前ネタ
イブと男のなれそめ編
ケルベロスxカレン
淫魔の迂闊

「あ、これ美味いな」
「それ、私が作ったんですよ。わりと料理は好きなもので」
晩飯時、和やかに食卓を囲む阿田無家。あれから一週間が立った、リリア自体こちらで生活している期間が割と長かった為イブが始めてこの家に来た時のような混乱はなかった。活動拠点がビジネスホテルの一室だったため私物は衣服類以外はなく、家には人が一人増えたくらいの変化しか訪れなかった。難点であったのは衣服は下着は充実しているものの上着の類が少なかった事だ、というかチャイナ、メイド服を筆頭にコスプレものしかなかった。こちらに不法侵入してきた際の衣服もよく見るとスクール水着だった。リリア曰く街で売春活動している仲間からの支給品だそうだ。スク水着用に関しては「これってボンテージじゃないんですか?」とのコメント。なお水着という事がわかっても「なるほど道理で生地が薄いわけだ」とさほど恥じていない様子。これも淫魔ならではの感覚だろう。さすがにコスプレ衣装だけだと外に出歩く時に支障をきたすのでリリアの服を見繕ってやったのだが(姉が同伴であるが)資金面に手痛い打撃を受けた。てっきり親がだしてくれるのかと思ったが、
「奴隷の面倒くらい自分でみなさい」と母からの一言。後に秘密で父が一部(というか半分ほど)資金提供してくれたのだが一介の高校生のおこづかいではきつかった。まぁ、バイトもしてみたい頃合だったから理由付けが出来たと思うことで無理やり自分を納得させた。
さて、話は戻るが現在は夕餉の真っ最中。リリアとシュウは付き合い立てのカップルのような初々しい会話をしているがどこぎこちない。その理由は家族にあった、初めはわいわいと食べていたのだが母が父の頬についた米粒を口で舐め取ってから一変いちゃつきながら食い始めたのだ。それに伴い姉達もべたべたしながら食べている。阿田無家では日常茶飯事というかそれが日常であるから別段シュウにとっては慣れごとなのだがリリアは違った。
(そろそろ慣れろよ)
(いやぁ〜、でもでも)
男=餌という認識しかしていなかった彼女にとってこのような状況はカルチャーショックである。最近ではシュウも己の環境を理解してかこの甘ったるい雰囲気にやられている。
食事場面以外でもこのようなストロベリー空間は発生する。傾向としては両親はおおっぴらに膝に座らせて抱っこ、一緒に風呂に入る等してこの空間の発生源になっている。
姉カップルは両親がいる手前おとなしくしているが基本的にはべったり、犬化しているケルに顔をうずめる、首を抱いて抱き枕にする等である。
両親の甘甘っぷりは別に今に変わったことでもないが、姉側が新しく参戦してきた事でシュウは参ってきているので兄と慕う犬へとアイコンタクトをこころみると
(お前も素直になってこっちこいよ。アハハハハ)
といった返答が返ってきた、すっかりと駄犬と化している。


