←愛のバカンス・2日目
帰りのマナクリッパーは午後1番に出るらしい。それならと、私達はホテルでそれぞれの職場へのお土産を買いに出かけた。そしてお昼、お土産でいっぱいになったカバンを抱え、私達は他の冒険者さん達と共に港に集まった。
「え…!?何この人だかり…。」
冒険者さん達や一般のお客さん達が、まさにすずなりといった状態でひしめいていたのだ。思わず声を上げてしまう私。
「…ま、今日までこのプルゴノルゴ島にいたら、この時間のマナクリッパーに乗らなきゃ、今日中に母国へは帰れないからな。」
おにいちゃんがしれっと言い、周りの大きな冒険者さん達をぐるりと見回した。私の肩に、大きな手がポンと置かれる。
「アプルル。スシづめ状態になるが、この船でウインダスへ帰るぞ。納涼祭は俺達五院の院長がいないと成り立たないからな。」
「うん!」
…☆…☆…
「…むぎゅぅ…。」
「うぅ……。」
マナクリッパーの上は、文字通りのスシづめ状態だった。身体の小さい私達タルタルは、あやまって海に落ちたりしないように、人々の真ん中に集められていた。おかげで落とされることはなかったけれど、周りを見ればタルタルと大きな人だらけ、上を見ればキラキラと輝く空しか見えない。常に押しつぶされているせいか、何だか息が苦しい…。
「…ぅ…ごめ、おにいちゃん…。」
「気に…するな…。」
マナクリッパーが揺れる度に、私は向かい合って立っているおにいちゃんのたくましい身体にしなだれかかる以外何もできなかった。
「…。」
「…ん…。」
押しつぶされそうなぐらいに人がひしめいている中だから仕方ないとはいえ、ずーっとおにいちゃんのたくましい胸に自分の胸が押しつけられていて、腰も激しくこすりつけることになって…何か、だんだん変な気分になってきた…。
「はぁ……ん…。」
どうやらおにいちゃんも同じような感じらしい。私が身体を押しつける度に、おにいちゃんの身体も熱くなってきてる。マナクリッパーがゆらりと揺れ、その瞬間私はおにいちゃんの両肩に手を乗せ、まるで抱きつくような状態になった。そして、踏ん張った私の脚の間には…おにいちゃんの手がいつのまにか伸びていた。
「どうした?アプルル…。」
「…っ!」
おにいちゃんてば、ホント意地悪なんだから。私がだんだん変な気分になってきてるのを分かってて、自分自身もだんだん欲情してきてるのも分かってて、それでも尚私を焦らそうとしてる…。
おにいちゃんの指が、私の水着の上からあそこをゆるゆるとなで始めた。さっきから熱くなってきていた私の身体は、いとも簡単に反応してしまい、腰が甘くしびれて、とろとろと蜜をあふれさせる。
「んっ……ぁ…はぁ…っ…。」
「どうした?俺はまだ軽くさわってるだけだぞ?」
ぴくぴくと震える私の耳元で、おにいちゃんが意地悪にささやく。でも、言ってる内容なんてもうどうでもいい。もうその声が耳をくすぐるだけで身体の奥から甘い熱がほとばしり出てきて、私は必死で喘ぎ声をかみ殺しながら、おにいちゃんの身体にしがみついて甘い吐息をついていた。
「お前、この3日間でホントに淫乱っぷりが増したな。すんごい敏感になってる。」
おにいちゃんの指が、既にぷっくりと立ち上がっているお豆さんを水着の上からコリコリとこね始めると、まるでそれがスイッチのON・OFFにでもなっているかのように、私の身体はびくんびくんと反応を示す。
「…っ!…ふ……はぁぁぁ…。」
こんなところで喘ぎ声なんて出したらえらいことになる。落ち着かなきゃ、落ち着かなきゃ…。私の頭の中のどこかが必死でそう叫んでいた。でも、頭の中がそう思えば思うほど、水着の上からこねられているクリから快感の電撃が発せられて全身を駆け巡る。踏ん張っている脚がカクカクと笑って、このままだと立っていられなくなりそう…。
と、おにいちゃんが、正面から私のあそこをこねていた手をすっと抜いた。え?まさか、私が人ごみの中で喘ぐことができないから、このまま到着するまで放置?…かと思ったけど、違った。おにいちゃんは、片方の手を私の背中に回し、倒れないように抱きとめてくれた。で、もう片方の手も同じように背中に回し…パレオの裏側から直接私の中に指を進入させようとしていた!
