〜変わり者ミスラと物好きタルタル〜


ミスラF3A
タルタルF5A

これは、変わり者ミスラとその恋人のタルタルの物語。
ここに彼らの日常を、少しだけ綴ろう。


     〜変わり者と珍味〜


吹き荒れる吹雪。
そびえる山々。
そして、一面の銀世界。
ここは、ザルカバードの北に位置するウルガラン山脈。
世界の果てとも言えるこの地は、寒冷気候と狂暴なモンスターの影響で訪れる者は少ない。
だが、そこに二人の冒険者の姿があった。
一人は、毛皮のマントをまとってナイフを構えているミスラ。
もう一人は、毛糸のケープとフードを身に着け、ゴツい棍棒を持ったタルタル。
ミスラの名はフィムという。
赤魔道士でありながら弓を操り、その腕も確かである。
しかし、今彼女は弓を携えていない。
前述のとおり、ウルガランは極寒の地であり、雪や吹雪になっていることが多い。
その中で弓を操るのは難しく、吹雪で見通しが悪ければ尚更である。
隣にいるタルタルはマルドという名の白魔道士で、彼は棍棒による殴打を得意とする。
彼はタルタルの魔道士としてはありえない程の怪力を持ち、撲殺したモンスターは数知れない。
彼らが何故こんな所に来ているかと言うと、ここにしか棲息しない希少なモンスターを狩るためだ。
バッファローの肉や乳は珍味として知られ、調理人でもあるフィムはそれを欲していた。
また、スノールの腕も食材として使われ、一流の調理人にかかれば美味な氷菓子に化ける。
しかし、上記のモンスターは手強く、特にスノールはボムのように自爆するので危険。
加えて寒さが体力を奪うため、生半可な冒険者では返り討ちになってしまうのだ。
そんな悪条件にも関わらず、フィム達のような熟練の冒険者はここを訪れるのである。
この辺境のモンスターが落とす素材は競売でもそこそこの値がつく。
しかし、手間がかかるため大抵は買って済ませてしまうことが多い。
だが、フィムはあくまで自力で調達することにこだわっていた。
自分で採取できる物はできるだけ自力調達する、というのが彼女の流儀であるからだ。


景色に溶け込むような真っ白い体をしているスノールは、特殊な生体をしている。
冒険者が魔法を詠唱する際に放たれる魔力を感知して襲いかかって来るのだ。
また、吹雪の中でも獲物を発見できる目を持ち、不意に襲われる冒険者も少なくない。
フィム達はその習性を利用し、魔法でスノールをおびき寄せていた。
「ふふっ、かかったわね!」
唱えていた魔法はスノールにかけるための弱体魔法だった。
すぐにそれを発動させる。
「スロウ!」
スロウにかかったスノールはフィムに体当たりするが、彼女はそれを楽にかわした。
隙だらけのスノールの背後から、マルドが渾身の一撃を放つ。
ガキンッ!
鋭い音を立ててスノールの片腕がもがれた。
耳障りな声をあげながら攻撃しようとするスノールに、フィムのナイフが突き刺さる。
残った腕も、付け根からキレイに切断されていた。
為す術が無くなったスノールは自爆しようとするが、マルドによる殴打が再び襲いかかった。
「ヘキサストライク!」
白魔道士だけが扱える必殺の六連打が炸裂し、スノールの体を粉々に砕いた。
モンスターの撃破を確認したフィムは、採取した腕をかばんにしまって付近を見回した。
吹雪で視界は悪いが、この日はさほどひどくはなかった。
どうやら近くにバッファローがいるようだ。
(そろそろ退き時ね…体力も限界だし)
それを倒したら帰還しようとマルドに合図して、彼女はバッファローに向かっていった。
だが、自らにかけている強化魔法が切れそうなことを察知して足を止める。
自らに魔法をかけ直そうとした時だった。
ドスッと重い音がして、フィムがよろけた。
魔力を感知したスノールに殴られたのである。
(しまった…!)
どうやら近くにスノールがいたらしい。
体勢を立て直して、すぐさまスノールにスリプルを唱える。
眠ったのを確認して魔法をかけ直すが、残りの魔力は残り少ないようだった。
真っ先に彼女の治療をしようとしたマルドだが、彼にもスノールが襲いかかっていた。
しかも、目的のバッファローにも気付かれてしまう。
(まずいわね…アレを使うしかないか)
猛牛はフィムを見るなり突進して来るが、それをひらりとかわしてマルドに早口で告げた。
「マルド、連続魔デジョンで離脱するわ。しっかり掴まって!」
「分かった!」
彼は襲い来るスノールを器用にかわし、隙をついてフィムにしがみついた。
それを確認すると、彼女は緊急手段を発動させた。
「連続魔っ!」
赤魔道士の切り札、連続魔。
どんな魔法でも一瞬で詠唱し発動させる能力。
専らこうした緊急時に脱出魔法と共に用いている。
再び襲いかかってくるスノールの攻撃が命中しようとしたその時、魔法が発動した。
「デジョン!」
二人は黒い渦に飲まれ、あっという間に姿を消した。


