アプルルの淫靡な実験


 ウインダス石の区・シャントットの庵。「週刊魔法パラダイス」の記者ヒウォン・ビウォンは、今度こそシャントット博士に正式に取材の申し込みができるという確固たる自信をもって、シャントットの庵のドアをノックした。
「…どちらさまで…?またお前か。お前ごときに話すネタなどないと言ってるだろう!さっさと失せろ!」
 ガチャリと音をたててドアが開き、アジド・マルジドが顔を出したが、ヒウォンの顔を見た瞬間に拒否のセリフをまくしたて、そのまま素早くドアを閉めてしまおうとした。しかし、今日のヒウォンは一味ちがった。
「アジド・マルジドさん、今日は取引をしに来たんです!どうかこれをごらんになってください!」
 一息でそう言うと、ヒウォンは素早くカバンから水晶玉を取り出し、アジドの手に押し付けた。アジドとしては、取引などハナッからするつもりはなかったのだが、押し付けられた水晶玉への好奇心の方が勝ったらしく、水晶玉の表面をつるりと手でなでた。水晶玉はたちまち、録画したての淫らな映像を再生しはじめ、それを観ているアジドの顔がみるみるうちに青ざめていく…。

 それは彼にとってまさに信じられない光景であった。愛する妹が、巨大な男根をかたどった張型を下半身につけたカーディアンと交わって、甘い吐息と共に腰をくねらせ、淫らに喘いでいた。ところが、だんだんと絶頂に近づくにつれて、その愛らしい唇がつぶやいたのは、まぎれもなく彼女の兄、アジドの名だったのだ。彼女は、そのまま何度もアジドの名をつぶやきながらカーディアンの張型に貫かれて淫らに腰を振り続ける。そして最後、彼女はイク瞬間にこうつぶやいたのだ。
「…おにいちゃん…責任…とってよぉ…!」…。

「貴様……こ、こんなの…こんなの…嘘に決まってる…アプルル…。あぁ…アプルル…。」
 真っ青になってガクガク震えながらうわごとのようにつぶやくアジド。
「この映像がまぎれもない真実であるということぐらい、あなたほどの魔道士であればすぐ分かるはずですよ?」
 ヒウォンが言うと、アジドは水晶玉を両手で抱えて持ち上げて額にあて、目を閉じて何事か念じ始める。彼はしばらくそのまま動かなかったが、やがてゆっくりと顔を上げ、やや自嘲気味にため息をつきながら水晶玉をヒウォンの掌の上に戻した。
「…確かに、この映像には不正もヤラセも合成も使われていないようだな。」
 アジドの顔はまだ青ざめてはいたが、先程よりは幾分かマシになっているようだった。
「この映像を撮る前に、それとなく手の院や口の院のスタッフ達に話を聞いてみたんですが、元口の院院長のシャントット博士も含めて、彼らはみんな、アプルルさんが結婚できない…いや、正確には結婚しない本当の理由を知っているようですよ。当人ばかりが自分の中にある本当の理由に気づこうともしないんだと…そんなことを話してくれました。」
 ちなみに、数日前にシャントットが手の院を訪れ、院長であるアプルルと何か密談していた…。その翌日からアプルルは、夕方になると1人で院長室に引きこもり、何やら秘密の実験にいそしむようになった。という情報も得たことをヒウォンが得意そうに付け加えると、アジドはやむなく、ヒウォンが最初に提示した取引に応じる気になったようだ。悲痛をこらえて何とか声をしぼりだす。
「…。…で、何が望みだ?」
「もちろん、シャントット博士への取材許可です。」
「しばらく待っていろ。博士に事情を話して許可を得てくる。」
 ついにやったぞ!ヒウォンは心の中で密かに勝どきをあげた。

