シフォンxアルサイス

「暇だ・・・・・」
俺はジュノの教会前に座り込んだまま、何度目かの同じボヤキをこぼした。
まったくPTの誘いが来ない。
いつものコトなんだけども、いい加減うんざりする。
LSの仲間たちは既にレベル上げに出かけていて、ジュノで待ちぼうけしているのは俺一人だ。
俺もレベル上げにいきたいところだけど、タルタルの侍ってのはよっぽど人気がないらしい。
白魔道士をやっている時はすぐにお呼びがかかるのに、侍に鞍替えしてからこっち、誘われることというのは稀だ。
だから今までは自分でパーティのリーダーを務めて、メンバーを集め、狩場を提案して、、、。
まぁ、いろいろ頑張ってたわけだけども、最近はどうにも気力が沸かなくて、誘われるのをただただ待つ日々が続いていた。
おれは長いこと座りつづけたせいでしびれ始めた尻をさすりながら、少し前の出来事を思い返していた。
後輩冒険者のレミールに頼まれてゲルスバへドラゴン退治に行った時のことだ。
最近はそのことばかり考えているように思う。
そして思い出してはため息をつく。
あれ以来、レミールから連絡はない。
俺からも連絡しづらい。
あんな失態をおかしては、とてもじゃないが顔向けできない。
向こうから話し掛けてくれればいいんだけど、多分彼女は怒っている。
数少ない友人を傷つけてしまったことに、おれは酷くショックを受けていた。

「暇そうだな」

頭のうえから話し掛けられる。
まったく気が付かなかったが、すぐソバにはエルヴァーンの女性が立っていた。
太陽と逆光になっているために顔が良く見えないが、それはできれば再会したくない人物の声だった。
シフォン。エルヴァーンの女騎士だ。

「何のようだよ。」

おれは不機嫌に答えた。
出きれば関わりたくない。
今のレミールとの関係のきっかけを作った人物の一人であるこの女性は痴女であり、俺の弱みを握っている人物だからだ。

「挨拶もなしか?知らない仲でもあるまいし。」

こんなになれなれしい女だっただろうか。
いや、一度は肌を重ねた仲だし、ひょっとしたら俺の弱みを握っているのが彼女に優位を持たせているのかも。
とにかくいやな予感がびんびんするので、この場を逃げようと思った。

「暇は暇だけど、あんたに付き合ってられるほど暇ではない。」

ひょこっと立ちあがって尻をはらうと、すたすたとモグハウスに向かう。
はしっては逃げるみたいでイヤだが、歩くとあまりにも遅いので自分の足の短さがイヤになる。

「待て。話があるんだ。」

「俺にはない。」

「いいのか?そんな態度で。」

びくっ

おれは足を止めて彼女の方に振り返った。
シフォンは意地悪い笑みを俺に向けていた。
蛇ににらまれた蛙って言うのかな。おれは冷や汗が噴出すのを感じながらも、彼女に従うしかなかった。

俺とシフォンは教会からさして離れていない倉庫街の一角に人目を幅来るように入り込んだ。
回りには人影はまばらだが、どうやらカップルが多いらしく、二人組みのささやき合う声が聞こえてくるようだった。
俺はブロックの段差に腰を下ろし、シフォンは俺に密着するよう隣に座った。

周りのカップルがするようにおれの腰に手を回して、もう片方の手はおれの足に乗せている。
おれは全身汗だくだった。
またいじめられるかもしれないと思っただけで、ちんぽこがちじみあがる。

「そう硬くなるな。別にとって食おうって訳ではないんだから。」

シフォンはそう言っているが、ゼンゼン信用できない。
実際に一度食われている俺としては、彼女が頭の隅でそういう行動も考えているとわかっただけでも恐怖の対象だ。
そんな俺の心情を判っているか知らないが、シフォンは俺の耳元でささやくようにきいてきた。

「おまえ、レミールのことが気になっているだろ?」

だから耳は弱いんだってば。ささやきかけだけで体がビクビクっとゆれてしまった。

「レミールがどうかしたの?」

「つよがるな。見てればわかるんだよ。」

見透かされているらしい。
顔に出ているんだろうか。
おれはシフォンから目をそらした。
そうだ、おれはレミールのことが気になっている。
彼女に嫌われてしまったショックもあるが、あの時の彼女の行動に対する不可解さも
のどの奥に刺さった魚の骨のように引っかかったままになっている。

「ふふ、やっぱりそうか。」

俺の表情を見てシフォンが笑う。
しまった!誘導尋問だったらしい。俺は見事にひっかかってしまった。
驚いてシフォンを見た。シフォンは更に確信を持った笑みをかえしてきた。

「ば、ばっか・・。そんあこと」

否定しようとしてドモってしまった。もう、フォローできない・・・。

「まぁそれはいいんだ。今日はレミールのこと少しわかってもらおうと思ってな。」

シフォンの言っている意味が良くわからない。
レミールのことを知るって言うのはどういうことだろうか。
たしかにおれがレミールのことをすべて知っているかというとそんなことはないが、かといってわかってないって言うのか?

