フレで妄想
フレでもっと妄想


める…ミスラF7金髪 戦/シ
ロンド…エル♂F2黒髪 暗/シ
モーグミ…モーグリ♀
カイト…エル♂F1白髪 赤/暗



〜これは、まだ二人が婚姻を結ぶまえのお話。



「連続魔きたよ!!」
澄んだ声が戦いの雑然とした音の中に響く。
めるの声だ。
ファイガで焦げた髪をばさっと振り払い、素早く両手斧をひくミスラの姿が視界の端にうつる。
ロンドはかまえた剣をおさめると、一目散に魔法の範囲外へと走った。
背後からもう一度、叫びがきこえた。
振り返ると、まだLSに入って日の浅いヒュムの侍が、影縫いで足を止められた朱雀に刀を振り下ろそうとしていた。
「殴るなって!!言ってんだろぉぉ!!」
既に範囲外へとむけ駆け出していためるが足を止め叫んだ。
直後、ぼふっ、と音をたて彼女と、馬鹿侍を炎が包んだ。
事態に慌ててかけよったメイン盾のナイトが朱雀を挑発する。
ロンドがスタンを詠唱する背後で、赤魔道士が渾身の力で連続魔を発動させた気配がした。
スタン。
スタン。
スタン。
スタン…
炎に晒され赤く焼けた頬を手の甲で一度拭うと、朱雀にむけめるがかけよる。
朱雀の詠唱をはばむ「スタン」の嵐。
「赤、スタンまかせた。殴れっ!!」
エルナイトの大声が響くと、範囲外に退避していた前衛達が一斉にかけよった。







「熱かった(-_-メ)」

不機嫌極まりない声で低く呟くと、ケアルを唱える赤魔道士に八つ当たりするネコ…。
朱雀には勝ったものの、機嫌は著しく悪い。
「見えてなくって(>_<)」
立派な装備のヒュム♀侍が目を潤ませて弁明する。めるの機嫌は更に急加速して悪くなる。
「あのさあ、他でもやってたんでしょ?空。君もう二回目だよ?
百烈で青竜殴って、朱雀でしくじって。あたしちゃんと、連続魔来たって言ったよね?見えないって目でも悪いわけ?
今日はカイトとリダのおかげで勝てたけど、下手すりゃ全滅だよ?
みんなでとったトリガーもおしゃか。
戦闘前に説明だってしたんだからさ、やることちゃんとやろうよ。
ミスは誰にでもあるけど、ちゃんとミスしたらみんなに一言謝るのが筋じゃない?」
ケアルの柔らかな光の中で傷ついた皮膚からすうっと傷が消えていく。
まだ赤みの残る腫れた頬に斜め後ろに立ったカイトが手を当て、ケアル2を詠唱している。
めるは意に介した風でもなく、腕組みをして新入りさんを睨みつけている。


確かにこの新入りさんはミスが多い。あらかたよそ見でもしているのだろうミスだけに、めるが怒るのも無理はない。まぁもっとも、元々めるは直情径行だが。
だが、めるはヒステリックなわけではないし、むしろ筋の通らないことにははげしく怒るが、基本的にはこのlsのムードメーカーでもあり、
それなりのプレイヤースキルもあるため、lsメンバーからも一目おかれている。
それに、戦闘中の闘争本能のままに闘う姿と、時折見せる少しまのぬけた可愛らしい仕草のギャップに、狙う男も多い。
このカイトも…その一人だろう。


当人は気づいていないようだが、カイトは回復の為とは言え無闇にめるに触れている…気がして、俺は少しばかりイライラした。
そんな俺の雑念を追い払うように手を叩く音がした。
めるvs新入りの女の争いに、リーダーが終了を告げる。
「よーし。める〜。もうおしまい。ミユキさんも次は気をつけてな。フィルターとか戦闘の仕方とか、わからんことがあったらテルでいいから聞いてくれ。じゃあ、今日は解散。お疲れ様」


ふんっ( *>ω<)=3
と、めるが鼻を鳴らすのが聞こえた。
いまだ怒りは覚めやらぬようだ。ちらりと盗み見ると、新入りのミユキが射抜くような眼差しでめるを睨みつけていた。


