「おい!今日1日で何回パーティーを危機に晒したと思ってんだ!!」
 1日の狩りが終わり、タルタル専用にあてがわれた小さなテントに入ってすぐ。腰を落ち着けるひまもなく、ぼくは1日の不満を、その元凶であるタルタル黒魔道士の少女に思い切りぶつけていた。
「…何よ。」
 つーんとそっぽを向く反抗的な態度に、ぼくはますますいきり立つ。
「肝心要のところでいっつも精霊魔法全開にしやがって、お前自身も死ぬとこだったじゃないか!分かってんのかよ!?」
「ナイトのあんたがしっかりかばってくれないからでしょ?」
「それにだって限度ってモンがあるんだよっ!!」
 自分自身も攻撃をするし、他の魔道士や詩人達にも気を配らないといけない。そうそう彼女1人をかまってなどいられないのだ。それくらいは分かっているだろうと思ったのに…。と、思い切りキレた後、一気に脱力してしまったぼくの脳裏に、このモヤモヤを解消するいい案がひらめいた。
「…まあ過ぎたことだ。明日はしっかりしてくれるよな?ぼくもできるだけ気は配るから。」
「…それはあんた次第ね。」
「…ほう?」
 あくまで冷たくぼくを見下す態度をとる少女に、ぼくは不敵な笑みをうかべ、にじりよった。
「ぼく次第か。なら、明日ぼくがちゃんとお前をかばうかどうかは、これからのお前の奉仕次第ってことでもいいんだよな?」
 黒魔道士の少女が、タルタル特有の長い耳をぴくりと動かして反応した。
「…何よ?奉仕って?」
「決まってるだろ?…ぼくを、満足させろ。」
 そう言ってぼくはガラントコロネットをはずし、サーコートを脱ぎ始めた。震えたりとまどったりせずに言えてよかった…実は内心、かなり不安だったのだ。ぼくは、ソッチの経験がゼロだから。いくら若い男だといっても、タルタルの男を一夜の相手として承諾してくれる女性はめったにいない。だから、当然溜まってしまう。今までずっと1人で「処理」していたのだ。今日のパーティーに、同じタルタルの女の子を見つけた瞬間、チャンスだと思ってしまった。どうやって誘おうかとか、休憩中はそんなことばっかり考えていた。でも、奉仕とか言ってやらせる案は予想以上にうまくいってるみたいだ。第一自分が悪いわけだから、反抗のしようもないしな。
 少女は、ヨロイと服を脱ぐぼくをぼうっと見つめていたようだが、やがて背中を向け、ウイザードペタソスとグローブをはずし始めたらしい。
しゅるっという衣擦れの音と、ガチャガチャというヨロイの金属音がしばらく交互に響く。服を全部脱ぐと、ぼくのモノはこれからもたらされるであろう快感への期待できっちりと立ち上がっていた。まあ、ここしばらく「処理」するチャンスもなくて溜まっているというのもあるけど。さて、こっちの準備は万端だ。ぼくはテントで仕切られた空間のほぼ真ん中に座った。そして彼女の背中に問いかけた。
「…心の準備はできたか?」
 少し声が震えたが、威厳を保つため、あえて冷たい口調で言い放つ。すると、彼女の背中が少し動き、先ほどまで彼女を包んでいたマントがはらりと下に落ちた。…ところが。
「…なっ!?」
 マントの下から現れたのは、少女の裸体だった…。いつの間に脱いだんだろう?脱いでるってことは、まさか、最後までデキるのか?いやまさか、ぼくは「奉仕」って言っただけだしな…いやいやしかし、何も言ってないのにもう脱いでるってことは、最初からソノ気だったのか?いやいやいや、さっきまであんなツンとした態度だったじゃないか…。ぼくの思考がぐるぐると回転している間に、彼女はぼくのそばに近づいてきて、ちょこんと座った。そしてぼくの目をのぞきこみながら、ささやいた。
「…奉仕なんて言って、ホントはこうされたかったんでしょ?」
「!?」
 なななな何言ってんだそんなワケないだろ!?ただクチでいいから奉仕して、キモチよく出させてもらいたかっただけだ…!そう思ったのだが、心に浮かんだコトバは、ついにクチから出ることはなかった。
「む…ぐっ?」
「んっ……ちゅ…。」

