←エル♀お姉さん大暴走
「うわあああっ!」
オークの豪腕を寸でのところで避けたものの、少年は無様に尻餅をついてしまった。
剣を手から落とし、じりじりと迫ってくるモンスターの威圧感に、動くことも出来ずにガタガタと身を震わせて恐怖する。
そして唸り声とともにオークの太い腕が振り上げられると、何の防御にもならないと判っていながら、両腕を頭の上にかざした。
「うあっ・・・!」
恐怖に思わず声を上げ、目を固く閉じる。
しかし、両腕を跳ね除けて頭部に命中するはずの攻撃が少年を襲うことはなかった。
そっと眼を開けると、オークは何やら唸り声を上げながらキョロキョロと辺りを見回している。
(な・・・なんなんだ・・・・?)
状況を飲み込めぬまま、剣を拾い上げ、立ち上がる。
(よくわからないけど・・・・チャンスだ!)
「えぇいっ!」
少年の気合と共に剣が振り下ろされ、振り向いたオークの頭部に命中する。
「このっ!このっ!」
オークが怯んだ隙を突いて、次々と攻撃を繰り出していく。
やがて呻き声が段々と小さくなっていき、ついにオークはその巨体を地に沈めた。
「やったぁ!」
思わず剣をかざして喜ぶ少年。しかし彼は気付かない。すぐ近くで、その美貌に青筋を浮かべた長身の女性の存在に・・・。
長身の美女はゆっくりと少年に近づいていく。わざと足音を大きく立てているのに、まだ少年は気が付かない。
思わぬ戦果にはしゃぐ少年は、身に差し込む陽の光を女の長身で遮断されて、やっとその存在に気が付いた。
「あっセレナさ・・・」
ゴツッ
「んいっ!」
言葉の途中で拳骨を喰らい、奇妙な声を上げてしまう。
そして、痛みが響く脳天を押さえながら少年は恐る恐る、自分に鉄拳を放った美女の表情を伺った。・・・明らかに怒っている。
美女は恐怖に怯える少年の頭を左脇に抱え込み、そのまま右の拳を脳天にグリグリと押し付けた。
「トラヴィスくーん?おねーさん、下手にモンスターに近づくなって言ったわよねー?」
「あいいいいいいい!」
諭すような優しい口調とは裏腹の凄まじい痛みに耐え切れず、少年は慌てて口を開いた。
「いだだだ!セレナさん、ごめんなさいぃいいい」
謝罪の言葉を耳にして、ようやく少年の頭を拳から開放する。
「ほんっとに・・・わたしが奴の気を引きつけなきゃどうなってたんだか」
「え・・・セレナさんが助けてくれたんですか?」
痛みが後をひく脳天をさすりながら、涙目の少年は美女を見上げて言った。その瞬間、
ゴンッ
「あぎゅっ!」
「わたし以外、だれがいると思ってんのよ・・・!」
少年の天然発言に、再び先ほどと同じ拷問にも似た体罰を敢行する。
「あぁあああ、セレナさんごめんなさいありがとうございますぅうう!」
あまりの苦痛に手足をじたばたさせて泣き喚く。満足したのか、美女は早々に少年を解放した。
「ひ・・・酷いです・・・・」
「自業自得でしょ!」
頭を押さえてうずくまる少年を見下ろしながら、大きく溜息をついて、自分もまた頭を押さえた。
あの衝撃の一夜の翌朝、セレナはトラヴィスを連れて早速サンドリアへと出発した。
ただ連れて行くだけではなく、サンドリアに着いた後も実家で生活の面倒を見ることまで約束して。
さらには『わたしがトラヴィス君を一人前にしてあげる』とまで言ってしまった。
もちろん身寄りの無い少年を養って冒険者として一人前にしてやろう、という善意だけではなく、
せっかく捕まえた自分好みの年下の少年との甘い時間をたっぷりと過ごすため、というのが一番の理由ではあったのだが。
しかし純真なトラヴィスは、そんなセレナの思惑に気付かない。
『初めて』を捧げたエルヴァーンの美女が、こんな自分の今後の面倒までみてくれるという、