「よろしくお願いいたします。」
 勝ち誇ったようなヒウォンの声を背中に聞きながら、アジドは憔悴しきった表情のままドアを閉めた。その音に、シャントットが暖炉に薪を継ぎ足す手を止めてたずねてくる。
「アジド、どうしましたの?薪がまだ外に幾束か放ったままですのよ。」
「…あ、わ、分かっています。……その…。」
 ここでヘタに言い訳してもすぐにバレるし、そもそも言い訳の仕様がない…。アジドは、ありのままを正直に伝える覚悟を決めた。
「…例の新聞記者が来ました。しかもとんでもない土産を持って。」
 シャントットは耳をぴくりと動かして反応した。どうやら「土産」に興味を示したらしく、じっとアジドを見つめて話の続きを促してくる。
「……博士。博士は、妹が…アプルルがなかなか結婚できない…いや、しない本当の理由をご存知だったのですか?」
 アジドは水晶玉で見た、愛する妹の痴態を、言葉で説明することがどうしてもできなかった。あまりにも生々しくて、艶かしすぎて…。しかし、その説明がなくても、彼のこの質問でシャントットは、ヒウォンが何を持ってきたのかおぼろげにでも察しがついたらしい。
「もちろんですわ。何もご存じないのはあなた達本人だけですことよ。…妹さんの本当の気持ちも、あなたご自身の気持ちもね。」
「…。」

 確かに俺は何も知らないらしいな…アジドは認めざるを得なかったので、仕方なくうなずいた。しかし、それを認めたからといって、これから俺はどう行動すればいいのか?混乱した頭ではいくら考えても妙案など浮かぶはずがない。呆然と突っ立ったまま考えあぐねているアジドに、シャントットはゆっくりと近づいてその手をとり、彼自身の胸に当てさせた。
「さ、アジド。ご自分の胸に聞いてみなさい。ヒウォンが何かの手を使って、アプルルの秘密をつかんだのでしょう?その秘密を見せつけられたとき、どういう気持ちになりましたの?」
 その質問が耳に入った瞬間、アジドの胸にちくりと痛みが走る。その痛みの本当の原因にたどり着きたい。彼は必死にその時の自分の気持ちを探った。
「…まさかアプルルが、俺を心配するあまり、俺がいるせいで、俺を思う余りに、結婚できないでいるなんて…。」
 シャントットはゆっくりとうなずき、自分の胸に手を当てているアジドの手に、今度は自分の手を重ねてきた。
「…そう。そしてあなた自身はどうなんですの?」
「…ぁ……ぅぅ…。」
 どくん…どくん…。自分を何よりも心配してくれているアプルル、そしてさっき、水晶玉の中で快感のあまり淫らに腰をくねらせてヨガっていたアプルルのことを思うだけで、頭は真っ白になり、自分の心拍音がやけにうるさく聞こえる。でも、この胸の高鳴りが、シャントット博士の質問への何よりの答えだ。その上で彼はこの現状に対する考えを慌しくまとめ、ゆっくりと顔を上げた。
「シャントット博士。あの記者…ヒウォンは、水晶玉を手の院の院長室にしかけてアプルルの秘密をつかんだようです。それで俺をおどして博士への取材許可を得ようとしているのです。」
「…そう…。」
 きっちりと真実を伝えると、シャントットはニヤリと笑って薬棚の上にいくつか置いてあった怪しいピンクの液体が詰まったビンの内の1本を手に取り、アジドに何事か耳打ちしながらそのビンを手渡した。彼がうなずいてそのビンをローブのポケットにしまうと、シャントットもまた大きくうなずいた。
「…では、こちらはわたくしに全て任せて、あなたは大切な人に自分の思いをしっかり伝えておいでなさい。」
「はい!」