 ぼうっとしていたぼくの口が、彼女の唇でふさがれたと自覚するまで、ちょっと時間がかかってしまった。彼女の髪の甘い香りと、唇や舌に感じるぬるぬるとした感触、そして、直に触れ合っている肌の滑らかな感触…立ち上がっていたぼくのモノはますます血管を浮き立たせてギンギンに張りつめだした。もちろんぼく自身もヤバイくらい興奮し始めている。顔が熱くて、脳がとろけそうな感じだ。
「ぁ…はぁ…はぁっ……はぁ…。」
 しばらくして唇が離れると、どちらのものともつかない透明な液体がつーっと糸をひいていた。ぼくはすっかり息を荒げ、とろけたようなまなざしで彼女を見つめることしかできなかった。彼女の目もまた、うるんでとろけていて、先ほどからはとても想像できないくらい、色っぽかった。ぼくのとろけきった目と、張り詰めたモノを見つめてふふっと笑みをこぼし、自分の手をレローっとなめてから、ぼくのモノに手をあてがってゆっくりとこすりはじめた。
「っ……ぁあ……っは…。」
 上目遣いにぼくを見つめながら、手で強弱をつけてこすってくる。ソコからしびれるような甘い快感が立ち上ってきてて、しかも、「奉仕してもらう」と言い放った相手からソレをされてるわけで…。キモチイイんだけどすさまじく恥ずかしくて。顔がカーッと熱くなるのを感じて、ぼくは思わず上半身をひねり、顔をそむけようとした。しかし、
「あたしの舌で、あんたのが気持ちよくなるの、ちゃんと見てて。」
 少女はそうささやき、最も敏感な先端部分にちゅっとキスをした。びくりっとモノが震える。
「ぁぅっ。」
「あんたのをしゃぶってるあたしのこと…ちゃんと…見てて…。」
 うるんだ目でぼくを見つめながら、彼女はぼくのを奥まで飲みこんだ。同時に手で袋をやわやわともみながら、顔を上下させてじゅぷじゅぷと丁寧にしゃぶってくる。ぼくのをくわえているその顔は、たとえようもないくらい、艶かしかった。
「はっ…ぁあ…んっくぅ……ぁう…。」
 自分の手でスルのなんて、比べ物にならないくらいの甘く激しい快感。すぐにイッてしまいたい反面、もっとこの快感を感じていたい気持ちもあって、ぼくは結局後者を選んでいた。でも痺れるような快感が連続で襲ってきて、もっともっとと思いながらも、もう限界は近かった。
「ぁ…は、離れて!イクっ…出ちゃうよ…っ!!」
 片手で半ば彼女を突き飛ばすように押しのけ、同時にもう片方の手で身体を支えて下半身を横に傾ける。びゅくびゅくと飛び出た大量の白濁液は、瞬く間に地面にすいこまれ、黒っぽいしみとなった。
「…はぁっ……はぁ…っ……。」

「すごい…いっぱい出てる…。」
 息を整えるのに必死なぼくの横で、彼女が呆然とつぶやく。そりゃそうだよな。1ヶ月くらい溜まってたんだもんな。ぼくの息が整うのを待っていた少女は、再びぼくの正面にきた。うるんだ目がぼくをじっと見つめている。もう、言葉はいらなかった。彼女はぼくの首に腕をまわして抱きつき、長い耳にゆっくりと舌をはわせはじめた。耳がぼーっと熱を持ちはじめると、彼女の唇と舌は、ぼくのほほに移動を始めた。やわらかくて暖かい唇がぼくの顔に触れたとたん、その箇所が甘い熱を帯びる。その熱に酔ってしまって、身体を動かすどころではなかった。
「耳の先まで真っ赤になってる…かわいい…。」
 吐息交じりにささやかれ、ほほに何度もちゅっちゅっと熱い唇がはう。逃げ出したいくらい恥ずかしいのに、身体が全く動かない。やがて、熱を持った顔を両手で包まれ、彼女が顔を正面に持ってきた。目を半眼に閉じ、そのまま近づいてくる。やがて、顔が見えなくなるくらい近づいてきて、彼女の唇がぼくのと重なった。さっきよりも激しくついばまれ、舌をまさぐられ、吸い付かれ、思う様蹂躙される。顔の熱よりも、脳のとろけるような感覚の方が強くなってきた。

 やがて、彼女の唇と舌は、ほほ、うなじをとおり、胸に到達した。いつのまにか地面に押し倒されたぼくは、胸板をなでまわされ、立ち上がった先端を指でつままれ、舌でまさぐられた。

