前ネタ
イブと男のなれそめ編
ケルベロスxカレン

深夜の住宅街、そこの一軒家に怪しい人影が一つ。軽やかにジャンプしたと思えば屋根に着地した。
淫魔のリリアである。そして屋根からベランダへと飛び移る。もちろん物音一つしない。
最近は暑い日が続いている、この季節はよく窓をあけっぱなしにしている奴らが多いので入りやすい。
男の精を日々の糧としている淫魔にとってこの上ない季節といえる。さらに精を頂くついでに少しばかり
の財産も失敬できるので一石二鳥である。しかし、最近ではこのような事を行う淫魔は少ない。
その理由としては家にいるのが独身の男性ならばいいのだが大抵は家庭持ちだ、もちろん精を取るような事を
すればモロバレで騒ぎになるだろう。そのため、彼女達はそれらを気付かせない為に一種の結界をはり行為に及ぶ。
結界を張る事自体は別段難しい事ではないが面倒であるというのがあるのでわざわざ家屋に侵入する淫魔は少ない。
それにもう一つ単純な理由として人通りの多いところに行きそれなりの格好をすれば男が勝手に寄ってくるのだ。
結界も張る面倒もない、さらにはお金ももらえ一挙両得でもある。稀に騙しや集団レイプまがいの事をしでかす輩もいるが
そういう輩は逆にカモ、EDになるまで精を吸いつくしているという。
それに対し少数派である淫魔達はというと「私達は淫魔のプロである」という考えでわざわざ家屋に侵入する方を選んでいる。
確かに外で活動した方が楽だ、楽ではあるが相手をあまり選べないのだ。精の質自体にも良し悪しというのがあるせいもあるがやはり淫魔も女。脂ぎった親父よりは爽やかな若者、オークフェイスよりはイケメンがよいのである。
自発的に動き家屋進入する場合だと自分の好みで判別できるからわざわざ家屋進入などとやっているわけだ。
まぁ、中には入れ込みすぎてそのまま家庭を持ってしまったり。顔は良いのだが体が弱い(精の質が悪いという事)奴に同情しそのままなし崩しに押しかけ女房になってしまう者、精とかそういうことよりも経済の方に興味が沸いて資産家を狙い大金せしめ株でもうけたり企業を起したり裏で操ったりする者と純粋に精を取るという目的から外れてしまう者もいたりする。

しかし、この淫魔・リリアはというと完全なプロ意識、「男の精のみで生きていく」を持ち活動している。
リリアは淫魔では若い方である。母は魔界では名の知れた大淫魔であった、自身はそこの末っ娘として生まれた。
別に人間界にこずとも何不自由なく暮らせてはいた、事実姉達の中にはぐうたらと生活している者もいたし、別段彼女もそれでいいと思っていた。
が、しかし。事件が起きた。人間界で活動していた姉達の中でも一番慕っていた姉が人間に篭絡されたのだ。様子を見に行ったがなんの取り柄もない
人間だった。精の質も並、しかし姉は完全にその人間に惚れ込んだいた。何故かとリリアは彼女に問い詰めた。
返ってきた答えは「精の質とかそうじゃないものが人間は持っている」子を孕み膨らんだ腹を優しくさすりながら諭すように言われた。幸せそうな目をしていた。
この事は彼女に大きなショックを与えたが、それと同時に人間界への興味も沸いた。「果たして、姉の言う事は真実なのか」と。
そういうこともあって彼女は人間界で活動を始めた。とはいえ目的としてはあくまで上質な精の摂取であり男の存在はそれ以上でもそれ以下でもない。
ただ、己の意識を変えさせれる事ができる人間がいれば・・・姉の言う事は真実なのだと思う。
そして、今日もリリアは精を取る。ターゲットは男子高校生、体格も申し分なく精の質も中々良さそうだ。
