ダランxターナ
ダランxターナ2


ダランディーガ:首F6b×ターナ:猫F6a

 今年もまた年の瀬がやってきて、街は新年を祝う為に色鮮やかに彩られていく。
 今年は去年のように離れていた2人とは違い、ダランディーガはターナと一緒にいた。
「今年は、ずっと一緒にいられるんだよな。お前、したい事って何かあるか?」
 ソファに転がりながらダランディーガの本棚に新しく加わった戦略書を読んでいるターナが、ダランディーガの声に反応して顔を上げた。
 ダランディーガはいつもの自分が口にする酒ではない薄くて甘い目の酒を持ち、それをソファの前のテーブルに2つのグラスと共に置いた。ターナはダランディーガがいつも飲む酒では濃いし、苦いと言って好まないのだ。なので、ダランディーガがターナと酒を飲みたいと思う時は、そういった酒を改めて用意する。
「ん、したい事?」
「だって、この時期って一緒にいて何かするものだろうが」
 きょとんとしたターナがダランディーガを見た後首を傾げた。
 そして少し考えた後で、ああ、と気の抜けるような声を出して、読んでいた本にブックチャームを挟んで閉じる。
「それでアンバーが、今年は彼氏に何をあげるのって聞いていたんだね。あたしこの時期は大体姫篭りに当たるから誰かと何かをした事って無いんだよ。家に籠って図書館で借りた本を読んでいるのが普通だったからね」
 ターナが言う姫篭りとは、発情期の事だ。
 今度はダランディーガが、ああ、と声を出す。
「じゃあ、何だ、去年の今頃もそうだった、と。だからここで本を読んでいたのか」
「そうだよ。今は図書館にある戦術書よりもダランの本棚の戦術書の方が気になるもん」
 あふっと欠伸をした後、ターナが改めてソファに転がってダランディーガを見上げた。
 ダランディーガは去年の今頃のターナの様子を思い出した。
 確かに、ターナは出掛けているダランディーガのベッドの上で、ダランディーガ所有の本に添い寝をしてもらっていたのだ。
「ダランと会ってからびっくりしちゃったよ。あたしが読む戦術書の類の貸出人って大体ダランディーガの名前が前にあったもんね」
 ダランディーガはターナが転がるソファの近くに立つ。すると自主的にターナがダランディーガの分を空けたので、ダランディーガはその場所に腰かけた。
 ターナがダランディーガの太腿に頭を載せ、そこからダランディーガを見上げる。
「そんなものですな」
「ええ、そんなものでしょう」
 ダランディーガはターナの顎をくすぐりながら、グラスに酒を注いだ。


「で、今年も姫篭りが来そうか」
「たぶん来るよ」
「じゃあ外は出歩けないな」
 苦く笑いながら、ターナが自分の顎をくすぐる大きな手に自分の手を添える。
「ちょっとつまらないか。この時期ってとても外は華やかでしょ」
「いいんじゃないの。どうせぐるっと街を見回った後で宿に籠ってやる事をやる」
「何それ」
 可笑しそうにターナが笑うと、ダランディーガはフフンと上機嫌に鼻を鳴らした後で酒を口にした。
「…じゃあ、これはどうだ」
「ん?」
 くしゃくしゃとターナの頭を撫で、ダランディーガが口を尖らせる。
 そしてニヤリと笑って見せた。
「お互いがお互い、希望の格好をさせる。これだと家の中でも楽しめるぞ」
「へぇ、面白い事を言うね」
「とは言っても、だ。俺はサブリガを履けとか言われても無理だがな。あれは好かん」
 ターナはそう言われた後少しダランディーガがサブリガを履いた姿を想像してプッと吹き出す。余程面白い事を想像したのだろう。その後しばらく小さな笑いが止まらなかった。
「でもそれ、面白そうだね。じゃああたしもダランに着て欲しいモノを用意しようっと。…サブリガとローブとか…」
「結構乗り気だな。頼むからその組み合わせはやめてくれよ。それを持ってこられても着ないからな」
 ダランディーガの嬉しそうな声にターナも笑って答える。
「うん。この時期に誰かと居られるのが初めてだからね。そこからして、とても楽しみだよ」
