ミント.......ヒューム♀ F3A 
ランディ....ヒューム♂ F1A
ブリッツ....ヒューム♂ F7A
グレッグ....ヒューム♂ 指定なし
ファーン....エルヴァーン♂ 指定なし
アル...........ヒューム♂ 

モルディオン監獄...
別名「魂の牢獄」

一年中、石壁の中での生活。
外気に触れることは極稀にある。
しかし外には四季を彩るものはなにもなかった。
繰り返される日常に時も忘れ私は暮らしていた。
規則正しい生活に昼間は単純な製作物を作り、日が沈むと床に伏せる。
罪を犯したものがここに連れてこられ、償い、そして去っていく。
しかし、それは建前。
なぜなら私がここに来て、罪を償い出て行ったものは一人としていなかった。
ここで知り合った仲間たちは一人、また一人と減っていった。
そう、おそらく死体となって...
すでにここで生活して一年が経ってしまったようにも思える。
新しい罪人が来ては、ふるい住人は排除される。
いつの間にか私も古参の仲間入りだった。
やがて来る終焉に怯え、過ごすつもりはない。
ただ今を生きていたという証を残すことを考えながら日々過ごしていた。

夜が訪れ、静寂が監獄内を支配する。
人が二人寝転べるぐらいの石で囲まれた小さな部屋。
冷たい床が今の時期には心地よかった。
ブロック一個分の窓から見える星が美しく輝いている。
明日も、そしてその次の日も命があることに誇りを持って私は過ごすだろう。
......やがて睡魔が体の自由を奪い闇の世界へと沈んでいった。


カツーン、カツーン
静かな通路に人の足音が響く。
その音で眠っていたはずの意識が目覚める。
【死刑執行人】
彼らに連れて行かれた人は翌日から姿を見ることはない。
カツーン、カツーン
足音は次第に近づいてきて大きくなる。
・・
・・・・
・・・・・・
そして、止まった。
「No.118097。貴女を連行する」

No.118097。モルディオン監獄での私の名前。素っ気無い数字。
私にはミントという名前があった。しかし、その名前で呼ばれることはここではなかった。
「はい」
平然をとりつくろう。声はちゃんと発せられただろうか?
半分眠りに堕ちていたはずの体は恐怖を感じ、小さく震え出す。
開けられた鉄の扉から見えるのは二人の赤い甲冑を纏った人。
通称GMと呼ばれる看守達。
(ミント!ここでがんばるのよ!)
自分を叱咤し、唇を噛み右手で左手の甲をつねる。
(怖くない...決して死ぬことは怖いことじゃない!)
頭で繰り返すものの自分の体は言うことを聞いてはくれず震えが止まらなかった。
その時ふと、脳裏に男性の笑顔が浮かんで消えた。
彼、恋人のファーンではなかった。
とても暖かい微笑み、名前すら覚えていない1年程前の夏の記憶。
自然と体の震えが止まり、精神が安定する。
(大丈夫!)
「御呼びでしょうか?」
笑顔を持って彼らに問う。そんな余裕すら今の私は持つことができた。
「貴女を連行する。ついてこい」
「はいっ」

私は牢屋で何人も連行される人たちを見送っていった。
泣き叫ぶもの、暴れ出すもの、GMに歯向かい意識をなくしたまま運ばれるもの。
私は決めていた、怯えることなくここを去ることを。
そして今まで過ごしてきた独房に一礼し、GM達の後に従った。


長い通路を歩き階段を下りる。
カツーン、カツーン
GM達の鉄靴が高い音を奏でる。その後を素足の私が続いていた。
つれてこられたのは広めの部屋。
中にはもう一人のヒュームの男性がいた。
その男は椅子に座ったまま私の体を舐めるように見定めていた。
「なかなかの上玉じゃん」
年齢は私より若いように思える。
私を連行してきた二人は兜をとり、鎧を脱ぎ始めていた。
「No.118097だったか?」
「はい」
監獄で仕込まれた快活の良い返事をする。
「ふん、大した玉だ。ここに連れてこられたやつの大半は怯え、泣き叫ぶんだがな」
男は立ち上がり私に歩み寄る

