【キャラクターフェイスタイプ】
アルム ヒュム♀ F1-B
エリザ エル♀ F6-A
ディ・フーナ ミスラ F4-B
アズネ ミスラ F6-A
ルエンサ ヒュム♀ F2-B
リズン ヒュム♀ F4-A
ラテーヌの風が女ヒュームの頬を撫でる。
新品のリザード装備を手に入れ、ご満悦な上に快晴のこの天気。
気持ちの悪い訳が無い。
苦心の末に手に入れたブレイブハートを背負い、大きく伸びをする。
「アルム!ボーっとしてると置いていくわよ!」
グレーの髪の女エルヴァーンが少し離れた位置から呼んだ。
スケイルメイルを身につけ、腰には輝くロングソード。
「あ、ゴメンすぐに行くね。」
「ディも行くよ!早くしないと日が暮れちゃうわ。」
「はいよー。」
だるそうな声をあげ、ふらふらとついて来るボーン装備をつけたミスラ。
均整の取れた体に、はちきれそうな胸と女性らしいのに、だらし無く歩く。
腰にはストライクセスタスが、やはりだらしなく装着されている。
片手には酒の瓶を持ち、飲みながらついてくる。
「昼間から酒を飲まないの!」
昼間から酒を飲むディに注意する女エルヴァーン。
「良いじゃんかよ〜エリザは堅すぎるぜ。こーして良い天気の元で酒を飲むのが酒に対しての功徳ってもんでさ…」
「この前は、雨を見ながら落ち着いて酒を飲むのが酒への礼儀。その前は夕日を見ながら酒を飲むのが旨い酒。
更に前は月を見る酒こそ史上の酒!あんたは酒以外の事を考えられないの?」
エリザと呼ばれたエルヴァーンはディに詰め寄る。
「まーまー、二人とも落ち着いて。」
アルムが間に入る。
「じゃ、こうしましょ。夜になるまでディの酒は私が預かる!食事の時だけ許可!!」
俊敏な行動でディの酒ビンを奪い取り、蓋をする。
「お、おいそりゃ横暴だ!」
「アンタの酒の臭いの方が余程暴力よ!」
「と、取り合えず…二人とも先に進も?ね?」
「はぁーあ。酒、酒…酒は悪魔か仏か、毒か薬か…。」
酒を取り上げられたディがぶつぶつ呟いている。
「最低限、あんたが飲んでたら毒にしかならないわ。」
「まあまぁ、美味しく飲むディにお酒もきっと感謝してるよ!」
「だよなぁ…ああ、酒が飲みてぇ…。」
1分前に飲んでいたのに既に酒を所望するディ。
こんなそんなで、漫才を続けながらも3人は快晴のラテーヌ高原を歩いていく。
3人は駆け出しの冒険者だった。
バストゥークの冒険者アルムが初めて来たサンドリアで飲んだくれてるディに声をかけ、道を聞いたのが始まり。
エリザとはその後暫くして出会い、3人は行動を共にした。
ロンフォールでオークの徒党に追いかけられた事もある。
ランペールの墓所で1日迷っていた事もある。
バルクルム砂丘でボギーと追いかけっこを繰り広げた事もある。
時たま別行動を取る時もあったが、3人は仲良く徒党を組んだ。
そんな中、アルムが言った言葉。
「ねえ、3人でジュノに行って見ない?」
3人ともジュノには行った事が無かった。
中立国家として名を馳せるジュノには各地から冒険者が集まる冒険者の坩堝であった。
儲け話を始め様々な情報、物品が流れ込む。
貴重な品もジュノならば見つかり易い事は良くある話。
エリザは自分の腕を上げるにはジュノへ行くのも良いだろうとそれを許諾し、
ディは旨い酒を探すと言い一緒にジュノを目指す事にした。
「はぁ、全く。お昼回っちゃったじゃない…。」
ジャグナー森林の入り口に差し掛かった時には、既に太陽は傾きかけていた。
「こりゃ、森の中で野宿決定…かな。」
「じゃ、こっから気をつけないとね。」
ラテーヌ高原にも注意せねばならない相手はいるが個体数は少ない。
が、ここから先は敵のランクが上がる。
襲われる確率、死ぬ確率は段違いにアップする。
また、ここを抜けてもすぐジュノではなく、その先にあるバタリアも危険地帯であった。
「じゃ、ここから先は気をつけて行かないとね!」
そう言うとガラスの粉の様な物を各自アイテム袋から出す。
プリズムパウダー。
光を屈折させ、対象者を補足し難くするアイテム。
注意深い奴らには見破られてしまうが、それでも生存率は格段に上がる。
そして3人は森の奥深くへと足を踏み入れた…。
虎にオークがあちこちに見え隠れする。
襲ってこない敵もこちらよりは強いのが何と無しにわかる。
時たま立ち止まり、新しいプリズムパウダーを降りかける。
順当に…危険も無く進む3人。
このまま無事乗り切れる……と思いきや。
「ねぇ?何か後ろからオークが迫ってきてる気がするんだけど……?」
アルムが後ろを向くとオークが一直線に、こちらへ向かってきている。
「え?」
エリザも振り向けばオークがこちらへと向かってきている。
その数3体。
だが、走るうちに3体は4体。4体は5体…と段々と増えてきている。
「だ、誰も切れてないわよね!?」
当然、全員プリズムパウダーをつけていた。
その時、はっとやな予感がした。
プリズムパウダーでカット出来ない物には音と匂いがある。
ただ、オークは余り耳が良くないのか足音程度は気にしない。
だが、だがもしも…。
何がしかの拍子にこちらを見られ、強い匂いの物を辿られたら…。
例えば……酒だ。
「この飲んだくれミスラー!!あんたが原因よ!!」
「えぇ!?お、俺かよ!!!」
「そ、そんな事より速く速くー!!」
最早3人とも必死に走っていた。
追いつかれたら死ぬ。
どれだけ走ったろうか。
「ね、ねえ…あ、あいつら…ぜっ…はぁ…臭いで…ハァ…追ってきてるんだよね!?」
アルムが息も切れ切れに口を開く。
「そ、…ハァ…そのはずだ…!」
そう言うと、アルムがエリザの背にある旅嚢にくくりつけたディの酒瓶の栓を開けをあらぬ方向へと投げ飛ばす。
「ああああああーーーーー!!お、俺の酒ええええええええ!!」
追いかけに行こうとするディをエリザが羽交い絞めにする。
するとオークは酒瓶の方へ走っていった。
「ほら、今のうち!!」
3人はその場を素早く離れ森の奥へと入っていった。
「ここ…どこだろ。」
地図を広げるアルム。
出鱈目に走ってきたので場所が解らない。
「知るかよぉ…はぁ……」
尻尾を力なく下げたディがやはり力なく答える。
助かるための行動ゆえ、アルムを非難する事は出来なかった。
「あんたが酒を飲んでなかったら追いかけられなかったの!自業自得!」
「取り合えず…今日は野宿だよね……。」
陽は既に山の向こうに微かな残滓を残すだけであった。
その時。
「あ!あれあれ!!」
アルムが指した方向。
「んあ?」
「え?」
かすかな焚き火の様な光が見える。
もしかして人が…?