二人は、フィムのホームポイントであるアトルガン白門に帰還した。
無事に帰還できたことに安堵したマルドは、彼女に言う。
「やっぱりあそこは危ないね…油断は禁物だよ、フィム」
「はぁ…私としたことが…情けないわ」
落胆するフィムを連れて、マルドはモグハウスへ向かった。

自分のモグハウスに着くと、戦利品を倉庫へ放り込んで、フィムはマントを脱いだ。
スノールから受けた傷は浅かったものの、凍傷になる恐れがあった。
フィムはそれにケアルとバブリザをかけて治療とした。
それを見たマルドは呆れた様に言う。
「相変わらずいい加減だなぁ。それで治っちゃうのがフィムの凄いところだよ」
「この程度の傷、なんてことないわよ。それより、マルドもどう?」
フィムは彼女のモグロッカー(ほとんど食料貯蔵庫と化しているが)からシシケバブを取り出す。
最近はこの近東の串焼きがお気に入りのようで、競売で材料を見つけた時は自分で作っている。
彼女からそれを受け取ったマルドは、壁に寄り掛かって身体をくつろげた。
「うーん、やっぱりフィムが作る料理は美味しいなぁ…さすが師範だね」
それを聞いて彼女は嬉しそうに微笑んだ。
「ありがと。今度出来たてのをごちそうするわ」
彼女の料理の腕は調理ギルドでもピカ一の評価を受けている。
そのため、最高の称号である師範を名乗ることを許されている。
一口、二口と食べていると、ふとフィムがマルドに声をかけた。
「…それ食べ終わったら、次は…」
「?」
「ううん、なんでもない…」
何気ない風で串焼きを食べるフィムだが、頬がわずかに赤くなっていたのをマルドは見逃さなかった。


食事を終えると、マルドはフィムに尋ねた。
「フィム、どうしたの?なんか顔赤いよ?」
「…え?そう、かな…」
マルドはなぜか口ごもる彼女を不審に思ったが、一つだけ思い当たる節があった。
彼女からベッドに誘われるときは、決まってこういう態度を取る。
この時にあまりからかうのもどうかと思ったので、彼は次の言葉を待った。
「………」
「………え、っと…、ね。その…えっと…」
顔を紅潮させてもじもじしている彼女が妙に色っぽかった。
しばしの沈黙が続く。
しかし、言葉の続きが出てこないため、マルドから切り出す。
「フィム。分かってるから、そんな恥ずかしがらなくてもいいよ?」
「…っ、でも、帰ってすぐだから、マルドがダメかなぁって………いいの?」
気づかれていたことに驚いた彼女は慌ててまくし立てるが、語気は尻すぼみになっていく。
マルドはにっこりと微笑んで彼女に言う。
「もちろんさ。いつも急にしたくなるもんね、フィムは」
「…うん。ごめんね…いつも付き合わせちゃって…」
しゅんとする彼女を励ますように、マルドは続ける。
「大丈夫だよ。それだけ愛し合う機会が増えると思えばいいじゃないか」
「…優しいなぁ。マルド…大好き…っ」
フィムは彼に襲いかかるように抱きついて、キスの雨を降らせた。
それにはさすがに驚いたのか、呆然としてしまう。
が、すぐに気を取り戻して、彼女に尋ねる。
「そんなにしたかったなら、言えばよかったのに…」
「んっ…だって、あんまりエッチすぎる女の子って…嫌いでしょ?だから…」
目の前の彼女の顔が曇り始める。
一般的な風評では、ミスラは皆好色であると言われていて、彼女もそれを知っていた。
そんな噂を気にしての言葉だった。
だが彼は小さくため息を吐いて、また彼女を励ます。
「確かにそうだけど…そういう時くらい僕を頼ってよ。……恋人なんだから、さ」
最後だけ照れくさそうにして、鼻の頭をぽりぽりと掻いた。
フィムは愛しい気持ちで胸がいっぱいになって、今度はディープキスをした。
「んっ…ちゅ…ん…は…んむ…ちゅ…」
唇が離れると、マルドは驚いたような呆れたような口調で言う。
「ぷはっ…いきなりこんな…ふふ、今日は寝られるのかな」
仕上げに彼の額にキスして、フィムは答える。
「んー…ちゅっ。くすっ…そうね、寝かせないように頑張る」
妖艶な笑みを浮かべる彼女を見て、マルドは自分の言葉を後悔した。