「ふふふ。戸惑ってるようだな。いいからついて来い。いいものを見せてやるから。」

どうせ始めから拒否権なんてない。
おれはシフォンに付き従って倉庫街を後にした。行き先はレンタルハウスのある居住区らしい。

三国協定から中立の立場を取っているジュノは小規模な親衛隊以外の兵力は持っていない。
そのため三国とのパワーバランスを保つために、国に関わらず冒険者を広く受け入れている。

交通の中心地となる立地条件から、膨大な数の冒険者がこのジュノに滞在することになるが、
その冒険者たちの住処として用意されているのがレンタルハウスだ。
ジュノの中心部に作られたその区画は、エレベータまでも完備した巨大な塔のような作りをしている。

俺とシフォンは長い廊下を進んで行き、ある一室の前にたどり着いた。
そこはシフォンが使っている部屋で、なかの様子は俺の部屋にあるのと全く同じ調度品が置かれているが、
そこらに散らかしてある装備品や道具の類は俺のものと全く違っていて、ここが女性の部屋なんだなと感じた。

のこのこついてきて、かなり間抜けだな。ここでいじめられるかもしれないのに。
レンタルハウスのなかまで来てしまったら、どんなに大声を出してもそうそう助けは来ないだろう。
都会の孤島とはこのことだ。

そんなこと考えていると、シフォンが部屋の片隅におかれたベッドの上で俺を手招きする。
やはりそういうことなのか?
やっぱり俺を誘って、イヤらしいことをするつもりだったのか?
おれがしりごみしていると、シフォンは「勘違いするな」と言ってベッドの壁に向かった。
シフォンのいるところの壁にはレリーフがかけてあるが、それをめくった壁にはなにかで削ったような亀裂が入っている。
両手斧でも降りまわした後のようなその亀裂をレリーフで隠してあったのだろう。
それをやったのが誰か知らないが、酷いことをするもんだ。借りている部屋で大暴れとは・・・。
おれはシフォンのほうを見ると、彼女はフルフルと首を横にふった。

「わたしが壊したんじゃないからな。ここに入った時にはこうなっていたんだ。」

まぁ、信じるとしよう。レンタルハウスという性格上、住人は入れ替わりたち替りするわけで前の住人か、その前の住人かがやったことかもしれない。

「それより、ここから隣の部屋が見える。」

用はのぞき穴ってことか。
いいね。そういうの大好きだよ。わくわくしてきた。

「絶対声だすなよ。聞こえても知らないからな。」

シフォンが念を押して亀裂の前を俺に譲る。
さっそく亀裂から隣の部屋をのぞいてみる。
あまり広くは見渡せないが、隣の部屋もこの部屋と同じような調度品が置いてあるみたいだ。
そして部屋の奥のほうに置かれたベッドが見える。
そのベッドの上には何故かミヅキが座っていた。
となりはミヅキの部屋なのだろうか。

「ミヅキが見える。」

小さな声でとなりのシフォンに言う。
言ってから「何を言ってるんだ」と自分がはしゃいでいることに気がついた。
シフォンのほうはなにも返事はせず、のぞきを続けるように俺を促す。
言われるまでもなく、俺は亀裂の向こうに視線を戻した。
息を潜めていると隣の話し声が聞こえてきた。

「ねぇ、ミヅキこんなかっこうはずかしいよぉ」

レミールの声だ。
隣の部屋にはレミールもいるらしい。
「こんなかっこう」とはどんな格好なんだろうか。

「だいじょうぶー。にあってるよ。」

こんどはフィの声だ。
隣の部屋にいるのはドラゴン退治の時に一緒だった、ヒュームの戦士ミヅキとミスラモンクのフィ、それからレミールらしい。
ベッドのふちにローブが無造作に脱ぎ捨ててあるのに気がついた。
あれは誰のものだろうか?
いるのが3人だけだとしたら、戦士のミヅキはローブなんて着ないだろうし、フィはたぶんいつも通りの道着を着ているだろう。
だとしたらレミールのものなんだろうな。
レミールはいつものローブ姿ではなく「はずかしいかっこう」をいているはずだから、この推理はたぶん正しい。

「ほら、こっちにおいで。」

ミヅキが手招きしている。レミールを呼んでいるらしい。
いよいよレミールの姿が見える範囲にやってくるようだ。
俺の期待はたかまる。

ベッドをさえぎるようにしてレミールの後ろ姿があらわれた。
彼女は何故かミスラの下着のようなものを身につけている。
その下着は彼女には少し小さめで、お尻の肉がはみ出していて布面を谷間に食い込んでいる。

「ほら、やっぱり似合うー。」

「レミ、まわって見せて。」

ミヅキのリクエストにうなずくと、レミールはかわいく一回転した。
おれは目を凝らして彼女の様子をうかがった。一瞬見えた彼女の胸はそれを覆う下着には収まりきらず、上半分を露出している。乳首もはみ出していたかもしれない。
しかもその胸がベルト状の部分に圧迫されて不自然にゆがんで、押し出されていた。
なだらかなおなかは、ほど良い肉付き。股間を覆う布は縦に伸びてしまってきわどいきれこみ具合だ。股間の部分はピッタリと布に包まれた部分の形を浮き上がらせている。

ふたたびミヅキのほうに向き直ったレミールはくねくねと体をゆすりながら、恥ずかしそうに照れ笑いした。

「あたしのほうはぶかぶかだー。レミールの胸って見た目よりずっと大きいんだね。」

レミールのとなりにフィがやってきた。
彼女は予想を反して道着は着ていなくて、白と黒のツートンカラーの衣装だ。
本人の言うとおり、サイズが大きすぎるらしく、胸を覆う部分はひらひらとゆれて、腰を覆うはずのパンツはずり下がって股ではさんでいる状態だ。こちらからはお尻が丸見えになっている。


「それに尻尾を通す穴がないから、ちゃんとはけにゃーい。」

フィは諦めてパンツを脱ぎ去った。下半身素っ裸状態だ。
温泉の時は良く見えなかったが、改めて見るフィのおしりはキュッとあがっていてとても健康的だおしりがあがっているから
その向こう側の性器の切れ目まで見ることができる。