アジド・マルジドは自分のローブのポケットを少し探り、満足そうにうなずくと、庵のドアを開けた。ヒウォン・ビウォンはずっとそこで直立不動で待ち続けていた。
「…喜べ。許可が取れたぞ。」
 いかにもしぶしぶ取り次いでやったといわんばかりの仏頂面をつくって言うと、ヒウォンは喜色満面の表情でぴょこりと頭を下げた。
「…ありがとうございます!」
 喜びいさんで庵に踏み込もうとするヒウォンをアジドはちょっと止めた。ローブのポケットから怪しいピンクの液体が詰まったビンを取り出し、彼の手に押し付けたのだ。
「今この場で飲んでおけ。取材はすごく長い時間かかるかもしれん。これはその体力を維持するための薬だ。」
「え?この場で、ですか?」
 ヒウォンは怪訝な表情になった。しかしアジドはそんな彼の肩をぐっと両手で押さえて言い聞かせた。
「博士は、せっかく取材に応じるのだからと、とことんまでお話しになる心積もりなのだそうだ。お前も記者なら、とことんまで話を聞きたいだろう?」
「そ、そうですね…。」
 確かに、とヒウォンは納得し、ビンの栓を引き抜いて中身を一気に飲み干した。熱い塊がのどを通り、全身が一気に燃え上がったような感触がした。しかしそれは一瞬で消えてしまったようだ。…こ、これでいいのかな…?ヒウォンはアジドに軽く頭を下げ、庵のドアを軽くノックして入っていった。アジドはその後姿を見送ってから、掌の中の懐中時計に目を落として少しの間考えこんでいたが、すぐに向き直り、一路森の区の郊外にある兄妹2人で暮らしている家を目指して走り出した。

ヒウォン・ビウォンは、庵のドアを入ってすぐのところで、今回の取材相手・シャントット博士と向き合っていた。いよいよ憧れの人と2人きりで、とことんまで取材ができる…!そう思うだけでヒウォンの胸は高鳴り、身体は火照る一方であった。
「さて、ここで立ったまま取材というのも何ですから、あちらの寝室へ行きませんこと?」
 ヒウォンの取材意思を聞いたシャントットが優雅な手つきで奥の寝室を指差すと、ヒウォンは素直に従った。シャントットは彼と入れ替わるようにドアのところへ行き、しっかりとカギをかけた。寝室の窓も全て閉まっている。ここはもう密室だ。

「…ヒウォン・ビウォン。もう用意はよろしくて?」
 急激にシャントットの声が色を帯びたことに気づき、ヒウォンはびくりとした。彼を勝気な瞳で見つめながら、シャントットは素早く印を結ぶ。
魔法の知識がないために彼女が何の印を結んだのかは分からなかったが、確実に命の危険を感じたヒウォンはサッと両腕で顔から上半身を覆い、防御の姿勢をとった。
「<エアロ>!!」びゅうぅうぅうぅ…!シャキシャキシャキ…!
「…うわぁ!!」
 風が渦を巻き、見えない刃となってヒウォンを襲う。1分ほどが過ぎ、自分を包み込んでいた風が収まったことに気づいてヒウォンはようやく防御の姿勢をといた。しかし、自分の姿を見た彼は、目を疑った。…風の刃は、ヒウォンの着衣だけを残らず切り裂いていたのだ。そして、彼の股間にある男性の証は、(先ほどアジドに飲まされた薬の効果で)今までに見たことがないくらいに赤黒く変色して巨大化し、血管を浮き立たせて脈打っていたのだった…。

「あらあら…すっかりよろしいようですわね。」
「…あ…あ?」
 突如自分に起こった変化を理解する間もなく、ヒウォンはただただあわてるのみ。しかしシャントットはそんな彼にかまわず、いつも着ている連邦軍師制式コートの後ろに垂れている仕掛け紐を引っ張った。瞬く間に着衣がバラリと床に落ち、ヒウォンが毎晩夢にまで見た憧れの女性の裸体が目の前に現れた。その魅惑的な姿を見て、ヒウォンの股間が無反応なわけはない。ますます赤黒い血管を浮き立たせてびくんびくんと震えるように脈打つ。シャントットはそれを見て、大好物を見つけたミスラのようにペロリと舌なめずりしながら、ずんずんと近づいてきた。やがてその顔が見えないくらいにアップになって、目の前が真っ暗になって…。
「…んっ…。」
 シャントットが片手でヒウォンのほほをとらえ、ゆっくりと口づけてきた。いきなりの刺激に、ヒウォンの冷静な思考がとろける。すっかり油断してゆるみきっていた口内に、遠慮のかけらもなく彼女の舌がさしこまれてきた。ちょ、す、すごい舌技だけど、まずは取材が先!これはまだちょっと早すぎる!第一、こっちにも心の準備ってモノが…。ヒウォンは何とかしてシャントットの暖かい手と唇から逃れようと後ずさるものの、彼の動きにあわせてシャントットも前に前にと身体を進めてくる。
「ぅっ……んぅ…!?」
 くぐもったうなり声を上げながらゆるゆると後ずさり続けていたヒウォンだったが、彼は今更になってようやく、自分がシャントットに見事にハメられたことを悟った。2人が立っていたのは、庵の奥の部屋、シャントットの寝室だったのだから。ここでシャントットはようやくヒウォンから唇を離し、勝ち誇ったように笑いかけて言った。
「わたくし、欲求が大変不満しておりますの…しばらくの間、お相手していただけませんこと?」
「…!?」