フィムは服を着ているのがもどかしいかのように、さっさと服を脱ぎ捨てた。
そしてベッドに仰向けに寝て、マルドを誘う。
「今日は楽しもうね…うふふっ」
妖艶な笑みと無邪気な笑みが混じったその笑顔には、妖しい魅力があった。
そんな彼女に急かされるように、マルドも慌てて服を脱いで、ベッドへ。
「今日も、の間違いでしょ?ま、どうでもいいか…」
これからの宴を心待ちにしているフィムとは裏腹に、彼は彼女の言葉に半ば呆れていた。
彼女に振り回されるのはもう慣れたはずなのだが、やはり疲れるのである。
そんな彼の様子を察知したのか、フィムは明るく声をかける。
「あれ?なんか落ちこんでない?大丈夫?」
「うん、ごめん。大丈夫」
「よかった。せっかく愛し合えるのにマルドが落ちこんでたらダメだもんね」
彼女は言うと目を閉じて、マルドの唇を奪う。
彼の小さな唇を何度も吸って、舌を口内へ這わせる。
「ん、ちゅ…ちゅっ。んん…ふ…ぁ…」
マルドはそれを受け入れ、彼女に合わせて舌を絡める。
ひとしきり口づけを味わうと、唇を離した。
先ほどのような一方的なキスとは違い、気持ちが高揚してくる。
キスが終わると、マルドは彼女の耳にふっと息を吹きかけ、舌を這わせた。


フィムはぴくりと耳を動かして、くすぐったそうに身をよじる。
「んっ…やだぁ…くすぐったい…」
そんな彼女の反応に気を良くして、今度は首筋へ。
ほのかに汗のにおいがする。
そこにも舌を這わせ、時々吸ってキスマークをつける。
次は乳房に触れて、先端の辺りを軽く揉む。
乳房を一度に愛撫できるため、彼の小さな手では都合がいいのだ。
「あんっ…ん…はぁ…。マルドの手、気持ちいい…」
「胸は弱いもんね、フィムは…もっとしてあげる」
そういうと彼女の小ぶりな乳房をやや強めに揉んで、勃起してきた先端に口づける。
彼女は強くなった刺激を享受して、ぞくぞくしてくる身体を感じて快楽を味わう。
時々小刻みに嬌声をあげて、高ぶってくる気持ちを楽しんでいた。
「んっ…はぁ…あぁ…ふふ…やっぱり、好きな人とするエッチは…すごいなぁ」
「えっ?」
彼女の唐突な言葉に、マルドは愛撫を止めて聞き返してしまった。
フィムは愛しい彼を優しく抱いて、言葉を続けた。
「昔ね…お金がなくて、身体を売っていた時期があって。やっぱりその時とは違うなぁって」
「……」
「マルドは優しいから…すごく気持ちいいよ。いっぱい、いっぱいしてほしいの」
彼にとっては寝耳に水だったが、自分の中で彼女への気持ちが強くなっていくのを感じた。
乳房への愛撫を再開する。今度は舌や手の動き一つ一つに、思いやりを込めて。

マルドは愛撫していた乳首を完全に勃起させると、もう片方も同じように愛撫し始めた。
壊れ物を扱うように、丁寧に、ゆっくりと。
「んんっ…はぁっ…あっ…すごい、ぞくぞくして…気持ちいい…」
彼の丁寧な愛撫に、フィムは恍惚とした声で呟いた。
何度も抱き合ってきた二人だが、今日はなんだかいつもと違う気がした。 
(なんだろう…今日、すごく興奮してる…まだおっぱいしゃぶられてるだけなのに…)
なぜだかは分からない。それに、そんなことはどうでもよかった。
愛しい人と抱き合っている今を、楽しめればそれでいいのだから。