フィが脱いだパンツをこちらに投げた。
俺はそれをよけるように間部の亀裂から飛びのいたが、それはいらない心配だった。
パンツは壁にあたってパサリと落ちた。
シフォンが俺の方を見ている。
ばつが悪くて「へへへ・・・」と照れ笑いをすると、すぐに亀裂の向こうに視線を戻した。

レミールがベッドの上にあがった。
ミヅキが服を脱ぎ始める。下着姿になったミヅキはパンツをおしりから抜いて右の足首に引っ掛けたまま、大股を開く。
こっちから丸見えになるアングルだ。
モシャっとおけけが生えていて、その下に性器がある。
ミヅキは右手をそこへ持っていき、2本の指で性器を広げた。

「さぁ猫ちゃん。ここをなめて。」

ミヅキがレミールに言う。
どうやらミスラの衣装を着たレミールが猫っていうことらしい。うまいこという。
しっかし、これはただの着替え遊びではないみたいだ。
性器をなめるって言うのは、その、エッチなことだと思う。
しかも女同士でだなんて。ミヅキにはタルタルばかりじゃなく、そっちの気もあったのか。
レミールもレミールだ、なんで素直にミヅキの股の間に顔を沈めてるの?
ひょっとしてレミールもそっちの人だったの?
くちゅくちゅと音がしはじめた。本当になめているみたいだ。
あああー。そんなばかなー。
俺は気が動転して亀裂から目を離した。
ぎゅっと目をつむってから、もう一度亀裂の向こうを確かめる。
やっぱりミヅキの股間をレミールがなめている。
幻とか、俺の見間違えとか、そんなんじゃない。
これは現実だ。
ドッキリとかだろうか。
だったら嬉しいけど、まさか、こんなエッチなドッキリは聴いたことがない。

「んっ、上手。きもちいいよ、レミ。」

ミヅキがレミールの頭をなでる。
うわわ、これは、ひょっとしてヤバイものを見てしまったのでは!?
これ以上は、いたづらじゃ済まない気がする。
逃げたほうがいいかも。
おれは亀裂から離れようとふりかえると、シフォンが俺の事をじっと見ている。
わすれてたーーー!こいつがいたんだった!
そうか!これは罠だったんだ!
俺がのぞきをしたっていう、弱みを上塗りさせる罠!
しまった、ついつい好奇心にまけてまんまとはまってしまった。

「あの、おれかえってもいい?」

小声で聴いてみた。
シフォンは無言で、しかしきつい目で俺を見つめ返した。
ううう、もう後戻りはできないみたいだ。
っつーか、シフォンさんがすごく怖いんですけど・・・。
シフォンに顔をつかまれて、強引に亀裂のほうに戻される。

「続けないと、バラすからな。」

シフォンが低い声で俺に死の宣告を言い渡す。
俺はこの人にどんどん深みにはめられている気がする。
これはベヒーモスの前に一人で放り出されるのと同じくらい危機的状況じゃなかろうか。ベヒーモス見たことないけど。
後ろで俺の監視を続けるシフォンは、ベヒーモスより怖い。少なくとも、今の俺には、こわい。
結局逃げることはできないので、観念してのぞきを続行することにする。

正直に言うと、興味がないわけではなかった。
再び隣の部屋をのぞくと、ミヅキの股間に顔をうずめたレミールの性器を、ベッドに腰掛けたフィがいじっている。
いつのまにかパンツが剥ぎ取られている。おっぱいも完全にはみ出して、ブラジャーが意味なくなっている。いや、おっぱいがギュっと絞られて余計に飛びだしているかも。

フィがレミールのクリトリスをこするたびに、レミールの身体がビクッと震えた。
ときどき「んむぅ」というくぐもった声が漏れる。

「ありがと、レミ。こんどはわたしがしてあげるね。」

ミヅキがベッドの上に立ちあがった。股間から顔を離したレミールの口とミヅキの性器がきらきら光る糸で結ばれている。
糸はミヅキの性器からでた汁だろう。それはプツリと切れてベッドにしたたった。

「フィ。今日はおもちゃを用意してくれたんだったよね?」

「あい。これこれ。」

フィがベッドの脇から何かを手に取った。
それはフィの手の中でくねくねと動いている。

「ずいぶんイキがいいのね。」

「下層のバザーで見つけたのー。獲れたてだって言ってたよー。」

それはモルボルのつるだ。
錬金術者に良く売れるので、おれも取りにいくことがある。たしかポーションの材料になるとか言ってたような。
たしかに獲れたれはくねくね動く。トカゲの尻尾と並んぶくねくねアイテムだ。
身体から切り離されても動いているので、リトルワームやゴカイより気持ち悪い。
お金にならなきゃ触りたくない代物だった。

フィはそれを楽しそうに握っているから理解に苦しむ。
フィはモルボルのつるに、なにかとろとろした液体をかけた。蜂蜜みたいだ。
金色の液体にコーティングされたモルボルのつるは、いっそうくねくね動く。キモイ。
ベッドから降りたミヅキは、そのつるをフィから受け取り蜂蜜をひとなめすると、レミールのほうに向き直った。

「レミ。お尻をこっちに向けて。」

レミールは従順にベッドに四つん這いになり、おしりをミヅキに突き出した。
ミヅキを見上げるその顔は高揚してほんのり赤くなっている。
ミヅキはモルボルのつるをレミールの性器のふちにあててこすり始めた。

「ミヅキ。ダメよ。そっちはダメ。」

「わかってる。いれないから安心して。」

モルボルのつるにそんな使い方があったなんて!
たしかに、ちんぽこに形が似ているかもしれない。言ってみれば擬似ちんぽこ。ワームルアー(ミミズ型の疑似餌)も真っ青だ。
しかもくねくね動いてるし。
使用目的がわかると、あの動きもイヤらしく思えてくる。だけどモルボルのつるをちんぽこの替りに入れちゃうんだろうか。
それはちょっと抵抗があるぞ。モルボルの本体を知っているだけに尚更だ。
だが俺の思惑とは裏腹に、ミヅキはモルボルのつるをレミールのお尻の穴に突っ込んだ。