混乱して固まる彼の返事を待たずして、シャントットは彼の両肩を両手で柔らかくつかみ、ベッドに押し倒していた。そのままヒウォンに抱きつき、一際敏感なタルタル族特有の長い耳にゆっくりと舌をはわせ始めた。ちゅぷっ……っちゅぅ…
「…っぁあっ…ぁ……はぁっ…。」
 さっきのキスといい、シャントットの舌技は巧緻を極めていた。耳たぶにそってゆっくりと舌をはわせるかと思えば、耳の先をそっと口に含まれてちゅっちゅっと吸われる。ヒウォンは恥ずかしいぐらいに感じて喘いでしまい、だんだんと思考力が失われていくのを止めることができなかった。
「ぁ…ぁあぁっ……っは…ぁはぁっ…!」
 やがてシャントットの唇は耳からほほへと這い回っていき、ついに唇をとらえるに至る。先ほどいきなり舌を入れてきたのとは違い、優しく何度もちゅっちゅっと唇をついばみ、徐々に舌で口の中をほぐしてくる。ヒウォンの口からだんだんと力が抜けてきたのを確認すると、唇を丁寧についばんでは舌をからめあわせ、充分に蹂躙してから舌に吸い付いて愛撫する。
「…っん……んふ…っ……ぅん…。」
 鼻にかかった甘い吐息が双方から漏れる。やがてシャントットの唇と舌は首筋を通って胸をなぞり始めた。手でゆっくりと胸板を撫で回し、先端の敏感な突起を指先でこりこりとつまんだり転がしたりした後、唇と舌とでゆっくりと丁寧に愛撫する。
「ぁあっ!……っはぁ…ぁぁ…んはぁ…っ…。」
 ヒウォンはびくびくと全身を震わせながら、まるで女の子になったかのように甘く激しく喘ぐ。猛りくるった下半身にはずーっとノータッチのまま、耳や胸など感じやすい箇所ばかりを責められているせいで、もはや分身が暴発寸前といってもいいくらいにいきり立ち、先端から透明な露が染み出し、こぼれ落ちていた。

「もうこちらは、余裕がないようですわね。」
 猛りたったヒウォン自身に目をやったシャントットが妖艶な笑みを浮かべて言う。息つくヒマもないほど連続で快感を与えられ、文字通り余裕のないヒウォンは、返事の代わりにハァハァと息を荒げてすがるような目でシャントットを見つめた。しかし彼女は、ニヤリと意地悪な笑顔を作って言った。
「何をどうしてほしいのか、ちゃんとお言いなさい。」
「ぁっ……はぁっ…はぁっ…。」
 ヒウォンが激しく喘ぐたびに、彼の分身がびくびくと震える。…恥ずかしい…とてつもなく恥ずかしい…。でも言わないと、きっとこのまま生殺しにされてしまう…。
「……ぁあっ…ぼ、ぼくの…いきり立ってガマン汁まみれの、恥ずかしい…おちんちんを…しゃぶってください…。」
 耳の先まで真っ赤になりながら恥ずかしいお願いを口にするヒウォン。シャントットはニヤリと笑みを浮かべながらぺろりと舌を出し、舌先だけでつつーっと筋にそって肉棒をなめ上げた。それだけでヒウォンの息は上がり、肉棒はますます熱く脈うつ。
「軽くなめただけでイッたら、許しませんことよ?」
「…はっ……ぁはい…っ…。」
 ヒウォンの必死の返事を待つこともなく、シャントットは肉棒に手を添えてしごきながら、先端部分をゆっくりと口にくわえた。鈴口を舌でチロチロとくすぐるのと同時に、カリ首を唇でやんわりと包み込んでこすり上げる。
「…っ……ぁっ…あぁっ!」
「んぅ……んふ…。」
 喘ぐ彼を上目使いに見つめながら、シャントットはじゅぷじゅぷと音を立てて気持ちよさそうに肉棒をしゃぶっている。…ぼくのモノをしゃぶって、シャントット博士が気持ちよくなってくれてる…!!その事実は、彼を一気に快感の絶頂へと押し上げていった。
「…ぁ……は、博士…出る、出ちゃいます…うぁあっ!!」
「…んぶっ!?」
 びゅくん!!と激しく腰を震わせ、ヒウォンはシャントットの口内で果てた。吹き出た白濁液は一瞬でシャントットの口内を満たし、あまつさえトロリと口の端からこぼれ出てしまう。口を離してもなお白濁液の放出は続き、シャントットの顔を、胸を、お腹を白く汚していった。
「んくっ…ちゅっ…んん…おいし…。」
 ようやく放出を終えて息を整えているヒウォンが見ている中、シャントットは指の腹で全身にかかった白濁液をぬぐいとっては口に運んでいく。顔をピンク色に火照らせたまま、自分を汚した白濁液を次々にぬぐってなめとっていく姿を見て、ヒウォンの分身は再び固く立ち上がった。