 ターナは体を起こして、ダランディーガの首に腕を回した。そして軽いキスをする。
「ああ、それと、家の場所ちょっと空けておきな」
「どうしてさ」
 ダランディーガがターナの背中をなぞり始めると、ターナはダランディーガの耳を軽く噛んだ。情事の入口に完全に足を踏み入れる前に、ダランディーガがターナの耳にそっと囁く。
「きっとこれからお前に必要なモノを用意した。どれだけあってもいいものだ。だから空けておきな」
 くすぐったそうに耳を伏せ、ターナが小さく声を上げた。ダランディーガはフッと息をかけ、その耳を舐める。
「ふふ、すげぇ楽しみ。俺、お前の見たかった姿があったんだよな」
「そうなの?」
「そうだよ。その格好になる事に対して拒否されない事が俺へのプレゼントだな。それだけで胸がいっぱいになりそうだ」
 ターナは自分がどんな格好をさせられるのだろうとちょっと不安になりつつも、それでもいつものようにダランディーガの手によって女にさせられる。
 はぁっと熱い息を吐いて、ターナは自分に溺れているダランディーガを見た。
 ダランディーガは嬉しそうに笑っていた。
 そのダランディーガの様子にターナもまあいいかと思い、ダランディーガに向かって笑って見せる。
「すごく、楽しみ…だよ」
「だな、俺も楽しみだ」
 ダランディーガはそう言うと、ターナを抱き上げてベッドに向かって歩いた。


 ターナに贈られたダランディーガからの贈り物は、ダランディーガのモグハウスにもある頑丈な本棚だった。しかも2棹だった。
 流石にターナはそれに驚き、ダランディーガを見る。
「中身はお前が揃えな。俺もお前が自ら選んで読む戦術書の類が気になるからな。もしかしたら俺の知らない視点で揃えるかもしれねぇからさ、また覗かせてもらうぞ」
「…あ、ありが、とう。いや、でも、あたしこれ、勿体なさすぎるよ」
「じゃあそれに見合うように頑張りなぁ」
 ダランディーガはぐしゃぐしゃとターナの頭を撫でた。ターナは以前から憧れていたその本棚を見て、嬉しさに体を震わせる。
 そこでふと、ターナはダランディーガを見た。
「でも…あたし、ここまでいいもの、用意できなかった」
「いいんじゃないの。何をくれるのかかなり楽しみにしていたぞ」
 ダランディーガが膝を折り、ターナと視線を合わせる。ターナは顔を赤くしながら部屋の隅に行き、箱を持ち、それをダランディーガに渡した。
「何がいいのかわからなくてさ、こんなので、ごめん」
 ダランディーガはその包みを空ける。
 そこには揃いのグラスと酒が2本入っていた。
「お、結構いい感じのグラスじゃん。俺、自分でグラスを買うならこんな感じのグラスを選ぶのよな。いい感じ、いい感じ」
 嬉しそうに笑うダランディーガを見て、ターナもちょっとホッとした。
「酒もいい酒じゃねぇの。どうしたの、これ」
「本屋で調べて、お店で聞いた」
 照れたように顔を赤らめて、恥ずかしそうにうつむくターナの頬にダランディーガがキスをした。ダランディーガがターナに頬を擦ると、ターナも笑ってダランディーガの頬に頬擦りをする。
 するとやはりターナの"姫篭り"の香りがかすかにした。以前に言っていた通り、彼女に発情期が来たらしい。
 それだけでダランディーガの中で悪い虫がうずく。
「じゃあ風呂に入って、この間言っていた希望の格好をしましょうかね」
「あたしの家でいいの?」
「どっちでもいいけど、ウィンダスの方が暖かいからさ。俺は暖かい方がいい」
 ターナの姫篭りの匂いを嗅いだダランディーガの悪い虫がうずくのを止められない。なので、自分の家の方が良かったが、もうこっちにそのまま居る事に決めた…というのが、ダランディーガの本音だ。
「そっか、じゃあそうしよう。お風呂用意してもらうね」
「あ、ターナ」
「ん?」
 自分を見上げるターナを眺めて、ダランディーガは笑う。