「ああああっ!」

「うわ、いきなり・・・。」

突然の暴挙に、レミールは驚きの悲鳴を上げた。
完璧なふいうちだ。前と見せかけて後ろ。だまし討ちも併用されているのかもしれない。
っつーか、今日のミヅキはシーフなんだろうか。

「い、いたい。ぬいて・・。はやく・・・。」

レミールが暴れるモルボルのつるを尻尾のようにくねらせて。涙目で訴える。

「だいじょうぶー。力を抜くといいにゃ。だんだん気持ち良くなるはずだよ。」

フィがレミールに優しく言うが、そりゃないだろってツッコミいれそうになった。
あぶない。ホントにツッコんでたらのぞいているのがばれてしまう。
あんなぶっといもん、尻の穴に突っ込まれて気持ちいいはずあるか。
モルボルのつるがグイングイン動いて、すごくいたそうだ。

「てつだってあげるー。」

フィがレミールの下にもぐりこんで性器をなめ始めた。
レミールがぶるぶると震える。
おれもフィの舌の感触を思い出した。
あれはすごい。ざらざらしてるのにいたくない程度に調節してなめられるととてつもない気持ち良さだった。それがレミールの性器をなめているんだから、きっと痛いのと気持ちいいのでごっちゃになっているだろう。


「ひぃっ、おうっ!っあ」

喘ぎ声からは痛いのか気持ちいいのかはっきりしない。
たぶん両方なんだろうから当然か。
お尻の穴から金色の汁がつたって、性器にこぼれた。たぶん蜂蜜だろう。
フィはレミールの汁と蜂蜜をべろべろとなめた。

「レミールの、あまくっておいしーい。」

フィは上機嫌だ。おいしそうに蜂蜜の混ざった汁をすすりたてている。
そこにいきなり長い手が乱入して、フィの股間をいじり始めた。

「フィのここにも欲しいみたいだな。よだれたらしてヒクヒクしてるぞ。」

シフォンだ。となりの部屋にシフォンが乱入している。
シフォンはいつのまにか裸になって隣の部屋に現れた。
これはチャンスかも。
この後の展開も気になるけど、監視がいなくなった今なら逃げられる。
おれは壁から離れてベッドを飛び降りた。
が、そこには2本の柱が・・・?
いや、足だ。

「あるく―ん。どこ行くのかな?」

そこにはミヅキがいた。
ローブを肩に羽織っただけの姿で俺の前に仁王立ちしている。
ひょっとしてそのかっこうでこっちの部屋に来たのか?
俺は戦慄した。
一番やばい人間に捕まってしまった。

「シフォンと交代して、ある君と遊びに来たんだけど。まさか帰るとか言わないわよね?」

「いや、ちょっとトイレに行こうかと・・・。」

俺は苦し紛れに嘘をついた。
おれはミヅキの横を通りぬけて、入り口に向かった。

「トイレそっちじゃないよ。右の扉。」

「あ、そうだっけ?」

このまま逃げようと思ったのに、失敗に終わった。
それどころか、状況はなお悪化する。

「しかたないなぁ。おね―ちゃんがてつだってあげよう。」

はい?手伝うってなにをですか?
俺の逃走を手伝ってくれるのなら大歓迎だが、そういうことではないらしい。
ミヅキはおれの手を引いて右側の扉に。
そこには水洗式のトイレがあった。

「はい。しーしーしましょうねー。」

うっそ!?なにそれ。
ミヅキは俺のベルトを緩め始めた。
すとんとズボンが床に落ちて、裸になった下半身を抱えるように俺を持ち上げる。
手で器用に俺のちんぽこをつかんで、便器に向かわせた。

「ちょっと、はずかしいよ!おろして。自分で出きるからー。」

俺は暴れた。が、ちんぽこをつままれているせいで大きくは動けない。ミヅキも解放する気はないらしく、がっちりとホールドしてきた。
こんな物心つかない子供のようなかっこうでションベンしろって言うのか!?
そんなのたんなる辱めだろーよ。かんべんしてくれぇ。

「ほーらっ。はやくだしてー。」

ミヅキはうれしそうにちんぽこを揺らす。
やめて・・・。ホントに出ちゃうから・・・。

「だめ、やめて。ホントに出ちゃう。」

「いいよ、だして。おね―ちゃんが綺麗にしてあげるから、いっぱいだそうね。」

あうあうあう。下っ腹を押さないで。そんなコトしたら・・・。

「我慢してると膀胱炎になっちゃうぞ―?」

いや、あなたのせいで膀胱炎の危機なんでしょう!?
うはっ、我慢の限界。で、でるーーー。

ちょろ、ちょぼぼぼぼぼーーー。

あ、あああーー。しちゃったよ。出ちゃいましたよ。
俺のションベンが便器の中に飛び込む。たいして溜まっていなかったションベンはすぐに止まったはずだが、俺にはまるで小便小僧のように、長いこと出しっぱなしだったように感じた。

顔真っ赤。ちょっと涙目。
もう、おれ小便小僧にジョブチェンジしちゃおうかしら。
出し終わった俺はブルルっと震えた。

ミヅキはちんぽこをゆすって、ションベンの雫をきる。

「あや、ちょっとついちゃった。」

ミヅキの手に俺のションベンが引っかかったらしい。
自業自得だざまぁみろ。
ミヅキは俺を床に下ろすと、チロリと手についたションベンを嘗めた。

「しょっぱー。」

うえ。きったねぇ。
ミヅキは俺の驚いた顔を見てにやりと笑うと、突然俺にキスをした。
口と口のキスだ。
俺の口の中にミヅキの舌が進入してくる。
口一杯に広がる・・・。ションベンの味・・・。
俺はミヅキの顔を振り払って、便器に向かってミヅキから送りこまれたションベン味の唾を吐出した。