乳房への愛撫が終わったころに、フィムは彼に声をかける。
「ねぇ、マルドのも…しゃぶらせて…」
「う…い、いいけど…そうはっきり言われると、なんか恥ずかしいな…」
「ふふ…イキそうになったら言ってね。そのつもりでするから」
言うとフィムは、硬く勃起したマルドの肉棒に手を伸ばす。
手ですっぽりと包んで、くにくにと揉むように手を動かした。
「う、ぁ…」
なんとも言えない感触に思わず呻いてしまう。
そんな彼の反応を楽しみつつ、フィムは先端を口に含んだ。
ミスラ特有のざらざらした舌で、ちろちろと舐める。
そして舐めたところをしゃぶられるのだ。
このざらざらとぬるぬるのギャップに、呻く声も大きくなる。
「うぅっ…く、あぁ…」
先ほどのお返しとばかりに、フィムも時間をかけて丁寧に彼の肉棒を味わう。
「はむっ…ちゅ…ん…んむ…ふ…れろ…ん、ちゅ…」
マルドは今にも達してしまいそうなのを、必死に堪えていた。
彼もいつもならもう少し耐えられるのだが、今日は溜まっているわけでもないのに限界が早い。
(おかしいな…僕ってこんな早かったっけ…)
そんなことを思いつつ、彼女の奉仕を味わっていた。


やがて限界が来ると、彼はフィムに告げる。
「フィムっ…僕、もう…っ!」
「ん…。ねぇマルド、このまま口に出すのと、私のアソコに出すのと…どっちがいい?」
唐突な二択にマルドは一瞬戸惑うが、すぐに決断した。
「口、がいいな…我慢、できそうにない…っ」
「わかった。いっぱい出してね…んっ」
仕上げにフィムは、彼の肉棒を強く吸い上げた。
それによる快感で、彼はあっけなく果ててしまった。
「うぁぁっ……!!」
思わず腰を揺らして、思い切り精を放つ。
フィムは放たれた精を、残らず飲み干した。


フィムは一旦口を離して、口元をペロリと舐める。
わずかにこぼれた白濁液を舐め取ると、彼女はまたマルドのモノを舐め始めた。
「うぁっ…」
「ふふ。後始末、後始末♪」
先端の白濁を綺麗に舐めて、最後にちゅっと口づける。
彼女の「後始末」もあってか、マルドの肉棒は萎えることを許されなかった。

フィムは再びベッドに寝て、大きく開脚しながら彼を誘う。
「ねぇ…今度はマルドの番だよ…?」
露わになったそこはしっとりと濡れ、“男”を求めていた。
マルドは挿入したい衝動に駆られるが、なんとか堪えて指を二本突き入れた。
「あぁっ…!」
「フィムはえっちだね…僕のをしゃぶってこんなにしちゃったんだ…」
言いながら激しく指を動かした。タルタルの小さな指は、楽に動かせる。
動かすたびに濃厚な蜜が溢れ、喘ぐ声も大きくなる。
「んぁっ…にゃぁ…っ、あふっ…ふぁぁっ…!」
ひとしきり動かすと、彼女の蜜でべとべとになった指を引き抜いてひと舐め。
荒く息をする彼女を見下ろしながら、衝動と戦い続けた。
まずは彼女にもイッてもらわなくては。
それからでも遅くはない。
と胸中で何度も唱えながら、マルドは彼女の秘豆に口づけた。


「ふにゃぁっ…!そこ、だめぇっ…!」
フィムは子ミスラのように啼いて、身体をぴくぴくと震わせる。
通常でも気持ちいいのに、敏感な今の状態ではすぐにでも達してしまいそうだった。
それを必死に堪えて、フィムは彼の愛撫を受けていた。
(あれ…?何で私、我慢してるんだろう…イッちゃえばいいじゃない…)
頭の中でもう一人の自分が囁いたような気がした。
(でも、もっと私を味わって欲しい…もっと…私を愛して欲しい…)
頭の中で天使と悪魔がせめぎあう。
(まだ入れてないんだから、これ以上の快感があるのよ?イッちゃえばいいのよ…)
(でも、アソコを舐められるのも、しゃぶられるのも好きなの…)
そんなせめぎあいに決着はつかない。
どっちも自分の気持ちなのだから。
そんなことを思っている矢先に、マルドは秘豆に舌を這わせ、同時に指を秘裂に挿し込んで動かした。
それがもたらす快楽に耐えられるわけがなかった。
彼女は、あっけなくそれに屈してしまった。
「はぁ…はぁ…ダ、メ……イッ、ちゃ…んぁぁっ……!!」
身体を大きく震わせて達している間、彼女は言いようのない充足感を味わっていた。