「…ぁ…っ!」
ちゅぷ!と音を立てて、おにいちゃんの指が私の蜜壷に埋まった瞬間、私は思わず小さな喘ぎ声を上げてしまう。すぐに快感が寄せては返す波のように打ち寄せてくるが、唇をぐっとかみ締めて辛うじて耐える。
「アプルル。顔を上げて。」
少し上からおにいちゃんの声がして、私は顔を上げた。すっごい至近距離におにいちゃんの顔がある。
「こうすれば、声も出ないだろ…?」
そう言って、おにいちゃんは目を閉じ、顔を近づけてきた。快感で身体どころか頭の中もすっかり甘い熱に満たされていた私も、同じように目を閉じて顔を近づける。すぐに、私の唇とおにいちゃんの唇が重なった。
「…んぅ……。」
ちゅく…ぷちゅ、くちゅ…。上では2人の熱い唇と舌とが激しく絡みあい、下半身ではおにいちゃんの指が私の蜜壷をかき混ぜつつ、この3日間の刺激ですっかり大きくなって過敏になってしまってるお豆さんをなでたりこねまわしたりしている。おにいちゃんの激しいキスも、いやらしい指も、気持ちよすぎておかしくなっちゃうよ…。私の脳はすっかり快感でとろけてしまっていて、今の私が淫乱そのものの潤んでとろけた表情をしていることも、おにいちゃんの指が気持ちよすぎて自分で激しく腰を振ってることも全く分からなかった。
「ん……んふっ…―――ッ!」――びくびくっ!!ぶしゅ…っ!
おにいちゃんの指がお豆さんを軽くつまんでこね、熱い唇が私の舌にしゃぶりついた瞬間、頭の中が真っ白にフラッシュして、私は身体を震わせ、軽く潮を吹きながらイッてしまった。
「…すごいな。こんなところでイッちゃうなんて…。」
おにいちゃんがくくっと笑いながらつぶやく。私はまだ快感の余韻が残っていて反応ができなかったけど、スシ詰め状態のマナクリッパーの上で、おにいちゃんと抱き合いながらあそこを弄られ、激しく唇を貪りあいながらイッたのだということは、おぼろげに理解していた。
「…俺も、ちょっとヤバいしな…よぅし。」
低い声でつぶやいた後、おにいちゃんは私の背中に回していた手を戻し、印を結び始めた。
「…<デジョンII>!!」
途端に私の身体は黒い光に包まれ、飛ばされていくのが分かった。…って…、
――この魔法があるなら、マナクリッパーに乗らなくてもよかったじゃない!