「うーぇ。ぺっ、ぺっ、ぺー。」

気持ち悪い。自分のションベン飲むところだった!
そんな俺を見てミヅキは大笑いだ。なにがそんなに楽しいのか。

「ある君のおしっこ見てたら、わたしもしたくなっちゃった。」

「あ、おれ出てるから。ごゆっくりどうぞ。」

はやく口をゆすぎたかった。
できればそのまま逃げ出したい。
なんでこんな酷い目にあわなきゃならないんだ。
俺は目に一杯の涙をためて、しかしそれを見られないようにトイレの扉を空けた。

「だめ。ある君もわたしのおしっこ見るの。」

あっさりと捕獲されてしまった。
ミヅキは俺の抱きかかえたまま、便座に腰掛ける。
ローブしか身につけていない彼女はパンツを下ろす必要もなく、そのままションベンをすることができる。
俺が逃げる隙はない。

「ん・・・。」

ションベンが落ちる音が聞こえる。
おれの意思に反して耳がぴくぴくと動いて、そのおとを聞き逃さないように耳をすませた。
おれのションベンと違って、しゃわしゃわって言う音だった。
ふわっと、生暖かい空気とションベンのにおいが上ってくる。
おれは何故かトロンとしてしまった。
ふるるっとゆれる。ミヅキの身震いだ。

「はーっ、すっきり。」

ションベンが済み、ようやくミヅキの腕から解放されたが、ミヅキは俺を逃がす気はないらしい。
とんでもない要求を俺にしてくる。

「さ、今度はある君がわたしのここを綺麗にして。」

・・・・・・。
ミヅキは俺の目の前に立ってションベンに濡れる股間を差し出した。
何を言ってるんだ?そんなことできるわけないじゃないか。
自分のションベンだっていやなのに、他者のションベン嘗めるなんて冗談じゃないぞ!

「冗談じゃないっての。ふざけるのも大概にしろ!」

頭にきた。
厳しく言い放って背を向ける。

「ある君はわたしのこと嫌い?」

「なに言ってんだ。好きなわけないだろ!」

「わたしはある君のこと大好きだよ?」

「迷惑ですね。」

背中のミヅキの声は、少し涙声だったかもしれない。
でも、そんなこと関係ない。
これで嫌いになってくれれば、もういじめられなくて済むし、せいせいする。

「ばらすよ?」

「!!!」

俺は思わず振り向いた。
ミヅキは目をウルウルさせて今にも泣き出しそうな表情だ。
だが、おれはそれ以上に狼狽した。
どうしてミヅキが「ばらす」とか言うわけ?
シフォンから聴いてたのか。
あー、何てことだ―。

「きれいにして。」

「・・・・・・・・はい。」

従うしかなかった。
冒険者生命(俺の人生)と一時の屈辱を天秤にかけたら、やっぱりこっちのほうが軽かった。
俺は泣きそうなのを我慢してミヅキの股間に鼻をもぐらせた。
ションベンくさい。息は止めよう。
舌を出すが、それを嘗めるのには勇気が必要だった。
今一歩、踏ん切りがつかない。
神様、アルタナの女神様。どうか俺を助けてください。

「んむっ!?」

ミヅキが俺の顔に股間を押し付けた。
顔に生暖かい感触。ミヅキのそこは柔らかくて暖かだった。

こうなってしまってはどうにもならない。さっさと終わらせてしまおうと、俺はせかせかと舌を動かした。
表面を嘗め、割れ目を嘗め。しょっぱいものを自分の口の中に吸い取って行く。

「はぁっ。もっと奥までぇ。」

ミヅキが自分の手で割れ目を広げる。
ピンク色の肉があらわになって、おしっこの穴とちんぽこを入れる穴が視界をふさぐ。

「ここ、この穴のところぉ。」

ミヅキが指差すおしっこの穴に舌をつける。
ちろちろと嘗めると、なかからピュっと残ったションベンが噴き出した。
もう一度おしっこの穴を嘗めてしょっぱいのを綺麗にすると。おれはミヅキの股の間から離れた。
長いこと息を止めていたので、苦しくなって大きく息を吸い込んだ。
ションベンのにおいが鼻と口から肺に進入したが、仕方がない。

「ありがと、ある君。」

ミヅキがおれにキスをした。また口と口のキスだ。
それから俺の顔についた自分のションベンを嘗めて綺麗にしてくれた。
俺はというと、頭がボーっとして、身動きできないでいた。

「ある君が一生懸命嘗めてくれるから、ちょっと感じちゃった。」

ミヅキはちろっと舌を出して笑った。
そのしぐさは、なんだかかわいい。

「イヤなのにしてくれてありがと。くち、すすぎにいこ。」

ミヅキは俺の手を引いて洗面台につれて行くと、俺には高すぎる洗面台に届くように抱えてくれた。
おれはバシャバシャと顔を洗って、次に口をゆすいだ。
それから俺を下ろしてミヅキが口をゆすいだ。
ミヅキがタオルを貸してくれたのでそれで顔をふく。
同じタオルでミヅキも顔をふいた。
それからキスをした。
こんどはくさくなくて、しょっぱくもなかった。
だからイヤじゃなくて、しばらくされるがままに舌を絡めていた。
ながいキスの後、口を離すとミヅキの口との間によだれが糸を引いた。
俺の頭の中は、手でかき混ぜられたみたいにとろとろになってしまった。
それから俺はミヅキに手を引かれてベッドに戻った。
ミヅキが先にのぞきを始めた。
俺はミヅキの下に抱え込まれるようなかっこうになっていたが、壁の裂け目はここまで続いていて、俺の目の前にも少しだけ隣がのぞきこめる穴があいていた。
隣の部屋ではシフォン、フィ、レミールが絡まりあっている。
ソフォンとフィがお互いの股間をこすりつけあい、フィはレミールの性器を嘗めている。
3人の荒い息遣いが聞こえてくる。
レミールの尻の穴にはモルボルのつるが刺さっていたはずだが、それが見当たらない。
どうやら外してもらえたようだ。
少しほっとした。