バタン、と勢いよく戸を閉める。最近気付いた事だが自分の部屋にこもるか外に出る…なるべく家族との交流を避けるようにするとある程度は防げる事に気付いた。
よって飯を食った後はリリア共々自室に篭る事が多くなった。ちなみにリリアに自室は与えられていない。
「・・・・」
「・・・・」
しばらく、お互い無言が続く。が、少し立つと決まってどちらともなく擦り寄ってくっつきはじめる。普段からあの空気に当てられている為、自然と移ってしまったようだ。
シュウはリリアの腰に手をやると軽く力を入れこちらに手繰り寄せる、リリアも身を任せ胸元に飛び込む。その後は軽くお互いの唇を押し当てゆっくりと二人になった余韻を味わう。
一週間という短い期間ながらここまでできるようになったのはやはり「主と奴隷」という特殊な関係がそうさせたのか。元々弱肉強食の魔界では力あるものが弱いものを制する、
そういう事もあってリリア自身主従の関係を結ぶのにはなんら抵抗もなかったし、シュウに至っては一球で三振一つ取るくらい好みな子が不平不満もなく隣にいてくれるのだからかもしれない。
「ぷはぁ」と深くキスをしてから口を離す、顔が火照っているのがよくわかった。
「シュウさん……」
最初、ご主人様・マスターと呼んでいたが少し嫌な顔をされた。何故かと聞くと「柄ではない」と恥ずかしそうに答えをいった。この家では上司にあたるとも言えるケルベロスの助言で一度「お兄様」と呼んでみたら主はしばらく悶えた後部屋を出て行った。翌日、上司は罠で捕らえられた猪のごとく吊るされていた。
「君とはもっと対等な関係になりたい」
改めてそのように言われた。不思議な人だ、と思う。他の淫魔達や自分が見てきた人間の傾向からいうとこうした主従関系ははっきりとすると感じた。多くの男達が女を屈服(まぁそういう風に仕向けているワケだが)することに満足感と喜びを覚える。対等な関係でいたいというのは皆無であった。すでに人妻となった身重の姉の姿を思い浮かべる。
姉の目は屈服され虜にされた者の目ではないように思えた、もっと優しく穏やかな何かだ。そういえば父を見つめる母の顔に似ていたなと思った。
「ん…」
シュウの無骨な指がゆっくりと己の胎内に埋まって行く、硬直した体が彼の指が入ってくるたび弛緩していく。ストン、膝まで脱ぎかけだったショーツが足元まで落ちてくる。
プチプチとブラウスのボタンが外され、フロントロックのブラが開かれる。形と弾力に良い乳が脱ぎかけの衣服から顔を覗かせる。空いていたシュウの右手は胸に添えられた、やわやわと優しく揉まれ、時折指の先で乳首を押しつぶされる。あそこはぬちぬちとゆっくりと抜いたり差したり、掻きまわされたりしていた。
「ん、あ、あぅん」
小さな、甘い吐息を吐き出す。可愛らしい乳首がきゅっと軽くつねられると全身を小さく震わせ軽く達する。そうなるとシュウは決まって自分を膝に乗せ抱き込むかのように抱きしめてくれた。
この家の甘い空気に当てられた彼女は決まってシュウと部屋で二人っきりになるとこうしていちゃついていた。最初は自分で当てられ火照った体を慰めていたのだが、いかんせん自慰にふけっていたのはシュウの部屋である、速攻でバレた。イク寸前にバレた事で逃げ出そうとしてシュウを引きとめシュウの手でイカしてくれるようせがんだ。シュウの愛撫は一つ一つが優しかった。お互いの肉欲をぶつけ合う愛撫や性交しか知らなかったリリアにとっては未知の快感であったためかすぐに絶頂に達した。以来こうして二人っきりになるとこうして軽い性行為を楽しむようになっていた。

(やっぱり可愛いよなぁ)
軽くイキ、頬を紅潮させるリリアを見てシュウは思う、いきなり自室で自分を慰めていた時はさすがにびっくりした。結局彼女の懇願に負け、彼女を慰めてしまったのだけれど。
(あれは反則だったわ)
目じりに涙をため、溢れる愛液を垂らして「見捨てないで下さい……」と泣きながらせがまれて断れる男子はいるか!いやいまい!考えてみれば強姦チックに犯されたものの彼女の体を満足に触れていない事に気付いたので一つ一つ確かめるように触れた。すらりとしてさわり心地の良い肌に弾力性に富んで形のくずれない胸、体から立ち上るほのかに甘い匂いに熟れに熟れたメロンの果肉のような舌、そして快感に身を委ねるいやらしさを伴った可愛い顔。そして絶頂に達したときの表情と抱きしめた時の抱き心地のよさ。色事に溺れる男達の気持ちが理解できた。そして、しばらくリリアに接しているうち彼女の中にある感情を知りたいと思うようになっていた。初めはプライドが高く高慢な女ともおもっていたのだが思いのほか従順で素直な娘であることがわかった。しかしだからといって手を叩いて喜ぶ様な事はしなかった。なぜなら自分は主で彼女は奴隷、主従感情でそうしているだけかもしれなかった。それは彼の中で残念だと思った。出会いこそああだったが今後、肌を重ねていく相手である。なるべく、こっちだけの一方通行ではなく、お互い気持ちよくなれる関係でいたかった。だから、この一週間激しく欲のまま彼女を抱く事を我慢し優しく扱うようにした。すると色々とわかってきた。やはり淫魔なのか感じやすく軽く弄ぶだけでイってしまう事、彼女を覆うように抱きしめたり頭を撫でると安らかな顔で悦んでくれる事等だ。それらをみてくるとすっかり愛着が沸いてくる、主従の関係とかそんなのを抜きに大事にしてやりたいと思うようになっていた。
「リリア、いいかい?」
シュウの言葉にリリアがビクンと反応する。
「……今日は、中にくれませんか?」
「もういいのかい?」
リリアを犯しぬいた初日、リリアにとってSEXは軽いトラウマとなり、この一週間本番はおろかフェラ一つとさえしていない。それはリリアが大方悪いのだが、シュウはそれについてひどい罪悪感に苛まれた。
「単に精の過剰摂取が問題だったかもしれないし」とリリアはかばってくれたがそれでもシュウは自分を責めた。とはいっても勃つモノは勃ってしまう、結局妥協案としてシュウのモノに慣れる兼ね合いも含め素股でヌク事にしていたのだが、今日になりそろそろ頃合だとリリアからのお誘いがあった。
「じゃあ、腰の力抜いて。脚、広げるよ。」
正上位の体勢から腰を軽く持ち上げ、モノを片手で支えて狙いを定める。秘肉の入り口から少しずつ侵入を始める。
「うひぃ」
リリアの体が少しこわばる、今こうしてみるとリリアの膣は自分のモノを受け入れるのには少しサイズが小さい、あの夜この中に無理やり突っ込んで滅茶苦茶に掻き回したのだ。シュウは今にも無理矢理したくなる自分を諫めて、ゆっくりと侵入していく。
「うぅうううう」
リリアの腹から絞る声が聞こえてくる。彼女の顔からは汗が吹き出てきているが痛みを抑えているような顔ではなかった。
(きつい、そして熱い)
襞が先に絡みつき押し出してくる、ペッティングの時のヌルヌルと吸い付いてくる感じとはまた違った感じで比べ物にならなかった。ようやく3分の1ほど進んだ時
「シュウさ、ん。一気に、きてくださ、い」
リリアが微笑みながら、シュウに言った。シュウは軽くリリアの唇を奪うと「行くよ」と声をかけ一気に貫いた。
「は、ぁああぁぁぁう」
「うっ」
リリアは甘い声で喘いだ、頭がカチリと一瞬白くなったと思うと今度は腹の奥から熱い液体が注ぎ込まれてくる感触に襲われる。
シュウも勢いよく突いたはいいが奥まで到達すると今まで押し出してきていた襞が急に態度を変え吸い付いてきたのだ。我慢する隙もなく気がつけばリリアの中に己の子種を放出していた。