しかし、ここは森…しかも恐らく奥地だろう。
確率からすれば獣人の方が高い。
「……オークじゃねーの?」
ディが最もな事を言う。
「でも、ほら。」
それよりちょっと手前。
カラの袋が転がっている。
恐らくはパママ・オレか何かの袋だろう。
獣人がオレを飲むなど聞いた事は無い。
「…でもその袋と奥の人物が一緒だとも限らないわよ?」
「じゃ、じゃあさ!こっそり行って確かめてくる!」
アルムがぐっと拳を握り締め、
「そうね…、取り合えず3人で行こうかしら?」
「…いや、俺が行く。人なら叫べば良いし、もしオークだったら素早く走って戻るからよ。」
「き、気をつけてね!」
「……ま、これで追いかけられた責任はチャラ…ね。」
素早く、足音も僅かに光の方へディは走る。
パチ……パチ…
時たま火の音が聞こえる。
そして魚の匂いもする。
木の陰からそっと覗くと、銀髪のミスラが焚き火に向かっていた。
火に赤いハーネスが照らされ、腰には二本の短刀が見えた。
「そこにいるなら、こっち来たら?」
そのミスラはそっと、しかし良く通る声で木陰にいるディに話しかけた。
「おーーーーい!!大丈夫!こっちこっち!」
ジャグナーにディの声が響き渡る。
それを聞いてエリザとアルムは焚き火の方へ走ったのだった。
「ははは!そりゃ災難だったね。」
焚き火を囲み、今までの経緯を話す。
3人を暖かく迎えてくれた焚き火の主はアズネと言うミスラだった。
色々な雑談を交える。
これもまた、冒険の醍醐味と3人は内心高揚していた。
ディも酒にありつけてご満悦だ。
「それにしても…アズネさんって、ミスラっぽい名前じゃないですね?」
ふとした疑問にアルムが口を開いた。
「ああ。私はバストゥーク生まれでさ。
母親がミスラの名前にこだわる必要も無いだろうって事でヒュームっぽい名前になったんだ。」
「へー。珍しいな。バスにいるミスラなんて。」
ディが酒に酔いながら口を開く。
「確かにね。珍しい目で見られたり、昔は貧乏で辛かったけど…。それでも、あの街は何となく好き何だよ。色々あったけど。」
ニコリと笑って話すその顔からは優しさが伺える。
「それよりも、ジュノ目指すんだっけ?」
「え、あ、はい!」
アルムが元気良く返事する。
「あそこは発展して、理想国家の様に振舞っている…が、しかし裏は結構どす黒いよ…。」
真剣な目で口を開くアズネ。
「……発展の影に犠牲になる物はある物……悲しいが…事実だ。」
エリザが現実的な目線の肯定をする。
「ふっ。犠牲…か。確かにそうだ。かつてはただの田舎の漁港が発展する中失った物は多数ある…。
だが、それだけではない。今も尚、影で犠牲になる物はいるんだ…。」
ごくりと唾を飲むアルム。
ディも酒の手を止めアズネの話に耳を傾ける。
「冒険者を目指す者は数多い。強いモンスターを倒す。貴重なアイテムを手に入れる、
伝説のかの地へ行く、秘境を踏破する…。そう。冒険者は夢のある“商売”だ。
いや、博打…かな?当たれば一攫千金。しかし下手を打てば命を失う…。
だが、全員がそうじゃない。夢を追いかけ続けられる奴がこの世界に何人いると思う?
達成出来ずに…それでも走り続けられる奴はまだ“幸せ”さ。だが、諦めて膝を折る者、
怪我を負い仕方なくどっかの小間使いになる者、用心棒崩れになる者…。そんな奴が腐る程いる。
そうして真っ当に商売出来るなら、まだ良い。酷くなると体を売ってその日暮らしをする女。それを援助する組織もある。
女は体を売ってしのげるが男はそうは行かない。路地裏のゴミを漁って仕方なく生きる。
女も体についた酷い傷で客も取れないとなれば同じ事。金持ちのド外道に玩具にされ壊される奴もいる…。」
ゾッとする様なジュノの裏に潜む現実…。
「目指すなとは言わない。だが、こう言う現実の中に足を踏み入れようとしている事は覚悟しておけ…。
それでなくても冒険者の世界は脅威と恐怖、危険に満ちている。
獣人に殺されるだけじゃない。沼に足を取られ沈んで死ぬ奴もいる。
穴に落ち、足を折ればもう残るは餓死しかない。助けは来ない事の方が多い。
そういった危険を乗り越えないと目指す物は中々手に入らない。
失う物も大きい。私の知人はかけがえの無い恋人を虫に食われ、精神を病んでしまった。
同業の冒険者くずれに騙され、気がつけば娼館入りってのもあるのさ。」
想像だにしない現実。
もしかしたら、同じ地に立った…まだ見ぬ仲間もそう言った目にあった者もいると思うとゾッとした。
「だが、しかし…。このリスクを背負って尚…この世界を楽しめてこそ、冒険者と言える…。私はそう思う。」
その時だった。
「ありゃ…。何だか体が痺れてきひゃ……。」
ドサッ
ディが力無く地面に横たわる。
「ディ!どうした!!」
「見知らぬ人間に出された物を素直に食べる…。フフッ危機感が足りないねぇ。」
そう言ったアズネの顔を見れば、邪悪な笑みを浮かべている。
先ほどニコヤカに笑っていた人物とは思えない。
「貴様!」
エリザが呪文を唱え、アズネにパライズをかけた。
フッ
焚き火に座っていたアズネの姿が消える。
「な、何!?…何処に!?」
瞬間、エリザの体も痺れだす。
攻撃は食らっていない。酒を飲んでもいない。
魚は同じ物を食べた筈だった。
ふと腕を見ると、何か紙が貼られている。
「ふふっ。動けないでしょ?呪縛の術って言うんだけど…結構皆知らないのよね。」
暗闇のどこかから声が聞こえる。
アルムが背中から剣を抜き身構える。
どこから仕掛けてくるか解らない。
「そうそう、もう1つ、危険な物ってあってね。」
「ど、どこ!?出てきなさい!!」
「焦らない焦らない。二人とも死にはしないわよ。でね、危険なのが熟達した冒険者、ね。
色々なタイプがいて、名声を利用して金儲けする奴はまだマシな方。
酷いのになると、見聞きした情報を捏造して金を儲ける奴…。でも最悪なのはね。
獣人と繋がってる奴。あとは金が腐る程あるのにわざわざ山賊になってる奴もいる…。
