サクヤ:ヒュム女
設定 :クリスタル戦争時代


8才のとき、私は孤児となった。
両親は母国バストークと他国を行き来する行商人だった。
私も木の実を拾ったり、野草を採ったりして両親を助け共に他国を周っていた。
ある日、私は東ロンフォールで野の収穫物を手に、休憩している両親の元へ戻った。
私の目に映ったのは潰されたテント、争った形跡、エルヴァーンの兵士、そして無残な父の遺体だった。
その場に座り込み泣く私をエルヴァーンの兵士はサンドリアに案内してくれた。
兵士の話によると両親はオークの襲撃を受け、父は惨殺され母は拉致されたそうだ。
突然孤児となった私を兵士は王宮に連れていき、サンドリアへの居住許可を取ってくれた。
しかし、私には何も残っていなかった。
ある物といえばサクヤという名前、身につけている衣服、拾ってきたロンフォールマロンだけだった。
私は居住を許可されたサンドリアを宛も無く歩き、住宅街から少し離れた城壁の傍に座りこんだ。
既に涙は枯れていた。
全てを失い私は日が陰るまで座っていた。
その日は手元に残ったマロンを頬張り、そのまま眠りについたのだった。

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孤児となって3年ほど厳しい生活が続いた。
途方に暮れて座り込んだ場所には、廃材などで作ったペットの家のような小さい小屋を作った。
私はロンフォールで採れる収穫物を売り命を繋いでいた。
体から異臭がしたり汚い姿であったりしてはそれも売れはしない。
体は夜に人気の無くなった水道で洗い、2日に1日は洗った衣服を干し裸で小屋に籠るしかなかった。
そんな孤児の私に向けられる目は冷たいものだった。
エルヴァーンの民から見たヒュームの私は、野に落ちている物を売り生計をたてる卑しい乞食としか映らないのだった。
冷たい視線を浴びることにはもう慣れていたが、私には1つだけ恐れていることがった。
大した食事をしていないにも関わらず私の体は成長していた。
既にズボンは穿けなくなり布団の代わりとして使っている。
新しい衣服を買う金は無くチュニックだけを纏っているが、それもサイズが小さくなり腿を半分覆うのが限界である。
衣服が無ければ国内は歩けず、収穫物を売りに出ることも不可能になってしまう。
私は自分の成長に恐怖を感じながら毎日を過ごしていた。

