ダラン 首♂F6B  ターナ 猫 F6A

 1度繋がってしまうと不思議なもので、それだけでうんとターナに触れる事に対して後ろめたいとか思うことは無くなってしまった。


 いや、想像以上の絶叫を上げる彼女を忘れてはいない。
 包み込まれる自分さえも痛く感じるほどの想像以上の受け皿の狭さに驚き、逃げないように掴んでいたターナの手を取り、指を絡める。
 消え入りそうだと感じるくらいの細い肩を抱き、俺も歯を食いしばって奥へ奥へと腰を突いて進める。
「いやぁぁぁ、ああ、助けて、痛い、痛いぃぃ!」
 何度か他の男を受け入れていたのならまだしも、初めての男を入れるターナにとってはこの行為は苦痛でしかない。
 それが更に、こんなものを入れるとなれば洒落にならないだろう。
 カハッ、カハッ、とむせ込み、また絶叫を上げる。
 こんな風にやって、将来的にはドウナノヨ。
 俺達のこの行為が失敗に終わる事をとても首を長くして待っている女達が作り上げる、お前専用の檻へと帰るんじゃねぇのかね。
 待ちに待った今の行為は何ともまぁ、お粗末な結果になりそうで、その時の俺はターナを突きながらもどこか頭の隅が冷えていた。
(たったこれだけで、俺に寄り付かなくなりそうよな。こんな事になる位だったら、他の奴に開通してもらえたらよかった)
 簡単にそう思えてしまうくらい、彼女の絶叫は俺の耳を塞ぎたくなるほどすさまじかった。
 結果的にはターナに助言をしてくれていた健全なるミスラ族の女達のお陰で、この行為は無事に乗り切る事が出来たけれど、それが無ければどうなっていたか、今思うとぞっとする。


 熱い息を吐いて、ターナが俺の太ももに舌を這わす。
 息を呑んで俺の熱くなった、彼女の言う所の“鍵”に手を伸ばす。
 最初はそうやって自分が教え込んだ言葉ではない“鍵”という表現に怒りと嫉妬を感じたが、しかし何故ターナがこれの事を“鍵”と呼ぶのかその理由を知った後は別にどうでも良くなった。
 ちゅ、と何度も鍵の先を軽く吸う。
 愛おしそうな顔でそれをやってくれるものだから、俺はいつだって気分よくそれを受け取ることが出来る。
 鍵に胸を擦り付けながら、ターナが俺の手を取って指をしゃぶり始めた。
 ターナにとってお気に入りは、俺が持つその“鍵”と手だ。手はダントツで、誰もいない隙を見つけてどこかを撫でてくれと手を掴んでくるくらいだ。
 そのお陰で人前でくっつくのが嫌な俺はますますくっつけなくなってしまった。
 そうやってねだられるとそれだけで、俺の鍵で彼女の鍵穴をグシャグシャにしてしまいたくなるからだ。
 しゃぶられて糸を引くほど濡らされた指を、ターナの…これまた彼女が言う“鍵穴”の近くへと持っていく。
 その鍵穴の周りをゆっくりと撫でると、ターナは体を震わせた。
 彼女に指を濡らされなくてもそこは既に溢れ出すほど濡れていて、鍵穴の近くのキモチガイイ突起も滑るようにいじることが出来た。
 俺が指を鍵穴に入れると一瞬尻尾がピンと立ち、力なくゆるゆると落ちていく。
 そこをいじればいじるほど、そこは俺を受け入れるのを心待ちにするように液体があふれ出す。たまにクチュッといやらしい音も聞こえてくる。
 甘い声を出して俺の腹の上で悶えるターナはやっぱりいやらしくて可愛い女だ。

 ―――あんな、うんと年上で力の強い冒険者の同族の女に胸などをいじられながらも、何の反応も無くぼんやりと宙を眺める彼女ではない。

 ターナは俺が、自分が冒険に出るまでずっと、ここの一部の女達にそういう扱いを受けていた女だと知らないと思っている。ただ幼さを残す子供達がまとわりついて、それらが邪魔をし続けた故に冒険に出られなかったのだと思っていると思っている。
 だから俺もそれを知らない振りをしてターナを抱く。
「ダラン、ダラン」
 ねだるように俺の顔に手を伸ばし、よじ登るように俺の体の上を這い、自分から唇を重ねて舌を絡ませてくる。あふ、あふ、と息を切らせて俺にいじられながらも貪欲に求めてくる。