でも、私はそれをおにいちゃんに訴えることはしなかった。だって…すごく恥ずかしかったけど、キモチよかったから。
私が<デジョンII>で飛ばされてきた先は、もちろん私達の家の前。数秒後にはおにいちゃんも<デジョン>で帰ってきた。
「…予定よりは早めだけど、それでももうすぐ夕方だね。」
ようやく理性と冷静な思考が戻ってきた私がつぶやくと、おにいちゃんもうなずいた。
「そうだな。さて、帰ってきたからには、気分を変えて着替えるか。」
「…着替える?いつもの院長のローブでしょ?直前でいいじゃない。」
帰ってきたから気分を変える…?私の頭の中には「?」が飛び交っていた。顔をしかめて首をかしげる私に、おにいちゃんは意味ありげにニヤリと笑ってウインクしてきた。
「違うよ。…俺も、もうガマンできないんだ。」
やっぱり、おにいちゃんはどこまでもいやらしい。私といる時は、いつでも「繋がる」ことしか考えてないもの。…でも、私だって人のこと言えないもんね。あっという間に終わったこの旅行だけど、始まるまでの数日間は、この3日間いかに気持ちよくなるかで頭がいっぱいだったし、旅行の間だって、いつ求められるかワクワクしっぱなしだったし、いざ求められたら求められたで、うれしくて幸せで、この状況だけで胸がドキドキして身体が熱くなって、すぐにイッてしまいそうになってるのを、必死でガマンしたりもした。
…あぁ、私、本当にこのおにいちゃん…いや、アジド・マルジドという男の人に夢中なんだなぁ、本当にどうしようもないくらいに大好きなんだなぁ、惚れ込んでしまってるんだなぁ…って、心の底から実感してる自分がいる。きっとおにいちゃんもそうなんだろうな。だって、普段口の院で仕事をしていたり、冒険者さん達としゃべっているのとは全く違って、とっても表情や感情が豊かなんだもの。私にだけ見せてくれる表情やしぐさ…それがすごくうれしいの。
「…おーい、これこれ。これに着替えて行くぞ。」
ぼうっとしていた私に、おにいちゃんはクローゼットから取り出した紙袋を指差して呼びかけてきた。受け取って、ガサガサと開けてみると…浴衣だった。やっぱり冒険者さん達がこの季節に着ている殿方浴衣と姫君浴衣。
「わぁ…これ、いつの間に買ってきてたの?」
藤色の姫君浴衣を持ち上げて、私はおにいちゃんに尋ねた。
「ん?水着買ってきた時さ。驚かそうと思って、クローゼットに隠しておいたんだ。」
そう言って、おにいちゃんはいたずらっぽく笑った。私もつられてにこっと笑ってしまう。
「おお、かわいいじゃん!」
「おにいちゃんも、かっこいー。」
水着の時もそうだったけど、いざ着替えてみると、ホント楽しい。私達も冒険者になったみたいな気がする。
「さ、祭だ祭だ!」
おにいちゃんは子供みたいにはしゃいで、私の手を引いて外に飛び出した。
…☆…☆…
ちんちち♪ちんちち♪ちんちち♪ちんちち♪
――…ドーン!…ドーン!……ぱちぱちぱちぱち…。
にぎやかな祭囃子と一緒に、打ち上げられる花火の音。
「すごいな〜。」
「きれい〜…。」
森の区の噴水を見下ろす林の中で、私達はよりそって花火を見上げていた。
「おにいちゃん…今年の夏は、今までで最高に幸せ。」
私は、自分から今回の感想を述べた。いつも、おにいちゃんが訊いてきてから答えてるからね。
「…うん。俺も今年の夏は最高に幸せだ。…お前とずっと繋がっていられたから。」
おにいちゃんも、私の瞳を見つめながら答えてくれた。…あぁ…もうこの花火に彩られた星空は私達のもの!私達は、星と花火に見守られながら、静かに唇を重ねた。