「しゃぶっただけで自分だけイクなんて、ずるいですことよ。」
 白濁液を全てなめ取り終わったシャントットが、瞳を潤ませながら再びヒウォンの上に乗ってきた。今度は彼の顔面近くにまでにじり寄り、これからの快感への期待に濡れそぼった花びらを見せ付けてくる。漂ってくる甘いメスの香りがヒウォンの脳をとろけさせてゆく。彼は、そろそろと手をのばして溝の周辺を指でそっとなぞってみた。くちゅっ!……ぬちゅぅ…くちっ…。それだけで喜びの蜜があふれ出てきて彼の指を濡らし、シャントットの口からは耐え切れないような甘い鳴き声が漏れる。
「ん……ぁふんっ…っはぁん…。」
 その声に興奮したヒウォンは、溝をなぞるスピードを増した。愛液をかきまぜるような動きだけでなく、少し中に指を入れ、愛液をほじくり出すような動きも交える。くちゃくちゃと淫らな水音が上がり、シャントットはヒウォンの上で淫らに腰を振って鳴いた。
「ぁんっ…やぁ……キモチ…イイですわ…ぁん!……はぁん…もっとぉ…!」
 ヒウォンは初めて見るシャントットの痴態に息を荒げながら、なおもくちゃくちゃと秘所をかきまぜ、ほじくった。しばらくして少し余裕が出てきた頃、溝の端っこの辺りに、ぷっくりと立ち上がり、いかにも触ってほしそうにひくひくと震えている肉芽を発見した。ヒウォンがソコをそっと指でこねた瞬間、シャントットの全身に凄まじい快感の電撃が走った。
「ぁんイクッ……イッちゃ…ぁはぁあぁあぁあぁんっ…!!」
 びくびくっと腰を震わせ、シャントットは高く鳴いて絶頂に達した。愛液があふれて飛び散り、強烈な甘い香りが2人の間をたゆたっている。

