愛のバカンス・1日目

 翌朝。いつもよりも少し遅めに起きた私達は、また海に出た。冒険者さん達は、早朝からでも歓声を上げて遊びまくってる。元気だなぁ。
「ああ…このカッコだと、また寝られそう♪」
 空気で膨らます小さなイカダに乗り、すっかりリラックス気分の私。この時間ばかりは、赤字決済の山が積み上がる手の院の現状も空のかなたへ忘れ去ってしまう。
「寝たら、落っことして起こしてやるよ。」
 にひひひひ♪と、まるでいたずらっ子みたいな笑い声を上げるおにいちゃん。すっかり子供に返ってしまってる。
「えー?じゃあ後でおにいちゃんの番でも、寝たら落とすからね♪」
「わはははは♪」
 あぁ、ホントに至福の時間♪バカンスの時間がずうっと続けばいいのに…。

 たくさんの人で賑わう海岸も、端の方にはあまり人がいない。おにいちゃんが泳いで端の方をうかがってみたところ、どうやら岩壁に囲まれたプライベートビーチ、もしくは浅瀬みたいなところがいくつかあるようだ、とのこと。
「行ってみようぜ。」
「うん!」

 そこは、サンゴの崩れて粉になったようなのが幾層にも積み重なった所に藻が生えてできた、かなり広い浅瀬だった。深さは大体私達タルタル族の胸ぐらい。他種族にとっては足元ぐらいかもしれない。海流にふわふわと揺れる藻と、その間を優雅に通り抜けていく南国特有の魚達の動きが、足裏にくすぐったい。

「お。いいもんめ〜っけ♪」
 おにいちゃんが海底に何かを見つけたらしく、前屈するようにもぐってすぐにざばっと上がってきた。
「ほら。海のリラコサージュだ。」
「わぁ…♪」
 海底に張り付いていた、周辺にひらひらとした花びらのようなひれがついたヒトデだった。頭にのせてポーズをとってみせると、おにいちゃんはうれしそうに歓声をあげた。
「私も探してみるね。」
 私も、おもしろそうな生き物を探して、海底に目をこらしてみた。…さすがは南国。大した時間もかからずにそれは見つかった。
「おにいちゃん、私もコサージュ見つけたよ♪」
 海中をゆらゆらと漂う半透明の白い花のような生き物を手にすくい上げ、掲げて見せた。でも、おにいちゃんはそれを見た途端、顔色を変えて叫んだのだ。
「ちょ!おいアプルル、それは刺されたら痛いぞ!早く手を離…せ……うぎゃたぁ!!」
「おにいちゃん!?」

 …私がコサージュそっくりと思った生き物は、クラゲだったのだ。クラゲはその長い触手を伸ばし、おにいちゃんの内腿の辺りを刺したらしい。刺された箇所が見る見るうちに大きく赤くはれ上がってゆく。
「と、とりあえず、あそこの浜に上がって様子を見よう。」
 おにいちゃんに肩を貸して、粉末化したサンゴでできた真っ白な砂浜までゆっくりと歩いていく。そこは結構広くて、3人くらいが中でくつろげそうな感じ。モグハウスと同じくらいといえばいいのかな。おにいちゃんは浜辺にどかっと座り込むと、タルタルボクサー+1の裾をずらして、はれ上がった患部を露出した。
「ぅわ…痛い?おにいちゃん…。」
「…多分、もうすぐ痛くなってくる…そうなる前に、毒を吸い出してくれ。自分でやろうかと思ったが、口が届かん。」
 丁度脚の付け根の辺りが赤く膨れ上がっている感じだ。私はこくりとうなずくと、まず患部全体を口に含んで海水の塩分をなめとった。
 そして、ほほをすぼめてちゅーっと何度も吸ってやる。すぐに口内に苦い味が広がり始めた。多分これが毒だろう。うっかり飲み込まないよう気をつけながら何度も吸い、海に入ってぺっと吐き出す。最初は果たしてこれが小さくなるんだろうか?と思っていたのだが、何度も毒を吸い出しては吐き出しに行ってるうちに、少しずつくわえている患部が小さくなり、はれがひいていってるのが分かる。

