←シフォンxアルサイス
←ミヅキxアルサイス
俺は故郷であるバストゥークの鉱山区にある薄汚れた通りに立っていた。
相変わらずここは汚い。
錬金術ギルドのある通りの辺はまだ良いが、一つ通りをまたげばそこは「掃き溜め」という言葉がピッタリの無法地帯だ。
懐かしさと共にそこを歩くと、俺の着ている真っ白いヒーラーブリオーは目に付くらしく、そこかしこから視線が飛んでくる。
視線は俺を射貫き、羨望と嫉みとが混ざった気持ちの悪い感覚を俺に与えた。
だが俺も、少し前まではこの視線を投げつける一人だった。
おれは、短い冒険者生活の間にも関わらずそのことを忘れていた。
ジュノでシフォンの部屋から出た俺は、リンクシェルのメンバーにしばらく留守にすることを告げ、パールを外した。
考えなければならない。
今更考えるのは遅すぎるかもしれない、そうしないわけには行かない。
そして、俺は一つの答えを出さなければならない。
そのために、この故郷に帰ってきた。じっくりと考える必要がある。
俺はかつての馴染み深いとおりを進み、立て付けの悪くなった木の扉を空けて、日の差し込まない室内に入った。
そこは俺が住処としていた廃屋で、何人かの戦災孤児と生活を共にした空間だった。
今は誰も残ってはいないらしく、埃がつもり、俺が進むたびに小さな足跡を残した。
「ただいま・・・。」
当然返事はない。
寂しい空気だけがそこに立ちこめていた。
薄暗く埃っぽいその部屋で、おれはシフォンとミヅキから語られた話を思い返していた。
ジュノのレンタルハウス。シフォンの部屋で不本意ながらミヅキとセックスをした後のことだ。
散々俺の事をコケにしたシフォンとミヅキは、怒って暴れる俺のことを抑えて、今までとはうってかわって真剣な表情で話をはじめた。
「レミールはわたしたちと付き合い始めて、見てのとおりのずいぶんとエッチな身体になったんだが・・・。」
おれはシフォンのあごを殴った。
おまえらのせいか!?
レミールがあんなにエッチになっちゃったのは!
口元を抑えられているせいで言葉は出ないが、腹が立って、何度も殴ろうとした。
シフォンは殴られたまま、かばおうともしない。
でも、おれの手はミヅキに抑えつけられてしまった。
「落ち着いて聴いて。女が冒険者をやっている以上、仕方のないことなの。冒険中に力の強い男の冒険者に求められると、わたしたち女は拒むことなんかできやしないわ。レミみたいな魔道士だとよけいにね。」
「冒険者を長く続けようと思ったら、うまく付き合って行かなきゃならないんだ。わかるだろ?」
なんとなく察しがついた。
今まで気にもしていなかったが、確かにキャンプの途中で男女が連れ立って姿を消すことは良く合ることだ。
てっきり良い仲になってのことと思っていたが・・・。
たしかに、旅の途中でパーティの仲間に見捨てられでもしようものなら、命を落とすのは確実だろう。
魔道士なんて特にだ。俺だって白魔道士をやっているからわかるが、一人の力なんてちっぽけなもんだ。一人では各下の相手にさえ立ち向かうことはできない。
だから、お互いに協力して旅をするわけだが、協力関係の仲にそういう事情があったなんて。
ミヅキのいうこともわからなくもない。わからなくもないけど・・・・。
レミールまで、ああいうことをやっていたっていうのは・・。信じたくない。
「でもね、レミって実は処女なのよ。」
「いくら求められても体を開かない。魔物の巣窟に放り出されたレミールをわたしたちが見つけなかったら、今ごろどうなっていたことか・・・。」
考えたくもない。が、想像するのは簡単だ。
あっという間に魔物の餌食。
俺たち冒険者は、常に危険と隣り合わせだ。
「それでわたしたちがソッチの手ほどきをすることにしたんだけど、レミったらどうしても前はイヤだって言うのよ。」
「好きな男の為に、綺麗な身体でいたいって言ってな・・・。」
好きな男?