そんなある日だった。
道で収穫物を売る私に同年齢くらいのエルヴァーンの少年が近づいてきた。
「お使い頼まれてるんだ、悪いけど家まで来てよ!」
少年はそういうと私の手をグイグイ引っ張って走り始めた。
私が連れてこられたのは井戸のある小さい広場だった。
そこには大人の姿は無く、2人の少年が待っていた。
私は言いようの無い不安に駆られていた。
「おーい、乞食連れてきたぜ!」
私を連れてきた少年がそう言うと同時に、私は3人の少年に押し倒された。
「あうっ!」
勢いよく背中が地面に叩きつけられ、息を詰めた私は咳きこんだ。
持っていた収穫物が辺りに散乱し、少年達が口々に私を罵りながらチュニックの前面を引き裂いていく。
私は泣き叫んで抵抗したが少年達に顔を何度も叩かれ、すすり泣くことしかできなかった。
3人の手が露わになった私の体を乱暴に這いまわる。
特に膨らみ始めた胸と自分達とは明らかに違う股間に、少年達の手が集中的に這いまわっていた。
成長途中の胸に触られる痛みと気持ちの悪さ、そして浴びせられる侮蔑の言葉に私は泣いた。
2人の少年が私の乳首にしゃぶりつく。
「こいつのおっぱい何も出ねーぞ。乞食だからかな」
私の胸から出ない母乳を吸い出そうと、少年達は乳首に噛みついて強烈な吸引を始める。
痛みに泣き叫ぶ私を見下していた少年が私の足を割り開き、中心に咲く女の証に顔を近づけた。
「ぇうっ!?」
敏感な部分をヌラヌラと熱い物が這い、私の口から泣き声以外の声が漏れる。
「汚ぇー!お前そこ小便するとこじゃん!」
乳首を噛みちぎらんばかりに吸い付いていた少年達がそれを見て騒ぎ始めた。
「へへん!ここ舐めてチンコ突っ込むと気持ちいいらしいぜ!
 父ちゃんも母ちゃんの舐めてたしな。」
乳首に張り付いていた少年達はそれを聞いて私の股間に集まった。
少年達が私の恥部をグイグイと引っ張り中を覗き込む。
「なぁ、こんな小さい穴にチンコ入んのか?」
「こっちの大きい方じゃないか?」
「入れてみればわかるだろ」
初めてみる女陰に興奮しながら子供達は自らの肉棒を露わにし始めた。
勃起こそしていたが少年達のそれはまだ小さかった。
「う・・・あぅ・・・!」
一人の少年が肉棒を尿道にあてがい挿入を試みる。
私は痛みに呻き涙を流した。
「だめだ入んないや。じゃこっちか。」
尿道に入らないと悟った少年の肉棒が膣口に押し付けられる。
「ぁうっ!いだぁ!!」
少年の肉棒がメリメリと処女膜を少し引き裂く。
生まれて初めての激痛に私は泣き叫んだ。
「うわっ!汚え!」
あまりの痛みに私は失禁していた。
突然の失禁に驚き私の処女膜を引き裂いていた少年は飛び退いたが、その下半身は濡れてしまっていた。
「はははっ!汚えー!」
少年の濡れた下半身を他の少年達が指差して笑う。
失禁に汚れた少年の顔に怒りが浮かびあがる。
「あっ!げふっ!あぐっ!」
怒った少年が私の腹を蹴りつけ、私は体をくの字に曲げて暴行に耐えた。
「はぁ・・・はぁ・・・ふざけんなよこの乞食が!」
蹴り疲れた少年は息を切らしながら腰の木刀を抜き、口の端をつり上げた。
「は・・・ぎゃぁあっ・・・!!!」
突然下半身が弾け飛んだような痛みが襲い、私は背中を反り返らせて絶叫した。
もがき苦しむ私の姿を少年達は愉快に笑った。
恐る恐る下半身を見てみると、木刀が深々と私の膣に突きいれられていた。
私はあまりの痛みにうつ伏せに転がりうずくまって号泣した。
少年達はそんな私の体を蹴ったり、埋没した木刀を動かしたりしては笑った。
「あうっ!」
うずくまる私の背中に一人が飛び乗り「やれやれ!」と何かをはやしたて始める。
「は・・・がっ!・・・い・・・だ・・・ぁ!」
メリメリッ!と音がして何かに貫かれたような激痛が背骨に走る。
新たに襲った痛みに私は声も出ず涙を流すしかなかった。
肛門には新しい木刀が深く埋没している。
少年達は股間から2本の木刀を生やし、うずくまりながら痙攣する私を囲んで大きく笑った。

しばらくして笑い声を聞きつけた兵士が駆けつけ、少年達の頭にゲンコツを落とし叱りつけた。
私への虐待を叱ったのでは無い、騎士の魂である剣の使い方を叱ったのだ。
兵士は少年達を追い返し、うずくまったまま泣く私に振り返り歩み寄ってきた。
「うぎゃぁっ!」
私の傍に歩み寄った兵士は私の股間から2本の木刀を勢いよく引き抜いた。
内臓が引き出されたかのような痛みに、私は踏み潰された蛙のような悲鳴をあげた。
「随分と手荒い扱いを受けたな。
 だが、そんな格好をしていては自業自得というものだ。」
兵士は冷たく言うと、引き裂かれたチュニックを纏い仰向けで涙を流す私の元に屈みこんだ。
「喉が乾いたか?」
突然の問いに私が兵士を見ると、兵士は先ほどの少年の物とは比較にならない大きさの肉棒を露わにして圧しかかってきた。
抵抗も空しく両膝を抱えあげた兵士の肉棒が私の膣口にあてがわれる。
「うぎっ!・・・いだっ!いだいっ!いだあああああ!」
幼い私の膣に兵士の凶悪な肉棒が突きいれられ、私は再び絶叫をあげた。
「おいおい、静かにしないと周りに迷惑だろう?」
激しく腰を打ちつけながら兵士はニヤリと笑い両手で私の首を締め上げた。
「あぐ・・・!ぁぅ・・・!か・・・ふ・・・!」
乱暴に犯される苦痛と激しく突き上げられる衝撃、そして息苦しさに私の視界は狭くなっていった。
「よし、今くれてやるからなっ!」
そういうと兵士は肉棒を引き抜き、首から離した手で私の頭を鷲掴みにした。
「かはっ!むぐ・・・ぉぐぅ・・・・!」
兵士は空気を求めて開いた私の口に血の付いた肉棒を突きいれ、鷲掴みにした頭を激しく自分の下半身に叩きつけ始めた。
「ぐっ!」
兵士が短く吠え痙攣する肉棒から喉の奥に何かが激しく噴射された。
まともに息が出来ず喉の奥で噴射される気持ちの悪さに私は悶絶した。
「貴重な水分だ。全部飲み干したまえ。」
兵士は私が精を全て飲み干すまで私の頭を放そうとしなかった。