モグハウスに帰ると、モーグリがやけに華やいだ声で俺を出迎えた。
「ご主人様お帰りなさいクポ」
「ただいま。荷物届いてないか?」
モーグリのやつはかばんから、怪しい料理を取り出した。
「めるさんから届いてたクポ」
めるは調理をあげているのか時折珍しい料理を送ってくる。今日のは…なまずのグレープ煮…
これは…あまり食べたくない外観だ。
丸のままのナマズが黒っぽいどろりとした液体につかっている…。
その形状に思わずげんなりとする俺を覗きこみ、モーグリがもじもじとしながら話し出す。
「ご主人様、モーグリお願いがあるクポ。モーグリ、許嫁のモグ太さんからデートに誘われたクポ。」
「え!?」
定型文辞書で言うなれば【衝撃】だ。
何がって…俺のモーグリ…♀だったのか…。
俺は平然を装う。
「そうか。久しぶりに会うんだろ。しっかり交尾してこい。」
モーグリは顔を真っ赤にして、羽根をばたつかせる。
「そそそそそんなこと、するけどクポ…じゃなくて、モーグリ、モグ太さんにお土産をあげたいクポ。モグ太さん、セクシー下着が好きだから、すけすけパンティと精力がつくようにカエルの黒焼きをあげたいクポ。」
モーグリがすけすけパンティ…
一瞬想像しそうになるのを振り払い、快く了解する。
まぁ、モーグリだってお年頃なのだろう。年齢は知らないが。
大体冒険者が増えると、その分モーグリたちだって繁殖せねばなるまい。あまり、まぐわるモーグリを想像したくはないが。
競売でモーグリの依頼品を買い、手渡すと、モーグリはいそいそとでかけていった。




翌日。
モーグリのいない静かな朝。
惰眠をむさぼる俺を起こしたのは、ビシージのサイレンだった。
とりあえずアルザビの街にでると、たくさんの人でごったがえしていた。住民の避難はとうに済み、功をあげんと気を吐く者や、普段とは異なるジョブの経験を積もうと目論む者らであふれかえっている。
押し寄せてきたトロールの大軍の埃くさい、そして生臭い獣の臭いがする。随所で戦闘がはじまり、魔法を詠唱する声や刃を交える音が響き渡る。
俺はいつものように封魔堂前へと向かった。あまり乱戦にもならないこのあたりが、一番戦いやすいからだ。
雑踏をかきわけ、封魔堂の前につくと、二階の柱のあたりで光が走った。
(奇襲か?)
俺は薬品を飲み準備を整え二階へ駆け上がった。
そこには、見慣れたネコと、なぜかそれを取り囲む三人の人影があった。
「よう。待たせたな」
もちろん、約束などあるはずもない。
俺の声にめるは弾かれたように目をあげた。
パクパクと口を動かすも声がでていない。サイレスでもくらっているらしい。
ブラクロ姿のタル♂がスリプガ2を詠唱しはじめる。そいつにスタンを唱えると、俺は彼女にかけよった。
よく見れば、種族装備を巻いた腕は切りつけられた思われる傷がぱっくりと口を開き、力なく下ろした指先からは血がしたたり落ちている。
ジョブを隠しているためよくわからないが、おそらくはビシージで不慣れなジョブの経験を積もうと外に出たところを襲われたようであった。
悔しさからか、痛みゆえか、唇を噛み締めためるが薬品を飲み下す。
いつもより数段はか弱く見えるめるを背にかばい、俺はドレッドスパイクを唱えた。
血を吸う闇の鎧が体を包み込む。
じりじり、と予期せぬ乱入者に一瞬ひるんだ男達が徐々に間合いをつめる。