手早く室内に侵入し、結界を張る。そして、ターゲットへと近づく。寝ている事を確認すると彼女は自身の服と彼の服を手早く脱がせた。
さらに彼の意識をさらに深い眠りに落とした。これらは全て魔法である。淫魔とは淫夢を見せるもの、行為は全て夢なのだと思わせて初めてプロの淫魔になる。
「中々立派な物だな」
男の肉棒を一瞥し、つぶやく。勃起はしていなくとも、中々に立派な大きさである。軽く手を添えしごいてみるとむくむくと大きくなるのが見てとれた。
やはり、大きかった。リリアの予想以上であった、リリアは「いただきます」と一言いうと、早速ぱくついた。
歯に当てぬようまずは一口咥え込む、そこから舌を使い頭を嘗め回し、軽く吸う。日ごろから手入れしているのか垢は少なかった。
この年齢の男子にありがちな精のかす…自慰を行った後の吹きこぼしもないことから、今日は自慰にふける事はしなかったようである。
好都合だった、今日は充分いただける。リリアはそう思いながら、男の肉棒の奉仕を続けた。しばらく舌で唾液をからませ潤滑油のようにした後はゆっくりと前後に動かす、モノが大きいだけに深くは咥え込めないがその分は舌も上手く動かしてカバーする。先っぽを舐め取り、少しきつく吸うと粘っこい液体が勢いよく飛び出してきた。
リリアはそれを喉をならし飲む、男がイッたのだ。精質もここ最近は味わっていない上物で濃さもそうとう濃く、かなり溜め込んでるのがわかった。リリアは一通り吸い出すと口を離すと、唾液の橋が月明かりに照らされ銀に輝いた。これは予想以上の獲物だとリリアは思った、溜め込んでいたとはいえ直ぐにイってしまったと言う事は経験は少ないだろう。
少なくとも淫魔との経験はない、初物を手に入れれたことは純粋に嬉しかった。次にリリアは男の腹に圧し掛かった、とうとう本番である。リリアは精の摂取をするのにSEXまで至った経験は少ない、そこまで行くには彼女が引いた合格ラインを通った者だけだ。質の悪いものを自分の体内に入れたくはないという彼女なりのプライドのせいだ。
今回のは十二分に合格ラインをK点越えしていた。今までのの男の精とは比べるべくもない者だったのだ。すでに彼女のあそこは濡れている、先ほどの摂取で体が高鳴っているのだ。
すぐさま片手で彼の剛直なものを掴み、もう片方の手で自らの膣を開き腰を落とす。咥えてみた時から予想を超えた大きさだった、彼女の体に受け入れるのにも一苦労した。
腹から息を吐き出しながらようやく頭をすっぽり咥え込むとリリアは意を決して深く腰を落とした。
「くはああああ」
脳まで電気が走ったような感じがした。軽くイってしまったのだ、SEXをするのは久しぶりとはいえ目の前の上物の獲物を前にしてはしゃぎすぎたのか?彼女は少し一息ついた。
(淫魔は相手を虜にする物、虜になってはいけない)
ふと幸せそうな笑みを浮かべていた姉の姿が思い浮かんだが、リリアは首を振り姉の姿を追い出した。
今はこの食事を楽しもう、そう決意しリリアは腰を動かし始めた。


「ん、あぁあああ」
リリアの嬌声があがる、2発目の射精はあっけなかった。腰をうねり何度か振っていたらあっさりと放出した。上の口で味わうより下の口で味わったほうが美味であった。男の方は二度もあっさりと出しているくせに直ぐに固くなっていった。リリアもまだ足りないという感じであと2、3は搾り取ろうと考えていた。
しかし、これが誤算であった。この男の精は媚薬の様にリリアの体を駆け巡っていたのだ、3発目を促すため腰だけでなく中にも力を入れたがさすがに2発もだしているのか少ししぶとくなってきた、変わりに自身の体が感じやすくなってきていた。
