたか?」
そんな侍女の問いに夫が答える、
「いや、そうではない。しかし強いて言うならこの娘の方が何か不満なようでな。まだこの若さだ、
母になる前にしたいことも多かろう、長達はいつも焦りすぎだよ。」
夫はヅルの気持ちを酌んでいたのだった、
「ヅルよ、此度は悪いことをした。何かと話したいこともある、今後も我妻としてここを訪ねるがいいだろう。」
そういうと夫は部屋から出て行き。侍女がそれに続いた。案内人がヅルの股ぐらを薬湯で洗いながら話しかける、
「本当にお前は運が良いねえ、優しいお方だよ、お前が何を考えてるかは何となく分かるけどねぇ・・
ま、次は頑張るんだよ。」
薬湯で濡らした布でゴシゴシと擦られるたびに傷ついた部分がズキズキ痛んでしょうがなかった。

ヅルは自分の集落に帰りいつもの生活に戻った。それ以前と違うことと言えば、
時間が空けば夫の元へ足繁く通うようになったことだ。夫の計らいで初めての時とは違い、
二人きりの時間を過ごすことが出来る。夫は最初と同様に精を撒かずに相手をしてくれていて、
数多くの女を貫いてきた夫の経験は、ヅルを満足させて有り余るものだった。
それに寝物語に様々なことを教えてくれる、遠い異国の話やミスラ以外の人間の話などヅルが
今まで耳にしたこともないような話ばかりでとても楽しい。夫は本国を動くことが出来ないが、
遠方から来る他の妻などから話や本をもらうらしいのだ。他の妻と言えば、分かっていたことではあったが、
それでもヅルはたびたび嫉妬をかき立てられた。しかしそれも今までの人生では無かった事で
新鮮な気がしてヅルは今充実していると感じる。

そんな生活が続くある日、ヅルは姉のアナと果実を採りに出かけた。
「ちょっと!あんただらしないよ、もう。」
採ったばかりのパママを大の字で寝そべりながらむしゃむしゃやっている妹をたしなめるようにアナが言う。
「オネーチャンと一緒の時は良いんだよ、うへへ」
わざと変な笑い方をして自分の腹をさすった、満腹だ、と言いたげである。
「もう、あんたさ、旦那様と一緒の時もそんなだらしないんじゃないでしょうね。」
ヅルはそれを聞いてびくっと起きあがった。アナが自分の夫の話をするのはこれが初めてでびっくりしたのである。
「知ってたんだ・・まあ、そうだよね・・」
アナがうなずき、不味いことを話題にしてしまったかなと思ったのか気まずい表情を見せる。
そんな姉にふっとわいた好奇心をぶつけてみる、
「・・オネーチャンは旦那様いたの?」
子供が居ないから未婚とは限らない、何度も夫と交わっているヅルはむしろ珍しい存在だ。
うーんと曖昧な態度をとる姉にヅルがにじり寄る、
「繕い事よりさ、本物の男と寝てみたくないの?」

繕い事とは要するに女同士で慰め合う行為だ、オポオポの毛繕いから来ているらしい言葉だが、
男を経験しないまま過ごすことも珍しくない彼女たちにとっては日常的な処理方法だった。
「ど、どうなんだろうね、はは・・。」
答えになっていない返答に動揺した態度、間違いない、とヅルは思った、オネーチャンはまだ男を知らないのだと。
ふっと悪戯心がわき上がる、大人しい姉をからかいたくなるのはヅルの昔からの癖だ。
「じゃあさ、私に繕い事を教えてよー、狩衆はまだ私を子供扱いするから知らないんだよね。」
教えて、といいながらも姉の両の二の腕をつかんで地面に向かって押し倒すように力を込める。
アナは必死にそれをこらえようとするが、いきなりの事だったので押され気味だ。
「こら、止めなさい、ちょ、痛いって・・」
言い終わる前にヅルがアナの口を塞ぐ、夫の唇よりずっと柔らかくて小振りな唇だ。
自分の右膝を姉の脚の間に差し込み脚を閉じられないようにし、右手をセパレーツの下側から潜り込ませ胸を揉みしだく。