「…ぅん…んふ……っ…。」
もうバカンスも今夜で終わり…。残された時間を惜しむように、私達はお互いの唇を、舌を、貪欲に貪りあった。しばらくして漸く唇が離れたときには、2人とも激しいキスに酔って、はぁはぁと息を荒げながら見つめあうようになっていた。と、不意におにいちゃんが私の手を取り、自分の下半身へと導いた。
「ぇ…?ぉにぃ、ちゃん…?」
「…さっきの続き。俺、まだ1回もイッてないからな。」
私は合点がいった。本人の言うとおり、おにいちゃんの脚の間にある男性のシンボルは、はちきれんばかりに大きく膨らみ、ぴくぴくと震えている。浴衣の裾を払って手を触れると、それはたまらないくらいに熱く、既に露がこぼれているのだろう、しっとりと湿ってさえいた。
「ぅん…おにぃちゃん、私の口でイッて…。」
私はおにいちゃんの下着に手をかけ、スルリと引っ張り下ろした。押さえつけるものがなくなってぴょこんと元気よく立ち上がったモノに手を沿え、まずは全体に優しくキスの雨を降らせる。
「…っ…!」
もう感じてるらしく、おにいちゃんがぴくりと身体を震わせた。顔を真っ赤にして、耳をへにょりと垂れさせ、気持ちよさそうに息を荒げている。おにいちゃんが気持ちよくなってくれてる…私はうれしくなり、今度は手でしこしことおにいちゃんのをしごきながら、先端を口に含んで丁寧に舌を絡ませてみた。
「……っあ!ヤバっ、そんな…されたら……出…――っ!!」
口の中のモノが急激に膨らんでびくびくと震え、おにいちゃんはあっという間に私の口内で果てた。放たれた大量の白濁液を、浴衣にこぼさないように気をつけながら、私は全て飲み干し、なおもおにいちゃんのをちゅぅっと吸って、残りを吸い出してあげた。
「ぁ…ぁぁ…。」
ちゅっちゅっと音を立てて吸う私の顔を見つめるおにいちゃんは、恍惚としている。
「…気持ちよかった?」
まだ口内に残るおにいちゃんの白濁液の後味を楽しみながら、私はおにいちゃんに訊いた。
「…ぁぁ…。半日ためただけで、こんなに早くイッちゃうとは思わなかった…。しかも、お前、うまくなってるし。」
「…そ、そんなこと…。」
…私は、おにいちゃんのが欲しくてたまらないから、愛しくてたまらないから、一生懸命しゃぶってるんだよ。…でも、それをうまく言葉に出せなかったから…私は一瞬言葉に詰まった後、ぎゅっとおにいちゃんに抱きついた。昼間、スシ詰めのマナクリッパーで押し付けられてた時の切ない苦しさがすぐに蘇ってきた。
「…あ…アプルル…?」
おにいちゃんがかすれた声で私を呼ぶ。それに応えるように、私はおにいちゃんのほっぺに優しく口づけた。続いて、真っ赤になってる長い耳にも先から根元へと順番に口づけてゆき、耳の穴を舌で犯す。…と、おにいちゃんが片手を自分の懐に突っ込み、院長専用のシグネットを取り出して指差した。…いけない!納涼祭の開始を告げる式典の時間が迫ってるんだった…。熱に浮かされたままの私も、懐から院長のシグネットを取り出した。持ち回りで今年の主催は耳の院院長代理のコル・モル博士だ。彼の声がシグネットを通じて私達の脳裏に響いてくる。
(口の院院長アジド・マルジド、手の院院長アプルル。もうすぐ式典が始まりますぞ。至急例の場所に集合しなさい。)
(分かりました。すぐ行きます。)
(…すぐ行きます。)
シグネットに掌を触れて念を送った後、私達は土を払って立ち上がった。祭の時だけは、院長のローブをまとわなければならないけど、その後は浴衣に着替えて祭を楽しむ院長がほとんどだ。