細く白い指が私の顎にあてがわれ、目を見つめてきた。
「貴女に最後のチャンスを与えよう」
男が続ける言葉は想像に容易かった。
「俺達を満足させることができれば元の世界に帰してやろう」
しかし続いた言葉は私の予想をはるかに上回っていた。
彼らが何を期待し、これから起こることは想像できていたが
その報酬が監獄からの釈放とは夢にも思っていなかったから。
「本当に?」
そんな甘いはずがない。その気持ちから私は彼らの言葉を再確認した。
「あぁ、我々GMは嘘は吐かない。いや、吐けない」
一筋の活路が見えた私は心が躍るのを押さえるのがやっとだった。
彼らの望みは私の体、つまりは快楽。
男性経験は多いとはいえない。指折り数えて丁度片手で足りてしまう。
私が彼らを満足させれるかは分からない、けど......
「分かりました」
私の言葉を待っていたかのように目の前の男が唇を重ねてきた。
男の名前はランディ、そして髭をたくわえたブリッツ、下卑た笑いが特徴的なグレッグ。
長い夜、しかし今までを思えばたったの一夜
彼らを相手に私の生涯最後の賭けが始まった.......



すでに私は服を脱がされていた。
火照った体に床が冷たく感じる。
右手には先程射精し終え、萎えかけているブリッツのモノをしごいていた。
口にはランディのモノを咥えさせられ、袋を左手で愛撫していた。
三人共一度は私の口の中で果て、白濁した精を飲ませられた。
独特の匂いと味がまだ喉の奥に引っかかっている。
ファーンのそれを飲んだことはなかった。
しかし彼らのを吐き出すことは許されなかった。
歯向かうどころか少しでも気に障ると彼らは釈放という盾をかざし戒める。
ランディは私の双丘を揉みながら髪を撫ぜていた。
もちろん愛という感情は一欠片もない。
それどころか他のことを考える余裕も私にはなくなっていた。
ただ、奉仕行動に集中しなければ三人を満足させることは到底出来ない。
まるで作業的なランディの手つきに、くしくも私の体は感じはじめていた。
「んんぅつ」
ランディの指が私の乳首を弾き、口の端から小さなうめき声を漏らしてしまう。
「げへっ。この女気をやり始めたんじゃないか?」
この笑い声はグレッグ。
今、私の奉仕を受けていないのは彼だけだった。

「もう良いんじゃねえか?そろそろいただいちまおうぜ」
GMにしては低俗な感じを受ける物言いのグレッグが近寄ってくる。
言動だけではなく身なりすらまるで物乞いのように思える。
彼の手が私の両肩を押さえ、床に仰向けに寝転がされ、そのまま体を覆い被せてくる。
そして貪るように私の唇を求めてきた。
(......臭い...)
彼の口臭は酷く、不ぞろいの歯並びが気色悪かった。
それでも私は拒むことはできず、侵入してくる彼の舌に申し訳程度に自分の舌を絡める。
「ぐへっ...ぶっ......ちっちゅ...」
濡れた唇がこすれ、口の端から水音交じりの吐息が漏れる。
ギュッと目を閉じ最愛の人、ファーンを思い浮かべる。
これが私が出来る唯一の抵抗だった。
執拗な口付けの最中グレッグの腕は下腹部へと伸びていた。
自分のモノを掴み、私の秘部へと押し当ててくる。
この状況に感じてしまっていたのか自分でも驚くほど私の花弁は濡れていた。
焼けるような彼の怒張が私の中へ入ろうと腰を動かし、狙いを定めると一気に押し入ってきた
「ああっ...!」
「ぐちょぐちょじゃねえか、ひょっとして結構好きモンか?げへへっ」
グレッグは激しく腰を前後し、快楽を貪る。
幸い彼のモノは他の二人より小さかった。