「ふふふっ。ある君、シフォンとフィがモルボルのつるでつながってるよ。」

ミヅキが楽しそうに言う。

良く見ると二人の性器の間に緑色のものがちらちらと見えている。
まさか本当にああやって使うとは。信じられない。
しばし凝視していると、一瞬シフォンと目が合った。

「あああ!」

シフォンの喘ぎ声がいっそう大きくなった。
激しく腰をゆすり始める。

「シフォンたら。見られて感じてる。」

そういえばシフォンは露出の性癖があった。
俺たちに自分の醜態を見せ付けて感じているんだ。
色黒のはだが紅潮して、うつろな目つきで一心に腰を動かしている。
その姿は人間ではなくてもっと別の生き物のようにすら見える。

「うなあああぁ。は、はげしすぎるよーぅ。」

あまりに激しく動くシフォンとモルボルのつるでつながったフィが、たまらずレミールの性器から口を離してあえいだ。
もうレミールを責め立てる余裕などなく、目を一杯に広げて宙をにらみ、口からよだれを垂れ流すままによがり狂っている。
責めのやんだレミールは、フィの胸に手をあててグニグニと揉みしだく。
フィのプリプリの乳房が自在に変形して、突き出した乳首をレミールが吸いたてる。

「あにゃぁぁぁぁああん!!」

快感に抗う間もなく、大きな叫び声を上げてフィはイってしまった。
全身がガクンガクンとゆれている。
まるで壊れたゼンマイのおもちゃみたいだ。

「すっごい。」

ミヅキが息を呑む。俺の頭上から来る吐息が熱くなっている。
もじもじと動いていると思ったら、ミヅキは手を股の間にツッコんで自分の性器をいじっていた。
ミヅキも辛抱できなくなっているのだろうか。
その手は性器から溢れる汁でびちゃびちゃだ。
むんむんとフェロモンが漂い、俺の脳みそを刺激してくる。

「レミール。尻を出せ。思いっきりついてやる。」

シフォンが股間にモルボルのつるを咥えたまま、フィから離れてレミールに命令するように言う。
モルボルのつるから解放されたフィは「はぁっ、はぁっ」とあらく息をついて、いまだにイきつづけているみたいだ。
そのフィの上に覆い被さるように手をついたレミールはシフォンに尻を差し出す。
シフォンは鼻息荒くレミールの尻をつかみ、もどかしげに腰を動かしてつるの位置を調整すると、勢い良くレミールの尻の穴につるを突っ込んだ。
シフォンの下っ腹とレミールの尻がぶつかって「ぱちんっ」っと音を立てる。

「あぁーーーん」

レミールが甘い声を出す。
さっきモルボルのつるを突っ込まれた時と、明らかに違う声だ。
すごく色っぽい。
レミールがあんなに気持ちよさそうな顔で腰を振るなんて。しかも尻にモルボルのつるを突っ込まれて・・・。
俺は奇妙な感覚に陥っていた。
まるで夢の中にいるみたいだ。

「んんっ。あっ。はぁ。」

のぞく事も忘れてミヅキがオナニーを始めた。
俺の後ろでベッドに転がり、自分の身体を抱え込むように縮こまって、ごしごしと性器をこする。
なんだかすごく苦しそうな呼吸だ。

「だいじょうぶ?ミヅキ苦しいのか?」

俺は心配になってミヅキに近寄った。
潤んだ目で俺を見るミヅキは、俺に甘い息交じりに訴えた。

「苦しい。たすけて。ある君たすけて。」

「ど、どうすればいい?」

俺はどうしていいかわからなくてミヅキにきいた。
ホントに苦しそうで、あえぐように呼吸をしている。

「ここがね、すごく苦しいの。」

ミヅキが股を広げる。手は激しく性器をいじりまわしたままだ。
そこは大洪水といった様相で、汁を噴出し、はみ出したお肉が赤く充血していた。

「痛くないか?ケアルしたほうがいいか?」

張れあがったようになっているお肉が痛そうだ。
ミヅキはそのお肉をごしごしとこする。

「違うの。ケアルじゃないの。おちんちんが欲しいの。ある君のおちんちんが欲しいの。」

ミヅキは俺に訴える。

一刻の猶予もない。はやく処置しないと意識を失いそうな勢いだ。

「で、でも。ミヅキ。俺良くわかんないよ。」

なんとかしないととは思うのだが、どうしていいのかわからない。
気が動転してきて、また泣きそうだ。

「慌てなくていいから、泣かないで。」

苦しいはずのミヅキが、精一杯笑顔を作って言う。
片手を俺の方に差し出して、パンツのなかから俺のちんぽこを取り出す。
俺のちんぽこはバキバキに硬直して、既に臨戦体制だった。さきっちょが皮から飛び出し、裏筋はパンパンに張り出している。しかも今までにないほどに反り返って、おなかにぶつかりそうだ。