これが熟練された淫魔ならば歯止めをきかせ、流されないようにして3発目で終わりにしていたかもしれなかったが、いかんせんリリアは若く、経験も少ない為歯止めが効かなかった。
小さな絶頂にも気付かずひたすら貪り、男の3発目の射精と同時に大きくイってしまった。己の子宮を満たす精液の熱い流れを感じながら、男の体に覆いかぶさるようにしてハァハァと息をし休んでいた。淫魔でもイクことはある、ただそれが相手によりイカされたのか自発的にイッたのかで大きく意味合いが違ってくる。今回のは6:4の割合で前者側なのだがこの若い淫魔はそれに気が付いていない。
「ふふふ、今夜はいい日ね。こんな上玉めったにいないわ」
深い眠りにつくまだ大人の一歩手前の男の顔を優しく撫でると、また腰を動かし始めた。今日はこれで最後にしようと今回は食事の為ではなく自分が楽しくなる為のSEXをしようと考えていた。
抱きつきながらゆっくりと腰を打ち付ける、既に2度中に放たれている精液が子宮を圧し、また逆流し溢れては下へと流れ落ちる。男の剛直が子宮をノックするたび頭がチリチリとする。
一旦腰を深く落とし肉棒を全部咥え込むとぐるりと腰を回す。中が掻き回される感じについ腹から息を吐き出す。そして上体を起こしそのまま跳ねるように腰を上下に動かす。
「はっはっはっ、はぁ」
夢中という感じでひたすら腰を振る、ぷちゅぷちゅと逆流して流れててきた精液と彼女自身の愛液が爆ぜる音がする。一つ打ち付ける度、リリアの絶頂への階段を昇り続ける。
しだいに動かす感覚も大きくなる、リリアは声無き嬌声を上げるが今になって少し焦りが見え始めた。男がイク気配がないのだ。枯れるまでは搾り取ってはいない、あと2、3回はいけるまで弾数はあるはずだ。
「はぁ、うぅん。ん」
動いているのは自分だけ、この状態で自分だけがイってしまったらたんなる自慰ではないかという思いが彼女を覆い、何とか絶頂への一歩を踏みとどまらせる。が、その時。
ふっと腰の力が一瞬抜けた。結合が解くか解かれないかの位置から一気に下に落ちる。勢い付いた男の肉棒が彼女の子宮を激しく突いた。リリアの中で今まで感じたことない絶頂感が走る。
「ふぁぁぁぁぁぁ」
今まで上げたことない嬌声を出し、リリアは達した。
(目の前の上物にはしゃぎすぎてしまったんだわ)
力無く大粒の汗を垂らし男の体の上に倒れ、考える。相手をイカせれない上自分だけイってしまった。リリアは自分のふがいなさに涙を浮かべた、そしてなんとか腕で体を支えながらまた腰を振り始めた。
(絶対、イカせてやるんだから)
悲壮な決意とともに腰を振る、イッた後に動くのだ。当然動きも鈍いし感度も高い。しかしである、ここで攻撃の手を休めていては相手には勝てないとも思ったのだ。額からは汗、目じりからは涙、口からは涎を垂らし、意識を遠のくのを必死に堪え腰を動かす。だらしなく喘ぎ声を出しながらも腰を振り続けた。次第に男もイキかけてきているのが感じ取れた。もう少し、もう少しと何度も小さい絶頂に襲われ、もう一度あの大きい絶頂を味わいたいという欲求をなんとか押さえ込み腰を振った。そして、最後の一撃とばかりに一番上まで腰を持ち上げ一気に落とした。
「!!〜〜〜〜〜〜〜」
今度は声も上げれなかった、勢い付いた肉棒に子宮をこじ開け熱い精液を大量に流し込まれた。まるで強制的に妊娠させるかのように。そんな感触とともにリリアは絶頂の波に飲まれた。
(お、終わった……)
ぐったりとリリアは燃え尽きてしまった。幸いなんとか意識は保ち帰る事だけはできるようであった。とはいえ初めての負け戦であり損害も激しい、しばらくは療養が必要だと思った。