「…アプルル。ごめんな。式典が終わったら…。」
おにいちゃんがすまなさそうにささやき、私の耳に舌を這わせた。私は身体の熱が冷め切っていない、ぼうっとした頭で答えた。
「…ぅん…式典が終わったら…。」
そして私達は、急いで院長の正装を身にまとい、森の区の噴水前に他の院長達と共に集結した。
「…今年も、3国首脳陣及び、モーグリ達の協力により、あますず祭をとどこおりなく終えることができるということに、わが国の星の神子様、そして、女神アルタナに感謝の意を表しようではありませんか!」
コル・モル博士の演説に、院長達を始め、天の塔のスタッフ達、そして集まった冒険者さん達が一斉に拍手を送った。私達院長が、手に持っていたワインのグラスを一斉に掲げると、彼はまた口を開いた。
「…今宵はあますず祭の最終日にしてクライマックス、納涼祭です。今宵だけは普段のもろもろの憂さを忘れて、無礼講で楽しもうではありませんか!…それでは、ウインダスの今後の発展と、星の神子様、そして女神アルタナ様のご加護の多からんことを願って、乾杯!!」
コル・モル博士の音頭にあわせて、私達院長が「乾杯!!」と声を上げ、ワインを飲む。終結したスタッフ達や冒険者さん達もワインを飲み干し、大歓声を上げた。いよいよ祭のスタートだ。院長達もお互いにグラスをぶつけあい、儀礼用のワインを飲み干す。
「さて、今年も我ら院長がやるべきことは終わりました。今夜はお互いに祭を楽しみましょう。」
壇を下りたコル・モル博士が笑顔で言い、院長達も笑顔でそれぞれの家に散っていった。これから浴衣に着替えて、祭に混ざりに行くのだ。
でも、私達兄妹は少し違った。森の区にある自宅へ浴衣に着替えに行き、祭を一通り見回るところまでは一緒だったけど。おにいちゃんと並んで祭を見物してる途中から、だんだんとひざが笑ってきていることに気がついていた。…さっき、おにいちゃんが欲しくて、繋がりたくて抱きついて腰を擦り付けていた熱が、身体の中でくすぶっているのだ。式典の間に熱が冷めるどころか、ますます煽り立てられてるように燃え上がっていく。おにいちゃんと楽しく談笑しながら祭を見物し、出店で夕飯をとって、自宅のそばの茂みにたどり着いたとき、とうとう私は耐え切れなくなり、おにいちゃんの腕にすがりついた。
「…はぁ…ぁぁ……ぉ、ぉにぃちゃ…ん…。」
つぶやきながらふっとおにいちゃんの下半身に目をやると、そこは大きく膨らんでいた。…おにいちゃんも、私と同じ気持ちだったのかな?
おにいちゃんはすがりついた私の身体をゆっくりと抱き上げ、人目につかない大木のそばに下ろしてくれた。意外とつるつるしている木肌が背中に心地いい。
「…もう、待ちきれなかったんだろ…?」
そう訊いてきてるおにいちゃんの声こそ、待ちきれない快感への期待で、息がすっかり上がってる。私はこくりとうなずき、おにいちゃんの手を取って、浴衣の上から私のわずかに膨らんでる胸に当てた。
「…ほら……もう、こんなにドキドキしてる…。」
「…ぁぁ…。」
2人の荒い呼吸と胸の鼓動が耳にうるさい。私の胸に当てたおにいちゃんの手がゆるゆると円を描くように動き、その感触に私はぴくんと頭をのけぞらせた。すっかり無防備になった唇に、素早くおにいちゃんが吸い付いた。
「んっふっ……んぅ…。」
おにいちゃんの熱い唇と舌が、私の舌に吸い付いて絡みつき、同時に、胸に当てた手がゆるゆると動いてもみしだいてくる。やがて、浴衣をゆっくりとはだけて、直に乳房に掌を這わせ、敏感な先端を指先でこねまわしてきた。