若い、未熟な冒険者を騙して、その体を犯す快楽を求める奴も腐る程いるのよ…!」
その時、暗闇からふとアズネの姿が見えた。
「そこ!てやあああああああああ!!」
両手剣を振り下ろそうとした時だった。
ガシッ
アルムの手は巨大な手に掴まれていた。
「な、何!?」
後ろを見れば、大きなオークが一匹。
だが、良く見れば左腕が無い。
「ぎょうの獲物はゴイヅらが?」
オークが口を開く。
「そうよ。とっとと運んで楽しみましょうか。」
そう言うとアズネはアルムに呪札をはり呪文を唱えた。
アルムの体も痺れてくる。
「あ…くぅ……!離せ…!!」
力を込めようとしても全く力が入らない。
「ヒューッ。こりゃ今日は豪勢だ。」
何人かのオークとヒュームを始め様々な種族の人が現れる。
「ほら、とっととそこのエルヴァーンとミスラ運びな!」
「へいへい。」
なす術も無く、三人は担がれて運ばれて行くしかなかった。
ドサッ
「あうっ!」
乱暴に置かれ、体を打つ痛みに呻く。
見渡せば数々の人。
その数は大体10人前後か。
他にオークが4人ほど混ざっている。
オークのうち2人は腕を失い、一人は足を引きずっている。
まともな一人も何か怪我をしているのか喉に大きな裂傷があった。
「気になるのか?こいつらの傷が。」
アズネが片腕の無いオークの手を指差す。
「こいつらは、戦えなくなったから、オークの集落から追い出されたのよ。
仕方無く森を彷徨い、時に冒険者に追われながらも、こいつ等は生き残った…。そいつらを拾ってメンバーにしたのよ。
ある意味…ここもジュノと一緒で、色んな人種の坩堝なのよ。」
その時、若いヒュームが前に出る。
「で、今日のボスのお楽しみはどいつっすか?」
それと同時に後ろから笑い声や談話が聞こえてくる。
「若いねぇ。ま、その位精力あった方が良いやな。」
「俺は、あのエルヴァーンが…。」
「私はあのミスラが良いなー、癖になるのよね〜」
「おいおい、俺のチ○ポに昨日がっついてたのはどこの誰だよ!」
その騒がしい談話をアズネが手を上げるとピタリと談話が止む。
「この前のヒュームは散々いたぶったし、エルヴァーンは結構場所柄食っちまったしねぇ…。
たまには同族と楽しむかな。私は。」
その言葉にディの顔色が変わる。
だが、考えてみれば横の二人よりは安全かもしれない。
最低限、実質的に犯される事は無いわけだ。
だが、自らの安堵と同時に横の二人の身を案じた。彼女らはタダでは済むまい。
「くそぉ……そいつらに……手ぇ出すなぁ!!」
痺れが切れかけた体を奮い起こし、拳を身構える。
「あら、麻痺薬切れちゃったか。」
「てりゃあああああ!!」
大きく踏み込んでアズネの顔面に一撃を入れる!
だが、その拳は顔面に届かなかった。
僅かに体を動かし、拳を避けていたアズネ。
「ぐぇえ…うげえ…!」
ディは苦悶の表情をすると、小屋の床に胃の中の物を吐き出す。
その腹には片手刀の柄頭が突き刺さっていた。
「吐くだけ吐いてスッキリした?じゃ、奥の部屋で楽しみましょうか…!」
ディの首を掴み、軽々と持ち上げ運ぶアズネ。
「じゃ、残りは自由にして良いわ。楽しみなさい。」
そう言うと、アズネは扉を閉めた。
「よっしゃきた!」
「まずは誰から行く?」
「お、おではあっちのエルヴァーンが…」
「まあ、待てよがっつくなって。」
「いやいや、がっつくのも元気がある証拠、良いんじゃないの?」
「まあ、まで。どりあえず、順番をだな…」
「私は、あっちの子が良いなあ…カワイイし。」
「私はエルヴァーンが良いニャア。」
オークとその他の人種が仲良く喋っている異様な光景。
両者が世界中で争っている中、ここだけは平和だった。
もっとも、アルムやエリザにとっては危険極まり無い場所だったが。
「おい、じゃあもうサイコロで決めようぜ!」
自らの体を蹂躙する相手がサイコロ1つで決まる。
その行為にエリザとアルムはゾッとした。
サイコロ大会が盛り上がる中、アルムとエリザは徐々に痺れが抜けるのを感じていた。
ディを見捨てれば多分逃げられる。
今、入り口は手薄。
武器を取られたと言えど、必死で逃げれば助かるだろう。
その後、誰かを呼べばディの救出も可能…。
エリザはそう考えていた。
だが、アルムはその意見に賛同するだろうか?
心優しいヒュームを説得出来るだろうか?
だが、時間は無い。
「アルム…。痺れが抜けたら…そこから逃げるよ…。」
小声でアルムに話しかける。
「そんな!ディを見捨てるの!?」
「静かに!気付かれる…!私達が逃げて、誰かに助けを求めれば…ディは助けられる!
殺される可能性は少ない筈よ。あのボスが楽しんでいる間、ディは無事だと思う。」
「でも…!」
「良いから!このままだと、私達も逃げられない!」
ほんの少し目に涙を溜め、アルムは少しだけ首を縦に振った。
「お、おで一番のり!!」
「ちぇっ、俺4番かよ〜」
「私はあっちの子1番のり〜」
「俺は二番…。」
そして、一番のりの二人が近づいてきた瞬間。
痺れが殆ど消えた二人は立ち上がり、扉に向かって走る!
「あ!」
「に、にげだ!?」
驚きの声を上げる面々。
もう少しでドア。
開けて二人バラバラに逃げれば捕まる確率も減る。
「もうちょっと…!!」
ドアを開けた瞬間。
二人ともばたりとその場に倒れた。
「ふぅ、手を焼かせるんだから。」
赤いチュニックを来た女が呟く。
二人とも深い眠りに身を任せていた。
瞬時に唱えられたスリプガUで二人は目も覚める事無く、別の部屋へ運ばれていった。
「ん……う…ん…」
体をまさぐられる感覚にエリザは身悶える。
音が良く聞こえず周りの状況がわからない。
だが、まさぐられ時たま性感帯を刺激されるのは悪くない感覚だった。
「んぅ…ふぅ…」
「はは、こいつ…感じてやがる!」
「あっはは、ホント…清純そうな顔してるのにね!」
ほんの少し声が聞こえる。
何だ、何がおきている?