サッサと帰ろうと思い、なんとか腰を上げ結合を解こうとした。その時である。ガシリと腰をつかまれ、再度無理やり肉棒をねじ込まれた。
「かはっぁ!」
リリアには一瞬何が起きたかわからなかった、ただ脳にもう一度電気が走ったのだけは感じ取れた。薄れ行く意識の中男の方をちらりと見やると男は確かに目を閉じていた………。

この日、阿田無家長男・シュウは怪しい夢を見ていた。素っ裸の美少女が騎上位の体勢で自ら腰を振り自分とSEXしている夢である。間違いなく淫夢の類である。
今週は試験週間だった、普段は家でこつこつやっていたのだが今回の試験では姉と身近で世話してくれていた使い魔兼兄貴分のケルベロスとの結婚。
未だに新婚気分の母親と父親が起した母親の想像妊娠騒動などで色々忙しく勉強が手に付かなかった為、ここ最近は習慣となっている自慰も我慢して夜遅くまで勉強していた。それが今日ようやく終わった。
(今日はそのまま寝ちゃったから、溜まってるからなぁ)
不思議と意識は覚醒状態で膣が息子を締め付ける感触、暖かい中の感触と快感もはっきりとわかる。ただ自分から腰を動かせないのがネックではあるが、稀に見る良質の淫夢だなと思った。
懸命に腰を振っている美少女は背中までかかる黒い長髪にほどよい大きさで形の良い胸。そしてすらりとした体型、かすかに浮き出るアバラがなんともいえない。顔も和風の綺麗な感じ。
彼のストライクゾーンど真ん中であった。そんな女性が必死に自分の体を貪っているのである、中に出す事になんの躊躇いがあるのであろうか。すでに二度、中に放っている。しかし、自分の息子はいまだにやる気満々である。これで腰が動かせたらなぁ、と切に願うのであるが夢は割と融通が利かない。そう考えてたら彼女が倒れこんできた、イッたらしい。ハァハァと小さく息をしているのがわかり、すすり泣く声も聞こえる。不意に彼は彼女を抱きしめたくなった、しかし、両手はやはり動かない。それはとても残念な事だった。少し間を置くと彼女は再び動き始めた、動きに勢いが感じられなずこれでは出るのも出ないなと感じたが、泣きながら涎を垂らし必死に腰を振り続ける彼女の様を見て彼の心は動いた。非常にいやらしくそれと同時に愛おしかった。彼女を抱きしめてやりたい。代わりに動いて彼女の中に自らの欲望を吐き出したいと思った。そう考えているとじょじょに射精感が高まっていった。そして彼女が一際大きく動いた時一気に放出した。自分でもかなりの量がでているなと感じるほどだった。どさりと彼女が再び倒れこんできた。
シュウはやはり抱きしめたいと思い、再び両腕に力を込めてみた。少し動いた。これはイケルと感じ、じょじょに力を込めて腕を上に持ち上げていく。やっとこの腕の中で抱ける。と思った矢先。
彼女がまた動き始めた。どうやら息子を抜くようだった。せっかく抱きしめることができると思ったのに惜しいと感じたので背中ではなく腰に手を添え再び息子をねじ込んでやった。すると、腹から一気に空気を吐き出したような声をあげて、また倒れこんできた。気を失ったのか動かなくなった。シュウは手を腰から背中に回して彼女を抱きしめた。ほのかにいい匂いがし、そのまま意識を闇に委ねた。
(夢の中で寝るなんてなー)

チュンチュンとすずめの鳴く声が聞こえてくる、朝日の光も差しこんで来た。シュウはそのままウーンと起きた。昨日は実にいい夢を見たと思っていたら、ふと違和感に気付いた。
まるで人型が自分に抱きついているような感触と朝立ちを迎えた息子を締め付ける気持ちのいい感触。まさかと思って目を開けてみるとそこには昨夜の淫夢に出てきた美女が!
