ウインダス石の区・シャントットの庵。今日も「週刊魔法パラダイス」の記者ヒウォン・ビウォンが、彼女に取材を申し込むチャンスをつかもうと周辺をうろうろしていることを含めて、極めていつもどおりの、平和な日であった。
しかし、それはあくまで外面だけの話でしかなかった。庵に1歩入るとそこには、この庵の主であるシャントットと、何と…巨大なモルボルが1匹居座っていた。その大きさは、ほぼこの部屋を埋め尽くすほど。いったいどうやってこの大きさのモルボルを育てたのか、どのようにしてこの部屋に持ち込むことができたのか…?それは、このモルボルを育成した鼻の院の研究者と、シャントット本人しか知らなかった。
「ホホホ。これなら、最近とみに忙しいアジド・マルジドの手をあまり煩わさずとも、毎日楽しめそうですわね。」
モルボルの立派なできばえに、シャントットは感嘆の声をもらした。弟子のアジド・マルジドがお使いから帰るまでには、まだたっぷりと時間がある。今のうちに楽しんでしまおう。そう考えたシャントットは、ゆっくりと、まるで目の前のモルボルに見せ付けるかのように連邦軍師制式コートを脱ぎ、触手の下に仕込まれている、魔法機械じかけのモルボルを動かすスイッチに手を伸ばそうとした。
ところが。
まだスイッチに手も触れていないというのに、モルボルの触手がぴくりと動いたのだ。…まさか、暴走?
「あら。まだスイッチも入れていませんのに…っ!?」
シャントットのつぶやきが驚きの声に変わる前に、触手の1本が彼女の右手にくるくると巻きついた。程なくして他の触手も伸びてきて、左手・右足・左足をそれぞれ捕らえ、彼女のズボンや肌着を乱暴にむしりとった。シャントットは大の字のように両手足を広げられたまま、空中高くに持ち上げられてしまったのだ。
「あ…っ……んぁあっ…。」
まだ裸に剥かれて空中に持ち上げられただけだというのに、既に火のついたシャントットの肉体は、暴走した機械じかけのモルボルに好きなように弄り回されるというこのシチュエーションに早くも酔っていた。長い耳から顔、果ては全身までピンク色に染まり、いやらしく腰を振ってモルボルを誘う。蠢く触手達がその挑発を受けないわけがなかった。
1本の触手がシャントットの胸に伸び、先から生ぬるい粘液を分泌しながら這い回り始めた。更に数本の触手も伸びてきて、申し訳程度にふくらんだ胸を揉みほぐしたり、すっかり立ち上がっている桜色の敏感な突起をつんつんつついたりすると、シャントットの口から、普段の高飛車な口調からは想像すらできないような甘い鳴き声が上がった。
「ぁん…や……あぁっ!…はぁん……っ。」
その声に気をよくした(?)のか、触手はますます激しく彼女の身体を弄り始める。触手の先端から染み出している生ぬるい粘液は、どうやら催淫の効果があるらしく、塗り込められる度に全身が性感帯と化していくようだ。
「ぁ……んぁはっ…ぃやぁん!…ぁあぁあ…っ……。」
催淫粘液でぬらぬらと光る触手が不気味に蠢くたびにシャントットの腰が空中でガクガクといやらしく跳ね、あふれた愛液がぽたぽたと床に落ちて模様を描いていく。やがてぬらぬらの触手は、その愛液があふれる泉へと突き進んでいった。内腿をにゅるにゅると這い回り、先端部分で泉の周辺をつつっと撫で回す。ぬるぬる、ぐちゅぐちゅと湿った音が、部屋全体に響き渡る。
「あぁっ…は…はやくぅ……はやく来てぇ…!ほしいの、ぬるぬるのがほしぃの…!!」
自分でも信じられないくらいの淫らな台詞が口から出たことに気づき、シャントットは今さらのように、この魔法機械じかけのモルボルの暴走が、既に抜き差しならない事態にまで発展していることを悟ったのだ。まずい。理性が残っているうちに何とかしなければ…。しかし催淫粘液を全身に塗り込められたせいで、ちょっと触れられただけでも全身に電撃が走るほどに感じてしまう。この状態でできることなんてあるのだろうか?常人であればよがり狂って精神が壊れてしまいかねないような快感の中、シャントットが思いついたのはただ1つ。この庵もろとも、モルボルを<ファイアIV>で焼き尽くすのだ。印を結ぶために、触手に巻きつかれた両手を頭の上であわせようと両腕を持ち上げたその瞬間、シャントットの秘裂にもぐりこんでいた触手が、催淫粘液をほとばしらせながら敏感な肉芽をこりこりともてあそび始めたのだ。
「…ぁあっダっメぇ…ぁはあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁ〜っ!!」
脳裏で真っ白な光が何度も爆ぜ、小さな身体を弓なりにそらせてシャントットはイッてしまった。一度イッたらもう止まらない。触手は嬉しげに催淫粘液を出しながら、絶頂を迎えてひくひく痙攣している秘裂をかきまぜ、ピンピンにいきり立っている肉芽を何度もこねまわす。
「あぁあぁ〜〜っ!!…はっ……あぁん…ぁはあぁあぁ〜〜ん!!」
イキッぱなしになったシャントットはもはや理性などひとかけらも残ってはいない。淫らに身体をくねらせ、がくがくと腰を振りたてて、彼女は触手にもてあそばれるままに何度も何度もイキまくった。と、そのとき。
――ガチャ!
「えぇい、お前ごときに話すネタなどない!失せろ!!」どしん!
お使いに出ていたシャントットの1番弟子にして口の院の院長、アジド・マルジドが帰ってきたのだ。玄関前で彼にすがりつくヒウォン・ビウォンを突き飛ばし、彼は扉を押し開けた。しかしその瞬間、彼は固まってしまった。
「…!!シャントット博士!?」
アジドが驚いたのもムリはない。部屋全体を埋め尽くさんばかりの巨大なモルボル。そしてその触手に四肢をつかまれて固定され、さらに秘所まで触手に侵食され、催淫粘液まみれになっているシャントット。彼は一瞬、何がどうなっているのか分からなかった。
「ん、これは…。」
アジドの足元に、1本のネジが転がっていた。そして目の前のモルボルをじっと観察して考えをめぐらせる。こいつは本当に生きてるヤツじゃない。おそらく魔法機械の応用で作られたものだ。きっとこのネジが外れたせいで暴走したのに違いない…。
「いったい何に使う気だったんだ…?」
思わず首をかしげてひとりごちてしまうアジド。しかし、まずはこの目の前の惨状から博士を救わねば。アジドは、モルボルを暴走させている機械に狙いを定め、素早く魔法の印を結んだ!
「<サンダーIV>!!」ズガシャァーーン!!
機械部分を激しい電撃が直撃し、モルボルはその動きをとめた。触手もダラリと力を失い、床にドサドサと落ちる。
「うぉっ!…と。」
間一髪で、シャントットの裸体をお姫様抱っこで受け止めたアジド。とにかく彼女を寝室に運び、粘液を拭いてやらなくては。気を失ったままであるにも関わらず、ひくひくと痙攣を繰り返すシャントットの身体を自分のマントでくるんでベッドに横たえた後、アジドはモルボルの間をくぐりぬけ、暖炉へお湯を沸かしに行ったのだった。
→アジド・マルジドの贅沢な憂鬱