「ロンド、ありがと」
背中から声がした。
俺は軽く頷き、サブドゥワを構えた。
頭を剃ったヒュムが地を蹴り殴りかかってくる。モンクだろうか。
背後でめるがスリプルを詠唱するのがきこえた。
「おい。める。こいつら何だ?」
「知らにゃい。急にやられた」
プロテア2シェルラ2…
ぱきん、ぱきん、と魔法の盾がロンドとめるを包む。
「ごめにゃ。あたし今、ケアルくらいしかできない…」
「まかせろw」
黒タルタルを剣の柄で小突き倒し足で踏みつける。髪をくくったエル竜騎士にそのまま剣を振り下ろし、子竜を叩き落とした。槍が胸元を掠め、頬にわずかな痛みが走る。と、モンクが目を覚まし、百烈拳を発動させた。
(想定外…)
モンクの拳がものすごいスピードで繰り出される。ドレスパで身を覆っているため、互いの体力が勢いよく減じていくのがわかる。
「………ッ……」
「ロンドっ」
げふっと血を口から吐き捨てて、下からすくいあげるようにモンクにむけて剣をないだ瞬間、暖かな光が俺を包んだ。
(女神の祝福かw)
「ありw」
チッ、と竜騎士が舌打ちをする。たまりにたまった力を振り絞り、そいつにスピンスラッシュをかます。
(・∀・)ぉ、クリティカル。
竜騎士が膝をがくりとつく。ドレインでモンクから体力を奪い取っていると、背中にかばっためるがいきなり叫んだ。
「思い出した(-_-メ)おまえらミユキとかいう、下手くそバカヒュムの取り巻きかっ」
ぜえぜえと背中で息をしながら、言い放った言葉に合点がいった。そういえば、昨日めるとやりあったあと、新入りが凍るような眼差しでめるを睨みつけていたっけ。



ちっ、とモンクが舌打ちした。倒れ伏したままの竜騎士。身構えたモンクがじりじりと間合いを詰めてくる。今のお互いの体力を考えれば相討ちか…。なんとかこいつをのさなければ、俺の子猫ちゃんが…。
と、俺の足の下から逃げ出した黒タルが、いつの間にか、ブラッドを詠唱しはじめていた。
「める、逃げろッ」
殴りかかるモンクの拳を受けながら叫ぶも、めるは動かない。
女神の印、ケアル3。
ふわりとした光が俺の体を包み込む。その一瞬後、水柱が轟音とともにめるを襲った。
声もなく、俺のお気に入りの子猫は水びたしの床に崩れ落ちた。
俺は怒りのままに、剣をなぎはらい、モンクを叩きのめす。モンクが地に倒れこむと、ヒーリング中の黒タルを蹴りとばし、水の中にぐったり横たわっためるを抱き上げた。
「てめぇら覚悟しとけよ。」
ずたぼろの装備をかろうじて纏った体は水に濡れひどく冷たかった。
戦闘の轟音が遠のき、すべてが他人ごとのように思えた。
指先に挟んでおいた呪符を投げると、世界は瞬間暗転した。


モグハウスに帰ると、既にモーグリが帰ってきていた。
モーグリは俺の腕の中でぐったりとしたままのミスラを見ると目をまるくした。
「ご主人様。ただいまクポ。それは…痴話喧嘩クポ?」
モーグリの声に漸くめるがうっすら目を開ける。かすれた、消え入りそうな声が「寒い…」と訴える。
「痴話喧嘩なわけないだろう…。モーグリ、ストーブに火を。」
とりあえずベッドにめるを横たえると、重たい装備を脱ぎ捨てる。
本能からか、ベッドの上のめるは背を丸め体を両腕で抱え込んでいる。
ほぼ布切れと化した種族装備から伸びた尻尾がフルフルと震えていた。
俺は棚に置いたあった濃い酒を口にふくみ、ベッドに近づく。
丸まったまま小さく震えるめるを抱きかかえ仰向かせ、半開きの唇に口腔に含んだ酒を流し込んだ。ごくん、と口に流し込まれたものを反射的に飲み込むと、けほっ、とむせ、めるがまたわずかに目を開け、やんわりと俺を睨んだ。
膝の上に抱えたまま片手で頭を撫で、
「気付けだ。飲め。」
と言うと、めるは再び目を閉じ俺の胸に体を預けた。
初めて触れためるの唇は、妄想通りに柔らかかったが、驚くほど冷たくなっていた。
水を吸った種族装備の布地が俺の服をも冷たく濡らす。
「脱がすぞ。他意は…ない。」
そこから体温が奪われるのは明白で、だが、正直、密かに思いを寄せる女の肉体になんの劣情も抱かなかったといえば嘘になる。
そのうえ、相手はあの勝ち気なNOUKIN猫だ…。
足蹴にされ憎まれ口を叩かれることこそあれ、腕の中でおとなしくされるがままになっているなど、いまだかつて想像だにしなかった事態だ。
その普段とはまったく異なる弱々しくはかなげな様子に萌えないはずがない…。
もっとも、この衰弱しきった体を犯すには、俺は理性と良心の人でありすぎた。