兵士がその場を去ってから数十分ほど私は放心していた。
仰向けで傲然と夜空を見上げる私の近くには、兵士が私の代金として投げていった貨幣と血のついた木刀が転がっていた。
引き裂かれたチュニックを纏い、2本の木刀を抱えてフラフラと小屋に帰った頃には、もう夜になっていた。
私の純血はこうして奪われ、この日を境に私は言葉を喋れなくなった。

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翌日から収穫物は飛ぶように売れた。
収穫物が特別良かったわけではない、もちろん私への哀れみでもない。
私は言葉を失い新しい衣服も買えずにいた。
結局私は破かれてしまったチュニックの前面を結び、それを纏って歩いていた。
客には若い男性が多かった。
男性客は収穫物を買いに近寄り、大きく開かれた私の胸元を覗きこんではニヤリとした。
私を買おうと交渉する客もいたが、あの苦痛は二度と味わいたくなかった。
売れ行きとは裏腹に周囲の目はさらに冷たくなった。
私を罵る声には「売女」という言葉が加わった。
それでも私は生きるため収穫物を売り続けていた。

数日経ったある日。
一人の老婆が小屋に戻ろうとする私を呼び止め家に誘った。
脳裏に少年達から呼び出されたときのことがよぎったが、私は笑顔を向ける老婆の誘いにのることにした。
老婆に案内され家の中に入ると、そこには数年前に失った全てが待っていた。
暖炉、テーブル、食器、そしてベッド。
私には全てが夢だった。
「まずお風呂に入って体を綺麗にしておいで」
老婆は優しく微笑むと私を風呂へと案内した。
暖かい湯船。
孤児になってからは火で沸かした湯に足につけるくらいしか出来なかった。
私の目には老婆と湯船の温もりで涙が溢れていた。
湯船からあがった私を待っていたのは綺麗な衣服だった。
大きさも丁度よく私の体を温かく包みこんでくれた。
「凄く似合ってるわ」
綺麗な服を纏った私を見て、老婆は喜びながら涙を流した。
老婆の涙に戸惑い心配そうに見つめる私を、老婆はしゃがみこんで抱き寄せた。
それからしばらく老婆の家にお世話になった。
その間私と老婆は色々と伝えあった。
私が孤児になったときのこと、孤児になってからの生活のこと、言葉を失ったこと。
私がジェスチャーと文字で伝えることを老婆は涙しながら聞いてくれた。
老婆も私と同じように色々な話を聞かせてくれた。
老婆には息子と娘がいたが市街戦の際に娘を失ったこと、この衣服が失った娘の物であること。
他にも色々な話しを聞き、私も老婆の話に涙したのだった。
1週間ほどが経ち、私は老婆の家を出ることにした。
冷たい視線を浴びている私が老婆の元にいつまでも居るわけにはいかなかった。
老婆はそんな私を引き止めてくれたが私の意思を理解し、餞別にブロンズナイフを譲ってくれた。
「後・・・これもあげるわね。」
老婆が曇った表情で私に紫色の液体が入った小瓶を差し出した。
私が不思議そうに瓶を眺めていると、老婆がゆっくりと口を開いた。
「それは猛毒薬よ。どうしようも無くなってしまったときは・・・使いなさい。」
子供の私にも老婆の言葉が意図することはわかった。
私は老婆にコクリと頷き、老婆に手を振って小屋に帰った。