考えもしなかったが、そんな相手がいても当然か。
冒険者を続けていればいろんなやつと出会うし、その中にいいやつがいれば当然の成り行きだろう。
「だから、尻で男を満足させられるように教えた。」
そういうことか。だからさっきあんなに気持ちよさそうに尻を差し出したのか。
俺の頭の中で、だんだんとレミールの行動が納得できるものになっていく。
「そうだったのか・・・。」
おれはこんなに長く冒険者をしてきたのに、なにも知らなさすぎた。
女冒険者に、こんな苦労があったなんて。
レミールはもちろん、シフォンも、ミヅキも、フィも、みんな好き好んでこんなことをしているわけじゃなかったんだ。
おれは、自分の見事な平和っぷりに心底あきれていた。
ヴァナディールは見た目ほど裕福な生活ができる世界ではない。
貧富の差は激しく、俺たち冒険者のほとんどが、元は食うにも困るようなどん底の生活をしてきた者達だ。
ま、その原因は先の戦争にあるわけだが。
おれだって、とうちゃんもかあちゃんも戦争で死んで、タルタル一人、バストゥークの掃き溜めで、それは酷い生活をしたもんだった。
そんなときに冒険者を募って、各国の戦力とするという今の3国条約(正しい名前は忘れた)ができた。
表向きは獣人勢力に立ち向かうための協定だが、その裏には各国の保護しきれない浮浪者を有効に利用するといった思惑があった。
みんなそんなことはわかっていた。
でも、それでもどん底生活をしてきた者には拒む余地なんてなかった。
俺達みたいな、地位も金もない人間には願ってもない出世のチャンスだ。
寝床も準備されて今までみたいに雨風に耐え忍ぶ必要もない。あの頃の俺にとって、この話は夢のような良い条件だった。
その代わり、いつ死んでもおかしくない。ぎりぎりの仕事をこなさなくてはならない。
命をかける報酬として、今の生活があるわけだ。
あの苦しい生活には戻りたくない。だから冒険者である自分を、なんとしても守りぬかなくちゃならない。
誰だって事情は一緒だ。
そのために、力の弱い女性なら身体だって差し出すだろう。
多くの女冒険者はそうやって生き残ってきたのだった。
「で、そのレミールの好きな相手って言うのは?」
レミールには幸せになって欲しい、そのためなら俺は何だって手伝おう。
好きな相手と結婚するって言うのは、きっと女性の憧れなんだろうな。
レミールの恋。絶対成就させたい。
「鈍いな、おまえは。」
シフォンが「やれやれ」とため息をついた。
「温泉の時、レミールが恥ずかしがっていたのを覚えてないか?」
シフォンが俺の鼻をつんつんつつく。
そう言えば、レミールは俺と混浴と聴いて風呂に入るのを渋っていたような。
「それがどうしたんだ?」
それが普通の反応だと思う。
女性ならそうあるべきだろ?
でも、ふっと矛盾を感じた。
「あ。」
「好きでもない男とセックスすらする女冒険者が、恥らう必要がある相手ってどういう相手かわかるでしょ?」
そんな。
そんなはずないだろ。レミールとは、ずっと会っていなかったし、駆け出しの頃に少し面倒見ただけじゃないか。
ましてや俺はタルタルだぞ?
好きになるなら、同じヒュームとか、背が高くてかっこいいエルヴァーンとか、他にいくらでもいるじゃないか。
ありえない。そんなこと・・・。
「レミールはおまえのことが好きなんだ。」
シフォンが言い放つ。
ちがう、そんなはずない。
おれはぶんぶんと首を横に振った。
「あのこゼンゼン話さないから、レミから直接聴いたわけではないけど、この前の温泉で確信したわ。」
俺が必死に否定しているのに、二人ともそれが事実であると確信しているみたいだ。
「協力してくれるわよね?あのこが幸せになるために。」
俺には返答できない。
レミールのことは好きだが、そんなこと考えたこともなかったから。
そのとき、隣の部屋で物音が聞こえた。どうやらレミールとフィが目を覚ましたらしい。
コンコンと壁を叩く音がする。
それはフィがレミールが目を覚ましたことをこちらに知らせるための合図だったのだと、後から気付いた。
「また連絡する。今日のところは帰ってくれ。」
シフォンとミヅキがハダカのまま立ちあがり。部屋の出口に向かう。
レミールが不審に思わないように隣の部屋へ行くのだろう。
