タル♂ トンソブンソ
ミスラ ソイ どちらも好きなフェイスでどうぞ
俺はトンソブンソ、ウィンダス出身の華麗なるシーフだ。冒険者になる気なんてサバンナララブの
フン程もなかったけど、シノギでへた打っちまって国に居ずらくなっちまったんだな。
ほとぼりが冷めるまで流行の冒険ゴッコでもして国を離れていようと、広い世界に飛び出したのが
きっかけで、才能ってやつかな、今では義賊の中の義賊、世界の英雄、大怪盗トンソブンソ様ってな扱いなわけ。
主なシノギはゴブリンのクセぇ鞄から財布をスったり、女冒険者の下着を盗んで売ったりと
華麗なモンよ、まあ俺に盗めないもんなんて無いね。
で、俺っちには頼れる相棒がいて、モンクのソイ・ダナンっていうんだ。何でも世界一の格闘家を
目指すとかで腕っ節は立つんだが、格闘のことしか考えてねえんだな、全くギルに無頓着で路銀も
持たずにうろついてやがる。飯を買う金もないとかで、サルタバルタの川で手掴み漁に勤しんでいるところを
俺様が餌付けしてやったってわけ。ちょっと装備を買ってやったりすりゃ、メキメキと強くなって、
冒険者としては俺よりちょっとだけ優秀なわけ。俺はこいつのスポンサーみたいなもんで・・・
まあ平たくいえばソイにオンブにダッコでクォン・ミンダルシアに辺境・アトルガンと所狭しと冒険して来たが、
そろそろ俺も故郷に錦をかざっていっぺん凱旋してえなと思ってたところなのさ。
だがウィンダスで一目置かれるってのはなかなか難しくてね、ダルメルランドや穴堀ワームの巣と違って、
ウィンダスじゃあインテリがもてはやされるのよ。インテリ、ああなんてソイには無縁の響きだろう、
こいつがいくら頑張った所でウィンダスじゃあちっとも認められない、だからここは一つ俺っちの
知恵ってやつが入用なわけで。ちょうどインテリってやつにアテが有るのよ、大して興味も無いのに
辺境のカザムにアトルガンくんだりと旅をした甲斐がってもんだ。冒険者の集まる所ってのは
情報も集まるってもんで噂だけは真贋問わずよりどりみどりでな、ほかの冒険者じゃあ大して
気にも止めねえが俺っちにはピーンと来たやつがあったのよ。
“マンドラゴラはアトルガン皇国が生み出した合成獣”
“ウィンダスにミスラが本格移民し始めた頃からミンダルシア大陸にマンドラゴラが増え始めた”
これだ!確か本国じゃあ偉い学者先生達が国を挙げてマンドラゴラの研究をしてるとか(よっぽど暇なんだろうな)で、
マンドラゴラのルーツに関する資料なんかにはスゲエ額の報奨金が出るとか出ないとか。
学者先生に認められるとくりゃあインテリ間違いなしだ、しかも多額の報奨金が出るとなりゃあ、
こそ泥がばれて国に帰れなくなった俺っちでもおっかさんに真っ当に顔向けできるってモンよ。
善は急げといつものようにソイをつれてカザムに飛んだ。
「よし!実験開始だ、俺が合図をするまでマンドラゴラと戦い続けてくれ。」
わかった!と元気にマンドラゴラと戦い出すソイ。マンドラゴラだらけのヨアトル大森林で俺は観察記の1ページ目を綴りだした。
「オッケーオッケー!もういいぜ、帰ろうソイ。」
しばらくソイとマンドラゴラ達の戦いを観察していたが、十分な成果が得られたと考え引き上げを指示する。
「わ、わかりません!」
ソイの口癖だ、きっとソイには世界は不思議の国に見えるのだろう、何一つわかる事が無いのだから。
「今ので何かわかったの?実験って普通に戦っただけじゃ・・。」
いいからいいから、ソイの言を遮って帰路につく。実はこの実験、ある事情があってソイにも詳細を説明していない。
だってソイ自身が実験台なんだもの。
俺が各地で入手した情報や実際観察したことを纏めるとこうだ、
・ マンドラゴラは植物らしいが動物のように行動できる、知性も若干ある。
・ サルタバルタには元々生息しておらず、20年程前から増えだした。
(20年前といえばウィンダス復興のためにミスラが大量に移民した時代)