その日から私の生活は変わった。
私は小屋に戻ると忌々しい2本の木刀を取り出しロンフォールを走った。
獲物は果物や薬草では無い。
老婆から聞いた「鉄羊騎士隊」の話に興味を抱いたからだ。
鉄羊騎士隊は実力さえあれば誰でも入隊できるらしい。
そして何より功績を上げれば裕福な生活が送れるのだ。
私の獲物は兎、羊、魚といった動物になった。
木刀で獲物を仕留め、老婆から貰ったナイフで捌く。
危険は多いが動物達との格闘を経て剣の扱いに慣れ、得た物で生活を保つのだ。
私は猛毒薬を戒めとして、鉄羊騎士隊入隊を目指しロンフォールを駆けた。


老婆と別れて7年が経ち、入隊試験を終えた私は鉄羊騎士隊の一員となった。
相変わらず言葉にならない掠れた声しか出ないが生活には余裕が出来た。
宿舎には私の部屋が用意され衣服は自分で買えるようになった。
お礼をしようと老婆の家を訪ねたが、残念ながら一年前に他界していた。
私は老婆の墓にブロンズナイフをそっと供え、戒めの猛毒薬を取り出し墓に微笑みかけた。

以前と変わっていないことと言えば、私の周りには人が寄り付かないということだ。
隊の中でも話せない私の周りからは次第に人が寄り付かなくなっていた。
そして実践を重ねた私の剣の腕は隊の中でもトップとなっていたが、それも隊員から避けられる原因となった。
『愛想の無い野生女』。そう言って隊員達は陰口を叩くのだった。
「よう、サクヤ♪」
私の肩に軽く手を置き、嫌味のない笑顔と口調で唯一私に話かけてくるエルヴァーンの男がいた。
彼は同期の隊員でハルという名の兵士だ。
勝手に自分で名乗り無理矢理私の名前を聞き出してからというもの、ハルはよく私に話かけてきた。
特別ハルに対して親しい態度を取っているわけではない。
しかし、ハルは全くお構い無しに話かけてくるのだ。
「そんな顔してるとオークみてぇな顔になっちまうぞ。
 間違えて斬られちまうぞ。」
全くデリカシーも遠慮も無い男である。
私と会話する度に仲間から相手にするなと言われているのにハルの態度は変わらなかった。
溜息をついて『斬るわよ』と書いた紙とつきつけるとハルは腹を抱えて笑いだした。
私にとってハルは苦手な存在だ。
嫌いではないが私に話しかける本心が読めなかったからだ。
「今度ジャグナー森林まで遠征があるだろ?稽古付き合ってくれねぇか?」
特に断る理由も無い申し入れに、私は渋々彼の稽古に付き合うことにした。

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数日後、ジャグナー森林に遠征のときがきた。
鬼軍曹ロンジェルツの前に隊員達は緊張しながら遠征に出かけた。
さすがにハルもこのときだけは緊張した様子でチョコボを走らせていた。
「あそこに見えるのがラヴォール村だ。今はオーク共に占領されている。
 貴様ら、気を引き締めておけ!」
遠くに見えるラヴォール村を指差し鬼軍曹が叫ぶ。
私から両親を奪った者達が占領する地。
その地を遠くに見ながら私の拳には力が入った。
「近づく前に休憩を取る。出発は1時間後だ。
 いつオーク共が襲ってくるかわからん。油断するなよ!」
鬼軍曹の指揮で隊は足を休めることとなった。
私はチョコボから降り何気なくハルの方を見てみると、ハルは緊張からか剣を握りしめたまま棒立ちしていた。
「おい、ちょっといいか?」
突然話かけてきたのは、普段は私を避けているはずのラードという同期の隊員だった。
私が不思議そうな顔をしているとラードは耳元でこう囁いた。
「ロンジェルツ軍曹からの命令だ。
 お前と俺でオークが待ち伏せしてないか先に様子を探ってこいとのことだ。
 他の奴らが来ないようこっそりと見てこいとさ。」
軍曹の命令ならと私は彼に頷き、他の者に気付かれないよう隊から離れた。