頭がボーっとして働かない。
「じゃ、おで…行ぐ!」
「おー、やれやれ!」
「気付いた時のこいつの顔が見物だぜ!」
「叫ぶわよ、きっと!良い声で!」
その時、エリザは自らの女陰に何かが押し付けられる感覚がした。
「んくっ…はぅあ……」
色っぽい吐息を吐くと同時に、オークはエリザの体を貫いた。
ブツッ
「あぐっ!!ひっ!!」
痛みで強制的に覚醒状態まで持っていかれる。
上に乗るオーク。
「な、何!?やああああああああああああ!!やめて!!痛い!痛いいいいい!!!」
急に襲い来る痛みとオークに犯されると言う現実に頭がパニックになる。
自らの鎧は大半が剥がされ、殆どは布で作られた部分が残るだけなのに気付く間も無い。
簡素なベッドに敷かれたシーツが破瓜の血で僅かに染まる。
「おいおい、初物かよ。ちっくしょー良いなー!」
「はは、男相手にする暇も無かったんだろ?」
笑いながら話す奴らをよそにエリザは痛みに身悶える。
「おい、バルゴダッゴ。ちょいと、そいつ持ち上げな。逃げた事の罰を与えないとよ。」
「お、おう…ごうが?」
バルゴダッゴと呼ばれたオークは片腕でエリザを持ち上げ、尻をそのヒュームの方へ向ける。
「ぐっ…あああう!」
動くと中でゴリゴリとオークの男根が膣を擦る。
その痛みに涙が自然と流れてくる。
「そうそう、やっぱエルヴァーンは尻だよ尻。」
そう言うと僅かに残る布を横にずらし、エリザの肛門に男根をつける。
「な…何を……まさか…」
「おや、気付いちゃった?そのまさか、だよ!」
ニヤニヤと笑うヒューム。
「や、やめろ!くそ、この!!離せ!!!」
暴れるエリザ、オークの物を抜こうと必死に尻を振る。
「おーおー、暴れちゃって。でもそいつ。力強いから逃げるなんて無理無理。
尻を振って…そんなに入れて欲しいのか?」
そう言うと、尻を掴み、強引に肛門の中へと突き入れた。
「ぎゃあああああああああ!!やだ!!やだ!!!お願い…ぬいでえええええええ!!!」
涙と汗でぐしゃぐしゃになりながら泣き叫ぶエリザ。
肛門を貫かれた痛みは今までに体験した事の無い物だった。
「逃げた罰って言っただろ?痛くなかったら罰じゃねえだろが!!」
そう言うとガンガンと腰を突き入れる。
「うぐあああああ!!うああああああ!!」
痛みで身もだえ、それがオークの物を更に締め上げる。
「おお!ぎ、ぎもぢよぐなっだ!!」
「ほ〜。おい、そっちでも突いてみろよ!」
それと同時にオークも力強くピストンし、血で滑る膣を責める。
「いぎゃあああ!!!ああーーー!!あーーーーー!!!!」
体を仰け反らせ、痛みから逃れようとする。
「くぉっ!?すげえ締め付け!こりゃ良いや!もっとやれ!!」
膣と肛門の強烈なピストン。痛みに仰け反り、時に叫ぶ。
「うぎぃいいい!!」
だが、そんな叫びの中でも膣が濡れ始める。
「おいおい、こいつ…濡れてんぞ!」
「あはー。無理矢理犯られるのが趣味だったのかニャア?」
部屋のそこかしこで、順番待ちの男女が絡む。
淫靡な空気が部屋を侵食していくのが良く解る。
エリザはそんな声も関係無く、男とオークに身を突かれ身悶える。
その時、後ろの男がピタリと動きを止める。
「え?」
紅潮とした顔で驚く。
「くっくっく。今ちょっと期待しただろ?」
僅かに生み出た快楽は密かにエリザの体を犯していた。
叫び声を上げながらも感じ入っていた事を見透かされたのだ。
「何を馬鹿な…!あぐぅ!!」
オークに突かれ、嬌声をあげる。
「おい、こいつ皆で尻犯そうぜ。どいつでイクか賭けようぜ!」
「よっし、じゃイカせた奴は…この前手に入れたミセリコルデやるぜ!女は3分でいかせられなかったらアウトな!」
そして、エリザの地獄は始まった。
「いぎぅ!!!」
尻を激しく犯される。
イク訳には行かない。イッってしまえば自らの尊厳は地に落ちてしまう事を感じていた。
オークに膣を貫かれながらも快楽に耐えるエリザ。
「こ、こいつの尻スゲエな…こりゃもたねえ…!!」
最初の男が射精する。
ビュッ!!
「いやあああ!!やめろ!!やめろおおおおおお!!!」
だが、叫びも空しく腸の中に熱い塊が打ち込まれる。
ドクッ…ドクッ…
「ちっ、いかなかったか!」
「じゃ、次私〜!」
二番手は若いヒュームの女だった。
指を入れ、段々と広げていく。
「ひゃん!」
指を僅かに動かすと嬌声があがる。
ニヤリと笑みを浮かべるヒュームの女。
「ここね?ほーらほらほら!!どう!!どう?!!」
嬌声を上げた場所を激しく擦る。
「くあぅ!ひあああ!!」
身悶えて体を捩る。
だが、歯を食いしばりながらも何とか耐える。
「はい、3分経って終了〜!次はお前!」
喉に裂傷のあるオークが前に出てくる。
そして、オークが逸物をいきり立て尻に入れる。
「うああああぐうううううう!!」
太い物を入れられるが最初よりはすんなり入る自分の体に少しだけ絶望を感じるエリザ。
しかし、絶望をゆっくり享受するより先に腸を突かれる快楽が襲い来る。
「ひいぃいいい!!!ああぅ!!」
力強いピストンに意識が一瞬飛ぶ。
だが、それを振り払い必死に耐える。
オークにいかされたらそれこそ、恥だった。
「あ、今、気をやり掛けたニャ」
「おーし、もっと突いてやれ!」
その声を受けて、オークは声を出す事も無く更に激しいピストンを続ける。
「やだっ…やだっやだ!!いやあ!!!」
だが、オークの物を自分の尻が締め付けて離さない。
膣も勝手にうねり、自分が乗るオークを刺激していた。
意識が飛ぶ感覚が増えてくる、そして時は訪れた。
「うああ、いやああああいやああ!!」
顔を押さえ、身悶える。
意識が真っ白になり、膣と肛門を強烈に締め上げた。
「うぐっ!だ…だずぞ!!」
下のオークが顔を歪め、射精する。
尻を犯すオークも、声には出さないが少し表情を歪め、腸の中に射精した。
「あああああああああああああああぁぁぁ!!」
エリザは一際大きい叫び声をあげると、体を震わせ力なく項垂れた。
オークにいかされた屈辱で、涙が出てくる。
だが、まだ宴は終わらない。
「じゃ、次俺ね。」
エリザの片足を持ち上げ、無理矢理足を開かせる。