シュウは一瞬目を疑った、疑ったのだが。次の瞬間。
「よし、まだ夢は続いているんだ、体も自由に動かせる。よーし。」
と、一旦美女から己を引き抜き、横たわらせた。抜いた時大量の精液が出てきたが、すぐさま正上位の形になると再び付き入れ蓋をした。この体勢だと相手の様子がよく見える。
ましてや朝、はっきりくっきりと見えた。まだ寝ているのか目を閉じている女を見ていると本当に綺麗だと思う。体もほっそりとしているが付いているところにはついていて無駄がなかった。
ぐいっと腰を動かしてみる。吸い付きつつも締め付けてくるこの感触。自慰では味わえない感触だった。
(ああ、こんな人とマジでお付き合いできたらなぁ)
彼は今が夢なのだと嘆いたが、逆に夢だからこそ好き勝手にできるとも思った。思えばいくら家が防音はしっかりしているとはいえ稀に母や姉の甘い声が聞こえてくる時がある。さすがに肉親にはそういう欲は沸かない
のだが、彼とて思春期の若い青年である。悶々とした日々を過ごしているのも仕方が無かった。それに追い討ちをかけるように母と父、姉とケル、両者から出される桃色のラブラブ空気がそれに拍車をかけでいた。
そのくせ、学校では今一歩届かない。「友達としてだったら」が彼のNGワードであり、その都度泣きを見てきた。そんな彼の解消法は自慰くらいしかなかったのである。それが今はこのような状況。
自慰より気持ちよく満足感があるなら淫夢も万々歳、ばっちこい夢精であった。さて、ただ腰を動かしているのも芸がないなと思った彼はピタリと動くのを止めると。そのまま彼女の足と腰を持ち上げ後に押し付けた。
ぱっくりと自身の息子を咥え込む女性器がはっきりと見える。今にも息子を吐き出しそうな位に見えた。そしてシュウはその体勢からゆっくりと味わうように動かす。絡み付いてくる膣壁の感触がなんともいえなかった。
「うーっん、ひゃぅ!」
女が起きたようだった、目覚めかけたところでズンとはげしく突いてやると一際高い声で鳴いた。そして、そのままのリズムで激しくしてやると「んっんっん」と気持ちよさそうな声をあげる。そして可愛らしい唇にキスをするとびっくりしたようだ。
「んぅ、な、なんで、あはぁ。やめてぇ」
今度は舌を入れたディープキスをしてみる、しばし抵抗が見られたが。がっちりと覆いかぶさって腰を動かしているとしだいに解け受け入れてくる。レロレロとお互いの舌を絡ませ唾液を飲ませて口を離すと唾液の橋が綺麗にできた。
「やぁ、ん、ん、ん」
そして、そのまま彼女を抱きしめるようにして激しく動く。喘ぎ声を出しながら「やめて」と力無くいいながらぽろぽろと涙をながす彼女を見ていると、何かが目覚めていく感じがした。これは夢なのだから自分の気持ちに素直になろうと思ったシュウはかまわず力の限り腰を振り続けた。
「やぁ、やなの、だめなの。もうイキたくないの、中はやだぁ」
「ぉっぉっぉっ、イクぞ!」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
彼女から悲鳴が一つ上がるたびに彼は興奮していった。そしてそのボルテージが振り切れたその時!