ラードと私は随分歩いた。
周囲にオークの気配は無い。
さらに歩を進めてみると獣人の印が施された柵に突き当たった。
「おい、俺がお前を担ぐから柵の向こうを見てくれ。」
ラードの言う通り私は彼の肩に足をかけて肩車をしてもらった。
「そらっ!」
柵の向こうを覗こうとした瞬間、ラードが私の体を柵の向こうに放り出した。
「・・・っ!」
地面に叩きつけられ私は小さく呻いた。
何が起こったのかわからず私は柵を叩いてラードに助けを求めた。
グルルル・・・
低い呻き声が私の後ろで響く。
後ろを見ると複数のオーク達が武器を構え私を睨みつけていた。
すかさず私も剣を抜き、オーク達に斬りかかった。
実践で鍛えた剣でオーク達をなぎ払っていく。
しかしオーク達は次々に現れ私のスタミナを奪っていった。
「・・・ぁぅっ!」
頬を強烈に殴打され私の体は地面に激しく叩きつけられた。
ぼやける意識を取り戻し起き上がろうとするが、群がったオーク達の巨大な足に踏みつけられ私の意識は闇へと落ちて行った。

「大変だ!サクヤが隊を離れていったぞ!」
ラードの叫び声で隊に緊張が走る。
「静まれ!騒ぐ奴はこの場で斬り捨てるぞ!」
ロンジェルツの一喝で隊員達が静まり返る。
「方角はどっちだ!」
ラードに鋭い視線を向けロンジェルツが怒鳴る。
「あ、あっちです・・・。」
ロンジェルツの迫力に圧倒されながらラードはラヴォール村を指差した。
「捜索に入る!総員直ちに準備しろ!」
隊員達は慌てて捜索の準備を始めた。

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「んぅ・・・んっ!・・・ぁ・・・ぅ・・・んっ!」
意識を取り戻したとき、既に私はラヴォール村の一角に全裸で吊るしあげられていた。
手足は一か所で背中側に縛られ、私の体重を支えている物は物干し竿に繋がれた首輪と股間に顔を埋めたオークだけだった。
私の腰を引きよせオークの舌が淫靡な水音を立てる度に、閉じた口からは呻き声が漏れた。
「んっ!・・・ぁ・・・ぁっ!」
絶頂が近づき自分の体がエビ反りになっていくのを感じる。
周囲のオーク達がその様子を見て高笑いをし始めた。
「んぁっ!・・・はぁっ・・・ぅ・・・!」
私は痙攣しながら何度目ともしれない絶頂を迎えた。
「グヮッハハハ!コイツは真性の変態だぜ!
 お前達が豚と罵る奴の舌でまたイキやがった!」
オーク達が地が震えんばかりの大声で私を笑う。
「見ろよこの変態、豚に舐められて乳首勃ててやがる!」
刺激に反応して硬くなった私の乳首を千切らんばかりにオークが捻りあげ、口から悲鳴が漏れる。
「どうした?もう孕ませて欲しいか?」
私が喋れないことなど知らないオークが笑いながら問う。
ペッ!と私は馬鹿笑いをするオークの額に唾を吐きかけてやった。
笑いを止め明らかに怒りの表情を見せたオークが目の前の陰毛をワシ掴みにした。
「ーーーーーーっ!!」
ブチブチッと陰毛が毟り取られる音と共に口から声にならない絶叫が零れる。
叫ぶサクヤに構わずオークは私の腰から手を放した。
「は・・・かはっ!!」
首に全体重がかかり私の呼吸が完全に塞がれる。
私は急激に視界が白く霞んでいくのを感じていた。
「おいおい、まだ殺すなよ。こいつにはまだ恨みを晴らさせてもらわないとな。」
冷静な口調で言った別のオークが私の腰を自らの顔に引きよせ再び水音を立て始める。
「ゲホッ!かは・・・んぅっ!んっ!は・・・ぁ・・・っ!」
オークの乱暴な愛撫に私は再び苦しみの絶頂に上り始めた。

