「外は中々にぎやかだな」
「はい、今日は10年に1度のお祭りですので」
旅の剣士ツバキ・ナーガン(16)が宿先でこの宿を経営していると思われる青年に話しかけている。
「へぇー、お祭りか。」
「ええ、ですので。この飲み物はサービスですのでどうぞご自由にお飲み下さい。では」
青年が部屋から出て行くとツバキはテーブルの上に置かれた飲み物に目をやった。
「ジュースか…」
手元にあるワイングラスにぼどぼどと注ぎ、外を眺めながらグラスを傾ける。すっきりとした甘味に爽やかな後味、なかなかの美味である。
「ふむ、華やかだな」
外では人がワイワイと騒いでいる、そしてよく耳を凝らすと祭りの歌のようなものが聞こえてきた。
『豊穣の男神よ豊穣の女神よ産めよや増やせ、我らは大地の子らよ産めよや増やせ』
豊作を願う為の歌であるのか、そういうような歌だった。
「これを飲み終えたら行ってみてもいいかもしれないな」
そう思いながらツバキは雰囲気を楽しみながらゆっくりと飲み続けた、そしてジュースの瓶が空になる頃トントンとドアを叩く音が
「誰だ?」
「私です」
ガチャリと先ほどの青年が入ってくる。
「どうしたのだ?」
「いえ、外は祭りですので。外にでられないのかと……」
「今行くところだったよ、しかし本当ににぎや……か……?」
腰を上げ、立ち上がろうとした時。不意に力が抜けドサリと床に倒れこむ。
「おやおや、一本空けてしまいましたか。」
「き…さま……なにを……」
「心配しなくてもいいですよ、これは毒ではありません」
と倒れこんだツバキをお姫様抱っこで抱き上げる青年。
「っ!!」
「効き目は現われ始めましたか」
そして青年はそのままツバキをベッドの上に優しく置いた。そしてシュルシュルとツバキの服の帯を解き始めた。
「やぁ、やぁめ……」
「ほう、綺麗な肌をしていますね。」
そして、青年は胸に巻かれているサラシをどこからか取り出したナイフで切り裂き始めた。
「動かないでくださいよ、傷、つけたくありませんから」
「ハァ、ハァ、やめ、こんな」
全てのサラシを裂き終えると、お世辞にも大きいとはいえないツバキの胸が姿を表した。
「可愛い乳首ですね」
「ッ!!」
すでにぷっくりとたっていた乳首を優しく摘みあげられる、その時ツバキの体に甘い痺れが全身を焦がした。
「下は……紐パンですか」
「はぁっ、そこだけは……やめろぉ」
青年の手が太ももからゆっくりとショーツにへと伸びる。すでに火照りきっている体は太ももをゆっくりと撫で上げる青年の手に感じ始める。
「ふっ……ふっ……!!」
甘い声を出しそうになるのをツバキは必死にこらえる、そして青年の手はショーツを支える紐へと伸びていく。
普段ならこの程度の男はぶっ飛ばせるのだが、いかんせんあのジュースのせいなのか力が入らずなすがままだ。
シュルっと紐が解かれる、そして男は焦らすようにゆっくりと支えを失ったショーツをめくりあげてゆく。
「薄いですけど毛はしっかり生えてますね。あ、綺麗な桜色ですね」
今まで隠してきた秘所を見られ羞恥に顔を染めるツバキ。ほどなくして、ツバキは青年の手によって生まれたままの姿にされてしまった。

「この祭りの伝統行事でね」
自分の服を脱ぎながら青年が目じりに涙を溜めたツバキに話かける。
「この町にいる男女はつがいを見つけて種付けをするっていう」
青年は言いながらシャツを脱ぎ、ズボンに手をかける。
「そして、それは町の人達だけじゃなくてこの期間、町に『滞在』している人達も含まれるんだ」
ツバキと同様に素っ裸になった青年はツバキの方を見やった。
「僕の父は外の人でね、20年前にここを訪れた父は母にあの飲み物を飲まされてね。僕が出来たんだってさ」
「い、いや……」
「外になんかいかせたら、どんな男につかまるか…。大丈夫、優しくするから」
「いやぁーーーーー」
ツバキの悲痛な叫びが部屋に響く、しかし助けなぞくるはずもない。何故なら外は……