隣の部屋からはフィがレミールに話しかける声が聞こえる。時間稼ぎをしてくれているのかもしれない。
ミヅキが振りかえって、最後に一言のこす。
「わたし達はあの子が好き。あなたもそうでしょ?」
ミヅキは今までと違って、俺を子供扱いする口調ではなくなっていた。
俺が返事をする間もなく、二人は扉から出ていった。
やっぱり恥ずかしげもなくハダカのまま移動した。
急いでいたからだと思っておこう。
「ある?」
突然の呼びかけに俺は顔を上げた。
戸口に人影がある。
逆光になるためにその姿は陰になってしまっていたが、俺にはその声の主がすぐにわかった。
「かあさん。」
俺は反射的にそう返した。
そこにいたのは俺を、掃き溜めにうち捨てられた俺たちを面倒みてくれた、ミスラの女性だった。
彼女は、ただ無言でそこに立っていた。
表情を読みとることはできない。
俺もなにも言葉が出てこない。
俺は冒険者になると決めたあの日、なにも告げずに黙ってここから姿を消したからだ。
肩を寄せ合った仲間にも、勿論、長い間世話になった「かあさん」にも・・・。
彼女は戦争で実の子供をなくした。
彼女はそこそこの腕前を持った赤魔道士だったが、戦闘に出て戦っている間にバストゥークに攻撃を受け、彼女が帰ってきたとき、自分の家は焼け落ちていたそうだ。
家には彼女の娘が、彼女の帰りを待っていたはずだった。
自分の娘をなくした悲しみの反動だったのだろうか、何人かの戦災孤児を引き取って、女手ひとつで面倒を見た。
その中の一人が俺だ。
彼女は赤魔道士として稼ぎに出る傍ら、俺達子供に自分の持っている技術をいろいろと教え込んだ。
剣の扱い方、白魔法の唱え方、精霊魔法の唱え方・・・。
彼女の教えは厳しかったが、向上心旺盛だった俺達はそれを必死に身につけた。
冒険者として経験をつんだ今ならわかる。
あの厳しさは、2度と子供を失いたくないという、彼女の願いの表れだったのかもしれない。
彼女は俺達の師匠であり、母親だった。
「あんた。こんなところでなにしてるんだい?」
彼女が冷たく言い放つ。
当然だ。
俺は彼女を裏切った。受けた恩を返すこともなく。礼の一つも残さないで彼女の元から消えたのだから。
「・・・ごめん。」
俺は謝った。
許してもらえるかわからないが、そうするほかに思いつかなかった。
「あんた。なんで帰ってきたのさ。だめになっちまったのかい?」
冷たいが、それが彼女の普段のしゃべり方だったと、やっと思い出した。
これは俺を責めている話し方ではない。
「冒険者に、なったんだろ?」
俺は言葉を返すことができなかった。
目に一杯涙が溜まっていたから。
嬉しくって。目頭がぐっと熱くなった。
「あー。また泣く。泣き虫は相変わらずだねぇ。」
彼女は俺を優しく抱きしめた。
あの頃も、俺が泣くとそうして慰めてくれた。
「ほら、泣いてるとデニーに笑われちまうよ。」
「そうだな。へへへ・・。」
俺は腕で涙をぬぐうと、かあさんに笑顔を向けた。
「デニー。げんきにしてっかな?」
懐かしい仲間の名前に俺は嬉しくなって尋ねてみた。
剣術の得意なヒュームのデニー。あいつにはいっつもいじめられていた。
彼女の表情は変わらなかったが、視線が遠くを見ている。
「デニーは、死んだよ。」
俺は耳を疑った。
あんなに剣の達者だったデニーが、なんで。
「ボルツは?魔法が得意だったノノは?」
彼女は目を伏せて首を横に振った。
ここに誰もいない理由。それが今わかった。
笑顔なんて作れなかった。
俺はまた泣いた。
北グスタベルグの小高い丘に、3人の墓があった。
いや、正確には3人それぞれに墓があるわけではなく、共同の慰霊碑が置かれているだけだ。
そこにあいつらが埋まっているわけではない。
3人とも、俺が家を出て間もなく、同じように冒険者になるためにかあさんのもとを出たそうだ。
一人で飛び出した俺と違って、冒険中は3人で行動することが多かったらしく、頻繁にかあさんの元に揃って訪れては土産と冒険談を披露したそうだ。
順調に進んで1年ほどがすぎたある日、かあさんの元に3通の手紙が届いた。
それは3人の死亡報告書だった。
バストゥークのミッションの為に赴いた獣人クゥダフの本拠地べドーでの潜入作戦中に彼らは消息を絶った。
遺体の確認はされていなかったが、絶望的だろう。バストゥーク銃士隊は3人を死亡と断定して、身元登録されていたかあさんにその旨の報告を送ってきたのだった。