もちろんファーンのそれとは比較になるはずもない。
「中に出すなよ?後が控えているんだからな」
男の声が聞こえる。声の主が誰だなんて今はどうでもよかった。
グレッグは上半身を起こすと乳房を鷲掴みにして揉み始めた。
「いっいたっいっ...」
爪を立て、乳首を摘まむ。血が出てしまいそうなほど強く...
彼の腰が打ち付けられるたび、私のお尻と当り音を奏で
パン、パンと肉がぶつかり合う乾いた音が部屋に響いていた。
私は少しでも早く終わりを願うように膣に力を込めてグレッグのモノを締め付けた。
ファーンが気持ち良いといってくれていた行為。
彼のために意識してそうすることに勤めていたことだが、それは思っていた以上に効果があった。
「うおっおぉ!いっいくぞおぉっくっらっ!くらえっっ!」
グレッグがうめき声を上げ、一段と強く腰を打ちつけた。
一寸遅れて私の中へ生暖かい精が放たれる。
「あ...あぁ...ん...んぅ」
我慢していたものの私もつい小さく喘いでしまう。
グレッグはコトが終えるとモノを抜き取り、私の口へそれを押し付けてくる。
彼の精液と私の愛液が混じったそれは部屋の灯りを反射してぬめり光っていた。
さすがにそれを口にするには抵抗があった。しかし私に拒む権利などあるはずもない
おそるおそる舌を伸ばしグレッグのモノを舐め始めた途端

「あぁん!」
次の男が私の中へと入ってきた。
ランディだった。
三人の中で一番若い彼の行為は荒々しかった。
体が揺さぶられ、強く腰を進み入れる度に彼のモノが私の最奥をノックする。
「あっ...あぁ...あっ...!」
まるでファーンのような腰使いに一年近く禁欲生活を送っていた私の体は反応していた。
我慢しようとしても抑えきれない喘ぎが部屋に大きく響く。
しかしグレッグはそんな私の顔を両手で掴むと萎えているモノをフェラチオするように強要した。
「んぐっ...あん...ん...んん....!」
口を塞がれつつも、喘ぎは漏れ、必死で舌を動かしグレッグのモノを奉仕する。
ただ舌を動かし舐める。相手に快楽を与えるフェラチオなど今の私には出来なかった。
体が感じる快楽に溺れ思考にもやが掛かり始めていたから......
ランディの腰の動きが一瞬止まる。
そして次に私の体に稲妻のような衝撃が走った。
彼、ランディが私のもっとも敏感な部分、ク○トリスを嬲り始めたのだった。
「ああぁん!やっ、そ、そこっ!...あんっ!んん...」
堪らず大きく喘ぎ体がビクンと跳ねる。
視界に映ったのは私の反応を楽しそうに見ているランディだった。
陰核を擦りながら彼は再び腰を突き入れる。浅く、浅く、そして一気に深く私を突き上げてくる。

快楽に溺れ続けるだけでは許されない。グレッグは再三私に奉仕を強要してくる。
覚悟を決めた私は今度はためらうことなくグレッグのソレにしゃぶりついた。
驚くことに先程射精したはずの彼のモノは私の口の中でその力を再び取り戻し始めていた。
ランディの手が私の腰を掴み力強くひきつけるとピストン運動のスピードを上げ、何度も何度も深く深く腰を突きつけた。
「くっいくぞっ」
小さく呻いたと同時に彼の精が私の中に迸る。熱い迸りが子宮孔に注がれ頭の中に白い閃光が走った。
体が小さく痙攣し、私は軽く達してしまっていた。
ランディのモノは私の中からずるりと抜かれ、栓を外された膣からは彼の白濁した精が涎の様に垂れ始めていた。