・ エルシモ島にも大量に生息しているが原生ではない。
(つまり短期間に長距離、しかも海を渡る程生存権を広げる特性がある)
・ キメラの一種として研究開発された人工生命らしい。
・ 身の危険を感じると種をまいて子孫を残そうとする。
以上から俺の推測では、帰化植物に多い、種子を動物にくっつけて運ばせる類の植物の一種を、
奇天烈な錬金術で獣人(樹人?)に進化させた生物がマンドラゴラで、おそらくミスラの体にくっついて
運ばれているのではないかという結論に達した。ミスラはヒュームと並んで遠洋航海を得意とする種族だ、
そこかしこの国と交易があったとかいう話だし、サルタバルタでの繁殖時期とミスラ大規模入植の時期の辻褄は合う。
さらに!ここからが重要なのだが、何故ミスラなのかという点である。今の所、同じ海洋文化を持つ
ヒュームの文化圏にマンドラゴラが繁殖したという話は無い、これは主な船乗りが男であるヒューム属か
女のミスラ属かの違いがあるからだと推測できる。マンドラゴラが何らかの動物(タルタルなんて噂もあるが)と
植物のキメラである以上、種子の育成環境も動物と似た特性、つまり、子宮を必要とするのではないか、
というのが俺の推論ってわけよ。
ヨアトル大森林の戦闘ではソイががんがん種まきを食らっていたのを確認して、俺は観察の第一段階を切り上げた。
胞子状の種をハンターに噴射し、個体が息絶えても、その子孫は新天地で繁殖するというなかなか狡猾な
生存術であるように思う。問題はその成長プロセスだ、ひょっとしたらオナモミのように衣類や体毛に
種をくっつけて遠くに運ばせるだけかもしれないが、動物とのキメラであるという噂とミスラの種族的移動と
リンクした生存権の広がりがどうしても気になる。カザムについた俺はソイに、久々と言える
ごちそうを振る舞ってやった。財布は寂しいが、やっぱお母さんは栄養つけなきゃね、なんちゃって。
さてさて、タルタルなら十月十日なんていうけど、マンドラゴラはどれぐらいで発芽するのだろう。
海を渡った実績があるなら、それなりに長い間潜伏しているのかもしれない。妊娠・・か?
こんな実験を始めてしまった手前、なんというか、ソイを今までに無い目線で見てしまう。
そう、ちょっと“女”を意識しちまうのだ。タルタルは女性の股の間に立つことを唯一許可されている
種族であるから問題ないといえば問題ない、そう例えば、白魔導師♀の股の間に立って
ピョンピョン跳ねることもタルタルなら許される、どんなに邪淫な動機があったとしてもだ。
だからソイの脚の間に何食わぬ顔で入り込み、大空を見上げるがごとく爽やかに股間を仰ぎ見ても普段なら
そう大事にはならない、が、どうしてもその奥が気になってしまい、いつもの爽やかさが出ない。
じとーっと股間を眺めているのにソイが気が着いた、
「あ、ちょ、、」
ソイは何か言いたげな言葉を押さえたようにつぶやくと気まずそうな顔でそっぽを向く、
ああ、違う、そうじゃないのに、、
「い、一緒の部屋に泊まろうか。」
ひょっとしたら今晩生まれてしまうかもしれない、そう思ってジュノに帰った夜ソイに提案した。
「・・・いいけど。」
案の定ソイは乗り気ではない。絶対にソイは勘違いしている、いや、勘違いするのも当然なのだが、
ああもう!そうではない、というか俺はタルタルだし。自分の取り繕った笑いが不自然で、
逆に卑猥な顔になっているのではと不安になった。
ようやくソイが寝付いた後、とても複雑な思いで、観察記を更新した。
『本日も変化なし』
ジュノを立つ。逃げるようにして飛び出して以来の祖国に向けて俺たちは歩き出した。ソイは
全くもって問題なくウィンダスを行き来できたはずだが、俺にあわせてくれていて川で魚を捕っていた時以来の帰国である。
メリファト南下中に日が落ちて来たので二人で焚火を囲んで休んでいた。母体(?)が心配なので