俺が見せてもらったその報告書は3通ともがぺらぺらで、冒険者の末路なんて所詮この程度のものなんだと、痛感させられた。
俺も、こうなる日が来るのだろうか。
その晩は久しぶりにこの家に泊まることにした。少し離れたモグハウスに行けばもっと綺麗な寝床で休むこともできたが、久々に帰ってきたこの家で、ゆっくりかあさんと思い出話をするのも良いかと思った。
なれない酒を二人で酌み交わしながら、久しぶりのかあさんの料理を食べた。
俺の今までの冒険のことや、旅で知り合った仲間のことを出きるだけ愉快に話した。
つらかったことは沢山あるが、いまはそんなことは忘れておこう。
かあさんも辛い思いをしていたのだろうが、いまは残った孤児のハンとレベッカといっしょに新しい家で生活しているんだそうだ。
今は幸せだと、かあさんは笑顔で俺に話した。
昔は自分のことなんてちっとも話さなかったのに。母さんも歳をとったのかな・・・。
「でね、ハンとレベッカったら、最近良い雰囲気なんだよ。」
酒が入っているからか、彼女は上機嫌だ。
俺はしきりにうなずいたり「へぇ」と相槌をうって彼女の話を聴いていた。
「アル。あんたのほうはそういう相手はいないのかい?」
突然なんてことを言うのか。
俺の頭の中をレミールの顔がよぎったが、振り払う。
レミールはそんな相手じゃない。
シフォンとミヅキにいわれて、ちょっと気にかかってるだけだ。
「い、いないよ。」
「隠したってだめだよ。あんたはなんでも顔に出るからね。すぐわかるんだ。」
かなわないなぁ。
かあさんには隠し事なんて通用しないのかもしれない。
躊躇したが、らんらんと興味の視線を俺に向ける母の期待にこたえるように、ここ数日であった出来事をかあさんに話した。
レミールのこと、シフォンのこと、ミヅキのこと、フィのこと。
飛空挺での出来事は恥ずかしくてさすがに話せなかったが、それ以外のことはだいたい話した。
俺のあまりにも情けない態度にいちいち大袈裟にリアクションしながら聞いていた彼女は、俺が話し終わるとグラスに残っていた酒を一気に煽って、にやりと笑った。
「あんたもそういう悩みを持つ年頃だったんだね。」
年頃ってのが良くわからないが、かあさんまで俺のことを子供扱いしていたらしい。
「ちゃかさないでくれよ。結構真剣なんだ。」
口を尖らせて文句を言った。
かあさんは俺の顔を指差して「それが子供だって言うんだよ。」と笑った。
「で、あんたはどうするんだい?」
「わからない。・・・どうしたら良いのか。」
レミールのことは好きだ。
でも、それは愛なんだろうか。
違うな。
友達として好きってことなんだろう。だって、レミールとはそれほど長い時間を共に過ごしたわけではなかったし。
手紙を貰うまで連絡の一つもとっていなかったんだから。
「愛が生まれるのに時間なんて関係ないさ。」
母さんが言う。
そういうものだろうか。
そもそも愛ってものを俺は知らない。
いまのいままで、恋すらしたことがなかったからだ。
今の自分の心境に自身が持てない。
「確かめに行くんだね、それが愛なのかどうか。同じ時間を過ごしているうちに、わかってくるさ。」
かもしれない。
でも、いまはレミールにあうのが怖いんだ。
彼女は俺の為にミサオを守りとおしているのに、俺はというとシフォンとミヅキと関係を持ってしまった。
俺は節操がないダメなヤツだから、レミールにはつりあわないよ。
「そんなこと気にしてるのかい。」
また母さんが笑った。
真剣に話しているのに笑われるっていうのはいい気分がするわけがない。
俺は眉間にしわを寄せて、かあさんをにらんだ。
しかし、かあさんはそんなの気にもしないで席を立つと、突然服を脱ぎ始めた。
「な、なにしてるんだよ。」
俺は慌てた。
どうしてこういう行動に出るのか、さっぱり理解できない。
俺が止めようにも、かあさんが服を脱ぐのは止まらなかった。
結局、なにひとつ身につけない素っ裸になってしまった。
俺はあせりまくって、見ないように目をそむけた。
「アル。こっちをむきな。しっかりわたしを見るんだよ。」
「そ、そんなこといったって・・・。」
「アル!」
かあさんの声にビクッと身体が反応した。
昔からこの声には弱い。
こういう厳しい口調の時は逆らうことは許されない。