「モーグリを呼びに行くなら、ついでに俺に宛てるその格好を何かに包んで持ってきな。俺も直前まで内緒にする為に包んできたからさ。それを交換して別々に風呂に入ろうぜ」
「あはは、じゃあそうしてくるね」
 ターナがモーグリを呼びに軽い音を立てながらダランディーガから離れていく。
 その背中を見て、ダランディーガが自分の唇を舐めてチラリと鞄を見た。
「着てくれるかねぇ…。一体どれを選ぶのやら」
 しばらくしてターナがやってきた。ダランディーガ宛の服が入っている包みをきちんと持っている。それをスイッとダランディーガに差し出し、ダランディーガに笑いかけた。
「はい、先にどうぞ。…ふふふ、似合うかなぁ…。楽しみだぁ」
 ターナが屈託なく嬉しそうに笑ってダランディーガに包みを差し出してきたので、下心満載のダランディーガはかなり後ろめたく感じた。
「おー、楽しみだな。よし、じゃあ入ってくるか」
 嬉しそうに笑うターナを部屋に置いて、ダランディーガは風呂に入る為にその部屋を出る。
「…相当後ろめたいな、こりゃ…」
 そうは思ったが、ダランディーガにとってもここまでこの時期に街の中でのんびりするのは初めてで、本当の事を言うと、何をすればいいのかわからないのだ。
 彩られた街を一周して、それでこの時期だけにしか出回らない旨いモノを食って、それからどうしたらいいのやら。
 行き着く所はやはりこういった事だから、と何となく言い訳を心の中でしながら、ダランディーガは湯を浴びる。


 湯を浴びた後でターナが用意した服を、包みをはがして見てみた。
「へぇ…。ロイやナトが着そうな服じゃねぇの」
 それは東方系の羅漢装束の胴と脚で揃えてあった。競売で買い求めたようなくたびれた様子は全くと言っていい程なかったので、誰かに仕立ててもらったのだろう。
 ダランディーガはこれを見てますます自分が持ってきた彼女への服を後ろめたく感じてしまうが、とりあえずそれを身に着け、部屋に戻る。
「あ、似合っているね」
 部屋に戻ると、ターナはモーグリと共にこの時期にしか出回らない食事をテーブルの上に並べていた。ターナは今日辺り出られないとわかっていて、事前にこの食事の準備をしていたのだろう。食事のいい匂いが鼻に届くと、当然の事ながら腹の虫がグウと鳴く。
「どうしてこれにしたの」
「んー。あたしの中ではダランはそういう格好だから。初めて会った日ってそういう格好でいてくれていたでしょ」
 ダランディーガはターナと初めて会った日の事を思い出し、うつむいて小さく笑う。
「なるほどね」
「じゃあ、入ってくるね」
 ダランディーガはその声に後ろめたくもある種の胸の高揚を覚える。後ろめたい気持ちもほんの少しとなり、自分の鞄からその包みを出してターナにそれを渡した。
「着てくれると、嬉しいんだけどねぇ」
「ん?何か前もそう言っていたよね」
「今年の中で1番、俺が嬉しかった格好だからな。あとは俺の願望。どれを選ぶのかが楽しみだね」
 ターナはそれを聞いて、包みとダランディーガを見比べる。
 首をかしげながらも小さく言ってくると言い残し、ターナが風呂場に行った。
 ダランディーガは自分のグラスに一足先に酒を注いで、ソファに腰かけて酒を口にする。
 しばらくして、キャーッという声が耳に届いた。
「あー…やっぱりなぁ…。あいつ、後ろめたく感じていたか。あの時追いつめ過ぎた気がしたもんなぁ…」


 それからまたしばらくして、ターナが赤い顔をして部屋に帰ってきた。
「うー…。あれ、怒って、なかった、の?」
 もじもじと居心地悪そうな顔で、ターナがダランディーガに近寄ってくる。ダランディーガは自分の望んだ格好になったターナに向かって手を伸ばした。
「俺の留守中にそのクロークを勝手に着たけど、泥棒さんじゃなかったからな。俺、そうやってされるの、装備泥棒以外はお前が初めてなのよ。だから最初は疑っちまった」
 ダランディーガから伸ばされた手にターナが捕まる。
 ターナはダランディーガが望んだとおりに、ダランディーガのバンパイアクロークを着ていた。どうしようもなくずり落ちる肩の部分から、黒い普通の下着が見える。