自分の物より一回り大きいそれを揉んで、自分にもこれぐらいあれば夫も喜んでくれるかな?などと思う。
アナは自分の胸を守ろうと両手でヅルの右手を押さえようとするが、胸を蹂躙されうまく抵抗できない。
ヅルはさらに脚の間に差し入れた自分の右膝をスルリとあげ、姉の股間に当ててみる。
「ヒッ!」
短い声を上げ、とっさに秘部を守ろうと脚を閉じるアナ、しかし当然それはヅルの膝を強く挟むだけに終わる。
(ありゃりゃ、これはひょっとして・・・)
あまりに余裕が無く、幼い反応を見てヅルは思った、
(オネーチャン繕い事もしてないの??)
歳を考えればそんなことはまずないはずだが、思い返せば、狩りを好まず外出はもっぱらヅルと一緒のアナだ、
流石にみんな村落内では繕い事はしないので姉がそういう経験に疎いことも考えられる。
胸を攻めていた指で今度はそのまま乳頭をつまみ転がし、股間に当てた右膝を動かし姉の柔らかい
部分をほぐす、刺激を与えるたびに大きく痙攣する姉を見てヅルは興奮しだした。

「オネーチャンだって興味あるんでしょ?たまに一人でしてるもんね、知ってるんだから。
相手が居なかったんだね・・私に任せて。」
アナは首を横に振るが、お構いなしでヅルがのし掛かってくる。

「止めなさい、ヅ・・ッ!!」
股布の上から秘部をなぞられ絶句する、ジワッと体内が湿ったのが自分でも分かった。
確かに世間的には繕い事など珍しくも何ともない、だが相手は妹でありながら自分よりも先に夫を持った女であり、
そんなヅルに性を教えられるのは心中穏やかではない。普段は愛くるしい妹に、急に嫉妬や悔しさを覚える、
それはほんの小さな感情だったが彼女の胸を確かに締め付ける。
今まさに輝く人生を謳歌しているこの妹に、地味なだけの私。惨めな感情がくすぶり、
突き飛ばして拒否しようという考えが頭をよぎるが、可愛い妹に手荒なまねは出来ないと踏みとどまってしまう。
なおも続く愛撫に拒絶心を抱きながらも体は徐々に求めようとしている。いや、アナ自身は
気がついていないが拒絶心を抱いたからこそ、犯される興奮を体が感じてしまっているのである。

ヅルはそんな姉の心中をくみ取れず、なおも攻め手を進め、同時に夫との生活を反芻していた。
(初めての時はどんなだっけ)
村から同行してきた案内人に体の自由を奪われ、そのまま強引に貞操を奪われた夜を思い出し、姉に自分を投影する。
(あれは怖かったな、オネーチャンのは優しく開けてあげるからね)
股布を撫でていた指をよりデリケートになぞり、ふっくらとした姉の股間を覆っていた布を裂け目に
徐々に食い込ませていく。布地はすっかり濡れそぼっており、丁寧に撫でることで水分がぬめりを
帯びアナの呼吸が荒くなる。やがて布はアナの裂け目にしっかり食い込み、撫でればアナの秘部の形状が
すっかり分かるようになっていた。指先がとらえた小さな突起の感触がヅルをあおる。布の上から突起を
優しくなぞり、潰し、円を描くようにさすってやるとアナはもう耐えられないといったように嬌声をあげ、
肩で息をし激しく痙攣する。
「もうやめ、よ・・っ、アア、アッ!・・苦し・・アン!」
頭を振りながら必死に拒否するアナだが、刺激を与えるたびにビクンビクンと脚を痙攣させて広げる、
良く反応する体にヅルの方が驚いていた。

(うへへ。エルシモフロッグみたいなかっこになっちゃってるよ、そろそろかな?)
いったん突起から指を離し、その下の、密がしとどに溢れる箇所をなぞる。
「ヒッ!そこはだめ、まだ開いていないの!」
アナが思わず口走る、
「知ってるよ、だから今から開けてあげるんだよ・・大丈夫だよオネーチャン、気持ちいいんだから・・」
ヅルはそう答えながら股布の端に指をかけ秘部から横にずらす、脚を開いていているのでアナの
秘部は隠すところ無く明らかにされ、可愛らしい小振りな性器からずらした股布にかけて蜜が糸を引く。
それを見てヅルはいよいよ興奮して、せっかちに二本の指を姉の体の入り口にあてがう。
アナに自分を投影し、自分は夫になった気分だ、
(私の初めてを奪うとき、あの人もこんな気分だったのかな)
狩りで獲物を追い込みしとめる瞬間に似た高揚感。
ゆっくりと指に力を入れると姉が上半身を起こし自分の肩に抱きついてきた。
「いやぁ!痛いよヅル!」
自分もこうだったな、とは思うものの止めようとは思えず、
自分の貞操が破られた瞬間を思い出しながらより一層力を込める。