 …でも、だんだんと小さくなっていく患部と対照的に、おにいちゃんの脚の付け根に生えている、アレが…私が口づけてしゃぶっているせいなのか、だんだんと大きくなっていってるのが目の端にうつる。気にしないでおこうと思えば思うほど、目に入ってくるのだ。しかも、おにいちゃん、明らかに息が上がってきてるし…。
「…ぁ……はぁ…っ…はぁっ…。」
 痛そう、辛そうというよりは、切なそう、気持ちよさそうといった感じ。顔がぽぅっとピンクに染まり、耳も力なく垂れ下がっている。と、岩壁1つ離れた砂浜の方から、男女のあられもない喘ぎ声が聞こえてきた。

「ぅ、…んんぅ…。はぁ、…っはぁ…。スピピ、こんなにぐちょぐちょになってるぞ…。」
「っはぁん、んぁはっ…ゃあん!…らめぇ…ティムル、そこはらめぇ…!砂入っちゃう…。」

「…おにいちゃん、ここがこんなにはれ上がってるよ…。」
 向こうの2人の冒険者さん達に触発されたのか、後になって思うととんでもなく恥ずかしいことを言いながら、私はおにいちゃんの大きく膨らんだアレを手でゆっくりとさすり始めた。
「ぁ!…あぁ……そ、そこも…吸って…しゃぶってみて…。」
 私の手が往復する度にびくんと身体を震わせながら、おにいちゃんはささやいた。私はおにいちゃんのタルタルボクサー+1の裾をさらにずらし、大きく膨らんだアレを露出させた。赤黒くて大きくそそり立っているそれにそっと指を這わせると、たまらないくらいに熱く、脈打つようにぴくんぴくんと震えた。
「ん…ふぅ…。」
 とんでもなく恥ずかしいのをこらえつつ、私は舌を出して、おにいちゃんの根元から先端までを何度もつつーっとなめ上げてみた。
「あ!…ぁあ…。」
 おにいちゃんの声が、たちまち甘い喘ぎに変わり、はぁはぁという荒い吐息が切なそうに響く。私は、何度もなめ上げてぬらぬらといやらしく光る肉棒を右手で握り、左手は玉袋を包み込むように持つ。そして、快感への期待で既に輝く露を少しこぼしている先端の鈴口に、優しくキスをした。
「ぁ…っ!」
 おにいちゃんが顔を真っ赤にして甘い吐息をつく。普段の冷静で意地悪そうな視線はどこへやら。私はおにいちゃんの表情を楽しみながら、右手で肉棒をしごくのと同時に舌で鈴口をチロチロとくすぐってみた。熱い肉棒がますます熱を持ち、熱い露をこぼしながらぴくぴくと震える。
「おにいちゃん…私がしゃぶるの、ちゃんと見てて…。」
 多分この時の私は、向こうの砂浜で愛し合ってる冒険者さん達の嬌声や、南国の砂浜でシテいるというシチュエーション、そして照りつける真夏の太陽に、すっかり酔いしれていたのだと思う。私はおにいちゃんの感じてる顔を見つめながら、肉棒を口に含み、ちゅぽちゅぽとしゃぶり始めた。こぼれている露をなめとりながら、根元から先端まで唇で包んでこすり上げる。…あぁ…大好きなおにいちゃんのが、こんなにおいしいなんて。外の、真夏の太陽が降り注ぐ砂浜で、こんな恥ずかしいことしてるのが、こんなにキモチイイことだなんて。おにいちゃんも、気持ちよくなってくれているのだろう。息を激しく荒げて喘ぐ度に、私の口の中のモノが震え、先走りがとめどなくあふれてくる。それを舌でなめとっては全体に塗り込め、唇でこすり上げ、ぬるぬるになった手でしこしことしごくと、おにいちゃんのはますますはちきれそうに膨らんでぴくぴくと震える。