さきっちょからトロトロとさきばしり汁が溢れている。
自分でも気がつかない間に俺のパンツはぐしょぐしょに濡れていた。

「これを、ここにいれるの。」

ミヅキが俺のちんぽこを自分の性器に誘導する。
俺のちんぽこは吸い込まれるようにミヅキに埋まって行った。

「はぁぁぁ・・。きもちいいよ。」

ミヅキが深く息をついた。
満足げな顔を見ると俺まで嬉しくなる。
俺はミヅキのおなかにキスをした。
何故か自然にそうしたくなった。
ミヅキが俺の頭を優しくなでる。

「ある君、動いて。」

俺はうなずくと、ゆっくり腰を引いた。
ミヅキは俺のちんぽこを逃がさないようにキュウっと締め付けた。ちんぽこから脳天まで電撃が走る。
きもちいい電撃だ。
先っちょだけ残った所で一旦停止、またなかに沈めていく。

「おあぁぁ・・・。スジがこすれて、すっごく気持ちいいよ。」

ミヅキがうわごとのようにもらす。
俺もすごく気持ちがいい。
歯を食いしばっていないと、すぐにイっちゃいそうなほどだ。

「もっと、もっとうごいて。」

「でも、あまり動くと出ちゃいそうなんだ。」

「いいよ。ある君の赤ちゃん欲しいな。」

ミヅキの言葉にジーンとして、涙が出てきた。
おれは猛然と腰を動かし始めた。

「頑張るから。おれ、がんばるから。」

何を言ってるんだろうか。
さっぱり意味不明だが、確かに頑張って腰を振ったし、頑張って出そうなのを我慢した。

ミヅキは俺の頭を抱きしめて、ももで俺のわきっぱらを挟むから、あんまり激しく動けなかったけど、それでもお互いに熱い吐息を漏らしつづけた。

「もうダメ。いっちゃいそう。」

「いってくれ。俺も限界なんだ。」

おれはラストスパートとばかりに激しく腰を動かした。
汗が噴出す。
ミヅキもいつのまにか汗だくだ。

「あっ!あっ!ああーーーーっ!!」

ミヅキが声を上げ背中をそらす。
俺は突き出されたミヅキのおなかにあごをぶつけて、舌をかんだ。
ミヅキの性器がぎゅうぎゅうと俺のちんぽこを締め付ける。
ずっぽりと根元まで埋まった俺のちんぽこが悲鳴を上げた。
やばいっ!でるっ!
俺はちんぽこをミヅキから抜き出そうと腰を引くが、それはなにかに阻まれた。
俺の尻を誰かが抑えている。

「うあわっ!」

間に合わなかった。どくどくと俺のちんぽこから精子が飛び出して、ミヅキのなかへ。
でも、すごく気持ちがいい。天にも上りそうな気持ち良さだ。
おれの尻の穴がきゅっきゅっとしまって、そのたびに、びゅるっびゅるっと精子がミヅキに流れ込む。

俺は精魂尽きてミヅキの上に倒れこんだ。
ちんぽこはいまだに精子を吐出している。
ミヅキのおなかに耳をつけると、俺の射精の音が聞こえてきそうだなとおもったが、実際には聞こえなかった。


いつのまにかシフォンが俺の傍らに座っていた。
彼女はハダカのままでカップの紅茶をすすっていた。

「シフォン?」

おれはもうろうとした意識を繋ぎながら口を開いた。
どうも気を失っていたらしい。
ミヅキの上に乗ったままでどれくらい立ったのだろう。
ミヅキは落ち着いた呼吸で眠っているようだった。

「ずいぶん楽しんだみたいだな。」

シフォンが俺に向き直って言う。
でも嫌味には感じない。むしろ彼女は微笑んでいるようだった。
俺は身を起こすと、ちじこまったちんぽこがミヅキから抜け落ちた。

「んっ」

ミヅキがあえいだが、目は覚ましていないようだ。
見ると俺のちんぽこが抜けたミヅキの性器からトロリと白い液体がこぼれた。
俺が出した精子だ。

「綺麗にしてやる。」

シフォンが紅茶のカップを傍らに置くと、俺のちんぽこを咥えた。
俺のちんぽこはいまだに敏感で、シフォンの唇や舌が触るたびにずきんずきんした。

きんたまの裏まで丁寧に嘗め終わるとシフォンは再び紅茶の口にした。

「ロイヤルミルクティーだ。」

ロイヤルミルクティーってなんだっけ?ミルクティーのデラックスバージョンかな?
たぶん俺の精子が白いのをミルクに見たてたジョークなんだろう。
ゼンゼン面白くないけど、シフォンが言うと妙にアンバランスで、

「はははっ。」

つい笑いが出てしまった。
シフォンがミヅキのほうに目配りして口元に人差し指を立てるので、慌てて口をつぐんだ。
シフォンはミヅキの寝顔を確認すると。
軽くうなづいた。

「ふん、気持ちよさそうな顔して・・・。」

ミヅキのほほをなでた。
まるで姉が妹を見るような、やさしい顔だった。
おれは妙な満足感の中で、妙に落ち着いてこの後のことを考えた。
ミヅキのなかに射精してしまった。
どうしよう。突然だが俺はパパになってしまう。
ミヅキと結婚するのか?
ミヅキのことは好きではないけど、やってしまった以上責任はとらなくちゃいけない。
式はいつ挙げよう。予約は3ヶ月待ちだとか良く聞く。
準備は大変だろうか。結婚したら冒険者を続けられなくなるのだろうか。

「んん・・・・っ」

ミヅキが目を覚ましたらしい。
のそりと身を起こす。

彼女はボーっとしたままの目で、股の間にいる俺の顔を見る。続いて自分の股間を見る。

「ある君。出してくれたんだね。」

ミヅキは満足そうな笑みを浮かべた。
その顔を見てるとなんだかこそばゆい感じがして、へらへらしてしまう。
ひょっとしたら俺はミヅキのことがそれほど嫌いじゃないのかもしれない。
ミズキの「んっ」という声と同時に性器の中から俺の精子が吐出される。

「赤ちゃん。しっかり育てような。おれ、いいパパになるように頑張るから。」

ミヅキに俺の決意を伝える。
冒険者からは足を洗おう。
どこか田舎に家を持って、ミヅキと赤ちゃんを養えるように、もっとまっとうな仕事を探して・・・。
それより、先に結婚の話をしておくべきか。

「えっと、結婚式はどこでやろうか?」

ミヅキにたずねるが、リアクションがいまいちだ。
きょとんと俺を見つめている。
あれ?