アナが腰を左右に振り、捻り、逃げようとするが既に指は侵入を始めている。始めに強い弾力、
次に手応えと共にそれが失われ、今度は締まった肉に分け入る感覚、付け根まで埋まった指がとても温かい。
獲物を仕留めたときの征服感に満たされる。
「やった!」
ヅルは思わず声を上げてしまう。その声と破瓜の痛みにアナは今までに感じたことのない感情をかき立てられる。
幸福感、むなしさ、快感、興奮、妹に先を越された上に処女まで奪われた!ちくしょう!なんて愛おしいヅル、もっと触って・・。
いくつもの感情が混ざり合い頭をかき混ぜる、気が狂いそうだ。
一方ヅルの方はこの先どうしようか考えるだけで楽しい気分だった、いきなり動かしたら痛いだろう、
夫が気を遣ってくれたように痛みが引くまで入り口を刺激するのはよそう、まず奥を撫でてあげて、
その後は出し入れしたりしてイイトコロを探ろう・・そんな具合だ。極力入り口付近を刺激しないように、
指先だけを曲げたり伸ばしたりして、自分が普段一番感じる部分を刺激してみる。

(あの人が私を攻めるときもきっとこんななんだろうな。)
どこが一番良いのか姉の反応を見ながら、行為を続ける。夫が自分に指や性器を差し入れ、
丁寧に動かしてくれるのを思い出し、ヅル自身も興奮する。オネーチャンは今こんな感じかな?
想像すると自分の下腹部がうずいてくる。

アナにははっきりと自分の体内で妹の指がうごめいているのがわかった。
二本の指が何かを探るように動いているが、破れた部分を刺激されると痛くてしょうがない。
「痛い・・、ぃたあ・・もういいよ・・」
下腹部の痛みに、胸が苦しく弱々しい声で訴えると、体内を犯している指の動きがより慎重になり
ほとんど入り口部分は動きが無くなった。徐々に痛みが引いてくると、内部の刺激されている部分が熱く、
初めて感じる快感が広がっていく。しばらくそのような状況が続き、だいぶ自分の心も体も落ち着いてきた。

ヅルもそれを感じ取ったのか、動きを丁寧に複雑に大きくしていく。その動きによって特に一カ所、
指が通過する度に敏感になっていく部分がある。もうここまで来てしまっては仕方がない、
腹をくくったアナはヅルを受け入れることにした。しかししっかり口を閉じ、今にも嬌声を上げそうな
自分を押さえる、ヅルに好いように弄ばれるのは姉としての矜持に傷が付く気がして、
せめて毅然と振る舞いたいのだ。

「オネーチャン、お姫様みたいだよ、綺麗・・」
上気し紅の差した姉の肌に、乱れてきた呼吸と感じているのは間違いない。しかしアナは、
普段ヅルがなついている優しい姉の姿を崩さない、さすがに上気した表情ではあるが目を閉じ
普段の姉らしい上品で静かな表情、時折快感で眉、目元と口元が切なそうに下がる。
自分だったら普段、夫に秘部を刺激されればそのまま大声で喘いで貪欲に体を揺すってしまうのに、
姉は乱れることなく品位を保っている。

(これがいい女っていうのかなあ。今度まねしてみよかな)
そんなことを考えながら、アナの秘部をかき混ぜ続ける。だいぶ動かせる余裕が出てくると、
アナが必至に隠そうとしている部分がついにヅルにも見つかってしまう。どんなに我慢していても
体は敏感に反応し、息も荒くなる、そんな箇所を初めてのアナが隠し通せるわけもない。
ここか、ヅルが内心ほくそ笑む、親指を恥骨にあて、差し入れている人差し指を引き抜き薬指を代わりに入れる。
中指と薬指の腹がアナの隠していた箇所にあてがわれると、アナは焦りを感じる、ばれた、
ヅルが何か企んでいるのがわかる。少しの間何かを確認するように動きを止めていたヅルだが、
おもむろに企てを実行に移した。親指を支点にして手首を激しく振り立てる。差し入れた指からは力を抜き、
アナの最も女性である部分を擦る。
(これが一番すごいんだよ、オネーチャン、我慢なんて出来ないんだから)
夫に同じ事をされた時を思い出すだけで、ヅルは喘ぎそうになる。激しい挿出の繰り返しに淫靡な水音が上がり、
アナはあっという間に我慢の限界に追い込まれる、必至に耐えようとしても腰がうねり、体が痙攣し、
まともに呼吸できない。口を閉じても喉の奥から嬌声が漏れてくる。
「ん・・・っんん!」
もはやアナを支えているのは意地だけだ、無意識に反応してしまう動きや声はともかく、
それでも頑なに乱れようとはしない、祈るように両手を胸の上で組み事の終わりを待っている。