「んくっ……っちゅぅ…。おにいちゃんの、すごくおいしいよ…。キモチイイ?」
 おにいちゃんのから口を離し、吹きこぼれてきた先走りを指先でぬぐって舌でなめとる。もちろん視線はとろりととろけたおにいちゃんの顔から寸分もそらさない。
「あぁ…すごくキモチイイ…。アプルル、お前今の顔を鏡で見てみろよ。すげぇエロいぞ…。」
 恍惚とした表情のおにいちゃんが、手でモノを包み込んでしごいてる私の頭をゆっくりとなでてきた。
「…おにいちゃんのしゃぶってたら、私も気持ちよくなってきちゃった。」
 半ばとろけた意識の中で私はつぶやき、再びおにいちゃんのをくわえ込んでじゅぷじゅぷとしゃぶり始めた。同時に自分のかかとにあそこをこすりつけてゆっくりと腰を振る。かかとは、既に私自身の淫らな液体でどろどろになっていて…もぅ、気持ちよすぎて、らめぇ…。
「…ぁ…あぁ……も、ヤバ…イキそう…!」
「いいよおにいちゃん…私の口でイッて……んちゅっ、はむぅ…ちゅぷ…!」
 おにいちゃんのがびくびく震え始めた。私の口でイッてくれる…!私はうれしくなって、ますます激しく舌をからませ、手でしこしことこすり上げ続けた…そして。

「ぁっぁあぁっ……でっ、出る…―――ッ!!」
「…んふぅ…っ!!」
 ――びゅくん!どくん!…びゅるるる…っ!

「…っ!…んくっ、んく…。」
 私の口の中でおにいちゃんのが爆ぜ、熱い液体が私の口内を一気に満たした。あそこをかかとにこすりつけて軽くイッてしまい、その衝撃で液体を口の端からこぼしそうになりながらも、すんでのところでこらえて、ゆっくりと飲み込む。その間にもおにいちゃんのモノはどくんどくんと脈打ち、その度に熱い液体が注ぎ込まれてくる。時々ほほをすぼめてちゅーっと液体を吸いだしてやりながら、私はおにいちゃんのを1滴余さず飲み干してしまった。

「…ぁ、はぁっ……すげ…アプルル…。すげぇエロいわ…。」
 おにいちゃんが呆けたような顔でつぶやいた。私のエロい顔で感じているのは、まだおにいちゃんのが固く立ち上がっているのですぐに分かる。私は妖艶な瞳でおにいちゃんを見つめながら、水着を脱ぎだした。腰のパレオをほどき、トップ+1とショーツ+1と一緒に砂浜に置いて、おにいちゃんのボクサー+1にゆっくりと手をかける。下ナナメ45度の角度から、おにいちゃんの瞳をのぞきこんだ。
「…ねぇ、いい?……私も、したくなっちゃった…。」
「…あぁ…。」
 おにいちゃんが呆けた表情のままうなずいてくれたのを確認すると、私はおにいちゃんのボクサー+1を焦らすようにゆっくりとずらして脱がせていった。脱がせると、おにいちゃんは自分で脱いだマイヨー+1と一緒にまとめて自分の傍らに置いた。私はゆっくりと立ち上がると、そそり立ったおにいちゃんのモノの真上に移動して、ひざ立ちの状態で跨った。バランスを保つためにおにいちゃんの両肩に自分の手を乗せると、すっごい至近距離で目が合った。

「…いくよ?」
「…あぁ。」
 私は片手であそこを割り開きながらゆっくりと腰を落とし、真下にあるおにいちゃん自身を下の口でくわえ込み始めた。先走りと私の唾液でぬらぬらになっていたおにいちゃんのモノは、これからの快感への期待で悦びの蜜をあふれさせている私の蜜壷にすんなりと収まってゆく。やがて熱い杭が私の中に完全に飲み込まれ、余りの気持ちよさに思わず声が出てしまう私。
「ぁっ…ぅぁあん…っ!」

「…ぁ…んはぁっ、やぁん…ぁあっ…。」
 おにいちゃんの熱い杭に貫かれ、私は自然と自分から腰を振っていた。動く度におにいちゃんのが奥に当たって、根元がクリにこすれて、身体がきゅぅってなると余計にあそこ全体でおにいちゃんのが感じられて…まさに快感の連鎖というより他なかった。
「ぁっ、ぁん!ぁあ……ぉ、おにいちゃん、ゎ、私…おかしくなってる…!気持ちよすぎて、おかしくなってる…!」
「あぁ…もっとおかしくなっていいぞ、アプルル。…俺も、夢みたいだ…!」
 おにいちゃんも、ニヤリと笑うだけの余裕はあるみたいだけど、かなり息が上がってて、気持ちよさそうに目を細めている。