白いオークの精液が漏れ出る。
愛液と精液が混ざる中、男根は突き入れられた。
「うあん…!」
甘い声を上げてしまう自分に驚く。
「おーおー、強姦で感じちゃう…ってか〜?」
「じゃ、後ろ私が貰うニャ」
サブリガにディルドーを生やしたミスラが肛門に狙いをつける。
ツンツンと軽くつっつくと、ヒクヒクと動く様がとても面白い。
「あは、お尻犯されるの期待してるのかにゃ…?」
「ち…違…う…。」
力無く答えるエリザ。
自信は無かった。確かに自分は肛門を犯され感じてしまった。
そしてその快楽をまた享受したい気持ちもあったのだから。
「うああああああ!ああー…!!お願い、いかせてええぇぇ!!!」
その時部屋の片隅から大きな声が聞こえた。
壁に手を固定された女が見える。
間違い無く。アルムだった。
口から涎をたらし、腰を振る。
その顔に最早面影は無い。
「ほーら、こうすると…!」
一番手の女が小瓶の液体をアルムの体に流し、アルムの体に塗りこんでいく。
「ひいぃぃぃいい!!」
ビクンと体を震わせるアルム。
快楽に震えるが、その頂点が来ない。
焦らしに焦らされた故の叫びであった。
「じゃ、そろそろ…良い物あげるわ。」
そう言うと小箱から、小さい銀のわっかを取り出す。
「…お願い…お願いですから…!!いかせてぇ…!!」
涙を流し、懇願するアルム。
「多分、思いっきりいけるわよ?気持ちの良い位…!」
そして、横のテーブルにある針を取り、アルムの乳首に近付ける。
小ぶりながらも整った乳房を掴む。
「ああ…早く…早く…!!」
痛みが襲い来る事を解りながらもアルムは懇願する。
「ほーら…」
プツッ
「うくぅあああ!いくうううううう!!」
腰をガクガクと激しく振り、触られてもいないのに愛液を大量に噴出していた。
貫通された乳首にシルバーピアスをつける。
「流石に片方だけじゃ可哀想だから…こっちにもあ・げ・る。」
左の乳房を掴み、再び針を近付ける。
口から涎を垂らすアルムは息も絶え絶えに期待の体勢だ。
「あら、そんなに欲しいの…?ほら…!」
ブツッ!
今度は一気に貫通させる。
それと同時に快楽の絶叫が響く。
「いぃぃいいいいいいい!!ああああ!!あー!!!いぐぅ!!!」
小便まで漏らし、床に水溜りを作る。
体を激しく捩り、痙攣させる。
「あら、後一個…残っちゃったわね、ピアス…。」
銀のピアスをアルムの目の前に持っていく。
強烈な快楽を引き起こしたピアスを物欲しそうに見つめるアルム。
「どこに刺そうかしら?」
口を開かせ下を軽く掴む。
「ここかしら?」
口から手を離し、乳房を伝い、臍に到達する。
「それともここかしら?」
ゆっくりと撫で回したあと、更に舌に行き、クリトリスを掴む。
「それとも…ここが良い?」
ピクリと体を震わせるアルム。
完全に体と心は快楽に押し流されていた。
快楽を求める獣。
それをエリザは愕然とした目で見つめる。
自らも犯され、快楽に身を任せつつある。
ディの事が頭をよぎるが、彼女が一番マシなのかもしれない。
最低限、犯される事は無いだろう。
アルムもあの後は男達に体を蹂躙される。
自分は既に何度も犯され、頭も快楽に飛ばされていた。
「じゃ、ここにあげるわ…!」
クリトリスを針でつつくと、アルムは体を通る電気に何度か身を揺らす。
足にもう力は入っていない。
完全に手の拘束にぶら下がっている状態だ。
ブツッ!
「いぎいいいいっ!!!いぐうううううううぐううううう!!!ひいぃぃいいいいいい!!!」
醜い声をあげながら舌を出し叫ぶ。
愛液を再び噴出し、それが何度も続く。
「おい!もう俺はコイツを犯すぞ!!」
その様子を見ていた男が堪らず前に出る。
「ええ、私は楽しんだし、もう良いわよ。」
それと同時に3人の男とオークが群がる。
男をくわえ込み、乱れるアルム。
破瓜を奪われても嬌声をあげ乱れるばかり。
エリザはそんなアルムが羨ましかった。
中途半端な理性が自分を苦しめている。
快楽に流されれば…自分も…。
だが、それを心の僅かな自尊心が許さなかった。
何度いかされても、理性を保つエリザ。
それが彼女を苦しめている。
「ひぃ…うううああっあああーーー!!」
何度イカされたろう?
もう、自分でも何が何だか解っていない。
男に、女に、オークに体を舐められ、犯され、蹂躙された。
救いは恐らく無いだろう。
なのに、何で自分はこんなに快楽を頭で拒絶するのだろう。
快楽はじわじわと精神を…理性を蝕んでいた。
「ふう、まだやってたのか。」
夜も更け、相当な時間が経っている。
扉を開け中からアズネが出てくる。
上のハーネスを脱ぎ、中々大きい胸をさらけ出している。
下は最初にあった時のズボンのままだ。
片手に酒瓶を持ち、時たま口の方へ持っていく。
「あ、ボス!結構、良い反応してますよ、こいつら。」
突かれては身悶えるアルム。
嬌声を上げながらも、アズネを睨むエリザ。
エリザの視線を無視しながら、アズネはアルムの方を見る。
「おーおー。そっちのヒュームはもう狂ってるねぇ。
って、事は一番手はネリーズか。くく…哀れ極まりないな。」
アルムは男にまたがり、口に男の物を咥え、身体の全てを使い奉仕している。
舌を出し、息を切らしながらも快楽を求める為に腰を振る。
「で、こっちは強情の様だね。あっちの様になっちまえば、後は楽しいもんだ…。なあ、認めちゃえよ?」
エリザの髪を引っ張り無理矢理顔を上げさせる。
「きゃぅ!あっくぅ…。ディ…ディはどう…あっあっ!したの……?」
突かれながらもエリザは口を開く。
「ああ、あいつも強情でな。まだまだ素直じゃないが…くくっ奥でへばってるよ…。今持ってきてやるよ。」
そう言うと奥の部屋に入り、暫くするとアズネは再び姿を現した。
四つん這いになって歩くディ。
その頬は既に真っ赤に染まり、手と足の方向も定まらない程ふらふらしている。
「くっく…。どうだ?お仲間の素晴らしい姿は?」
「くそぉ…や…やめろ…ぉ…!」
四つん這いになりながらも、顔をあげアズネを弱弱しく睨む。
「ふふん。まだまだ気力はありそうね?まあ、ちょっと勘違いしてる所があるけれど…!」
バチン!!