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「東方面、幅広く探索致しましたが以前発見出来ません!」
全方位を隊員達は隈なく探したがサクヤの姿は見つからなかった。
「ラード、今回の件をどう思う?」
ロンジェルツは振り向かずにラードに問いかけた。
「は!サクヤ隊員の身勝手な行動により、隊に混乱をもたらすだけでは無く、進軍を止める事態となりました!
 よって捜索を打ち切りサクヤ隊員を除名処分とするのが妥当と思われます!」
ラードは内心ニヤリとしていた。
普段から快く思っていなかった存在は、これで2度と日の目を浴びることは無いだろう。
「ふむ。ラード、何故サクヤを止めなかった。」
再びロンジェルツが問う。
「は!私が見かけましたときには既に遠くまで行っておりました!」
「ラード、我々は何を用いてサクヤの探索を行っている。」
間髪入れずロンジェルツから突きつけられる問いにラードは焦った。
「チョ、チョコボですが・・・。」
「全方面で見つからんということは向かった先はラヴォール村しかない。
 だが正面の道は柵が建てられており通ることはできんはずだ。」
ロンジェルツが自分を疑っているように思えたラードはさらに焦った。
「恐れながらサクヤ隊員は女性ながら活発でおられます。
 獣人ごときが作った柵など乗り越えてしまうでしょう。」
「ほほぅ、貴様ずっとここに居た割にはよく知っているな。
 確かにお前の言う通り柵は獣人共が作った物でな。
 跳躍力次第では登れんこともない。」
鬼軍曹の目がラードに向けられ、ラードの体がビクリと跳ねた。
「い、以前所用でこちらに来たときに見かけておりますので。」
ラードは必至に平静を装いながら鬼軍曹に答えた。
「ラード、サクヤのチョコボはここに残されて居る。
 となればサクヤは徒歩で軍を離れたということになる。
 軍を離れたところを見たという貴様の報告直後から我々はチョコボで捜索を始めている。
 サクヤの足がいくら速かろうが見つからんのはおかしいとは思わんか。」
ラードの頭は真っ白になっていた。
鬼軍曹はゆっくりとラードに詰め寄り口を開いた。
「小僧、このロンジェルツの前で嘘を付けると思うなよ。」

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「ん・・・ぅ・・・」
オークの愛撫で苦しいだけの絶頂に何度も達し私は気を失っていた。
目を覚ました私の体はうつ伏せに宙に吊るされていた。
「っ!ぅぁ・・・ぁうっ!」
ヌラヌラとした熱く固い物体がピタリと秘部に当てがわれたかと思うと、巨大なそれは私の体に容赦無く突きいれられた。
巨大な異物に子宮を潰されんばかりに押し上げられ、膣はギチギチと悲鳴を上げている。
空気を求めて乱れた呼吸をする私の眼前に、もう1つの巨根が突き出された。
その巨大さに驚く間も無く、私の頭を掴んだオークが無理矢理巨根を口に突きいれる。
「がほっ!むぐっ!か・・・はっ!」
激しく肉がぶつかりあう音とくぐもった悲鳴が混じり合う。
体がバラバラになってしまうのではないかと思うほど本能のままに突き上げるオーク達のピストン運動に、私は呼吸も出来ずもがき苦しんでいた。
「っ!ん・・・!・・・!!」
ほどなくして口を犯していたオークが、私の顔を完全に密着させたまま長い射精を始める。
顔をオークの下半身に完全に密着させられ、窒息状態になった私の股からは小水が流れ始めていた。
長い射精を終えたオークが頭を放すと同時に、私は大量の精液を胃から床に吐きだした。
グオオオ!という雄たけびと共に膣を犯していたオークも絶頂に達する。
まるでホースから水を出されたような大量の射精が私の絶望感を増大させる。
虚ろな目で地面を見つめる私の口と膣に、再びオークの巨根が突きつけられた。