気だるさを感じる私に休憩を取らせてくれるほど彼らは優しくはなかった。
私の手を取り、半ば強引に立たせると今度は男が床に寝そべった。そして私の手を引き催促する。
髭もじゃのブリッツ。
彼は私の下敷きになると彼の腰に跨るように指示をしてくる。
「自分で入れろ」
ブリッツは言い放つ。
私は彼の言うとおり股間でいきり立つソレを手に取るとランディの精で満たされた膣へといざなう。
ゆっくりゆっくりと腰を沈めていくもののまったく抵抗がなく私の中へ彼のモノが埋没する。
「ほら、しっかり動けよ」
パチン!乾いた音とともに痛みが走る。

ブリッツの手が私のお尻を叩いた。
「..っ!」
私は彼の胸に手を当て支点にしてゆっくりと腰を上下させる。
恥ずかしい...ファーンとはこのような姿勢で交わったことがなかった。
そして、周囲から聞こえる下卑た笑い声。それがより一層私の羞恥心をくすぶっていた。
「おい、しっかりがんばれよお!」
語尾に力を込めブリッツは下から私を突きあげる。
「はぅん!」
その一突きが絶頂を味わった体には大きな刺激となって襲い掛かってくる。
「こうやるんだよ」
ブリッツは私の腰を掴むと前後にグラインドさせ動かした。
「んん...ふぅんっあっ...あっ!」
「げへっ、もう我慢ならねぇ。ブリッツそいつを倒しな」
私の背後で声が聞こえる。
ブリッツは私を抱き寄せ唇を重ねた。彼のねっとりとした唾液交じりの舌が私の口の中で暴れる。
快楽に身を委ねれば楽になるかもしれない...私も彼の口付けに応じ貪欲に彼の舌を求めた。
甘い吐息を漏らしながら彼が注いでくる唾液を嚥下する。
背後から私の腰を男の手が掴んだ。
「げへへっ待ちきれねぇや。俺はこっちで楽しませてもらうとするぜぇ」
グレッグの声...彼は私の腰から手を滑らせお尻の肉を左右に広げる。

そして、彼の指が排泄口を弄りはじめた。
「やっ!そこはだめぇ!いっん..」
抵抗の言葉を発するもすぐにブリッツの唇が私の口を塞ぐ。
(いやだ...それだけはっ)
「げへっ、お前に拒める権利なんてねえんだよ」
グレッグは私の排泄口にいきり立ったものをあてがうと力を入れ抵抗を試みる私のすぼまりに侵入しようとする。
痛い...焼けるような痛み。それ以上に自尊心を崩される心の痛かった。
グレッグは容赦なく徐々に徐々に私の排泄口へと怒張を挿入する。もはやこれ以上の抵抗はまったくの無意味だった。
「おぉ、グレッグ。お前のものが肉壁ごしに感じられるぞ」
ブリッツはニヤニヤと笑っていた。背中でグレッグの下卑た笑いも聞こえる。
彼らにとって私の体は快楽を貪る玩具にすぎなかった。
「げへへへ、よく締まるぜぇ。こっちは初めてだったみたいだな」
ゆっくりとピストン運動をしながらグレッグは言葉を投げかける。
体の下から突き上げるブリッツの腰は激しく私を犯し、二つの凶器は私の体を、心を蝕んでいた。
それでも感じる快楽に声が漏れる。どれだけ自分の体を呪っても声を押し留めることはできなかった。
「あっ...あぅ...ひゅ...はぁっ...ふっ...んんっ!」
喘ぎに混じり空気が搾り出される。グレッグに刺激される排泄口から快感は感じることはなかった。
ただ空気が肺から搾り出される、そしてなんともいえない異物感が私を苛ませた。
髪を引っ張られ顔を上げるとそこにはランディが立っていた。
彼は私の顔を掴むと、強引に口の中にそのモノを咥えさせる。いや、挿入してきたといったほうが正しかった。