既にただの布切れ同然のサベジガントレットをはずし、サベジゲートルをほどく。冷たく冷え切った指先が無意識にか、俺の服にしがみつく。その仕草にドキンと胸が高なる。
(いや…脱がさないと体温奪われるからな!!脱がせたいわけじゃないぞ!!)
自分の良心に言い訳して、サベジセパレーツの胸元を見つめる。
濡れて張り付いた胸元は、くっきりと胸の形をあらわにしている。…というより、むしろ、このほうがいやらしい…。こう、倒錯したエロさというのか…
服地の上から触れたくなるのを抑え、腰紐をほどいてやる。
「手、あげられるか?」
俺の服にしがみついたまま、うとうととしている様子に、手近にあったナイフで水に濡れた装備を切り、肌からはがす。
前衛として数え切れないほど傷を負ったはずのその肌は思ったより滑らかで、大きな傷跡がふたつ残っている他は、殆ど傷らしい傷はなかった。
昨日の空で、めるの傷を丹念に癒していたカイトの姿が頭をよぎった。
吸いつくような滑らかな肌に思わず掌を押し当てると、肌は冷え切り小さく震えていた。
はたと我に帰り、サベジロインクロスの太腿部分もナイフで切り外す。
まあ…種族装備くらい新しいのを買ってやればいいだろう…。
最後に残ったパンティとほぼ同義のサベジロインクロスのパンツ部分に手をかける。
にゃ…とめるが呻くのが聞こえた。
尻の辺りから手をさしいれてそっと尻尾を抜き出す。体を丸めているため、足を抜くことができず、腰の脇でパンツを二カ所切り、そっとそれを抜き取った。

完全に生まれたままの姿になっためるを両腕で抱き込むと、腕の中でその手がきゅ、と俺の服を掴み、胸の辺りに頬を擦り寄せてくる。
毛布を引き寄せ、濡れネズミならぬ濡れネコを抱いたまま、体温を少しでも逃さぬように毛布にくるまった。


モーグリがストーブの火を起こしてくれたおかげで、室内が徐々に温まる。
めるの耳が動き喉元をくすぐる。
(うーん。生殺し。)
本来ならば風呂に入れてやりたいところだが、現時点でも元気な下半身は堅くなり、理性と欲望が聖戦を繰り広げているというのに、風呂なんて入れた日には…

ようやく震えのおさまった体を抱き直すと、無意識にか、めるの足がからみついてくる。冷たいつま先。
それでも先ほどの氷るような肌の冷たさよりは、遥かにましだ。
気分は雪山遭難者。
できる限り、無心を念じ、俺は目を閉じた。


%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%

目が覚めれば既に昼。
冒険者なんて気楽な稼業をやっていると、時間の概念がおかしくなってくるらしい。
ことさら、俺たちのように、HNMと呼ばれる奴を倒してその戦利品で生計をたてていると、日々前後する張り込みの時間に合わせて暮らすことになる。
それゆえに、朝必ず起床するという習慣がなくなってしまっていた。
いわゆる「廃人」に類する俺に比べ、めるはほかにもまともな稼業でもしているのか、夜は定時になると姿をあらわし、戦闘中でなければ眠くなると立ったままでも眠ってしまう。
それでも責任感が強い女だ。
眠い様子を隠しきれずに徐々に呂律があやしくなりながらも、なんとか張り込みを続けようとするあたりがいじらしくて、かわいらしい。
無防備な寝姿は、俺の妄想をかきたてもするが、不安でもあった。
事実、ls内にもちらほらとめるに好意を寄せる者もあったし、フレらしい奴でもあからさまにめるを見かけるなり駆け寄ってくる奴もいる。
もっとも俺もそのひとり…と言えなくはないが。