『…覚えておきな、ダランディーガ。あれらが本物のターナの檻だよ。あの手の女達がお前の本物の“敵”さ。今まであの子を連れ出そうとした冒険者達は皆、ターナをああやって可愛がる女達によって潰されている。…まあ、今までは女しかいなかったけれどねぇ』
 俺はターナの舌を自分の舌と絡ませながら、鍵穴をこねた。ターナから絡めてくるその舌の動きも鈍くなり、う、うんっ、と小さく我慢しながらも我慢しきれない声がその口から漏れた。
『だからまとわりつく子供達を拒否しないのさ。あの子達はまだまだ可愛い方だからね。このままだとミスラ族の男を受け入れる事も出来やしないから子供を生む事も出来ないし、かといって冒険にも出られないんだよ』
『男のように扱われているから、外に出してもらえねぇんだろう。まぁ、俺ほどの悪評だらけの男なら、今更1つくらい悪評が付こうが何とも無いな。既にあのクソガキ共にくさったバナナの王様とかいうふざけた名前を広められているし、な。…ああいう調子で無邪気なガキを使って潰しまくるんだろう』
『くさったバナナって…。可笑しすぎて笑ってしまう名前だが、中身を考えりゃじわじわと効いていきそうだね。あたしも手は知らないけどねぇ。まあ、お前さんならあの女達からターナを奪って逃げられるさ。…頑張ってくれ。あたしだってターナがここでドロドロに腐り落ちる姿を見ていたくないんだ。お前が駄目なら他のあいつが気に入った男の冒険者をここに通すだけさ。そしてあたしもアンタの事をくさったバナナと呼ぶさ』
『それだけは勘弁だな。…しばらくしたらそろそろ冒険の旅に出ると言ってみよう。それで俺に付いてくると言ったらまたこっちに話を持ってくるから俺達を逃がしてくれ。ここ以上の外の楽しさを体に染み込ませてやろう。付いていきたいと言わない場合は…残念だが、ここにいる内は抱くかもしれんが、外に連れ出す事はせん。それでもいいけどな、抱きたいのは抱きたい女だ』
 ターナが俺を濡れた目で覗き込んだ。熱い息を吐いて、口をパクパクとしている。
「どうして欲しい、ターナ」
 俺は体を反転させてターナをベッドに横たわらす。それだけで甘い声を1つ漏らした。
「あ、あ、あたし、鍵、が、鍵が、欲しい」
「…いい子だ。じゃあ、あげようか」
 俺は、ターナにとっての檻から解放させる為の鍵だ。
 俺にとっても気持ちのいい瞬間へと潜り込む為に濡れた鍵穴へとその鍵をあてがう。
 …グシュ。
 鍵を入れた瞬間のターナはとても悦びに満ち溢れている顔をする。
 待ちわびた快感の渦に巻き込まれ、助けを求める事無く、おぼれる。
 鍵は今、難無く鍵穴に入るようになった。最初の4回か5回は苦しそうだった鍵穴の持ち主は、今は激しく突き続けない限りは気持ちよさそうに顔をゆがめ、喘いでいる。
 ターナは俺を選んだ。
 外に出たいと、冒険者の見習いとなりたいと願った。
 その目はここから逃げたいと助けを求める目ではなく、心強く人を射抜く目をしていた。
 ターナはあの時、本気で外の世界で駆け回りたいが為に俺を冒険者の師匠として選んだのだ。その目に負けた俺は、女ではなく冒険者としてターナをあの檻から連れ出した。
 だから、今の俺達がいる。随分と遠回りもしたが、こうやって繋がる俺達がいる。

「ああ、いや、いやぁ、ダラン、ダラン!やめちゃやだぁ、もっとちょうだい、ねぇもっと、ちょうだい!」
 グシュグシュと正当に擦れる音がして、それに合わせてターナが乱れる。俺はその音の中で激しく乱れるターナに酔った。
 俺は動きを止めてターナの体位を変え、後ろから突く。
 引き締まった体から伸びる尻尾の根元を撫で、前にある彼女の敏感な突起もこねる。
 それだけでターナは一気に昇天をする。
 俺は何度もそうやってターナを昇らせては落として、その度に俺の鍵を締め付けてくるターナの鍵穴を楽しんだ。
「お前、今日はどうしたの。すげぇ、熱くて締めてくるじゃねぇかよ」
 愛欲に濡れて涙を流す目もそのままで、涎をこぼす口元を拭う事無く、ターナは俺に突かれて乱れ続ける。改めて後で俺が教えた卑猥な言葉だって、今なら抵抗なく言うだろう。
 でも俺は相変わらずターナに“鍵”と“鍵穴”という言葉を使わせる。
 ターナは気が付いていないが、ターナをまた自分達の檻に入れようとたくらむ、そんな女達が作る檻から飛び出させる鍵は、この俺の“鍵”だからだ。
(あの女達はターナのこんな顔なんて知らねぇんだよなぁ…。ザマァミロ)
 俺は誰ともなく優越感を感じながら、そうやって俺の腕の中でだけ乱れる…そんなターナの鍵穴の向こうの彼女の小箱へ、鍵からほとばしる自分の液体を今日もたらふく、流し込んだ。


ダランxターナ