「あ、あぁぁ…奥にピュ、ピュって満たされる…、シュウさんの子種が…、シュウさんのモノで満杯なのに…」
うっとりとした声でリリアが小さく呟く、脚がシュウの腰に絡み、両手は背中を強く抱きしめる。
「すごいよ、リリアの中。締め付けてきたのが、吸い付いて。思わず出しちゃった」
「あん、あ、動かないで、掻き、回さないでぇ…、シュウさん、シュウさん……」
シュウがゆっくりと腰を動かすとリリアはシュウの唇を求めた。
「ん、ぷはぁ。あったかいのぉ…。離れたくないのぉ…」
「ん、動かなくてもざわざわしてるよ。まだ物足りなさそうにしてよ」
「欲しいのずっと欲しかったのぉ、シュウさんのが、シュウさんのじゃなきゃダメ……」
「リリアは欲しがり屋さんだね、あの時はいらないっていったのに」
「だって、怖かった。流されて、自分じゃなくなるんじゃないかって、壊れるんじゃないかって」
「リリア、壊れても。ずっと一緒にいるよ、リリア、ずっとそばにいてくれ」
「ひゃぅ、やだ。離れちゃいやぁ」
「大丈夫、離れないよ」
「中に……中に下さい。満たして下さい…。」
「わかった、出すよ」
「はい、んっ」
二度目の熱い奔流がリリアの中を満たした、リリアはたっぷりと中に注ぎ込まれている幸福感と満足感を感じながら気を失った。
リリアが気がついた頃にはすでにモノは抜かれシュウの腕の中で抱かれていた。シュウの猛々しい剛直膣内を満たし腹を押しのける感じが感じれないのは残念だ、
と思ったが胎内に残っている、残留物を感じ取るとほっと安心した。そんな安心感は今までに思ったこともなかった事だった。
「起きた?」
さらさらと手櫛でリリアの髪を撫でるシュウ、すっかりとシュウの胸板はリリアを落ち着かせる場所になっていた。
「奥にまだ残っている感じがします。」
落ち着いた声でそう言った。
「今日は中でやっちゃったけど、このままだと子供できちゃうかもしれないね。コンドーム着けた方がいいよね。やっぱり」
子供という単語を聞くとカッとリリアの頭が熱くなった、魔界から出てきて一定期間が過ぎている。後は体がシュウの精に慣れでもすれば、子供を孕む確立はうんと高まる。現に今だって子を孕む可能性はあるのだ。
「妊娠、できちゃったら。私どうなるんでしょうか」
ギュっと強くシュウの腕を握りしめる。とそれに答えるかのようにシュウもリリアを抱く力を少し強めた。
「産んでもらうよ、やっぱり。そして二人で育てよう。そばにいるっていったからさ、捨てるような真似はしない。」
「………」
キュウッと子宮が熱くなった。
「なぁ、明日。外に出掛けないか。二人きりでさ。デートしよう。デート。」
「はい」と笑顔で返事をすると、どちらともなくキスをして。抱き合いながら眠りついた。
(この人との赤ちゃん、欲しいな……)そう思いながら、リリアの意識は闇に溶けていった。


淫魔の嫉妬