夢のような境遇に無垢な少年はいたく感激し、ますますセレナに惚れ込んでしまったのであった。
とはいえセレナも『一人前にする』と約束した以上、手を抜くわけにはいかない。
サンドリアへの道中も、度々トラヴィスに戦闘の仕方や様々な知識を教えながら歩を進めているのである。
だが、単に真面目に教えるだけでは常時プチ暴走状態に陥ったセレナが満足するはずもない。
良く出来たときは『ご褒美』と称して例外なく過激な行為に走る。
抱きついてスリスリしたり、濃厚なキスをしたり、果てには行為が下半身に及んだり・・・。
・・・そして先程のような失敗にも、もれなく過激な『お仕置き』が付いてくるのである。
「本当にもう!素直な良い子だと思ってたけど、ぜんっぜん言うこと聞かないのね、君って!」
セレナはキツイ口調で、自分の胸辺りの身長しかない少年を叱り付ける。
トラヴィスの方は自分よりもずっと長身の、しかも年上の女性に見下ろされながら強い口調で叱られて、
その威圧感に押されて何も言い返せずにただ縮こまるしかない。
「離れずにわたしについて来れば、この辺りのモンスターは自分から逃げてくわよ!それなのに君ときたら・・・」
「・・・・」
(ホントのことなんて・・・言えないよ・・・セレナさんに迷惑かけちゃったし)
実はトラヴィスには、『好きな女性の手前、いい格好をしたい』という単純ながら年相応の、背伸びした想いがあった。
だが結局セレナが少年の気持ちに気付くことはなく、単に自分勝手な行動とだけ映ってしまっていた。
「あれだけ言ってるのに、意地っ張りというかなんと言うか・・・これからは無茶しちゃダメよ?わかった!?」
「・・・ごめんなさい」
「謝れば済むと思ってないでしょうねぇ!?」
「・・・・・」
(・・・セレナさん、まだ怒ってる・・・・)
散々怒声を浴びせられ、トラヴィスは本当に申し訳なさそうにしゅんとしてしまっている。
その表情を見るうちに、セレナの美貌は怒声とは不相応なニヤけた表情に変わっていった。
(あぁ・・・カワイイッ・・・これよこれ・・・)
母性本能をこれでもかと突かれ、叱っているというのに目の前の少年がますます愛しく思えてしまう。
セレナの胸の奥に、『いぢめて可愛がってあげたい』という黒い欲望が満ちていくのに、そう時間はかからなかった。
「まったく・・・反省が足らないみたいね。いいわ、悪い子のトラヴィス君にはお仕置きしてあげる。さ、脱いで」
「え・・・は、はい・・・」
(お仕置きって・・・やっぱり・・・)
『お仕置き』。セレナの発した言葉の意味を既に知る少年はおずおずとズボンのベルトを解いた。
しかし、それ以上は手が動かない。
「どうしたのぉ?ほら脱いで、トラヴィス君」
「あ・・・あぅ・・・・」
「ふーん・・・逆らう気なの?また?」
「ち・・・違います」
「だったら・・・」
セレナはツカツカと少年に歩み寄る。そして少年のズボンと、その下の下着に手をかけた。
「さっさと脱ぐの!」
ズボンと下着を一気に足首までずり下ろされ、少年の初々しい股間が露わになる。
その性器は、興奮のあまりパンパンに膨れきっていた。
「あらぁ?なーにコレは?おねーさんお仕置きするとは言ったけどエッチなことするなんて一言も言ってませんけどぉ?」
「あ・・・あぅう・・・」
自分で少年の下半身を剥いておいて説得力もなにもあったものではないが、
完全に気圧されているトラヴィスは突っ込むこともできない。
少年が羞恥に身を震わせる様子が可愛らしくて、セレナはその身にゾクゾクするような感覚を覚えた。
「ふーん。お仕置きって聞いただけで興奮しちゃったの?トラヴィス君はエッチな悪い子なのね」
「うぅ・・・ごめんなさい・・・・」