どれほどのときが経っただろう。
何度も気を失い、オークの精液を嘔吐し、腹が破裂するのではないかというほど精液を体中から流しこまれた私は薄暗い闇の中で目を覚ました。
もう起きる力も残っておらず、口や陰部から止めどなく流れるオークの精液を見つめながら涙を流していた。
ふと視線を動かすと鎧の下に着ていた衣服がオークの体液に塗れて投げ捨てられていた。
私は震える手を衣服に伸ばし密かにしまっていた小瓶を取り出した。
それは7年前に老婆から受け取った戒めであった。
そう、思えば両親を失ったときから運命は決まっていたのだ。
あのとき両親の元を離れず一緒にいれば、こんな屈辱も苦しみも無かった。
私は瞼を閉じた。
瞼の裏であの優しい顔をした老婆が手を差し伸べる姿が浮かんだ。
閉じた瞼の中で私は老婆の手を取って笑った。
「・・・ぅ・・・ぐ・・・ぅ・・・」
私は戒めの小瓶を開け中の液体を口に流し込んだ。
体に毒が周り急激に意識が遠くなるのを感じる。
近くにいたオークが異常な様子に気付き走り寄ってきた。
「これはもう使えんな。」
私の様子を見たオークが残念そうに呟く。
「元の場所にでも捨ててこい。ノールの餌ぐらいにはなるだろう。」
オークの嘲笑を聞きながら、私の意識は闇に落ちて行った。

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「どうだ?」
ロンジェルツが報告にきた隊員に声をかける。
「はい!無事医療所に着いているようです!
 両名共に命は助かるそうです!」
「そうか、御苦労だった。下がれ。」
大きい溜息をつきロンジェルツは夜空の星を見上げた。

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「・・・・・ぅ・・・?」
2度と見るはずのない光に私は驚いた。
頭はまだクラクラするがそこは紛れもなく王宮の医療所だった。
「お目覚めか。まだ動くでないぞ。」
状況がわからず混乱する私の様子を察してか医者が経緯を話始めた。
「どうやらオークに酷い目に遭わされたようだな。
 道端に倒れているお前を他の隊員が見つけここまで運んできたんだ。
 だが危なかったんだぞ。
 もう少し運びこまれるのが遅ければ死んでいるところだ。」
状況が飲みこめず未だに呆然としている私に医者が言葉を続けた。
「昏睡薬を飲まされた様子もあったが・・・何があったのだ?
 大量に飲んでで一時的に仮死状態になっていたようだが・・・。
 オークに実験でもされたのか?」
致死量では無いと聞いて私は体が跳ねるほど驚いた。
老婆は元々私を死なせるつもりは無かったのだ。
どうしようもなくなってしまったとき。
私がこれを使えば国内であれば誰かが気付くだろう。
そしてそのとき、老婆は私を拾うつもりだったのだろうか。
意地の悪い老婆の心使いに私は口元を緩めた。
「あぁ、それとな、奴には礼言っとけよ?
 道端で倒れたお前をノールから救おうとして、傷を負いながらここまで走ってきたんだ。
 名前は確か・・・ハルとか言ったかな。」
「!」
医者の口から告げられる驚きの話に私は再び驚いた。
あの軽くて情けなくて屁っ放り腰のハルが、私を救うために怪我をした。
気がつくと私は驚きのあまりふらつく足で彼の病室に歩きだしていた。