「ぁん…はぁ…。」
 絶頂の余韻がまだ残っているであろう中、シャントットはゆっくりとヒウォンの上から身を起こした。彼の下半身に回り、先ほどまでの痴態を目にしてますますギンギンにいきり立っているヒウォン自身を片手で支えながら、もう片方の手で自分の秘所を割り開く。
「ぅ…ぁあ…!」
 ヒウォンは、巨大化した自らのモノがシャントットのソコを壊してしまうのではないかと、一瞬恐れた。しかし、先ほどの前戯によってとろとろにとろけてほぐれているシャントットのソコは、大した躊躇もなくヒウォン自身を飲み込んでゆく。…ぬちっ…ぐちゅ……にゅる…!やわらかくてぬるぬるして、とろけそうなくらいに熱い肉壁の感触を肉棒全体で感じ、ヒウォンは今にも暴発してしまいそうだった。
「…はぁん……奥に…ズンズン…当たってる…ぁん!…んぁはっ…やぁあっん…!キモチ、イイ…!!」
 肉壁がヒウォンのモノを全て飲み込んだのを確認すると、シャントットは自ら激しく腰を振り始めた。ぴたん、くちゅん、ぴたん、くちゅん…。
「く……ぁぅ…っ…あぁっ…!」
 激しく肉棒をしぼられる鈍い痛みとぬるぬるの肉がまとわりついてくる快感で今にも暴発しそうになるのを、ヒウォンはぐっと歯を食いしばって耐えた。自分の上に跨って腰を振りたて、自ら胸を激しく揉みしだいてヨガリ鳴くシャントットの姿はとてつもなく艶かしく、愛しかった。
 2人の結合部からは、肌がぶつかりあうぴたんぴたんという音と、ヒウォンの肉棒がシャントットの泉をかきまぜるくちゅんくちゅんという音が交互に聞こえていた。そしてその音の間隔はどんどん速くなっていく。ぴたんぴたんくちゅんぴたんぴたんぴたんくちゅん…!
「…ぁあんっ……イイ…ですわ……ぁっ…ダメ…わたくし…ぁん…もう…ぁはあぁんっ!!」
「ぅ…くっ…!は、博士……ぼくも、も…ぅ…!」
 すっかり締め切った庵の密室に、しばらくの間、シャントットの甘く淫らな鳴き声と、ヒウォン・ビウォンの押し殺したようなうめき声、そしてくちゅんくちゅんといういやらしい水音が響き続けた…。そして…。

 ――ぴたんぴたんぴたんぴたんぴたぴたぴたぴたぴた…!!

「…はぁん!…ぁんダメェ…イク…イク…ぁん、イッちゃ…ぁあぁあぁあぁ―――ッ!!」
「ぐ…っ!…ぅぁ出る…―――ッ!!」

 ――どくんっ!びゅくっっ…びゅるるるるる…!

 自分の上でシャントットが腰をがくがくと振りたて、身体を弓なりにそらせてイクのを見ながら、ヒウォンは白濁液が自分の生命力と共に搾り取られていくのを感じていた。…そして、彼は絶頂の真っ白な光の中、気を失った…。

…☆…☆…


 ―ちゅぷっ……ぬちゅ…れろれろれろ…。

 疲労のあまり、もうぴくりとも身体は動かせないはずなのに、下半身の一部だけが熱い気がする。そして誰かが、ソコに舌をはわせているのが感じられる。いったいこれは何事だ?ヒウォン・ビウォンは重いまぶたを動かし、ゆっくりと目を開けた…。

「あら、ヒウォン・ビウォン。ようやく目が覚めましたの?」
「…っ!シャントット博士…!?」
 シャントット博士がヒウォンの下半身にとりつき、未だに天井に向けて屹立しているペニスをくわえ込み、激しくしゃぶっていたのだ!もはや突っ込む体力もないヒウォンだったが、力を振り絞って質問を発する。
「…は、博士…。ぼくの、いったいどうなっちゃったんでしょうか…?もう、身体はぴくりとも…動かせないのに…。」
 その質問を待っていたとばかりに、シャントットは勝ち誇って高笑いした。
「オーッホッホッホッ!!見事に引っかかってくれましたわねヒウォン。あなたがアジドに飲まされたあのピンクの薬、あれにはね、あなたの生命力そのものをペニスに集中させる効果があるの。例え体力が尽きても、どんなにイッても、ソコだけはあと半年くらいは屹立し続けるのよ。今のあなたはもはやペニスだけで生きるタルタル、略してペニタルなのよオーッホッホッホッ!!」
「そ、そんな…ってことは…。」
 今の状況とこれからどうなるかを悟ったヒウォンの顔が一気に絶望の色にそまる。
「オーッホッホッホッホッホッ!!覚悟なさい!これから毎日たっぷりかわいがって差し上げますわ…。」

「…いやぁぁぁぁ〜〜〜!!」

 深夜、ウインダス石の区に、謎のタルタルの情けない悲鳴が響き渡った…。



兄妹の幸福な愛の魔法