「別にいいわよ、そんなにエッチなことして欲しいならしてあげる。た・だ・し、お仕置きはお仕置きだからね?」
「はい・・・あ、あぁうっ」
少年の返事を聞くや否や、セレナはペニスを口に咥えこんだ。
そして未だ剥けきらない少年の先端を、いつもしてやっているように口で器用に剥いていく。
それだけで快楽にビクビクと震えるペニスのカリ首を、いとおしげにネロネロと舐めまわす。
すると敏感なトラヴィスのペニスは、たまらず透明な汁を噴出し始めた。
セレナの口唇愛撫はますますペースアップし、ジュルジュルと音を立てながらのハードなフェラチオに移行した。
「んっ・・・・んむっ・・・んふぅ・・・」
「あ・・・・あぁっ、もうっもう出ます!」
壮絶な快楽に少年のペニスはあっという間に限界を迎えた。
そしてセレナの口の中で、射精に向けて大きく脈動を始めたその時である。
「はい、ここまで」
「えっ・・・?」
セレナはすっぱりと愛撫をやめて、トラヴィスのペニスから口を離してしまったのである。
今まで、愛撫されるときはいつも射精まで導いてもらっていたトラヴィスは初めての事態に呆然としてしまった。
そんなトラヴィスを尻目に、セレナは口を拭って立ち上がり、さっさと歩き始めてしまう。
「何してるの?早く下を穿いて。行くわよ」
「そんな・・・セレナさぁん・・・・」
「なによ?」
「さ・・・最後まで・・・お願いします・・・」
「ダーメ。おあずけ喰らわせるのがお仕置きなんだから。おねーさんの言うことを聞けない悪い子はイかせてあげませーん」
「そんなぁ・・・」
(フフッ・・・もぉカワイイんだからぁ・・・)
すがるような少年の視線に、ゾクゾクと身を震わせる。もとより、完全におあずけを食らわすつもりなど無い。
ただ、こういう状況を作り出して、トラヴィスのほうから求めてくれるのを期待していただけである。
年下好きな女の屈折した愛情表現に素直すぎるほどに簡単に応えてくれる少年は、今や堪らなくいとおしい存在になっていた。
(・・・意地悪してごめんね、トラヴィス君。ちゃんとイかせてあげるからね・・・・)
セレナは笑みを浮かべて少年に歩み寄る。後ずさる少年の肩を捕まえると、その額にこれ以上無く優しく、軽いキスを浴びせた。
「え・・・?」
呆気にとられる少年の頬に優しく両手で触れて、視線を合わせる。
トラヴィスにも、セレナの眼がさっきまでのサディスティックな雰囲気から、いつもの優しい眼に変わっていることがわかった。
じっと見ていると、その深い色合いに吸い込まれそうになる。
「トラヴィス君」
「は、はい・・・」
「反省してる?これからは、ちゃんとわたしの言うこと聞けるわね?」
少年がコクリと頷くと、セレナはにっこりと笑って言った。
「じゃあ、イかせてあげる」
「えっ?」
「素直な良い子には、『ご褒美』よ・・・」
「あ、あの・・・あぁっ!」
戸惑うトラヴィスに構うことなく、セレナはその場に屈みこんで猛ったままだったトラヴィスのペニスを頬張った。
混乱しながらも、待ち焦がれていた快楽の到来に少年はゾクゾクと身震いする。
セレナの頭が激しく、テンポ良く前後するたびに、着実に射精へと導かれていく。
「あっ、あぁ!セレナさんっ!うああっ!」
「んっ・・・ふぅっ・・んっんっんっんっ・・・・」
「ああぅう!」
一際大きな声が上がった。セレナは唇でカリ首を重点的にしごき立て、先端を舌で器用に舐めまわす。
睾丸は精液をポンプで送ろうとするかのようにやわやわと揉まれ、痛みと快楽が共存した不思議な感覚が更にトラヴィスの思考を溶かす。
ふと、フェラをしながら視線を上に向けたセレナと眼が合った。
その扇情的な表情、特に優しくも情欲に蕩けきった瞳は少年をますます興奮させた。
(・・・・セレナさん?)