 ああ、これを着けたのかと思い、コクリと唾を飲み込むダランディーガの喉が鳴る。
「ああ、やっぱり泥棒だと…思われていたんだ。やっていること、そう、だよ、ね」
 ダランディーガの腕に誘われるように、ターナがダランディーガの腕の中に収まると、脚の上をまたがるように足を開いて乗せられる。
 ダランディーガが自分の上に乗せたターナの胸を覗くと、やはり自分が望んだ下着を着けていた。
「そうだねぇ…。でも、お前は違ったじゃん。今でも事あるごとに思い出してしまうね」
「や、あ、あの、忘れて!」
 下の下着もそうなのかな?と確かめるように、ダランディーガはまたがったおかげで突き出されているターナの尻を脇の部分からゆっくりと撫でた。ターナが小さく震えて、甘い声を漏らす。
 するとやはり、下の下着もダランディーガが着けて欲しかった下着だった。
 ダランディーガが体を曲げて、ターナの耳元に唇を寄せてそっと囁く。
「忘れられるもんか。あれほど嬉しい出迎えなんて、そうは無いぞ。俺の部屋で俺に早く抱かれたいと思って、待ち切れずに俺のクロークを着て、俺に抱かれている所を想像して自分でやってるなんてさぁ…。疲れなんてどこかに吹っ飛ぶに決まっている」
 ターナは息を詰まらせて、真っ赤になりながらダランディーガを見上げた。
「あれは、その、あの…」
「あれがもし姫篭りじゃなかったのなら、姫篭りだったのだと誤魔化してしまっても構わん。普段のお前があれだとして、それを宣言するのも、それはそれで上等だ。俺は、今日お前にあげたようなものを着けるような女が好きだからな。ああ、経験積みの時に着るのはダメだぞ。急所をきちんと守れないからな。俺とこうやって居る時だけ、そういうのを着けてくれると嬉しいね」
 ダランディーガはターナを離して立ち上がらせ、ゆっくりと立ち上がる。
 恥ずかしさに身悶えるターナを見降ろし、ダランディーガが優しくターナの耳を撫でた。
「…さあ、飯を食おう。ターキーが旨そうだ」
 ダランディーガがターナの手を引く。ターナは息も絶え絶えに、泣き出しそうな顔をしながら食卓についた。
 ダランディーガはターナに向けて柔らかく笑い、ターナのグラスに彼女と一緒に飲む時のいつもの甘い果実酒を注ぎ、今しか出回らない食事を摂りながらも、目はターナのバンパイアクロークに向かっていた。
 そして頭の中でバンパイアクロークに隠された彼女の体を思い浮かべ、何度もその下着を脱がす瞬間を想像した。


 熱い息が、ソファに腰掛けているターナの足にかかる。
 ダランディーガの舌がターナの右足の指の股を丁寧に舐めていた。
 たまに指を吸い、丁寧にまた舐めまわす。思い出したようにグラスに入った酒を飲み、またダランディーガがターナのふくらはぎに舌を這わせた後、また足の指をしゃぶった。
「ひ、ぁ、あう…」
 ダランディーガの望みで着ているダランディーガのバンパイアクロークの裾から、ターナの脚が伸びて震えていた。
 そうやって震える脚の根元に、これまたダランディーガが望んだ黒い下着がちらちらと覗いている。
「これで、お前の体で舐めてねぇ所は無くなったな」
 ダランディーガは嬉しそうに笑う。いつもターナがいない狩場でダランディーガ自身を慰める時の格好で乱れる"本物"に興奮で息を弾ませながら、ターナの足の親指を吸った。
「白状するがぁ、俺の狩場の慰め役は生身の女じゃなくてこの格好のお前だよ」
 驚いてこちらを見ているターナの左足を取り、ダランディーガがそこも右足と同じように丁寧に舐め始めた。
「俺の布モノを着て俺を乞う、そんなお前だ。ふふ、こんな風に、さぁ、俺に色々な事をされてんの」
「…はは、嘘だぁ。あの時…怒っていた、じゃない」
 ターナは息を詰まらせて、彼が留守の間に黙ってダランディーガのクロークを着た時のダランディーガの様子を思い出す。その様子を見て、ダランディーガはクククと声をくぐもらせて笑った。