「我慢しなくていいんだよ?乱れちゃいなよ、私が見ててあげるから。」
ヅルの言葉に負けそうになる自分を奮い立たせる、そうじゃない、ヅルが見ているからこそ乱れるわけにはいかないのだ。
くちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅ・・・
激しい水音、今まで誰も触れたことのない、自分すら触れたことのない体内に妹が入ってきている、
そして最もみだらな箇所を通り過ぎる指に快感を覚え、間髪入れず掻き出すように戻ってくる指にまた快感を覚える、
休むことなく続く往復運動に時折上がる大きな快楽の波に体が激しく痙攣した。そしてついに最も高い波が上がる、
快楽の津波はまず膣に激しい絶頂感を与えそこから同心円上に波が広がる、腰が砕け、膝が伸びきり、
背を仰け反らせ、手先とつま先に力が入る、そして大波は喉で嬌声を上げさせようとし、
そのまま脳天を突き抜け頭が真っ白になる。激しく仰け反ったアナの膣が締まり緩みを繰り返す、
そこをヅルはお構いなしに犯し続ける。必至に口を閉じ堪えるアナ、嬌声の代わりに目から大粒の涙を流す。

(すごい、これでもまだ我慢するんだね)
アナとの行為中、ずっと自分と夫との情事を思い描きながら進めてきたヅルも、アナの絶頂に合わせて
自分も絶頂したときのことを思い描く。嬌声を上げ夫にしがみつき腰を振り立てる普段の
自分の姿が思い浮かび、腰が無意識に振れる。

 一通り行為をすませたところで、ふっとヅルの表情が変わり、何かを思い出したようにしゃべり出した。
「オネーチャン私ね、冒険者になるって決めたんだ。」
先ほどまで、貪欲に姉の秘部に食らいついていた攻め手がいたわるような動きに変わる。
突然の独白にアナは仰天して目を見開く。なおもヅルが続ける、
「私、あの方と話して決めたの、ウィンダスに渡るって。でもね、最後の晩に決めたんだ、
子供はそこで産む。」
ヅルは夫との最後の晩を思い出し、紅潮する。自分の中に初めて精が撒かれた日、あの感覚を思い出すと
膣がカッと熱くなる。
「私の子供は村で育ててちょうだい、ヅルって名前を付けるから、オネーチャンに見てもらいたいの。
それとね、私がいなくなった代わりに、あの人の新しい妻になるのはオネーチャンなんだよ。」
ヅルは動きを徐々にゆるめる。絶頂感に朦朧としつつもあまりに急な話に困惑を隠せないアナ。

「だからもうすぐにお別れだね・・オネーチャン大好きだよ、さよなら。」
自分の上にのしかかっていたヅルから熱いものがこぼれ落ちてくる、ヅルが泣いている。
アナがそう気がつくのに少し時間が掛かった。確かにミスラは自分の子供を自分で育てることは少ない、
それが彼女たちの掟であり、そして里を去ったミスラが同じ地を踏むこともまた少ない。
アナの中に黒く固まりだしていた惨めな感情が妹の涙で溶け流れ、何も言わずに愛くるしい妹を抱きしめた。

ヅルが村を飛び出してから数年、ウィンダスからの使者に連れられ一人の子供がアナの住む村に
送り届けられた。二人目の子供をお腹に宿しているアナはそっとその子を抱き上げる、
「お帰りヅル。」
今度の自分の子供は自分と同じ名前を付けよう、使者の話によれば自分の自慢の妹は冒険者として
なかなかに勇名を馳せているそうだ、きっと母としてもうまくやってくれるに違いないとアナは思い、
北方の地平線へ目を細めた。
                         おしまい