ソイを休ませて火を起こすのも夕食の支度も全部俺が用意すると、またソイが怪訝な顔をする。
「ねえちょっとわからないんだけど。ブンソ最近なんだか優しいね、それに・・」
その先は喋らなかったが、何とも力弱い、何かを探るような声色だ。わからないと言っておきながら、
本心何かをわかってしまっているようだった、いや、誤解だけど完全に。いつも何もわからないんだから、
今回もわからないでほしかった、わかってないけど。俺がしまった、と思いつつ答えに困って
歪に微笑みかけていると、ソイはハッとした表情になって道着の胸元を正し、襟を掴んだまま胸の前で腕をクロスした。
普段の彼女は服装にだらしない、というかミスラ全般がだらしないのだが、完全に誤解されている事がよくわかった、
俺は引きつった笑みに深い悲しみを湛えるというジュノの演劇家クラスにしか出来ない複雑な表情でそっぽを向いた。
その夜はそれ以上会話も無く、観察記に特別記すような事も無かった。
とても微妙な関係のまま旅は進み、ついにウィンダスに到着した。自分の気にし過ぎかもしれないが、
どうもソイが自分の下腹部を撫でる事が多くなった気がする、観察記に俺の鋭い洞察を記す。
さあいよいよウィンダスだ、予想通り門をくぐった瞬間俺は衛兵にマーク、、されなかった。
そりゃそうだ、ただのこそ泥だし、もう誰も事件の事を覚えちゃいないさ、ガードに追い回されたあの日が懐かしい・・
「よかったねブンソ、泥棒ばれてなさそうだよ!」
全然ダメ、全くダメ、ソイの機嫌がいいのはうれしい事だがコイツは時折俺の理解を超える言動を平気でする。
ガードの目がきらりと光った気がして走ってモグハウスへ逃げ込んだ。しばらくモグハウスに身を隠す、
こいつはちょうどいい、今日はこのまま夜だ。
「ああもう、これじゃあ部屋から出れないだろ?俺はこの端っこで寝るから、ソイはベッド使え。
あと!勘違いしてるみたいだけど、俺は無類のタルタル好きなんだぜ?」
「ブンソ・・。」
ソイがにっこり微笑む、とても嬉しそうだ、今の会話でお互いをわかり合える、だって相棒だもの。
ソイは二人の冒険仲間としての関係が変わってしまうのが怖かったのかもしれない、俺だってそうだったのだから。
よかった、ようやく胸の支えが、とれてない。ああ、マンドラゴラがまだ生まれてないんだった・・
ソイが寝息を立てだした頃俺は一人頭を抱えていた。
「ふっ・・うん、はぁ・・」
悶々として眠れないでいた矢先、突然ソイが苦しそう、というか、気持ち良さそうなうめき声を上げる。
来た!自分の仮説は正しかった、ほんとは間違いであってほしかったが、ソイの艶かしい吐息は、
出産(?)の合図以外に考えられない。シーフ持ち前の身のこなしでソイに決して感づかれることなく、
起こさないようにベッドに忍び込む。チャンスだ、ソイは下着姿で寝ている、つまり下着一枚おろせば、
ソイの、なんというかアレがアレのはずだ。なおもソイは艶かしい吐息を漏らしている。決して気が着かれてはならない、
掛け布団やシーツの摩擦に偽装しソイの股ぐらに接近する、下着に手を伸ばし、指をかける。
よし、まずはここまで来た、後はゆっくり脱がすだけ、数分の時間をかけて子供のタルタルの小指ほど下着をおろす。
このペースでは間に合わない、シーフとしての経験が警告する。数々の女性冒険者の下着を盗んで来たが、
中でも難しいのが“装備されている防具を盗む”という限界への挑戦である。
「うん・う・・ぁ」
ソイの吐息が荒くなる、いったい何が起きているんだ?と焦った瞬間、吐息にあわせてソイが脚を艶かしく動かしだした。
ぬすむ
俺の心臓は今、確実に数秒止まった。手にはソイの下着がしっかり握られている。やった、俺の冒険者としての経験が、
盗みのテクをここまで昇華させたにちがいない。緊張で不整脈を打っている心臓を押さえるように、ソイの下着を懐にしまう。
よし、マンドラゴラは・・!ソイのま、まん、女性の女性k、あー、恵みの雨降りミズバショウ咲き乱れる