アズネは手を振り上げディの尻を思いっきり引っぱたく。
「うあぅ!?」
「あんだけやられて、つくづく解ってないようだから…また躾が必要だな!」
そう言うと四つん這いのディの背中にまたがり、尻を勢い良く叩き始める。
バチン!バチン!!!
「ぐあぅ!!うあぐっ!」
尻を叩かれるたびにディは痛みに身を捩る。
「お前は今、ここで身悶えるだけの奴隷だって教えただろう!?奴隷が主人に命令なんて出来ないんだよ!」
身悶える度にディの大きな乳房が震え、場を賑わす。
「や、やめろおお!!うあっ!!」
声を張り上げるエリザの声は、後ろから突かれるペニスによって中断される。
「感じてる雌犬が何言っても説得力無いねえ…。さて、お前には“また”これをくれてやるよ…!」
そう言うとディはびくんと身を震わせた。
「や、やめろ…い、いやお願いやめくださ…」
ディが懇願の言葉を言う間も無く、アズネの酒瓶の口がディの肛門に入っていった。
「う、うあああっやける…熱い…あづいいいいい!!!」
アルコールがディの腸壁の粘膜を刺激する。
焼ける様な感覚に身を捩らせる。
「くく、やめてほしいか?だがな、手前のケツに一度突っ込んだ酒だ。全部くれてやるよ!」
回す様に酒瓶を動かし、無理矢理酒を流し込んでいく。
酒に強いディが酔っ払い、足も立たない状態になったのはこれが原因であった。
「あっあっぐうううう!!うううっ!!!」
歯を食いしばり耐えるディ。
エリザはそれを見つめるしかなかった。
「よーし、全部入ったな…。じゃこれからがお楽しみだ…。お仲間が見てる前で…出来るかな?」
そう言うと、酒瓶を引っ張り抜こうとする。
「ひっ…ぬ…抜くなぁ!!」
「おいおい尻が良くなったのか?このままだと可哀想だから余りある慈悲で抜いてやるって言ってんだ。感謝しな!」
そう言うと、一気に酒瓶を引き抜いた。
「ああうっ!」
僅かに肛門から酒の雫が垂れる。
だが、ディは必死な顔で力を込めていた。
酒が噴出さない様に、必死で肛門を締める。
「さーぁいつまで持つかな?」
ニヤニヤしながら、ディの苦悶の表情を眺めるアズネ。
「ほらよ、心配のお仲間の姿だ、しっかり見てやれよ!」
エリザの頭を掴み、無理矢理ディの方へ向ける。
「ディ…。」
赤い顔をしながら苦しみ悶えるディ。
せめて、仲間の前で恥ずかしい姿を見せまいと言う努力だった。
全て徒労に終わると解っていても、素直にそれを受け入れる気だけは無い。
「ふふん、頑張るねぇ。さっきはすぐに噴出したくせに…じゃ、少し手伝ってやるよ。」
そう言うと指でツンツンとディの肛門をつつき始める。
「うあ!」
びくんと身体を硬直させるディ。
「それとも…こっちの方が良いのか?」
腹を軽く押す。
それだけでディは苦しみの表情をする。
「それとも…ここが良いのかな?」
濡れた膣に指を入れ、軽く刺激する。
「うああっ…ぐうっ!」
僅かに肛門から酒を噴出す。
「そうか、ここが良いのか…。だったらそら!」
指で膣を刺激し、クリトリスもつまむ。
「うああっああっ!!…やめうああぅ!」
だが、抵抗も空しく限界の時は訪れた。
「頼む…っ…見るなぁ見るなあぁああああああ!!」
ぶしゅっ…しゅっ……ぶしゃああああああああ!!!
本の少し茶に染まった液体を盛大に噴出すディ。
部屋の中から歓声と笑い声が聞こえる。
「おーっ!こりゃ良い見せもんだ!」
「あっははっはは!」
「おおお…ご、ごりゃいい!!」
部屋の中に響く嘲笑をよそにアズネはディに声をかける。
「くくっ。さっきみたいに糞は混ざってないみたいだな。腹の中が綺麗になったって証拠で良かったじゃないか。」
呆然としたディは床に顔をつけていた。
徐々に悔しさと惨めさと羞恥、そして仲間に見られたと言うショックが顔を歪め涙が流れ出す。
「うっ…うあっうあああああああああああああああ!!」
涙を流し泣き叫ぶディ。
その光景をエリザはただただ、見るしか無かった。
「さて、じゃあ次はお仲間の前で…また泣き叫ぶ?」
そう言うと、アズネはズボンを下ろす。
女性的な外観には程遠い物がそこにはついていた。
あまりに異形。
股間についているのは男根…。それもとても太い。
多分、この中にいるオークより太く、大きかった。
そして、所々に小さい瘤の様な物がつき、グロテスクと言っても良い。
「ほら、とっとと足開きな。」
無理矢理仰向けに転がし、足を開かせる。
「も…もうやだ!お願い…ですぅ…ぐすっ…あう……うああああああ!!」
懇願の言葉も僅かにまた泣き叫ぶ。
エリザがそんなディの姿を見るのは初めてだった。
不思議そうに見ているエリザ。
「くくっ。こいつが泣き叫ぶ理由…教えてやるよ。」
そう言うと、アズネはディを部屋に連れた後の事を話し出した。
「ほら!」
首を引っつかんだアズネがディを投げる。
「あぐっ!」
ドサッ
投げられた先はベッドの上。
それなりに片付いた部屋に、マホガニーベッドが置いてある。
この小屋の中からしたら豪華な方か。
「さて、と。大人しくするも良し、暴れるも良し、好きにしな。私も好きにするからよ!」
そう言うと、ベッドに横たわるディに襲い掛かる。
腹がまだ痛むディは、何とかアズネの左手を掴む。
「抵抗するのか?」
そう言うと、右手でディの脇の下を思い切りぶっ叩いた。
「あぐっ!」
痛みに力が緩む。
そしてアズネの左手はディのボーンハーネスのブラを掴む。
「さて、まずはこの馬鹿みたいにでかい胸をじっくり見せてもらおうか!」
ビッ!