「ぷっ・・」

シフォンが口を抑えてうつむいている。肩が震えているようにも見える。
むせたんだろうか?紅茶のカップを持つ手が震えて、中をこぼしてしまうんじゃないかと思うほどだ。

「あの、ある君。」

ミヅキがようやく口を開く。

俺の目をまっすぐ見詰めて、慎重に言葉を選んでいる。

「・・・・んと、タルタルとヒュームじゃ、赤ちゃんできないよ?」

は?

「ぶっはーーーーーーーっ!はっはっはっはっは。」

シフォンが紅茶を霧状に噴射する。
やっぱりむせいているらしい。
紅茶のカップは手から離れて、床に中身を撒き散らした。
腹を抱えて「ヒーヒー」呼吸にあえいでいる。
だが、おれはもっと重要な話をしている。いまはシフォンのことは無視だ。
おれはもう一度ミヅキの言葉を聞きなおす。

「え?」

「だから、タルタルとヒュームは、エッチしても、赤ちゃん生まれないの。」

なななな、なんだとーーー!?
それはどういうことだ?
セックスしたら赤ちゃんができるんじゃないのか?
いや、正確には精子が卵子に・・・・。
ってか、俺、中に出したじゃん。
中に出したら受精するんだろ!?

「だって中に出したぞ?」

シフォンがまた大袈裟にむせる。
「げほげほ」うるさいっての。

「シフォーン。あんまり笑わないの。ある君、真剣なんだから。」

うご。むせてるんじゃなくて、笑ってるのかよ。
ひょっとして俺が笑われてるのか?
え?もしかすると、タルタルとヒュームじゃ赤ちゃんできないのって常識?まじで?
うっわーーー。急に恥ずかしくなってきた。
なに?俺が結婚の決意をしたのは、なんだったわけ?
未来の明るい家族像は、どこいっちゃったわけ?
全部俺の妄想?
うわ、うわ、うわ。
おれ、まじめくさってミヅキにプロポーズしちゃったじゃんか!
は、はずかしいいいい。

「あれあれ。ある君?」

おれは耳まで真っ赤で、ミヅキの顔なんか見れない。
シフォンはなお笑ってるし。
おれは恥ずかしすぎてマンドラゴラより小さくなった。

「あ、あの。・・・・おれ・・・・。」

なんて言っていいのかわからない。
頭の中、大パニック!

「だ、だって、ミヅキ赤ちゃん欲しいって言ったじゃん!」

おれは最中のことを思い出してミヅキに問い掛けた。

「あれは、場の雰囲気って言うか・・・。」

ミヅキが頭をかくしぐさで視線を泳がせる。
シフォンのほうをちらちら見ているみたいだ。
あ、もしかして。

「シフォン?」

おれはシフォンをにらみつけた。
シフォンは俺の方に手をかざして「まった」のポーズ。
ぜぇぜぇと呼吸を整える。

「あのな、この前温泉でわたしとセックスした時、おまえ赤ちゃんできちゃうって言ってたろ。それで、おまえが勘違いしてるんじゃないかと思ったんだよ。」

う、そんなこと口走ったかも。
あのときのことは良く覚えてないけど。

「で、確かめてみようってシフォンが言うから・・・。」

ミヅキが申し訳なさそうに俺の表情を伺う。
うつむいて上目遣いで俺を見るしぐさは、カワイさをアピールしているつもりだろうか。
いっくら可愛くしたってだめだーー!
おれはまんまとはめられた!(2重の意味で)
やっぱりドッキリだったのか!?
これはドッキリなのか!!
あー。考えてみれば、ミヅキのションベン嘗めた辺りから俺の意識はどっかにぶっ飛んでいたような・・・。

「で、でも結婚しようって言ってくれて、嬉しかったよ?ほんとだよ?」

ミヅキ、それはフォローのつもりか?
俺の神経を逆なでしてそんなに楽しいか。

始めからこいつらグルだったんだ。
むっかーー!

「ばかにしてーーー!もう怒ったぞ!!」

俺は大声でまくし立てた。
こうなったらこいつらみんな、一生後悔するくらいぼこぼこにしなくちゃ気がすまー―ん!

「まて!落ち着け。静かにしないと、レミールにばれる!」

シフォンが俺の口を抑える。
俺は構わずわめいたが「もごもご」しか言えない。
この、はなせ!窒息しちゃうだろ!

「レミールにばれると困るだろ。頭を冷やせ。」

む。レミールは俺がここにいることを知らないのか?
みんなグルだったんじゃないのか?
シフォンに抑えられているせいで言葉にはならないが、俺の言いたいことはわかったらしい。
シフォンはうなづくと。静かな声で俺の目を見た。

「レミールには内緒にしてある。」

なんで。
どんどん訳がわからなくなる。
シフォンは神妙な面持ちでレミールのことを話し始めた。


かあさんxアルサイス
アルサイスxフィ
アルサイスxレミール