いつものように、身を起こそうとして、はたと思い出す。
腕の中では安らかな寝息をたて、めるが眠っていた。
下衣ごしに体温が伝わってくる。
耳の付け根あたりの髪に顔をうずめてみると、微かに草の匂いに似たかおりがした。
頬に落ちた細い絹糸のような金髪を指先ですくいあげても、めるは起きる気配もない。
俺はそっとそのまぶたにくちづけて、こっそりとベッドを抜け出した。



その日の深夜。
ライバルLSに釣り負け、白門の茶屋で安い菓子と飲み物を買い部屋に帰ると、眠り猫は目を覚ましていた。
「目が覚めたか。」
紙袋に入ったシュトラッチを軽く持ち上げてみせる。
「食うか?」
「うん。…てか、ロンド……ありにゃ。」
まだベッドの中で毛布にくるまり、ちんまりと座ったまま、いつになくしおらしくめるが礼を口にする。
「おまえな、ヤバそうなら助けくらい呼べよ。LSにでもいいし、テルでもシャウトでもいいから。」
ドサッとベッドに腰かけると、スプリングがきしみ、めるの体が揺れた。
紙袋からシュトラッチをひとつとり、残りをめるに渡す。
毛布の中から手を出し、紙袋ごと甘い菓子を受け取ると、毛布にくるまったままそいつをかじる。
「だって…イヤでしょ。負けてるのとか、かっこ悪い。」
ぺろ、と口の周りについた蜜を舌でなめとりながら呟く。
「そんな変な意地で、とんでもないことになったらどうするんだよ。おまえは(-_-メ)。」
「だって、だって、だってさぁ!!」
しゅん…と俯くと、艶やかな毛並みの耳も一緒に伏せられる。
「だって、なんとなく、ロンドが来てくれそうな気がしたんだもん。」
(どういう根拠だ…;)
「ほら!!テレパシーってやつ?」
ぱ、と顔をあげると、一瞬毛布がはだけ、胸元をさらす。
慌てて毛布をかきよせ、あらわになりかけた乳房を隠す仕草に、たまらなく萌える。


と、なんとなく意地悪してやりたくなり、俺はめるの肩を毛布越しに抱き、耳元に低くささやいてみる。
「隠すなよ。昨日全部見せてもらったぞ?体の隅々まで。」
「…………っ。なんて!!!」
かちん、と音がしそうなほど勢いよくめるが俺を睨む。
俺の好きな目だ。
屈服させたくなる、男の支配欲をそそる、目。
「右の胸のがでかくて…」
言いながら、抱きすくめたまま片手を毛布の中に差し入れる。
「先っぽは綺麗なピンクだった。」
「……っ……!!」
かぁっとめるの肌が掌の下で火照る。俺はあえてにやりと笑って手を引いた。
「なんてな。見てないよ。ほんとは犯したいくらいだったけどな。」
「嘘つき!!」
頬を真っ赤に染め、めるはぷいとそっぽをむく。
毛布ごと抱き寄せ、身をかがめると、顔を覗き込み、伏せた目を見つめる。
「体の奥の奥まで犯して、俺の匂いがつくくらい蹂躙して、誰にも触れさせたくないくらい、好きだ」
「……あんた、何言って…」
「ってくらい好きな女だから、生殺しのまま、我慢したんだぞ?わかるか?」
ぐ、とめるは言葉につまると目をそらす。
「嫌いか?」
じろりと睨み、めるはふん、と鼻を鳴らす。
「そーいうことは、簡単に口にするもんじゃにゃい。だから言わない。」
「もっと素直になれよな…」
俺はいきおい、めるを仰向かせると、唇を奪った。
抵抗するように手を伸ばした途端、毛布がはだけ、体のわりにはアンバランスに大きな胸がふるるんと目の前でふるえる。
抗う手を掴み、そのまま一息にベッドに押し倒し、もう一度、唇を重ねる。