意外なほどあっさりとブラは切れた。
大きな乳房はその重みで少しだけ下がる。
「手前!!!」
胸を隠し、暴れだす。
両腕を広げるようにしてつかみ、その胸をマジマジと見つめるアズネ。
「ふうん、立派な物持ってるね。何人の男を篭絡した?」
そっと、顔を近づけ乳首を口に含む。
ミスラ特有の少しザラザラとした舌で転がし、軽く噛む。
「くふぅ…そ…そんな事してねえ…あふっ!そ、それよりも…手前は変態か!?俺は女だぞ!!」
乳首を弄ぶ舌を離す。
「何をもってマトモと言うのか知らないけど…私は楽しければ良いんだよ。
で、今はあんたの身体を楽しむ事が私が楽しい事…ってな訳で良い声をあげろよ!」
そう言うと、乳房に激しいほどのキス。
舌で舐め上げ、時に乳首を吸われる。
「あっ…はぅ……ひあぐ…!」
「女にされて感じてるんだろ…?気持ち良ければ良いじゃないか。」
「ち…ちが…あうっ!」
徐々に快楽で力が抜けるディ。
「そうそう、抵抗しなけりゃそれなりに気持ち良く私のペットにしてやるよ。」
するとアズネは素早くボーンサブリガの股間部分にある装甲を外す。
そこは既に愛液で濡れていた。
「やっぱり、な。何だかんだで大好きなんだろ?こう言う事が。」
そう言うと、棚の上に置かれているナイフを取り、股間の部分を切り裂く。
ベッドが濡れる程の量の愛液。
「はぁ…あふ…。」
息を切らすディ。
頭がぐらぐらとしてハッキリしない。
その間にもテキパキと鎧を外していく。
「さて、じゃあ、こっからがお楽しみ…。」
そう言うと自分の着ているスコピオハーネスを外す。
ディよりは小さいがそれでも大きい胸が飛び出す。
形がよく、ディは一瞬それに見とれてしまった。
しかし、それは次の物を見た瞬間恐怖に視線が釘付けになる。
ズボンを下ろし出て来たのは異形とも言える男根。
ミスラにはその様な女性が低確率で生まれるとは聞いていた。
だが、それでも通常の男性のソレと同じ…またはやや小ぶりである。
それと比べて明らかに大きい。
しかも所どころゴツゴツしている。
「な…!?あ…?」
パクパクと口を開くディ。
「じゃ、とっとと咥えな!痛いのは嫌だろ?」
その口に無理矢理ペニスを突っ込む。
独特の匂いと味が口の中に広がり、ディの顔が歪む。
「むぐっほがっ!!」
「へえっ…結構良い具合だね…お前の口…!」
そう言うとゆっくりとストロークを始め、ディの喉を突く。
「ぐぇう…あがっ!」
喉の奥に入り、息が出来ない。
詰まるような感覚が嘔吐感を呼ぶ。
「くぅ…こりゃ久々に気持ちの良い口…!濡らすだけじゃ勿体無い…!」
そう言うと徐々にストロークが早くなる。
「うぼぇ…ぐえぇう!あぐああ!」
胃液が喉に上がるような感覚。
しかし吐く訳にも行かず、無理矢理胃の中に戻す。
それがまた嘔吐感を呼ぶ無限ループ。
「くぅっ…!!」
そして、ディの口の中にアズネの欲望が吐き出された。
「ぐぶっっ!ぶーっ!あぶぐ!!」
突如吐き出されたものに嫌悪を抱き無理矢理引き剥がそうとするが、
アズネの手が頭を抑えて引き剥がせない。
その時、無我夢中になって、ディはやっては行けない事をやってしまった。
「あぐっ!!て、めえええ!!!」
アズネが無理矢理ディを引き剥がす。
僅かにディの口からは赤い線が精液に混ざっている。
苦しさの余りディはアズネの男根を噛んでしまったのだ。
「げほっ…げほっ!」
精液を吐き出すディ。
苦しさの余り、怒りのアズネの姿は見えていない。
「…のやろお…。そんなに乱暴なのがお好みかよっ!!」
口調も変わり、ディの髪を掴む。
「あつっ…て…手前が勝手……にい…したこと…だろぅ…。」
この言葉が決定打だった。
「そーかよ…だったら、勝手にやらせて貰う!!」
無理矢理足を開き、強引にディの中に突っ込む。
「ぎあっ!!うぎいいい!!あっぐっ…!」
ゴツゴツとした瘤がディの膣をえぐる。
破瓜と同時に訪れる自らの女性器を傷つけられる痛み。
逃れようともがけば、更に痛みが増す。
「いてえだろ!?なあ!?いてえんだろ!!だったら少しは反省しやがれ!!」
全くの理不尽な怒りだが、その声も痛みで突かれるディには届かない。
「いぎぃ!あああぐ!!」
破瓜の血以外の血がベッドを濡らす。
ディの膣は血塗れだった。
「や…やめうああぐ…ろ…ぉぐぎぃ!!」
「手前…何命令してんだ!?手前はここで最下層の奴隷だろが!
お前の今の地位ってのは!虫けらみたいなもんなんだよ!」
そう言うと、ディの乳首を思いっきりつねり上げる。
「うあうううううあああああ!!」
あまりの痛みに涙が出てシーツにしみを作る。
「おら!いくぞ!!」
酷い程激しいピストンにディは泣き叫ぶしかなかった。
男勝りで無頼なディが泣き叫ぶ姿は誰が想像できたろう?
突かれるたびに泣き、引き抜かれる感覚に身を捩る。
今のディはただ、悶えるだけの雌だった。
どの位突かれただろう?
「ほらよ、くれてやるっ!」
そう言うと、ディの膣にアズネは大量の精液を放出した。
「ぎいぅ…や、やめ…うあぐうううう!!!!」
ビュッ…ビュルルルルル…ビューッ!
長い射精、まるで排泄の様にディの中に射精する。
その精液が膣に沁み、ズキズキとディを苦しめる。
長い射精の後、アズネは男根をディの中から引き抜く。
射精したにも関わらず、アズネの男根は未だに隆々といきり立っている。
「じゃ、次は体位変えて2ラウンド目な。」
片足を持ち上げ、開かせた股間に角度をきつく変えて突き入れる。
「ぎゃあううううあああああああああ!!!!」
その激痛にディは狂った様に叫び続けた。
「くっく…。でその後気付けにケツに酒突っ込んでね…。
仲間の前で少し強気な態度を取ったようだが、今じゃこの通り…!」
アズネの男根を見て震え、泣き叫ぶディ。
よく見れば、ディの性器は何かで拭かれたらしいが、血の赤がまだ見えている。
「じゃ、やるぞ?」
そう言うと、ディの性器にペニスを突き入れる。
「うあああぐういいいいいい!!!」
治ってもいない膣に無理矢理突っ込まれる痛みが再びディを襲う。
「頼むぅあうぅ!!もう…もうやめ…あふっ!てぇ!」
悲痛なディの叫びを聞きながらエリザが突かれながらも懇願する。
「やめる?楽しい事をやめるってのは相当の事があった時だけだ…!
お前は玩具を飽きるまで使っただろ?それと同じこと!」
ここでアルム達は完全に物だった。
「そーそー。さすがボス!良い事言う!