「怒っていねぇよ。あの時は意地悪をしただけだよ。怒っていたら即刻着ているものをはがして裸でも街に蹴りだすし、嘘だったらお前にこの格好でいろ、だなんて言わねぇだろ。その下着とセットだぜ」
 ダランディーガは満足するまで左足を舐め、自分の唾液でべたべたになっているその足に頬ずりをする。そうやって頬ずりをする間も、彼女の脚の付け根にちらちらと見える黒い下着に目を走らせた。その下着も秘所の部分が少しだけ濡れて色が濃くなっていた。それだけでまた、ダランディーガの芯が熱くなる。
 ターナは力が抜け、自分では動けない様子だ。熱い息を吐いて、とろんとした目で宙を見ている。


「その証拠に、ほら、触ってみなよ」
 ダランディーガがターナの小さな手を取りながらターナにのしかかり、自分のいつも以上に猛っている剛直を羅漢筒袴の上からなぞらせた。
「あ…」
 甘く潤んだ青い色の瞳が、ダランディーガの緑の目を見た。驚いた様子だが、それでも目元は酒の入った情欲で赤く染まっている。
「…ねぇ、いじって、ターナ」
 んっ、と甘い声を出して、甘い刺激に力が抜けた体を必死に起こして、ターナがダランディーガを見上げた。そうやって見上げるターナの胸元ははだけて、下着が見えている。
 ダランディーガがソファに腰掛け、ターナが自分の剛直をいじりやすいように体勢を変える。力が抜けた後の弱々しい力でダランディーガの筒袴の帯を解き、腰を浮かせたダランディーガを見てその筒袴をずらす。そしてもう1枚ある彼の下着をずらすと、いつもターナがダランディーガに奉仕をする時以上に猛ったダランディーガの剛直が出てきた。
「な、いつも以上だろう。俺自身もよくわかるわ」
 可笑しそうにダランディーガが笑いながら腰を落としてソファに落ち着かせると、ターナもうつむいて笑った。
「だから嘘じゃねぇ、よ。安心しな」
「ん、うん」
 はふ、と酒気の混じった熱い息を吐いて、ターナがダランディーガの脚の上に乗り、剛直に舌を這わせる。
 そうやって四つん這いのまま舌を這わせて剛直の頂点を口に含むターナの胸元は、ぶかぶかのダランディーガの服のおかげで胸の下着どころか脚の様子まで見えた。
 ダランディーガがターナに腕を伸ばし、尻が見えるように裾をたくし上げる。
 布で隠れていた彼女の尻尾まで露わになると、ダランディーガが用意した下着が見えた。
「…なあ、どうしていくつかある中でそれにしたの」
 ダランディーガは堪らなくなり、いじると自分に奉仕するターナの舌が止まる事をわかりつつもターナの尻の割れ目を下着の上から指先でなぞり始めた。
 ターナは震えて、ダランディーガの剛直から口を離す。
「同じ黒でもレースの方が可愛くなかったか?それと同じ、白い下着もあったはずだが」
 ダランディーガはそう言いつつも、本当はそうやって用意した中で、ターナはこの下着を選ぶだろうと思っていた。
 レースは無意識に"可愛いもの"を避ける傾向にあるターナが選ぶはずもないと思っていたし、それと同じ理由で、何となく白よりも黒い方を選ぶ気がしていたのだ。
 そして、そんなダランディーガが着けて欲しかった下着は…今まさに目の前のターナが着けているそれだった。レースよりも、今の下着。そして、同じ形でも白よりも黒の方を着けて欲しかった。なので、ダランディーガはそういう意味でも興奮してしまうのだ。
 ターナは言葉も無く小さく首を横に振る。
 尻の割れ目を撫でるダランディーガの指がジワリジワリと奥へと進み、菊門に達した時にターナがビクリと震え喘ぎ声を出して、尻尾と共に背を反らせた。


 ダランディーガが指を離すと、またターナがダランディーガの剛直に奉仕を始める。
「本当に、触られるのが駄目だな」
 ダランディーガは、小さくうなずいてから自分の剛直を頬張るターナの顔をしばらく眺めた後でターナを抱き上げ、唇を重ねた。
 その後、ターナにソファの背もたれに手をつかせて尻を突き出させて、足を広げさせる。