「……っあ…はぁん!…っ、キモチ、イイ…!」
指先が胸の先端をこね、舌が私の耳を這い回るたびに、私の身体がびくびくとはね、脱力した口からは甘い喘ぎ声が漏れるのが止まらない。やがて、おにいちゃんの手が私の下半身へ伸びる。浴衣の裾を丁寧に払い、下着の上からすーっと指を走らせた。
「ぁ、ぁあん…ぉ、おにいちゃん…らめぇ…。」
「何がダメなんだ?もうすごく濡れてるぞ…?」
おにいちゃんの揶揄するような低い声が、火照った耳に心地いい。私は潤んでとろけた目で、おにいちゃんを見つめた。
「ぅん…下着の上からなんて、らめぇ……直接、おまんこくちゅくちゅして…おにいちゃん…。」
「淫乱な、おまんこ、だろう…?」
おにいちゃんはくっくっと低く笑いながら、なおも下着の上からタテ筋をすりすり、こねこねしてきている。その中で、既にあふれてる蜜がぬちゅ、くちゅ、といやらしい音を立てていた。
「んっ…ぃやぁん!…ぁ……ぃ、淫乱な、おまんこ…くちゅくちゅしてぇ…!」
下着越しのもどかしい快感に、思わず私は声を上げてしまう。おにいちゃんがフッ…と勝ち誇った笑いを漏らしたのが分かった。私の下着に手をかけ、するすると脱がせ始めると、あふれた蜜がつーっと白い糸を引いているのが目に入った。
「すんごい濡らしてるなぁ…期待してたのか?」
おにいちゃんに甘い吐息混じりに訊かれ、私はうなずいた。顔がかーっと熱くなるのが分かる。
「いやらしいなぁアプルルは。…これから、お前のいやらしいところ、全部愛してやるからな…。」
耳に唇をつけたままささやかれ、私の身体がまたびくん!とはねる。耳から始まって、おでこ、ほっぺ、唇、あご、のど、鎖骨、胸、お腹と、順番に優しく口づけていくおにいちゃん。唇がおへそに到達すると同時に、下着をすーっと下まで引っ張り下ろしていった。
「…すごい。湿ってる。」
下着を足から抜き取り、おにいちゃんはつぶやきながらそれを傍らに置いた。そしてゆっくりと立ち上がり、左手で私の身体を抱きしめながら、右手を露出した私の蜜壷にそっとあてがった。おにいちゃんの指が蜜壷をくちょくちょとかき混ぜはじめると、途端に私の全身を快感の電撃が走り始め、私はびくびくと身体を震わせながら高く鳴いた。
「ぁっ…ぁ、ぁあっん…ぁ、ゃ……っ…はぁん…!」
「アプルル…浴衣がはだけて、すんごい色っぽいよ…。」
おにいちゃんの言うとおり、私は藤色の姫君浴衣の前がかなり開いてしまっており、胸が完全に露出していた。このまま袖から腕を抜いてしまってもよかったんだけど、帯で止められている分、もろ肌脱ぎみたいになっちゃうのもカッコ悪いので、前だけをはだけた状態にしていたのだ。…どうも、それがおにいちゃんの劣情を刺激してしまったみたい…。
「ぁ…ぁ!…ぉ、おにいちゃん……あんまり、見つめないで…。」
私は顔を真っ赤にしてかぶりを振った。でもおにいちゃんは、はだけた浴衣の前に手を入れ、胸をもみながら、私の唇に再びしゃぶりついてきた。私も負けじとおにいちゃんの肩に抱きつき、自分から唇を貪る。
「はぁ、はぁ……ぁぁ…アプルル…俺の、俺だけの女(ひと)でいてくれ…。」
おにいちゃんが私の目をのぞきこんでささやく。私は笑顔でうなずき、おにいちゃんの首筋に抱きついて耳に唇を這わせた。
「…ぁ……ぉにぃちゃん…。」
ちゅっちゅっと、わざと音を立てて、ほっぺや耳に優しく口づけていくと、おにいちゃんの息がますます荒くなり、顔や耳が湯気を出さんばかりに真っ赤に染まっていく。その顔を両手ではさみ、自分のまん前に向かせて、私はささやいた。