私からの奉仕を望んでいるのではなく、彼は私の意志などお構いなしに腰を突き入れてきた。
喉の奥に突きつけられえずいてしまう。涙がこぼれ、嘔吐感が込み上げてくる。
しかし、それでも彼の行為は続けられた。
口の端からは涎がだらしなく零れ落ちる。
(息苦しい!)
もがこうとした両手はグレッグが戒めてしまう。顔もランディに固定され自分の意思で動かすことが出来るのは指先だけだった。
グレッグの抽送が激しくなり、焼けるような痛みが排泄口を中心に広がった。
そして止めとばかりに深く腰を突きつけると彼は私の中へ再三精を放った。
それは私の直腸を刺激した。普段排泄目的でしか役割を果たさないはずの器官に異物が混入される感覚は気持ち悪かった。
ずるりとグレッグのモノが腸内から引き抜かれ同時にランディが私を解放する。
「はっはんっっはぁっ...」
必死の思いで私は肺に空気を送り込んだ。
顔は涙で、涎でベトベトになり、とても人に見せれる様ではなかった。
そんな体裁より空気が、酸素が私には必要だった。
「けふっ!けふっ!」
動きを止めていたブリッツが突き上げる。
口からこぼれたのは喘ぎ声ではなく空気を吸う音、吐く音。
そしてランディの手が私の顔を掴む。
「まだまだ始まったばかりだぜ?がんばりなよミントさん」
嘲笑、いや冷たい彼の微笑みはとても寂しそうだった............


どれ程の時間が経ったのか分からない
何回彼らの精を受けたのか分からない
私自身何度絶頂に達したのか分からない
分からない、分からない
思考があやふやになり記憶が壊れていた
ただ....
私は生きている。
そして、私の体を蹂躙し、満足したであろう彼らは身支度を整えていた。
長く苦しかった時間が終わりを告げているようだった。
「俺達を満足させることができれば元の世界に帰してやろう」
「あぁ、我々GMは嘘は吐かない。いや、吐けない」
この部屋につれてこられたとき、最初にランディが言った言葉が頭に浮かぶ。
彼らは満足したのか?私は釈放されるのか?
床に寝そべっている今の私には自分ひとりで立ち上がる体力は残っていなかった。
顔を動かしてランディを見上げる。
それに気付いた彼は私の元へ歩みを進め、目の前でしゃがみ込んだ。
「十分楽しませてもらったよ。ミントだったか?...たしか..........」
彼の言葉に期待が募る。

「君には一緒に連れてこられた彼氏が居たな?.......ファーンと言う名だったか?」
「な、なぜそれを!?」
「貴女のことは調べさせてもらったので。それで、彼なんだが....」
ごくり、唾を飲み彼の言葉を待った。
「実は隣の部屋に呼んでいる。君が望むなら逢わす事もできるが?」
思わず息を飲んだ。彼が生きている、そして隣の部屋に居る。
「逢わせて!逢わせて下さい!!」
間髪居れずに私は答えた。
「しかし.......」
ランディは目を伏せ、一呼吸置くと話を続ける。
「彼は残念ながら姿を怪物に変えられてしまっている......」
「.........」
「その呪いを解く方法は一つだけある。そう、怪物の姿の彼でも愛することが出来るなら」
私は言葉を失ったままだった。返事はすぐに出なかった。
怪物?いったいどんな姿に?
彼の、昔の彼の面影は残っているのか?それとも...
「決めるのは君だ。我々は強要しない。......だが、彼を救えるのも君だけだ」
ランディの言葉が胸に刺さる。
ファーンを救えるのは私しか居ない。
その言葉は私の選択権を奪ったといってもよかった。