フィムが達したのを確認すると、震えがおさまるまで待った。
だが、余韻に浸る時間を与えず、痛いほど膨れ上がった自らをフィムに押し当てる。
そこへ、フィムが声をかけた。
「あ…まって…」
「?」
「今日は、バックでしよう…?あれ、好きなの…」
「分かった」
フィムはうつぶせになって、開脚して腰を少し上げる格好になった。
タルタルの身長に合わせると、四つん這いでは高すぎるからだ。
正常位では見えないしなやかな尻尾や、菊座のすぼみがはっきりと見える。
それにぬらぬらと光る秘裂が加わり、すべてが彼を誘っていた。
「マルド…きてぇ…」
「あ、その前に…」
彼はフィムの尻尾を掴んで、自慰をするようにしごいた。
同時に先端に舌を這わせ、尻尾をピンと立たせた。
「んにゃぁ…っ…しっぽ…も、いいけど…はや、く…」
「ん、ごめんね…さすがに、もう限界だ」
マルドは少しでも焦らそうと試みたが、失敗に終わってしまった。
自らのモノが、彼女を求めて痛いくらいに張り詰めている。
欲望に従い、マルドはそれを一気に突き入れた。
「あぁぁっ…ふにゃぁ…はいって、きた…」
恍惚とした声で、うっとりとする彼女。
他種族ほどの大きさはないものの、小柄な彼女には丁度いいサイズなのだ。
幾度も身体を重ねてきたが、彼のモノに一抹の不満も持ったことはない。
マルドが立った状態の、丁度腰のあたりに自分の腰がくるので、体勢に無理もない。
彼女は、これが自分達にぴったりの体位だと思っている。


彼が動き始めたようだ。
出入りするたびに、快感が襲い掛かってくる。
「あっ…はっ…あぅっ…んんっ…にゃ…はぁっ…あぅんっ!」
マルドも、フィムの膣内を味わっていた。
彼女の中はきつく、まるで処女のような締めつけを保っている。
他種族より小さい自分のモノも、ぐいぐいと締められるのだ。
二人の相性は、まさに完璧といえよう。
「くっ、う…はぁ…相変わらず…フィムの中、最高だね…」
「はぁっ…うれしい…」
悦びの声をあげる二人。
ぴたんぴたんと腰を打ちつける音が、部屋に響く。
愛し愛されるこの時が、二人の至福の一時なのだ。


愛する人と一つになれる幸福を、ずっと味わっていたかった。
しかし、身体は快楽を求め、腰の動きは止まらない。
どんどん増していく快感に抗うことはできないのだ。
「うっ、く…はぁ…はぁっ…はぁっ…!」
「あっ…んっ…にゃ…はぁっ…はぅ…んっ…はげし…あぁっ…」
口からは勝手に声が漏れる。
二人の嬌声も、お互いを昂らせる材料になっていた。
結合部からは、にちゃにちゃと体液の混ざり合う音が聞こえる。
マルドは焦らすことなど頭になく、ただ互いに気持ちよくなることだけを考えていた。
何度も何度も激しく腰を打ちつけ、愛する人を求めた。
フィムもそんな彼の求めを受け止め、自らの快楽としている。
まるで獣のように、二人は互いを求めあった。


そんな情交にも、終わりがやってこようとしている。
これだけ激しくすれば、終わりが早まるのも当然のことだった。
頭では分かっていたものの、身体は勝手に動いているかのように止まらなかった。
「フィム…っ、僕…そろそろイキそう…」
「うんっ…私も、もうダメ…ナカに…いっぱいだしてぇ…っ!」
マルドが彼女の一番奥を突いたとき、とうとう限界を迎えた。
「ぐっ…で、るっ……!!」
熱い奔流がフィムの膣内に注ぎ込まれる。
それとほぼ同時に、彼女も達した。
「はあっ、はぁっ、…にゃぁぁんっ…!!」
身体を大きく震わせながら、体内に彼の熱い精を感じていた。


マルドは自身を引き抜いて、薄い草布でそれを拭うと、倒れるようにベッドに寝た。
フィムはそんな彼に声をかける。
「はぁ…すごく、よかったよ…おなか、熱くて…いっぱい…」
「うん。すごかった…なんか、いつもより気持ちよかった…何でだろ」
満足げに彼を見つめて、フィムは続ける。
「いつか、赤ちゃんできたらいいなぁ…タルタルとミスラの混血って、どんな子なのかな」
「さぁ…背格好とか、いろいろ気にはなるけど」
フィムは猫耳と尻尾を生やした男性タルタルを想像して、思わず笑ってしまう。
彼も同じ発想だったのか、彼女の様子には気をとめなかった。
「まぁいいわ。そういうことだから、もう一回…ね?」
「……フィム、やっぱりえっちだ」
「うん。マルドのためなら、いくらでもえっちになれる」
二人の夜は、まだ終わりそうにないようだ。
こうして、変わり者達の日々は続いていく。
愛する人と暮らす、幸せな日々。
また機会があれば、彼らの日常を、ここに綴ろう。

       〜fin〜