「おにいちゃん…世界でいちばん、愛してる…!」
瞳をのぞきこんでささやき、私はおにいちゃんの唇にゆっくりとじぶんの唇を重ねた。そのまま舌にしゃぶりつこうとしたけど、さすがにおにいちゃんの方が上手みたい。あっという間に主導権をとられ、おにいちゃんが私の舌にしゃぶりつき始めた。同時に下半身に伸びた手が、私のピンピンに立ち上がったお豆さんをクリクリとこね、私は唇を重ねたままうめき声を上げてしまう。
「んっ!……んふぅ…っ…んはぅうっーーっ!!」
腰ががくがくとひとりでにはね、おにいちゃんの腰にすりつけるような形になる。すっかり立ち上がって準備万端なおにいちゃんのが、私の腰に触れた。…私も、早くおにいちゃんと繋がりたい…。私は唇を離し、おにいちゃんの目を見つめて言った。
「おにいちゃん…入れて…おにいちゃんのおっきなおちんちんで、私の…淫乱なおまんこ、いっぱい愛して…。」
「…あぁ…。今夜は、寝かさないからな…。」
おにいちゃんは、不敵な笑みを浮かべてささやくと、私の左の太ももに手を当て、普段のM字開脚ぐらいの高さにまで持ち上げて、左手でそのまま樹の幹に押さえつけた。そして、右手で自分のモノに手を沿え、私の蜜壷に狙いをつける。
「…いくぞ…アプルル…。」
私がうなずくと、おにいちゃんは腰を沈め、少しの間入口をにちゃにちゃとこねまわして全体に蜜をまとわせた後、ゆっくりと私の中に進入してきた。大きくて、熱く脈打つおにいちゃんの肉棒がゆっくりと奥まで打ち込まれ、私は快感にびくりと身を震わせた。
「んっ……ぁはぁっ…。」
おにいちゃんは右手を私の背中から腰にかけてまわして抱きしめ、長い耳に唇をつけてささやいてきた。
「…お前の中、いつも以上に締め付けてくるな…ほら、動くぞ。」
そして、私を抱きしめる腕に力がこもり、おにいちゃんは私の全てを味わうように、ゆっくりと、ねちっこく腰を振り始めた。
――ぴたん!ぐちゅ…ぴたん!ぐちゅ…
「あぁん!…ぁはぁっ……んぁはっ、ぃやぁん!ぁあ…。」
おにいちゃんのが私の奥に当たるたびに、快感が爆発し、性感帯をこすりあげるたびに全身がぴくぴくと震える。腰がぶつかる度にクリがこすれ、あふれる蜜が媚薬のようにさらなる快感を引き出す。おにいちゃんは全てを味わうようにゆっくりと動くため、もどかしい快感で常に全身がしびれるようにうずく。爆発するほんの寸前くらいの快感が常に与えられている状態が続き、だんだん意識が朦朧としてきた…。
「ぁ……ぅぁ…ぁん!ぁふ……ゃん…!」
「…っく…ぁ、アプルル…すごく、キツくなってきた…。」
おにいちゃんが辛そうにつぶやく。ゆっくりと動くのすら、辛そうな感じだ。
「ん、ぁ、ぉ、おにいちゃんのが…ぁ、すごく、おっきいから…ぁ、んぁ……おにいちゃん…。」
「ん?」
おにいちゃんは、たまらないくらい優しい瞳で私を見つめてきた。
「…お願い、もっと、早く動いて…。もっと、乱暴にしてくれて、いいよ…。」
私も優しく見つめ返し、おにいちゃんの唇に乱暴にしゃぶりついた。貪欲に舌をからませ、息が続く限りしゃぶり続けてから、やっと唇を解放してやる。荒い息をつくおにいちゃんに、私は言った。
「おにいちゃん…私と一緒に…壊れよう?」
「…。」
おにいちゃんは私の覚悟が分かったらしく、ニヤリとしながらうなずいてくれた。そしてあらためて私の身体を抱きしめ、今度はいきなりトップスピードで腰を打ち込み始めたのだ。
――ぴたんぴたんぴたんぴたん…!