「ぁっ…は……ぁあっ…ん…。」
 まるで女みたいな喘ぎ声が漏れ、羞恥でさらに真っ赤になるぼく。くやしまぎれに手をそろっと動かし、彼女の胸をゆっくりとこね、先端部分を指先でくにくにといじめてやった。
「あん……やぁっ!…ぁはっ…。」
 眉根をよせて、切なげに喘ぐ顔が色っぽくて、さらに乳首をこねて甘く鳴かせてみる。涙がうかんだその顔をそっと抱き寄せ、ぼくの方からキスをして涙をなめとった。再びぼく達は唇を重ねた。今度はさっきよりも激しく、ちゅくちゅくといやらしい水音がテントにひびいた。
「んんっ…ふぅっ……ちゅっ…ちゅるぅっ…。」
 ぼくのモノは、ついさっき出したにもかかわらず、萎える様子も見せずにそびえたっている。…この子の中に、入れたい…そんな本能の呼び声にしたがって、ぼくの手は彼女の下半身へと伸びていった。それを察した彼女は、ぼくの手をとって、秘所へと導く。近づけるだけで、すごい熱気だ。
「ここよ…ここに入れるの…。」
 今までの行動ですっかり欲情していたのだろう。彼女のソコは、すでに彼女自身の分泌液でとろとろにとろけていた。指を近づけると、つぷっと音を立てて指先が埋まる。ゆっくりと指を曲げながら溝にそってなぞると、さらに分泌液があふれてくる。
「…や…っあぁん…。」
 耐え切れないような甘い喘ぎ声をあげた。その溝の端っこに、こりっとした感触の肉芽があった。指先でつんつんつついたり、つまんでこねたりしてみると、彼女の腰がガクガクとはね、たまらないくらい甘い鳴き声が口から漏れた。
「ぃやん…あっ…ダ…メっあああぁっ!」
 …も、もう、ダメ…。ガマンできそうもない…。ぼくは自分のモノをつかみ、もう片方の手で彼女の腰を抱き寄せようとした。すると、彼女は自分からぼくの腰の上に移動してきて、そのまま腰をおろそうとした。
「いいの…?」
 一応、そう聞いてみる。彼女は笑みを浮かべながらこくりとうなずき、ぼくのモノの上でゆっくりと腰を沈めてきた。熱くてぬるぬるのソコに、ぼくのモノが少しずつ包まれていく。愛液がたっぷりとまぶされ、すべりがよくなったところで、彼女は一気に腰をおとしてきた。
「ぁっ…はぁああああっん…!!」
「うっ…くぅぅっ!?」
 …熱くて、ぬるぬるしてて、それでいてぎゅーっとぼくのモノをしぼりあげてくる、この感触。ただ入れているだけなのに、ものすごく、キモチイイ。
彼女は痛くないんだろうか?と表情を見てみると、切なげに眉根をよせ、汗にまみれて熱い吐息を吐いている。と、いきなり彼女が、ぼくの上で激しく腰を振り始めたのだ。ただでさえしめつけられてるのがますますしぼりあげられ、激しくこすられる。
「はぁっ…あんっ!やぁん……ぁっは…ああっ!キモチイイよ…!!もっと突いて…突き上げて…ぁん!」
 ぼくもいつのまにかカクカクと腰を振っていたようだ。あらためて彼女の腰を両手で支えて固定し、激しく突き上げ、彼女の中をかきまぜてこすり上げ始めた。断続的に聞こえていた鳴き声が、さらに甘さを増す。ぼくの方も、腰にきゅうんと甘い快感が集中してきて、出口を求めて暴れまわる感じだ。さらに激しく腰を振り、2人の肌がぶつかりあうぴたんぴたんという音とぐちゅぐちゅとという水音がリズミカルに聞こえる。
「あんっあんっやぁんっぅんっ…イイよぉ…ぁダメっ…もうイキそう…!」
「ぅあうっ…ちょ、中に、出ちゃうよ…離れて…っ。」
「大丈夫、今日…ぁあっ…安全日だか…んあぁっ…。」
 喘ぎ声まじりにそう言われ、ぼくはラストスパートとばかりに腰を撃ち込んだ。ぴたんぴたんぴたんぴたんぴたぴたぴたぴた…
「ぬぁあイクッ…出ちゃう…ああぁっ!!」
「やぁっ…ぁダメイッちゃう…イクぅっぁはあぁあああっ!!」
 その瞬間、彼女の中がゆるみ、直後に不規則にぎゅうぎゅうと締め付けられた。まるでしぼりとられるみたいに、ぼくは自分の白濁した欲望を大量に彼女の中に吐き出した。キモチヨサが全身を突き抜けていく中、ぼくは断続的に何度も吐き出し続け、やがて気を失った…。

 おぼろげな意識の中、ぼくの上に彼女がもたれかかり、何かを言ってるような気がした。そして、ほほに優しい唇の感触がして、そのままぼくの意識は再び幸せな色にとけていった…。

黒い瞳女性視点