「んふ……っ」
くぐもった声のかけらを封じ、舌で歯列を割り、上顎の裏を舌先でくすぐる。
ぴくん、と耳をとがらせ俺の体の下でめるが体をよじろうとする。
種族差ではるかに勝る体格。押さえ込むのはたやすいことで、胸板を押しつけると、服ごしに豊かな乳房が触れる。
シュトラッチの甘い味のする唇。
舌をからめると、控え目に舌をちろりと動かす。
飲みきれなかった唾液が、めるの唇の端からこぼれ、頬を伝い、シーツにしみを作る。
「…ふぁ、っ……ん。」呼吸が苦しくなったのか、緩く首をふり、顎を仰け反らせると、跳ねっ返りの猫は色っぽい吐息をもらした。

「ほら。まだ何にもしてないのに、俺こんななんだぜ?」
両手首をベッドに押さえつけたまま、既に半勃ちの自らをめるの下腹部に押しつけてみせる。
めるの頬がふわりと赤くなり、俺を睨む目を逸らす。
「女なら誰でもいいくせに!!」
横を向いたまま、ぽそりと漏らす一言が、カチンと俺を刺激した。
「俺はおまえみたいに、男なら誰でもくわえこむ淫乱じゃねぇ。どうでもイイ女を気持ちよくさせてやる気はないし、勃たねえよ。」
ぎゅ、と握り込んだ手首を思わずきつく掴む。
「……痛っ」
つん、とそっぽ向いたまま、小さな悲鳴をあげるめるの声を聞かないそぶりで、高ぶりをグイグイと押しつける。
「今まで何人くわえこんだ?10人?20人?言ってみろ。」
「…ご……5人……。でもっ!!!」
ギロリと音がしそうなほどの強いまなざしで俺を睨み返し、めるが言い放つ。
「好きじゃなきゃしないっ。好きだったのに……好きだったのに!!みんな、めるを置いてっちゃうんだからっ!!」
言い終わると同時に、めるの瞳に涙が溢れる。
俺は溢れためるの涙を舐めとり、そのままもう一度彼女にくちづけた。今度は触れるか触れないかくらい。軽く。
「一生俺のものになれよ。他の男のにおいが消えるくらい抱いてやる。置いていかない。俺のものになれ。俺を求めろよ。」
囁いてから押さえつけていた体を解放し、俺は手早く装備をとく。




めるは身を起こし、ぺたりとベッドに座りこんでいた。ようやく涙は止まったようだが、まだ瞳は濡れている。
いつもはうしろで束ねている髪はほどけ、頬に幾筋もの繊細な影を落としている。
「………ロン」
俯いたまま表情を隠しためるの、消え入りそうな小さな声が俺の名を呼んだ。
「……ほんとに置いてかない?ほんとに好き?……」
弱々しい、不安に満ちた…声。
下衣を脱ぐより先に、俺はめるを抱え込み、深く深くくちづけた。
言葉をつむぎかけた半開きの唇に舌をねじこみ、ネコ特有のざらりとした舌にからめる。
応えるように、めるの舌が俺の舌の裏をつっと舐めた。
俺はめるを足の上に座らせ、くちづけを続けながら、胸元をまさぐる。
張りのある乳房は手のひらにおさまるより少し大きく、小さめの乳首は指先で転がすとすぐに尖った。
めるの両腕がためらいがちに俺の首にまわされる。
もっと、とねだるように、舌をからめ、僅かに背伸びする。
向かいあう格好になると、俺の堅く勃ちあがったものを下衣ごしにこするように、めるが無意識に腰を揺らした。
唇を一端離すと、俺はにやりとめるに笑いかける。
「やらしいな。腰、振ってw挿れてやるから…待ってろ。」
言葉にめるは耳の先まで真っ赤になる。
「……ばっ………そんなことっ……」
「俺を求めろ、って言っただろ?もっと、欲しがれ。」
俺は下衣が幾分窮屈になった男根をぐいぐいとめるの尻に押しつける。
尻尾が、ぴくん、と正直な反応を示す。
「言え。ちゃんと言えよ。める。」
身をかがめ、張りのある肌のそこかしこをきつく吸いあげ跡を残す。
首筋、胸元、乳房。
乳首を舌で転がし、甘噛みすると、めるが鼻にかかった吐息を漏らした。