病室の入口から覗き込むとハルは頭に包帯を巻いて空を眺めていた。
病室に入るとハルはいつもの嫌味の無い笑顔で私に手招きしてみせた。
私はベッドの横の椅子に座りハルに戸惑いの視線を浴びせた。
するとハルは笑いながら口を開いた。
「ラードの奴にはめられたんだろ?
 最も鬼軍曹に見破られて奴はもう軍にはいないけどな。
 あ、でも俺もサクヤ助けようとして命令違反しちまったからなぁ・・・。
 多分怒られんだろうなぁ、鬼軍曹に。」
ハルは苦笑しながら私の顔を見つめた。
私は笑わずに目で訴えた。
私が問いたいことをハルは察したのか、何かを決意したかのように笑うのをやめた。
ハルは枕元に手を忍ばせ、取り出した何かを私の手にそっと握らせた。
私の手には老婆の墓に供えてきたはずのブロンズナイフがあった。
私は益々わけがわからないと目で訴えるとハルは重い口を開き始めた。
「それは君のだ。そして・・・俺の婆さんの物でもある。」
ハルの口から語られる話に、私は驚きを隠せず唖然としていた。
「婆さんから聞いたよ。孤児の可愛い女の子と一緒に居て楽しかったと。
 そして聞いたよ。とあることからその子は言葉を失ってしまったって。」
押し黙る私を見ながらハルが再び口を開く。
「言い出せなかったんだ・・・。君にも婆さんにも。
 俺がその原因の一人だったなんて。」
ハルの口から放たれた衝撃の告白に私の頭が真っ白になった。
「バカだった・・・本当に・・・。
 自分勝手な欲望で俺達は君に酷いことをした。
 その天罰かもしれない。
 俺以外の2人は初陣で戦死した。
 そして落ちこぼれの俺が入隊したここには、君が居た。」
無意識にナイフを握る手に力がこもる。
「そのとき・・・いや、婆さんに話を聞いたときから決めていた。
 もし君にまた会えたときは一生掛けて君に詫びたいと・・・。
 でも、現実は俺が考えているような甘い物じゃなかった。」
傷が痛むのか、ハルは少し顔をしかめながら話を続けた。
「忘れもしないあのときから7年が経ッていても、君は言葉を失ったままだった。
 そして言葉を失った君を、周りは相変わらず避けていた。
 耐えられなかった・・・君はあれからずっと1人だったんだね。
 俺達が君から奪った物は言葉だけじゃ・・・なかったんだ。」
涙が溢れ私は俯いた。
拭われない涙は頬を伝い落ち、ナイフの上で弾けた。
「そしてその現実以外にも俺は苦しんだ。
 自分が大切な物を奪い不幸の淵に落とした君を・・・
 自分が殺されてもおかしくない仕打ちをした君を・・・
 愛してしまっていたことに・・・。」
突然のハルの告白に私は驚き、涙にまみれた顔を上げてハルを見つめた。
「俺ももう何が何だかわからないんだ。
 君に詫びることはあっても求めることなどあってはならない。
 そんなことはわかってる・・・わかってるはずなんだ・・・。」
ハルの目に涙が零れ頬を伝った。
「サクヤ・・・俺を殺して気が済むなら殺してくれ。
 その方が・・・俺も・・・。」
覚悟を決めたようにハルは目を閉じた。
私は立ち上がりゆっくりとナイフを振りかざした。
過去の様々な記憶が私の脳裏を駆けまわり、動機が高鳴るのを感じていた。

両親を失いボロを纏い冷たい視線を受けつづけて過ごした明日をも知れぬ生活。
広場の隅で虐待され、最後まで救われること無く身も心もボロボロにされたあの日。
ボロを纏う私を買おうと近づく大人達の視線。
そして暗闇の底で私に手を差し伸べてくれた老婆。
そして・・・ハル。
私の知らないところで長い間苦しんできたハル。
冷たくあしらわれながらも唯一話かけてくれたハル。
自らの罪に泣きながら私を愛しているといったハル。

気がついたとき、私はハルの胸で号泣していた。
怒りたい気持ちも、恨みたい気持ちもある。
しかし何故かハルを恨むことは出来なかった。
今まで塞いできた感情が爆発し、人生で一番大きい声を出して私は泣いた。
そして私は心から重い何かが涙と一緒に流れ出ていくのを感じていた。

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1か月後。
治療が終わり隊に復帰した私達は早速鬼軍曹に怒られた。
どこか優しさを感じさせる暖かい叱咤であった。
軍曹に挨拶を終えた後、私達は暇をもらい老婆の墓参りに行った。

ハルの話を聞いてから、私は少しずつ喋れるようになっていた。
ゆっくりではあるが今では普通に会話も出来るようになった。
「ハル」
老婆の墓に手を合わせながら、私はまだ慣れない発声でハルを呼ぶ。
「なんだい?」
私に振り返り、ハルが優しく微笑む。
「私、まだあなたのことどう思っていいのかわからない。」
ムスッとした私の言葉にハルが苦笑する。
「でも、一緒に居て欲しいな・・・。」
そう言って私はハルに手を差し出した。
多くの人々に相手にされず振り払われ続けてきた、手を。
「ずっといるさ。」
ハルは微笑みそっと私の手を取った。