「うっさいわよ、シュウ。朝っぱらから何してんの!!」
シュウの姉、カレンは勢いよく弟のドアを開けるとそこには「中・・・中嫌って言ったのに、出てるの…、う、う、」と鳴きながら呟く美少女とその美少女に圧し掛かっている弟の姿があった。
「(゚д゚ )・・・お母さーーーーん、お母さーーーーーん」
日曜日の早朝、阿田無家で家族会議が行われた。

所変わって阿田無家ロビー、ソファの上にはようやく泣き終えた謎の美少女とそれを慰めるカレン(後始末はきちんと終えている)。腕を組み厳しい顔でなにかを考えている母・イブ。
そして食卓で朝刊を見ながら株の話に華を咲かせる父・一郎と下僕・ケルベロス。そして江戸時代の拷問を思わせる床に土下座させられている弟・シュウ、父と下僕以外は重い空気に包まれている。
「・・・それはそうとこの娘は誰なのかしら」
厳しい口調でカレンがシュウを問い詰める、美少女もビクリと体を震わせる。
「し、知らないよ。気付いたら上に乗っていたんだ」
「だからといって襲っていいというのも無いと思うわ」
襲われたのはこっちが先だいと言い返そうとしたが姉の刺す視線が痛いので止めた。すると母がふぅと息をつき重い口を開いた。
「貴女、淫魔でなくって?」
「はぃ・・・」
リリアは答えた、そして続けざま自分が淫魔であってこの家に押し入った理由も話した。
「まさか、イブ様のご家族とは思いも・・・」
元々、リリアの親はイブの僕である。つまりリリアは自分の親の主の息子に手をだした不届き者ということになる。
「罰というなら私が受けます。家族は関係ありません。」
「別に、シュウを襲ったのは責めてないわ。貴女がここに入ってきたのは気付いていたし。にしても………我が息子ながら呆れたものね」
気付いてるなら止めろよ、とシュウは思った。
「まぁ、淫魔程度にやられるのなら私の息子としては恥なのよ。今回見逃したのもシュウを試したようなものなんだけども、さすがにやりすぎね。
 いい、淫魔に精の摂取を拒否されるまでヤリぬくというのはその淫魔を殺すことと同意義。あなたその若さで一人の淫魔を腹上死させるところだったのよ。」
と母は続ける。
「それに……、どうやら彼女はあなたの精に酔ってこうなってしまったみたいということは。今後、シュウの精以外は受け付けなくなるだろうね」
「それってどういうことだよ」
「淫魔は精を日々の糧とする、精を喰らえないという事は餓死してしまうわね」
「そんな……」
はっとシュウは息を呑んだ、リリアの方に目をやる。リリアはびくっとして目を背けた。
(正直、超好みなんだよなぁ。そんな娘が死ぬ?半ば因果応報とはいえ俺が殺すみたいな感じだし)
シュウは必死に考えた。
「どうすればいいんだい」
「答えは一つ、奴隷にするしかないわ」
下僕ではなく奴隷。イブの場合自らの力で魔界の者を従えて来た、そこには忠誠があり下僕になったものは無償で主人に仕える事も厭わない。だが、奴隷は違う。そこには忠誠心もあるかもしれないがあるのは与えるものと与えられるものの関係である。しかも、上の者は簡単に奴隷を切り捨てる事もできる。かなり冷たい身分だ。
「奴隷……」
言葉を噛み締め、再びリリアに目をやる。しばらく、考えると意を決したように言った。
「わかった、この子を奴隷にする」
はっきりと宣言した。

その夜、ささやかながらリリアの歓迎会が行われた。阿田無家としては夜這いをかけた淫魔よりもレイプまがいに女を扱った長男の方が問題らしかった。そして夜もふけ、皆が寝静まるころ。
リリアは主人となったシュウの隣にいた。イブ曰く奴隷とするんだからは自分が面倒みろとの事である。シュウは初め朝の事もあるし同じベッドで寝るのは断り、自分は床で寝るといったが
リリアは聞かなかった、結局狭いベッドに二人で寝る事にした。
「朝はすまなかった」
シュウが謝ってきた。
「夢だと思い込んでいた手前、乱暴に扱ってごめん。」
「……」
リリアは答えなかった。しばらく無言が続く。
「ねぇ、ご主人様」
「ん?」
「体、もっとくっつけていい?」
「ああ」
リリアはシュウに身を寄せ、軽く抱きついた。こうなってしまったことは仕方が無い。自分は負け、この男の物になってしまったのだ。しかし、内心では少しひっかかる所が合った。
気を失い、彼に抱きしめられている感触は心地よかったのではないか?実はこの時彼は父の背中に抱かれている夢を見た。いままで見たことが無く、ひどく落ち着ける夢だった。
リリアが抱きつくとシュウも戸惑いガチに抱きしめた。
(心地いいかもしれない)
シュウの腕の中に抱かれていると、姉の姿を思い出した。
(男に身を預けてみる、それもいいかもしれない)
と、リリアは思い始めていた。


主従の絆か、それとも・・・