「…言ってごらん?いい子だから。名前を呼んで?」
乳首から唇を離し囁くように告げ、今度は少しきつめに、赤く堅く尖った乳首を噛む。
片手で尻側から手を差し入れてみると、めるのそこは既にしっとりと湿っていた。
ぬるっとした愛液を指先に触れ、それをめるの鼻先に突き出す。
「体は正直なのに。素直じゃないな。」
俺はめるをベッドに下ろし、上から見下ろす。
なおも恥じらうように体をよじろうとする、その両足を捕まえ、割開いた。
「……やっ…」
5人と関係していた、という言葉とは裏腹に、色の薄い猫毛に被われためるの秘処は、ピンク色でふっくらとした花びらのようだった。
逃れようと腰に力を込めるたび、そこがひくつく。
俺は両手でめるのそれぞれの足を抱えあげ、うごめき、素直に男を求めてぴくつくめるの下の口にくちづける。

雌の、匂いがした。

「今まで何回抱かれた?そのわりにキレイだな。めるのま○こ。ピンクで、ぴくぴくして『いれて』って涎流してる。」
舌で、そのうえの小さな豆をねぶると、ひゃぅっとめるが声をあげる。

「言えよ。」

ぺろり…

「言え…」

ぺろり…

「………」

ぺろり………


クリトリスをなめるたびに蜜壷は新たな愛液を垂れ流し、尻を濡らし、シーツにたれていく。
「ろ……ロン………。ロンのものに………して。全部……全部犯して…」
両手で顔を覆ったまま、めるが折れた。
震える声で、甘い吐息まじりにつむがれた言葉に、俺は小さく息を吐く。
(すべて、征服してやるよ……)

じらすように、弄んでいたクリ○リスを親指で押し込むように激しくなぶりながら、時折舌先で先端を舐める。
蜜壷からはとめどなく愛液が溢れ、くちゃくちゃと指の動きに合わせ音をたてる。
「…にゃっ…………っあっ、ぁっ、あっ…………あっ………」
隠しきれない嬌声をあげ、めるは乱れはじめる。声を抑えようとするためか、片手の指の背を唇ではみ、もう一方の手はシーツを握りしめている。
俺はめるの反応を楽しみながら、昇りきる直前まで、めるを追いつめていく。
俺はめるの反応を楽しみながら、昇りきる直前まで、めるを追いつめていく。
痛いほど(痛いんだが…)張り詰めた下半身を、片手で下衣から解放し、自ら軽くしごく。
俺の剛直は、既に天を仰ぎ反り返っていた。先端は先走りに濡れ、女を貫くことを待ち望んでいる。


(やべぇ。挿れてぇ……)
俺はベッドに膝で立つと、ぐしょぐしょに濡れためるの蜜壷に一気に自身を突き入れた。
処女ではないはずが、きつく固いそこは、突き入れた瞬間、ぴたりと俺のものにからみつく。
(うはw名器)
挿入しただけで、軽くイったらしいめるが、一瞬遅れて、にゃぅ……と色っぽい鳴き声をあげる。
目尻に朱をはき、艶っぽい眼差しで俺を見つめ、めるは両手を俺にさしのべた。
「ロン……いっぱい、突いて。抱いて………」
俺はめるの両足を肩に担ぎ上げたまま、顔をよせ、めるの薄い唇に軽いキスを落とす。
姿勢が変わると、きゅ、とめるのやらしいま○この入り口が俺のものを締め付ける。

「悪いが、手加減できない…な…」
入り口あたりまでゆるゆると引き抜こうとすると、膣壁がからみついてくる。
温かな肉を擦る感触。
一気にもう一度つきいれると、繋がった箇所が、ぐじゅっと湿った音をたてる。
「おまえン中……気持ちイイ……」
きついくらいの中を、何度も深くゆっくりと、味わうようにえぐる。
そのたびに、漏れる音。
ぐちゃっ……ずちゅっ…ずずっ……ずちゃっずちゃっ……