 ターナの背中を隠すクロークを一気に上げて、ダランディーガがターナの胸を下着越しにいじった。乳首を指で何度も擦って潰し、つまんでは押し潰す。
 ターナの背中に舌を這わせた後、ダランディーガはターナの胸を包んでいた下着の結び目の紐を口で咥えてシュッと音を立てて解いた。
 それだけで、ダランディーガの手の中の胸の重さが重くなる。
 胸を揉みながら、背中、腰、と舌を這わせ、尻の根元にある尻尾まで来た時、ターナの脚は震えて力なくペタンと座り込んでしまう。
 ダランディーガはターナを自分の方へと向かせ、ずり落ちるそのクロークの裾をまた胸の上までたくし上げた。ターナの体から完全に取り除かれていない胸の下着も相まって、とても扇情的だ。
 ダランディーガが自分のグラスの中の酒を全て飲み干し、残っている、秘所を隠すその下着とターナの全体的なその格好を交互にしばらく眺め、唇を舐める。
 ダランディーガはターナの力ない脚を取り、思いきり広げた後、ターナにのしかかり、彼女の脇にある下着をくくりつける結び目の端を咥えて、一気にそれを解いた。
 流石にターナは驚いた顔でダランディーガを見る。
 ダランディーガはフフンと上機嫌に鼻で笑い、もう片方も勢いよく口に咥えてシュッと解く。
「…この解く瞬間が、たまんねぇなぁ」
 ダランディーガはそう言うと、ただの布切れになった黒い下着をずらし、ターナの秘所に舌を這わせた。ターナの肉壷に指を入れ、かき回す。内腿にも舌を這わせてたまにきつく吸い、花弁もいくつか残す。
 ダランディーガがもう1度嬌声を上げて乱れるターナの手を取り、自分の剛直を触らせ、擦らせた後でターナの肉壷にダランディーガの剛直をあてがった。
 それを、無言で一気に挿入していく。
「ダ、ラン…っ、あ、いつも、と、ちが…っ、ひっ、ひあ、ぁ」
 悲鳴に似たような声を出して、ターナがダランディーガにすがる。
 いつも以上に強く、乱暴に、奥を追い求めるようにダランディーガがターナを思い切り突き刺した。


 ガツンガツンとターナの体の奥にダランディーガの剛直が当たる。その一気に突き刺される息苦しさにターナが涙を浮かべてカハッと何度も喘ぐと、ダランディーガがそれに気が付いた。
「や、やめ…っ」
「…っ、あ、ごめ…」
 快楽に酔うどころか苦悶の顔のターナの様子に、興奮していたダランディーガの顔が一気に醒めて、自嘲する顔に変わった。
「すまん、な、興奮しすぎて…手加減出来ていなかった…か。すげぇ、苦しそうだわ」
 ターナが苦笑して首を横に振る。
「いいよぉ。あは、本当に、この格好が好きなんだねぇ。ここまで強引で興奮して優しくないダランって初めて見たよ」
 1度自分の体からダランディーガの剛直を抜いた後で、ターナが何度か深呼吸をした。
 しまったなぁという顔で唇を尖らすダランディーガを見て、またターナが体を落ち着かせる為に、はぁ、と息をつく。
「はは、エルヴァーンの我を忘れる位の"本気"ってこんなのなんだねぇ。こりゃ、姉さん達が"エルヴァーンが本気を出したら辛いよ"と言うはずだ。でもここまで夢中にさせる姉さん達も凄いね」
 ふとターナがダランディーガを見上げて、首を傾げる。そしてうつむいてプッと笑った。
「そういえば、あは、ダランが家の中で上の服を着たまま繋がるのもそうそう無いかも!」
 ダランディーガもそうやって言われて、自分の格好を見た後、あー、と気の抜けた声を出した。
 夢中になり過ぎた証拠だ、とダランディーガは肩をすくめる。
 そんなダランディーガにターナが手を伸ばした。頬に触れ、ターナがダランディーガに笑いかける。
「ね、ゆっくり、して。今のきつさはごめんだけど、ゆっくりだったら、本当にずっと繋がりたいよ」
 今度はターナ自ら、ソファ前の床に腰を落としたダランディーガの剛直を口に含む。
 さっきと同じようにダランディーガの剛直をしゃぶり、すすって、ダランディーガを奮い立たせる。
「…ねえ、ダラン」