エリザちゃんも楽しんどけよ、どうせ拒絶したって辛いだけだぜ?」
そう言うと目の前にヒュームが立ち、いきり立つペニスを眼前に差し出す。
もう、自分は助からない。
もう、あの空の元で冒険は出来ない。
自分の冒険はここで終わる……。
それでも…それでもこの3人と一緒なら…
快楽に狂ったアルム、痛みに泣き叫ぶディ。
そしてエリザは自らの意思で、その男の物を咥えた。
後は覚えていない。自分の嬌声と、アルムの狂ったような叫び、そしてディの泣き声だけが彼女の脳に刻まれた。
数ヵ月後…
「うーん。迷っちゃったかなぁ。ねえ、リズン?」
ジャグナー森林で迷うヒューム二人組みの女。
リズンと呼ばれた方はアイゼン装備をしている。
「そうねぇ…ケチって地図位買っておくべきだったわね。ゴメンね、ルエンサ」
ルエンサと呼ばれた方はチェーンメイルを着込んでいる。
何とかこの場所の敵なら追い払えるが、そうそう長居もしたくは無い。
「ねえ?あれは何かな?」
陽もくれかけ、闇が支配しそうな中、僅かな光を見つける。
「あれは…?」
それはほんの少し崖の上に経つ小屋だった。
「オークの物じゃ無いみたいだし…行ってみようか!」
二人とも長く迷って少しへばっていたが、それでも野宿と小屋でも風避けがあるのでは違う。
小屋のドアをノックする。
「はーい。」
中からは透き通る女性の声。
「あの〜少し道に迷ってしまいまして…。」
そう言うと、中から出て来たエルヴァーンの女性は快く小屋の中に二人を入れる。
ルエンサとリズンは喜び勇んで中に入る。
小屋の主と思しき女性は二人に暖かいスープを出し、僅かながらパンも出す。
武器を置き、鎧も取る。
食事の歓談で盛り上がる最中…。
パチン!
その女性が指を鳴らすと、ドアが開き多数の男女とオークが出てくる。
そして二人を囲み、襲い掛かる。
合図をした女性はエリザだった。
「な、何をするの!?」
「ど、どう言う事!」
「ごめんなさい…それが…私の役目なの。」
謝るが、顔は全然申し訳なさそうには見えなかった。
上品な立ち振る舞いだが、その目は二人を邪悪な視線で見ていた。
身体を値踏みするようなその目が二人をぞっとさせた。
そして、二人は奥の部屋に連れられて、見た。
ベッドの上で狂った様に絡む美女の姿を。
「ああうううう!もっとぉおお!!お願い、もっと!!そこぉ!!!」
アルムは快楽攻めから逃れられず、食事を始め基礎的な生活以外の殆どを性交に費やしている。
子供を一人生み、その子供は奴隷として売り払われた。
気付けばアルムの小ぶりの乳房からは乳が止まらなくなっていたが、それもまたアルムの快楽を呼び覚ます物となっている。
痛みすら快楽として受け入れる彼女は皆に気に入られ、売られる事も無く、今もメンバーの大半の性欲を処理している。
エリザは正気を失わなかった物の快楽を受け入れ、仲間として加わった。
元々良い所の生まれで、清楚な感じで迷い込んだ旅人を油断させる“餌”として働いている。
エリザは餌としての役目をする時以外は、常に膣に何かを入れている状態で、
愛液がしとどに垂れ流す程の女性と化した。
アルム程ではないが、時に性欲が疼くのか輪姦を自ら求める事もある。
ディは今もアズネに気に入られて、専属ペットになっている。
アズネの物を気に入り、膣をえぐられないと快楽が得られない様になってしまった。
アズネに隅から隅まで開発され、全身性感帯となった。忠実なペットとして他のメンバーの相手はしない。
最も、アズネの逸物の形を膣が覚えてしまい、他のメンバーもディではさして、快楽を得られないのだが…。
一部を千切り取ったボーンハーネスを今でも愛用し、扇情的に振舞う姿は今でもアズネを欲情させるらしい。
その為アズネの物がよく隆起するので、アズネはズボンを履く時に少しきつめの下着を履く様になった。
3人は焼印を押され、所有物として振舞っていた。
冒険はもう出来ないが、楽しく気持ちよくなれれば何でも良かった。
あの時と同じで…3人一緒なのだから。
そして、アズネは今もこの組織のボスとして君臨している。
メンバーはちょっとづつ増え、今は30人程になった。
アジトを各地に持ち、時に転々と移動する為、各地のガードは今も彼女の事を全く捉え切れていない。
女性ガードをさらい、数日後、裸にして木にくくり付けて発見させる等その被害は広がっている。
その女性ガードは最早再起不能。今は少し隔離された場所でひたすらに、快楽を求めているという…。
「ふん、馬鹿がまた来たのか…」
そう言うと、奥の椅子に座るアズネが立ち上がる。
一糸纏わぬ姿で、ディに奉仕させている。
「おい、ディ…あいつら少し…可愛がってやれ。」
「でもぉ…さぁ…これ欲しいな……。」
男勝りの性格はどこへ行ったか、完全にディはアズネの虜だった。
「あいつらを可愛がったらいくらでもくれてやるよ。」
「ああん、解ったよぉ…。」
そう言うとディは二人に近づく。
「お、おい、エリザもあいづらを可愛がっでやれ!」
オークもエリザに命令をする。
「ふふ…じゃあ、後で“コレ”頼むわよ?」
そう言うとオークの物をそっと握る。
「ああ、まがぜどげ!」
「アルム、ちょっと中断だ…。」
上に乗るエルヴァーンの男がアルムにそう語りかける。
「やだぁ!もっと…もっとおお!!」
身体のほてりが止まらないアルムはそれを拒否する。
「そう言うなよ、そこの奴を犯すのを手伝ったら後でいくらでもやるからよ。」
そう言うと、渋々アルムは立ちあがり二人のヒュームに近づいた。
淫猥な性技を積んだ3人が二人の前に立つ。
「な…なに…怖いよ…ルエンサ…!」
「リズン…大丈夫…大丈夫だから…!」
二人とも抱き合い3人を見る。
当然、大丈夫な訳は無い。
「ふふ、大丈夫…大人しくしてれば…大丈夫だから。」
と、エリザがゆったりとした服を脱ぎ裸になる。
「もぅ、早く…早く!!欲しいんだから私!!!」
口から涎を垂らし、狂人の目をしたアルム。
「ああぅ…欲しいなぁ…。だから…とっととイッちゃってくれよぉ…!」
淫らに変化した身体をさらけ出し、紅潮した顔のディ。
叫び声がかすかに森に響いたが、その声も夜の空気にかき消された。
後に響くは悲鳴か嬌声か。
それも全ては闇の中。
THE END