『ん、ん、ん、出して、出してぇ』 『や、やめ出ちまう、孕ませちまう!!』 『あなたの子種受け止めてあげるからたくさんだして!』
『あ……ん!』 『うっ!孕めよ…俺の子を…』 『やだよぉ、孕んじゃうよぉ…』
『やん、もっと!もっと!』 『愛してる、愛してるよサラ!』 『わ、私もグリアム!!』

すでに狂乱の渦なのだから……




男「雌を孕ませる雄ってあんな感じなんすかね、いや、そんなもの目で見れば
  っていうんじゃなくて……『気』ってゆうか『オーラ』ってゆうかそんな
  ものが滲みでて。それに、それだけじゃなくてですね、いや今言うのは本当
  の事ですよ、幻覚でもなく事実ですよ!奴の…こぼれ出た精液が……地面
  に落ちた精液がですね……、よく見たら動いているですよ、『前進』していたんですよ」
                            ―立ち会っていた男の証言―




「ひやぁ、ふっ・・・」
右の桜色の突起が摘まれ、潰され、こねくりまわされる。
左の突起は舌の先で弄ばれ、吸われ、甘噛みされる。
今まで剣一筋であったツバキには未知の感覚だ、宿屋の青年…シモンがツバキの胸を弄ぶ度、ツバキは甘い声をあげる。
「すっかり出来上がって……、意外とツバキさんは淫乱なんですね」
「ち、ちがっ」
「じゃあ、これは何ですか?」
シモンの二本の指がツバキの膣に軽く挿入され、そのまま広げられる。と、クパッと中は既に蜜で湛えられていた。
「胸を一杯いじくられたから、ここも欲しがっているんですね。」
二本の指を閉じ、膣壁を撫で上げる。
「ふぅっ……」
今日一番の快感が体を駆け巡る。しかし、シモンの指はそれだけに留まらず軽く出し入れしつつ、膣壁をすりあげていく。
「ひゃ、ふぅっ」
「もっと素直に感じてくれてもいいんですよ」
ツバキの耳元でシモンが囁く。
(頭が……、何…、これ…)
あのジュースによって体がおかしくなっているのは間違いない、だがそれに加えて初めて異性に自分の体を貪られる感覚。
抵抗もできずに相手の思うがままにされている事に戸惑っていた。その戸惑いは正常な思考を奪い、シモンのペースに嵌められていく。涎がこぼれている口に蓋がされる、ゆっくりとシモンの舌が侵入しツバキの口内を蹂躙していく。
(舌が入ってくる!!)
他人の舌が自分の口に入ってくる、しかし異物を入れられる不快感よりも舌と舌が重なり合い絡み取られた時の何とも言いがたい感覚の方が勝った。ツバキは自分が目の前の男に征服されてしまう恐怖感に駆られた。
「んん!!!」
その時、急に頭が白くなりただでさえ力の入らない体がさらに脱力していくような感覚が体に走った。
「やれやれ、イッてしまったようですね」
ぼやけた目でシモンを見上げると、シモンはにやりと笑っていた。