セレナの表情は明らかに微笑を湛えていた。少年に優しく何かを促すように、眼を細めたまま激しくペニスをしゃぶるセレナ。
(そっか・・・本当にイっていいんだ・・・このまま・・・セレナさん・・・)
「あっ・・・セレナさん・・・僕、僕もうダメですっ」
少年の言葉に答えを返すように、一際フェラチオを激しくするセレナ。瞬間、トラヴィスのペニスが激しく脈打ち始める。
「あっ、うぁあああっ!!」
「んんっ・・・!」
トラヴィスが自覚できるほどの大量の精液がセレナの口の中に注ぎ込まれる。
少し苦しげな声を上げつつも、セレナはそれらを全て受け止め、やがてゴクリと飲み込んだ。
「はぁ・・・」
口直しに、持っていた水を喉に流し込むと、セレナは立ち上がり、トラヴィスの肩に腕を廻してジッと見つめた。
「・・・セ・・・セレナさん・・・んっ」
そして、そっと唇を重ね合わせ、華奢な少年の身体を抱き寄せる。
唇を離すと、セレナはトラヴィスの頭を胸に引き寄せながら優しく囁いた。
「あのね、トラヴィス君。どうしてわたしがこんなにうるさく言うかわかる?」
「・・・・」
「トラヴィス君が大事だからなのよ。怪我も出来ればして欲しくないし、死んじゃうなんて冗談でも絶対に嫌」
「セレナさん・・・」
セレナの本心を知った少年の眼に、じわりと涙が浮かぶ。
「だから・・・ね?実力が身に付くまで、無茶しないでよ?自分の実力を正確に判断するのも、冒険者に必要な素質なんだから」
「・・・・はい」
「解ってくれればいいの。こっちも、キツイ真似してゴメンね」
そう言ってニコリと微笑んだセレナの美しさが、少年をますます惹きつける。
(セレナさんは・・・僕のことを心配してくれてたんだ・・・。それなのに僕は・・・)
こんなに綺麗で、優しくて、ついでにエッチなお姉さんが、自分のことをこんなにも気にかけてくれる事がとても嬉しかった。
「・・・セレナさん・・」
「ん?なぁに?」
「・・・ありがとう」
その言葉とともに、甘えるようにセレナに身体を預けるトラヴィス。
この少年の純粋な感動から起こった行動が、皮肉にもセレナの次なる暴走のスイッチを入れてしまった。
「・・・・・っ!」
(や・・・やば・・・可愛すぎ・・・・せっかくここまで『素敵なお姉さん』してきてるのに・・・)
ふと、身体を抱くセレナの腕に力が込められ、少年は訝しげにセレナの顔を見た。
そこにあるのは、危険なまでに恍惚とした表情。
(はあぁああ・・・なんて良い子なの・・・超カワイイ・・・無事に着いたらこの子を家に連れ込んで、あとは・・・キャーvvv)
「あ、あの・・セレナさ・・・うわ」
「トラヴィス君は良い子よね〜。おねーさん素直で可愛いトラヴィス君が大好き」
強く抱きしめたまま『いい子いい子』してやると、あからさまに子ども扱いされた少年は恥ずかしそうに身を反らせた。
「ちょ・・・やめてくださいよぉ」
「んふふ、トラヴィス君カワイイ〜」
頬を朱に染めて照れる少年が可愛らしくて、セレナはさらに強くトラヴィスを胸に抱き寄せる。
「ちょ、ちょっとセレナさん・・・苦し・・・」
(はぁ〜〜〜〜vvv)
顔を思いっきり緩ませながら、トラヴィスの頭に頬擦りして悦に浸るセレナ。その間も抱きしめる腕に力が入っていく。
じたばたと抵抗する少年の苦しみなど、暴走したセレナはまったく気にかけていない。
「セ・・・セレナさ・・・・ホント・・息が・・・」
種族的に女性でも筋力の強いエルヴァーンのセレナが、前衛として鍛えに鍛えた腕力で、
しかも鎧付きで度を越えた強さで抱きつけば、もはやそれは抱擁ではない。
締め技、もっと具体的に言うとベアハッグである。
「・・・あの・・・・セレナさん?僕・・・ホントに・・・死・・ぅ・・・」
「んも〜トラヴィス君ったら、遠慮しなくていいのよぉ?・・・おねーさんにいっぱい甘えて・・・ってあら?」
気が付くと少年の身体からは力が抜け、ぐったりとしてしまっていた。途端にセレナの顔面から血の気が引いていく。
「ト・・・トラヴィスくーん?聞こえるぅ?おーい、やっほー・・・」
しかしトラヴィスからは、何も反応は返ってこない。セレナは体中から冷や汗が大量に噴出すのを感じた。
とりあえず草むらに少年を寝かせ、頬をピタピタと叩いてみる。
「トラヴィスくーん?寝てちゃダメよー?まさか死んでないわよねー?」
「・・・・」
・・・反応無し。続けて手を持ち上げ、離してみる。
・・・・ポテッ。
「・・・あわ・・あわわわわわ・・・とっととと、トラヴィス君っ!?た、大変っ・・・!!」
彼女の名はセレナ、ガルカにも腕相撲で勝てちゃうパワフルな乙女24歳。
もはや真面目とはお世辞にも言えないダメなお姉さんの暴走は今後も続く・・・。