「逢わせて下さい。彼を、ファーンを救ってみせます」
力強く私はランディに返事した。
ランディは不敵な笑みを浮かべると後ろで待機していた赤い鎧を纏ったブリッツに手で合図をする。
ブリッツは部屋から姿を消したと思うとすぐにその姿を現した。
彼の後ろからは光り輝く仮面をつけた巨大な生物。
屈強なそのがたいは、言い表せないほどの威圧感を放っていた。
「...あっ...ひぃ...」
オーク。
冒険者としてヴァナディールを駆っていた頃、幾度となく見かけていたその姿。
しかしその辺で見かけたオークとは一回りも二回りも大きく見るものを震え上がらせる迫力があった。
オーク神?
「グオオオオォォオオー」
黄金の仮面のオークがほえる。部屋全体を揺らすかのような大きな声。
「ファーン!ファーンなのね!?」
怖くても怯えるわけにはいかない。
彼を元の姿に戻せるのは...私しかいないのだから。
「解き放て」
ランディの言葉に呼応してブリッツが短い呪文を唱える。
詠唱が終えると同時にオークは私に向かって襲い掛かってきた。
「...っ!」

怪物は寝そべる私の首を掴むと強引に引っ張りあげ己の股間へと導く。
そこには見たこともないグロテスクなオークの生殖器があった。
「....っ」
ヒューム、いやエルヴァーンのモノと比べても、その大きさは異常だった。
怪物はすでに興奮状態にあり、禍々しい生殖器はいきり立ち凶器のように私に押し付けてくる。
「んぶっ」
鼻腔を刺激する悪臭、グレッグとは比較にならないものだった。
たとえ今はこんな姿になっているといえ、この怪物は最愛の人ファーンなのだ。
決意を固め私は怪物のモノを口を広げて咥え込む。
顎が外れそうなほど太く、棍棒のように硬いそれはまさに肉の凶器だった。
怪物は私の頭を掴み、がっちりと固定すると自ら腰を降り始めた。
ランディの時と同じように息が詰まる。
しかし、彼のモノとは大きさが違っていた。
喉を何度も突かれ嘔吐感、いや喉から胃液が逆流していた。
しかし、怒張は私の口に栓をしてしまいこみあげる胃液の排出を許さなかった。
喉が焼けるように熱い
「ゴフ、ゴフ!」
怪物の荒い息遣いが耳に入る。
怪物の手を掴み必死に抵抗したところで私の力でかなうものではなかった。
水の中に居るわけでもないのに私は溺れているように呼吸を止められていた。

「グオオオオォォォォー」
怪物が吠える。
同時に口腔内に生暖かい精液が溢れた。
人のそれの何倍の量が放出され、口をそして胃液を押し戻し胃の中へ流れ込んでいった。
怪物は射精を終えると同時に私の頭から手を離し再度雄たけびをあげる。
「グオオオオォォォォ」
部屋の壁が揺れ、轟音が響く。
床に寝そべる私の体は体内に入った異物を必死に排出する行為を続けていた。
「ぐほっ....ごぼ...ごふっ....」
空気を求めるものの胃に入った精液を、そして排出できなかった胃液を吐き出す。
せめて鼻からでも空気を取り入れようとするが、そこも液体を排出する目的を達するのがやっとだった。
部屋の中で溺死する...意識がかすれてきたところでやっと空気を吸い込むことができた。
私の顔を中心に床には大きな水溜りが出来ていた。
黄色の混じった白い水溜り。
不意に体が浮かぶ、
怪物に髪をつかまれそいつは私を品定めをするように何度も見つめていた。
怪物は私の体を床に投げると両脚の間に体を滑り込ませ圧し掛かってくる。
熱く滾るモノを私の股間に押し付け、入り口を探しているようだった。
「ファ、ファーン」
かすれた声で呼びかける。

声に反応したのか、怪物の動きが止まった。
...次のスyン間私の体内に怪物のモノが押し込まれる。
「!!!」
声にならない悲鳴をあげ、私は仰け反った。
膣が裂けるような痛み、処女を失った時以上の痛みが体を襲った。
力強い腕で足を開かれ、関節に痛みが走る。
怪物はピストン運動をはじめ、私の体に体重を乗せてくる。
ボキ...ボキ...
重みに耐え兼ね肋骨が折れる。そして内蔵が重みで圧迫されていく。
「ファ..」
それでも、私は彼の名を呼び右手で怪物を愛でるように髪を撫ぜた。
「ファーン、私...」
しかし怪物はハエでもはらうように頭を振り、私の手を取ると力任せに払った。
「っ!」
振り払われた腕は肩が外れ、自分の意思で動かなくなってしまう。
(せ、せめて.......痛みを忘れることが出来れば.......)
破壊されていく体の痛みをやわらげるように私は思い出に縋りつく。
ファーンとの楽しかった思い出...
彼との出会い...