ニュルリ、とシモンの陰茎がツバキの膣を撫で上げる。
「ふぁあっ」
ツバキが絶頂達した後、ツバキが落ち着くとシモンはツバキの両足を抱きかかえると自分の陰部をツバキの陰部にあてがいすりあげていた。シモンの陰部と自分の陰部が擦れる度にツバキは甘い悲鳴をあげる。
「ハァ……ハァ……」
すでに目は妖しい光を持ち、すっかりと快楽の虜になっていたツバキにシモンが囁きかける。
「私が欲しいですか?」
「ひ、い…」
シモンは肉棒をツバキの膣に軽く押し当て、少し入れる。亀頭の先がツバキの膣に埋まる。
「!!」
敏感になったツバキの体がその感覚を体に伝える、背筋にピリっと電気が流れた。
ずぶずぶとゆっくりとシモンが入ってくる。
「ひ、ぃ……」
ミシミシと未開の地が開かれていく、しかし、亀頭の頭が沈められたあたりですっと素早くシモンは腰を引いた。
「く……っ!!!」
ツバキの体が軽く痙攣する。そのまま貫かれると思っていたが予期せぬ快感が体を襲った為だ。
「欲しい…ですか?」
「………は、ぃ……」
ツバキが頷くとシモンは一気にツバキを貫いた、ブチブチとツバキを守っていた膜が破られていく。
「あぁぁぁ!」
「ぐっ」
ツバキは破瓜の痛み、シモンは一気にツバキによって与えられてくる快感に耐える。
(まだだ、まだ射精せない!)
シモンは絶頂を耐える為、思わずツバキを抱きしめる。その為二人はしばらくそうしていた。
シモンの波が一旦引き始めた時、シモンは上体を起こしそのままツバキの両腕を掴みそのまま後ろに倒れる。
シーソーのようにツバキの体が持ち上がり、俗に言う騎乗位の体勢になる。焦点の定まっていないツバキが不思議そうに首を傾げた。と途端ベッドのスプリングを利用したシモンのピストン運動が始った。
「ふっ、あっ、あっ」
ツバキの体がシモンの方に倒れていく、そしてそれをシモンははしっと抱きとめ動く。
「ん、んんっ、やぁ」
そして、ピタリとシモンの動きが止まる。
「あ、あ、なんで…」
力なくツバキが声を上げる。
「ツバキさん、もう出そうだ。中に出したら赤ちゃんできちゃうかもしれないけど、それでもいい?」
「ふん……、だ、めぇ……」
ズンとツバキの腰を突き上げる
「んん……やぁめないで…」
「何で?嫌なんでしょ?」
「気持ち…良くなりたい……、早く…ラクに……」
ギシギシと再びベッドがきしみ始める。
「じゃぁ、いいね?」
「んん、いいから!うごい……、て!!にゃぁぁぁぁ!」
「出る!!」
シモンの肉棒が最後まで飲み込まれた所で、ツバキの中にシモンの精液が放出された。
鋭い快感だけでない、熱い、液体みたいなものが胎内を満たされていく事でツバキは女としての満足感を無意識の内に感じていく。
「あぁぁ、ハァ、ハァ」
「ハァ、ハァ、ハァ」
ツバキの口からだらしなく涎が垂れ落ちる、その表情は満足気だ。シモンは右手を背中、左手を腰に回すと力を入れて上体を起こし対面座位の体勢をとる。
「や……」
この小さい動きにツバキは可愛い声を上げた、するとやわやわとツバキの膣が再び躍動しだす。
「ツバキさん……?」
「やだ、なんで?まだ熱い……」
「もっと……良くなりたい?」
「…………」
ツバキは顔を紅潮させたまま、頷いた。

「ん、また…。中にぃ!」
6回目となる射精がツバキの中に放たれた。あれから、そのまま対面座位のまま1回、挿入したまま体位を変えて後背位で1回、そしてそのまま抱きかかえて背面座位で1回、一度抜き、体位を変え正上位で1回、そして今のも入れて合計6回。しかし、ツバキはそれでもシモンを求めてシモンもまたツバキを求めた。何度目かわからないキスを何度もし、腰を振る。
「ツバキ、ツバキ……」
「シモン、シモン……」
この夜、8度目のシモンの射精でようやく二人の性交は終わった。

チュンチュンとスズメの囀る声が聞こえ、シモンは目が覚めた。隣にはすーすーと寝息を立てているツバキがいる。
ぽふっツバキの頭に軽く手をやり撫でる。
(昨日はさすがに激しすぎたか……)
そう、自嘲するシモンだがきちんと男の生理現象は起きていた。
「ツバキさん、ツバキさん」
「ん、なに?あぁ、ん」
「おはようございます」
シモンはツバキを起こし、軽くキスをすると。素早くツバキを抱きしめ再び、交わり始めた。
「んん、シ、モォン……」
シモンに抱かれるツバキの目は昨日までの凛とした目ではなく肉欲に捕らわれていた目をしていた。


実りの祭り - 後編