「く…っすごい…締め付けだ……アプルル、すごくキモチイイぞ…。」
「ぁっ!ぁっ!…っはぁん……ぃゃぁん!ぉ、おにいちゃん……私も…すごく、イイ!キモチイイ…よ…!」
おにいちゃんのが私の奥をゴツゴツと打ち付け、快感が連続して爆発する。立っている大木の幹にもたれかかるという不安定な状態の中、私達が限界を迎えたのはそう遅くはなかった。
「…うぅ…っくぁ…あ……で、出るぞアプルル…―――ッ!!」
「んっはぁっ…やぁあっ…イク、イッちゃうよおにいちゃん…ぁあイッちゃ…ぁ―――ッ!!」
びくびくびくっ!…どくっ…どくん…!
「…あ…ぁあ…!」
おにいちゃんのが私の奥で激しく爆ぜ、熱いマグマが私を満たしていく。
「おにいちゃん…しよ……もっと、もっとしよ…?」
いくらしても、したりないような気がした。私が快感に潤んだ目でおにいちゃんにおねだりすると、
「あぁ。さっき言っただろ?…今夜は寝かさないって。」
まだまだ余裕があるような、不敵な笑みを浮かべて応えてくれた。
…☆…☆…
そして、深夜…いや夜明け前―もう何十回目なのかも分からないけど―の合体、そのフィニッシュの瞬間、事件は起こった。
「う、っくぅぅ……アプルル…出すぞ、出すぞ…―――ッ!!」
「っひゃぁあぁん!おにいちゃん…中に出して……―――ッ!!」
―どくんっ!!ぐぎごぎぃっ!!
「ッ!!」
「ぁぁっ!!」
私達の身体の奥深く…そう、腰の辺りで何かが折れ砕ける音が響いたのだ。
「…か…っ…!」
「…ぁ…ぁぁ…!」
全身を激痛が走り、動くことはおろか、悲鳴を上げることすらできない。…脂汗をだらだら流しながら、ひたすら誰かに見つけてもらえることを期待しながら、私達は、この窮状を救ってくれる存在を待ち続けるしかなかった…。
「ぁあっ!…シ…シャントット博士……も、もぅ…勘弁して…くださ…い…ぅぁあ―――ッ!!」
「ぁっ!…ゃ、ぁはぁあん!ヒウォン、熱いのがいっぱい出てますわぁっ!わたくし…もぅ…ぁはぁあぁ―――ッ!!」
どこかで、シャントット博士と、哀れな犠牲者の悲鳴が響いていた…。
…☆…☆…
そして翌日。あますず祭も終わり、全ての国で通常通りの業務が行われるようになった。しかし、ウインダスの口の院と手の院では、スタッフ達が不在の院長の代わりに現状を説明したり、本来の院長の業務を兼任したりと、忙しく走り回るハメに陥っていた。
「冒険者の皆さんへ。
本日、当院の院長は、休暇中に部屋の模様替えをしようとしてぎっくり腰になってしまったため、やむなく休暇をとっております。
院長の依頼等でお越しの皆様は、数日ほどお待ちになっていただき、後日再びお越しいただけるとありがたく思います。
尚、お見舞いの品はこちらでお預かりいたします。1日も早く院長が復帰できるよう、共にお祈りしていただけると幸せです。
スタッフ一同。」
こんな張り紙が受付に張られており、冒険者達は何があったのだろうといぶかしみながらも、ねぎらいの言葉をスタッフにかけて、1人、また1人とどこかへと立ち去っていった。冒険者達の相手をしながら、スタッフ達は思っていた。
「まさか、院長がHのしすぎでぎっくり腰になったなんて、絶対冒険者達には言えない…!!」と…。
…☆…☆…
その頃。ジュノ上層。モンブロー病院。
「まったく。どうしたんですか?2人共…これは、これ以上ないほどの見事なぎっくり腰ですよ。…短期間に極度に激しく腰を酷使したとしか思えない…いったい何をしたんです?」
モンブローが不思議で仕方ないといった表情でストレートに訊いてきた。でも、私もおにいちゃんも、恥ずかしすぎて、このぎっくり腰の原因を説明する気には…とてもなれないのであった…。
-THE END-