 ターナはソファにもう1度改めて座り込んで体勢を作り、脚を広げてダランディーガの剛直を自分の受け皿に誘った。ダランディーガはその誘いに乗り、ターナの花芯に再び舌を這わす。
「ん…っ!あ、ねえ、ダラン…っ」
 クプッとターナの肉壷から生暖かい愛液が沸き出てくる。ダランディーガはその肉壷に指を差し入れながら体を起こして、ターナの顔を覗き込んだ。
「どうした」
 ターナはダランディーガの服を掴んだ。唇を重ね、舌を絡め、お互いの口腔を自分の舌で愛撫する。その間もダランディーガの指は止まらず、1本だった指が2本となり、その指の速さも速くなる。
「…どうした?ターナ」
 それだけで、ターナはまたいつものように快楽の波に流されてしまう。
 今度のダランディーガの挿入は全くと言っていい程息苦しくなく、入れたその瞬間からターナの体が高みに登ってしまうかと思ってしまう位だった。


 それでもやはり、ダランディーガはいつもと違っていた。
 ターナが今までされた事のない体位を求められ、抗う術もなくそれをさせられる。
 ダランディーガが達した後も、ダランディーガはそのターナに贈られた羅漢作務衣を脱ぐが、ターナが着ているバンパイアクロークは脱がそうとしなかった。
 ソファで睦みあっても最終的にはベッドに連れていかれていたから、ソファで繋がる事なんて今までなかったし、食卓の上で挿れられるなんて事もなかった。
「やだ、ちょっと、ダラン、いやぁ!そこはやだぁ!」
「どけ、モーグリ、邪魔な」
 大まかな食事の支度をしていたモーグリがいきなり近づいてくる声に振り向き、そして驚いてギャフッと声を上げる。
 モーグリの目に飛び込んできたのは、モーグリ自身も初めて見る、自分のご主人さまの食卓の上で背後から組み敷かれて挿れられている姿だ。
「見ないで、いやだ、ああ、いやぁ!」
「ひ、ひや、あああ、ごめんなさいクポ!どこか行くクポ!」
 ターナはダランディーガに後ろから刺されていた。恥ずかしさに見悶える顔で涙を流しながらいやいやと首を振っている。
「年が明けるまでの食料を買い込んで玄関先に置いて、さっさと実家へ帰りな!」
 ダランディーガが威嚇するようにモーグリにそう言うと、取るものも取らずにモーグリが慌てて魔法を使って部屋から出ていく。
「お邪魔虫め、なぁ、そう思わねぇか?ん?」
 モーグリが出て行った後、ターナの中で動いていなかったダランディーガの剛直が動き出す。
「な、んで、あ、あぅ、ああんっ」
 ガタガタと机がずれる音を立てて、激しくダランディーガがターナを突き刺す。
「何でっていう割には、お前、腰がいやらしいぞ?ほら、こうやって反った方がもっと気持ちいいぞ」
「え…っ、あ!」
 ターナの体がダランディーガの腕によってほんの少しだけ反るように立てられると、ダランディーガの言うとおり、今まで以上に気持ちよくなった。それに加えて、ダランディーガの手がターナの体を逃がさないように引き付けると同時に挿入しながらも花芯をいじる。ターナは一気に快感の階段を駆け上った。
「はは、マジで気持ちいいなぁ、おい。机の高さが立ってヤるのに丁度いいんだよなぁ」
 本来台所では響くはずのない、性器同士が擦れる音と2人の喘ぐ声が響く。
「ああ、やだ、ひっ、ああ、あああっ」
 ビクビクとターナの体が震え、それと同時に自分が包み込んでいるダランディーガの剛直をも締め上げる。
「イっちまいなぁ、ほら!」
 それに引きずられるようにダランディーガが腰の動きをさらに速めると、ターナが先に達し、ダランディーガもターナの中で果てた。
 そうやってダランディーガの気が済むまで、ターナは彼に今までされた事のない所も含めて、何度も何度も、抱かれた。


 白い息を吐きながら、ダランディーガとターナは色とりどりに飾られた街の中を歩く。
 ターナはまだ姫篭りの時期だが、ダランディーガと共に居れば誰かに襲われるとかそういった心配など皆無に近いので、1年に1度のこの装飾を見て回ろうという話になった。