「おにいちゃん…!」
 も、もうらめぇ…。気持ちよすぎて、好きすぎて、おかしくなる…。私はおにいちゃんの両肩に置いてた手を、うなじに回して抱きついた。
 中に打ち込まれたおにいちゃんのがこすれて大きな喘ぎ声が出そうになるのを何とか耐え、私は自分からおにいちゃんに口づけた。
「んっ…ぅ、んふ……!」
 完全に脱力して半開きの唇をちゅっちゅっとついばんでやると、おにいちゃんは顔を真っ赤にして目を見開いている。下ではゆっくりと腰を振りながら、私はおにいちゃんの舌に自分の舌をゆっくりとからませ、心行くまでディープキスを楽しんだ。
「…んふっ…ぅふぁあぁっ!……ぁっ、んはぁ…っ。」
 おにいちゃんも、どうやらキスで興奮したらしく、私の中に打ち込まれてる杭が、さらに大きくなって中をこすり始めた。ぁあ…さらに気持ちよさが倍増する…!思わず口を離して喘いでしまうぐらいに。
「ぉ、おにぃちゃん…もぅ、イッていい?」
 おにいちゃんの気持ちよがる顔をもっと見ていたかったけど、私の方がガマンできなくなってきちゃった…。涙が少し浮かんだままの顔で、荒い息をつきながら、私はイクことを告げた。
「ああ、いいぞ。ちゃんとイッたら、今度は俺がイカせてやる。」
「…うん!」
 私はすっかり安心しておにいちゃんの腰に自分の腰を打ちつけることに集中した。おにいちゃんのが、私の中の全ての性感帯と、根元のクリを余すことなくこすってくる…あぁ、キモチイイ…おにいちゃんとシテる今が、私、いちばん幸せだよ…。

「ぁ、ぁ…ぉ、おにぃちゃん…ぁ、んぁ…イク、イッちゃ…ぅ……んはあぁ―――ッ!!」
「ぅうぁっ!あぁ…―――ッ!!」

 その瞬間、あそこが一気に収縮して、おにいちゃんのをぎゅうぎゅうと絞り上げた。直後におにいちゃんの熱い精液がほとばしり、私の中を一気に満たしてゆく…。私はおにいちゃんに抱きつき、腰をのけぞらせて絶頂に達した…。


…☆…☆…

 生まれたままの姿のまま、軽く海で身体を洗い、私達はまた繋がっていた。…今度は海中で。

「ぁ、ぁあん!…ぉ…ぉ、おにいちゃん…恥ずかしぃ……ひ、人が、キちゃう…ぁはぁっ…!」
 私は必死で抗議するが、喘ぎ声の方が先に出てしまい、説得力などありはしない。水着を着ていないのがバレないくらいの深さのところで、私は駅弁スタイルでおにいちゃんに貫かれ、淫らに鳴いているのだ。
「へ…へへ…。アプルル、恥ずかしいとか言いながら、すごい締め付けてるし。昨日もそうだけど、思いっきり自分から腰振ってるじゃないか…。ほら、また締めてきた…。」
「ぁん…はぁん…。だってぇ…ぉ、おにいちゃんの、すごく…んはぁっ!おっきくなってる…ぃやぁん!ぁはぁあっ…海の中…スゴイ…キモチイイ…ぁはぁん、ぃやぁっ…んっはぁ…!」
 私は気持ちよさのあまり、冷静な思考力がだんだん鈍ってきてるようだ。おにいちゃんはニヤニヤしながら私に訊いてくる。
「ほら…海で、外でするの、キモチイイだろ?」
「ぅ…ん…キモチイイ…!」
 おにいちゃんは、さらにうれしそうな笑みを口元に浮かべた。
「よかった…俺達、ここ来てよかったな…。」
「…うん♪」
 私も極上の笑顔で応えた。おにいちゃんも、私とシテる今が幸せなんだな…。そう思うと、私の体の奥底がきゅぅんとなって、中が一気に締まってゆくのを感じた。
「ぁ!あぁ!…アプルル、そんな締めたら…ぁあ…出そう…!」
「出してぇ…おにいちゃんのが、欲しい…!」
「…!…っくぅ…!」

 その日、私達はずーっと、海辺で何度もシた。そして、数え切れないくらいイッた。明日にはもう、ウインダスに帰らないといけないから、時間を惜しむように何度も愛し合った。…明日は、あますず祭りのクライマックスだ…。


愛のバカンス・3日目(最終日)