・・
・・・・
・・・・・・
しかし、何も思い浮かばない....
彼に惚れ、告白したのは私...
二人でいてもいつも彼の対応は冒険仲間扱い...
そういえば彼からの愛の言葉を囁いてもらった記憶がない...
思い出そうとすればするほど彼からの愛情が見当たらない...
思い出せない...オモイダセナイ...オモイ.......ダ、セ、ナ、イ....


そんな中私を現実に引き戻す男達の声が聞こえる。
「さて、俺達はひきあげるとするか」
「それにしてもお前の考えた言葉は魔法の言葉だな」
「げへへっ違いねえ」
「おいおい、まるで俺だけが悪いみたいじゃないか?それともマグロ女を相手にしたかったのか?」
「確かにな、お前の言う釈放という言葉を聞いただけで必死に奉仕してくれるんだからそれに越したことはないな」
「げへっげへっ。GMが嘘をつけないなんて嘘を真剣にとっちまうこいつらもどうかしてるがな、げへへへっ」
私は一瞬自分の耳を疑った。
(いったい...どういうこと?)
「もしGMが嘘をつけないならグレッグ、お前は速攻で首だな」

「げへっ、ランディに言われちゃ世話がねぇや、お前こそ人のことはいえねえじゃねえか」
(なに?全てが嘘?GMは嘘を吐けないって.......)
「あの女、化け物がまだ自分の昔の彼って信じてるんじゃないか?」
「そのほうが幸せに死ねるってもんさ。はははっ」
男達は部屋を後にし、重い扉が閉められる。
部屋に残されたのは私を慰みモノにしている化け物だけだった。
両脚は強引に開かれ、骨がごりごりと軋む音が聞こえる。
力任せに限界まで拡げられると何かが砕ける音とともに激痛が体を襲った。
「ひゅ...ごぼっ...ごぼぼぉ...」
私の口からは悲鳴どころか吐き出す息の音もしなかった。
内蔵が潰れ血の混じった体液が喉から吐き出されるのみ
それでも怪物は欲望のまま体を動かし私を壊していく。
ぶちん...ごきっ...みしみし...ぼきっ...
健が切れ、骨が折れ砕ける...ただ天井を見上げ少しでも早く意識がなくなるのを願った。
やがて痛みがなくなりぐちゃぐちゃという音だけが耳に聞こえる。
(あぁ...開放される..........長かった.....)
薄れいく意識のなか優しく微笑みを浮かべる男の顔が映った。
ファーンではなかったがとても思い出深い彼
(..........アル.....)
私の意識はそこで途絶えた。

日の光がモルディオン監獄にも降り注ぎ朝を伝える。
孤立された離れの地下室の扉が開かれた。
部屋の中央に一人の女性がうつ伏せに寝転んでいる。
不思議なことに体はうつ伏せのままだが顔だけは天井を見上げていた。
彼女の目はガラス球の様に光を失い、息はしていなかった。
体中に白い液体が固まった膜が張り付き、それらが鼻を突く異臭を放っていた。
掃除にきたであろう二人は彼女の死体をゴミを捨てるかのように袋に詰め込み引きずって部屋を後にした。
「まったく下っ端だからってこんな役回りばかりさせられたらたまらないぜ」
「おいおい、めったなことを言うなよ。何処で聞かれるか分からないぞ?」
二人はゴミ袋を引きずりながら愚痴をこぼす。
「早いこと適当なワールドに捨てちまおうか。後はそこのやつらにまかせればいい」
「そうだな」

一度入ったものは二度と生きて出ることはできない
魂の牢獄「モルディオン監獄」

              □END□