「ダラン」
「ん」
 足を止めてターナがダランディーガを見上げた。そのターナに合わせて、ダランディーガも足を止める。
「本当はね、今までずっと…誰かとこうやって、飾られた街の中を歩いてみたかったんだ」
「…そうか。ずっと姫篭りの時期が重なっていたもんな。俺もずっと狩場だったからなかなか新鮮だな」
 ターナはダランディーガの言葉にうつむき、首を小さく横に振る。
 そしてそっと自分がダランディーガに贈った、羅漢作務衣の裾を掴んだ。
「…1人で、この街を見るのが辛かったんだ。あたしだけ家族も誰もいなくて、凄く寂しくて。だから、姫篭りじゃなくても、家に閉じこもっていたんだ」
 ダランディーガは改めてターナに贈った、柔術着を着ているターナの手を取る。
「…まあ、突き詰めれば俺も同じようなもんだったな」
 ダランディーガは自分から取ったターナの手を、ゆっくりと指を絡ませて強く握る。
「え?だって、ダランってあんなにも人に囲まれているのに。ずっと、あの人達とこんな街を歩いていたんだと思っていたよ」
「贈り物をした後でこの街並みを見ると、大抵は虚しい気持ちに襲われるから、さ。だから…この時期はここにいねぇの」
 ダランディーガは苦く笑いながら、美しく飾られたツリーを見上げた。ターナはそんなダランディーガを見上げる。
「ああ、こいつも…俺自身じゃなくて、ただ贈り物の中身が欲しかっただけなんだなぁ…って自覚出来ちゃうからさ。だからこの時期は狩場でやり過ごしていたのさ。何かのモノを取る為に俺の力が要るでしょ」
 ターナはダランディーガの手をギュッと握った。そしてスンッと鼻を鳴らす。
「本棚!あたし、本棚、ダランディーガの家にない本で埋めるよ。もう前みたいに何度もウィンダスの図書館に出入りできないから、また読み直したい本とかで埋めるもんね。ジュノの本屋で読んでいない指南書をいっぱい見つけちゃったから、またそれの為にお金を貯めないと!」
 ダランディーガはターナを見降ろした。ターナはまた鼻をスンッと鳴らして前を向く。
「今年は、まだ間に合うならサンドリアと、バストゥークの飾りつけも見たいなぁ!飛空艇に乗れるようになったから、ジュノも見られるよね!どんなのか、見たい!で、ターキーとか、ロブスターとか、食べたい!」
 ターナはそう言うと、繋いでいるダランディーガの手を引っ張った。
 ダランディーガはその手に引っ張られながら、はは、と声を上げて笑う。
「お前食い過ぎだぞ。次の経験積みで防具が入らなくなっても知らないぞ!」
「ね、寝る前に走りこむから大丈夫!…だと、思う」
「じゃあ俺もそれに乗ろう。俺もちょっと腹が…」
 ターナはダランディーガの腹をニヤニヤしながら叩く。ダランディーガもニヤニヤしながらターナの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「あ」
 夕焼け間近になり、一斉に街の木々が光り始める。
 2人は手を繋いだまま、足を止めてその瞬間を見た。
「…結構奇麗だったんだなぁ…、この時期の夜」
 ぽつりとダランディーガが呟くのを聞いて、ターナは小さくうなずいた。
「うん、あたしもそう思った。…メリースターライト、ダラン。ハッピーニューイヤー…も、つけるのかな?」
「どうだろうな。でも、来年もまたよろしく、だな」
「うん、よろしくね」
 ダランディーガはゆっくりとターナと繋いでいた手を離してターナを抱き寄せる。
 ターナはその大きな手に包まれながら、幸せそうな顔で笑っていた。
「来年も同じ気持ちで、この景色を見られるといいね。あたし、今、心の中までホカホカだ」
 ダランディーガはターナが幸せそうな顔で笑っているのを見て、自分も不思議と幸せに感じてしまう。
「だな。俺も…今までで1番、ホカホカだ」
 ダランディーガもまた自然と幸せそうに顔をほころばせ、ターナと2人で美しく光る木々をしばらくの間眺めていた。