パシュハウ沼に隠された湿潤なクゥルンの大伽藍で何かが確かにうごめいている。マンドラゴラの幼生が
今まさに出てこようとしてるのか。普段は胴回りが胸の二倍程もあるふくよかなタルタル女性を好むこの俺ですら、
目の前の光景には息をのむばかりだ。いくら相棒のアレだとはいえ、いくら手足がひょろりと長い痩せっぽっちの
ミスラ族とはいえ、男として、血行が良くならない訳が無い。ぷちゅ・・ぷちゅ・・という音を立てながら、
出てきそうになったり奥まで引っ込んだり、その動きにあわせてソイのシャル貝が膨らんだり開いたり閉じたり縮んだり。
相変わらずソイは艶かしい息づかいをしている。一際勢いよく飛び出そうとしたのか、マンドラゴラの真っ白な
頭のてっぺんが穴からのぞき、ソイの粘膜が吸い付くように頭部を包む。プチュ!っと一際大きい音が立ち、
マンドラゴラの動きに掻きだされた液体が、波打ち際の小石に砕かれた優しい波のように水しぶきを上げる。
ガクガクと震える俺の指をなんとか沈め、目の前の光景を正確に観察記に綴る。
「エー・・恵みの雨降り・・パシュハウ沼に隠された・・クゥルンの大伽藍で何かが確かにうごめいて、と・・。
彼女は切ない吐息を、エー・・輝くような水しぶきが、と・・。」
あまりに写実的、かつ、優美な文章に俺の新たな才能を感じつつ、ソイの楽園の扉を見守る。
扉は既に半開きとなっており、覗き込めばアルタナをチラ見出来そうな状態だ。もどかしい、早く出てこい、
ソイが苦しそうだ、いや気持ちがいいのか?
「はぅ・・ダメだよ・・ブンソ。たまごナス・・。」
すげえ夢を見てるようだ、一言一句逃さず観察記に記載する。マンドラゴラ自身も相当頑張っているようで、
だいぶ動きが激しくなって来ている。もう頭が半分飛び出す事もある、当然動きが激しくなれば刺激も激しいようで、
ソイの過激な夢はエスカレートしているようだ、最早普通に喘いでいる。
ピキィ!「あ!」「はぁう!」
しまった、あまりに一瞬、マンドラゴラ特有の奇声と共に幼生が飛び出してベッドから転がり落ちんとしてる。
そうはさせない、こいつは捕まえて標本にしなければ!さっとマンドラゴラを追撃しようとした瞬間、
俺の頭は万力に挟まれるように、ソイの膝に挟まれた。しまった、今目覚められたら、もういい訳は不可能、
というか自分がイタズラをしてたようにしか見えない。ジタバタと抵抗してみるものの、すごい力で締め上げられている。
「たまごナスはだめらってぇ!」
屈強な巨獣とも渡り合える鉄拳が俺の顔面にめり込んだ。
次の日の朝、俺はヨランオランとかいう博士の家を訪ねていた。俺の渾身の観察記を博士はマジマジと見つめている。
「おお・・おお・・これは!ふむふむ・・パ、パシュハウ沼!」
俺に背を向けて、でかい円卓に資料を広げている博士だが背中が妙に寂しい。
「なるほど。これは、確かに調査の必要がありますね……。こういったものが、また手に入りましたら、
かならず私の元へ持ってきてください。」
観察初日から今日まで毎日欠かさずイラスト入りで詳細に綴られたこの観察記とソイの下着のセットはなかなかの額で取引となった、
マンドラゴラの幼生には結局逃げられたのが痛恨で、それさえそろっていればたいした額になる所だったのだが・・
ソイの朝は遅い、ボギーと同じくらいに朝を嫌う彼女は昨夜の事など全く覚えていなかった、覚えられてたら困るけど。
「あれ!?ブンソ顔にオオアザが出来てるよ?」
腫上がってガルカのごとき酷い顔になっている俺だが、満面の笑みでソイを出迎えた。
「ハイハニー、さっき階段から滑り落ちてね、朝食に行こう。大金が手に入ったんだ。」
この冒険者の時代に、女性冒険者なんてちっとも珍しくない、エルシモ島だって今じゃ冒険者の方が獣人より多いくらいだ。
だからひょっとしたらこのヴァナディール上すべての地域でマンドラゴラをお目にかかれる日が来るかもね?
めでたしめでたし