「……ふぁっ……ぁっ……ぁん…ぁ…。ろ……ん、おっき………ぃ……」
色素の薄い耳の毛の下の皮膚は紅潮し、きれいな薄紅に染まっている。
嬉しい感想を漏らすめるのその耳先を噛むと、めるは首を仰け反らせ、鳴いた。
ゆっくりとした抽挿で、初めてつきいれた、想い人の内側を楽しんだ俺は、本格的に腰を動かしはじめる。

ミスラにしては肉付きのよい体。いつも戦っている姿からは想像のつかなかったその柔らかな体を、抱く。
めるは乳房を揉みしだく俺の手をとると口に含み、ちゅぱ…ちゅぱとねぶりはじめる。
恍惚としたような表情で喘ぎまじりに俺の指をしゃぶる仕草に……俺は更に欲情する。

「…ぁっ…ん、あ、あ、あ、ぁっぁっっ、あ…………」

時折ちゅぱっと音をたて、俺の指をしゃぶり、腰を振るめるは……淫らで……扇情的で。

じゅっ、ずちゅ…ぐじゅ……じゅぷっ…じゅぷっ……

淫らな水音が室内を満たしていく。
めるの喘ぎが徐々に高くなる。

「……はっ…はっ、はっ……っ………はっ………」

自分自身の呼吸がまるで獣のそれのように荒く激しく、淫らな音にかぶさる。
激しく出し入れするたびに、ぱんぱんぱん、と肌と肌が鳴る。
汗がつたい、めるの頬に落ちた。目をつむり、快楽に身をまかせていためるが薄く目を開き、ゆるりと笑んだ。

「……もっと……して……」

俺は最後の坂をかけのぼるように、本能のままに激しく腰を打ちつける。
出そうになるのを限界までこらえ、何度も何度も……


「……出すぞッ……」

喘ぎで返事にならない声をよそに、俺は勢いよくめるの中にミルクをぶちまけた。
どくどくと脈打ちながら、精をまく俺のものを、なおもきゅっとめるの内側がしめつけ、絞り出そうとする。
「………あった……かい……」
恥ずかしそうに呟くめるは、まだ達していないのか、意図的に俺のものを締め付け、手をのばしキスをせがむ。

「もう一回………好きって……言って?」
放ち終わったものを抜かずにそのままめるを抱え対面坐位にし、俺はめるに口づけた。
「好きだ。」
(まぁ…こいつに「好き」を言わせるのは今度でいいか…)
言葉に確かめるように、内側で俺のものをくわえこんだめるは、興奮に尻尾の毛を逆立て、ゆるく一度腰を振る。
俺のものは一度放っても萎えることなく、再び硬度を取り戻しつつあった。
「……おっきく……にゃてるの…わかる。」
……ん…、と、鼻にかかった声を漏らし、ゆるゆるとめるが腰を振ると、正直な下半身はみる間にふくれあがる。
繋がった箇所から、俺のはなったものと、めるの愛液のまざった、うす白い液が流れ落ちた。

「……ロンド。好き。」

%%%%%%%%%%%%%%%%%%%

「ただいまクポ〜。」
モーグリが大きな包みを抱え、俺の頼んだ遣いから帰ってきた。
俺は指をたて、声を落とすよう示す。
隣では、俺の腕を枕代わりに占拠し、愛する子猫ちゃんがすやすやと寝息を立てている。
何度も繋がり、穿ち、えぐり、放った後、めるはいつものようにすとんと眠りに落ちた。
モーグリがにかっと笑う。
「ご主人様よかったクポね〜。」
モーグリが重そうに下げた箱には、オパーラインドレス一式が入っている。
いつか永遠の契りを結ぶ日まで、これで我慢してもらうとしよう。
俺は、温かなぬくもりを伝える腕の中のひとを見つめ、そっと額にくちづけた。


終。