いわゆる条件反射ってヤツだ。
俺は「気をつけ」の姿勢でかあさんのほうを向いた。
かあさんは歳を感じさせないほどに引き締まった体つきをしていた。
ミスラの人生には幼年期と青年期しかなく、短い老年期は人との接触を立ってしまうものだと聞いたことがある。
一生のほとんどが青年期であるミスラは長い時を若若しい身体ですごすのだ。
かあさんの綺麗な身体に俺は顔を赤くして、床に視線を落とした。
「アル。かあさんがあんたらを育てる時に、どうやって稼いでいたと思う?」
俺は考えた。かあさんは赤魔道士だから、きっといろんな冒険をして収入を得ていたのだろう。
「ホントにそれだけだと思ってたのかい?」
はっとした。
そうだ、冒険者の冒険に対する報酬なんてたかが知れている。
まる一日働いたって、服いちまい買えないことだってざらだ。
そんな稼ぎで俺達孤児を食わせることなんて到底できない。
それなら一体どうやって稼いだのか。
俺にはいやな想像しか浮かんでこなかった。
「わたしはね。この身体をうっていたんだよ。」
かあさんが俺の想像をあっさりと肯定した。
俺は狼狽した。
なんで今まで気がつかなかったんだろう。
妙な納得と共に、俺は自分を責めた。
かあさんがそれほどまでに辛い思いをしながら俺らを育ててくれたのに、俺は、いままでなにひとつ恩を返していない。
それどころか、黙って姿を消した。
悪いとは思っていたが、それはあまりにも自分勝手じゃないか。
「・・・ごめん。」
「あやまるんじゃないよ。あやまって欲しくてこんなこと話してるんじゃないんだからね。」
かあさんは少し怒っているようだ。口調が厳しい。
「そりゃ、世間に言える事ではないけどね。この胸も、この足も、それにここだって、お金になるなら誰にでも差し出したさ。」
かあさんはおれに見せ付けるように背筋をのばす。
恥ずかしそうなそぶりなんて微塵もない。
始めてみる彼女の裸は所々傷ついている。
冒険で作った傷ではない。
たぶん、男に身体を差し出すたびにできていった傷だろう。
乳房も左右非対称にゆがんでいるみたいだ。
「どうだい、わたしはみにくいだろう。
でもね、身体は汚れてても、あんたらを大事にする気持ちはいつだってわたしの支えだったんだよ。」
かあさんはじっと俺を見つめながら、諭すようにはなしつづける。
俺はかあさんの言葉を一つ一つ、心に刻んでいる。
「どんなに汚れても、心だけは守らないと人はだめになっちまうんだよ。
つらいことも沢山あったけどね、あんたらの笑顔がわたしの心を守る砦になってくれてたのさ。」
そこで一呼吸おく。かあさんもつらいことを思い出しているんだろう。
それでも、気丈な彼女はそのことを俺に話す。
その真意はどこにあるのだろう。
「そのレミールって子の心の砦が、あんたなんじゃないのかい?」
心臓をわしづかみにされた思いだ。
そうなんだろうか。
レミールは辛い冒険者生活を送りながら、俺を支えにしてくれていたのか?
「処女を守っているのだって、あんたを好きでいるための、たった一つの資格なんだろうよ。
あんたはそんなことさして重要だと思わないかもしれないけどね。、女にとって、それは重要なことなんだよ。」
処女を守っているのは自分を守るため・・・。
心が折れないように。自分のすべてが汚れないように。
そうだったのか。
「うん。」
何かをつかんだような気がしていた。
それがなんなのかははっきりしないけど、今の俺には大きなヒントだ。
「その子に答えてやりなよ。そして、自分に自信を持つんだよ。」
「うん。」
そうだ。レミールは俺を好きになってくれた。
なら、俺はそれに答えればいい。
愛とかそういうのは良くわからないけど、レミールが俺を支えにしているなら、俺もそれに精一杯答えよう。
「ありがとう。かあさん。」
「ふん、改まっていわれると照れるじゃないか。」
彼女は今更照れて、身体をよじる。
「で、アル。あんた女の扱いは大丈夫なのかい?」
いいい、いきなりなんて事を聞くんだ―!
その、扱いってったって。
「こりゃ、手ほどきが必要そうだね。」
慌てる俺を見て小さくため息をつくと、母さんが俺の方に近づいてくる。
俺はイスから飛び降りて、逃げようとするがあっさりかあさんに捕まってしまった。
いやだ、、。また、エッチなことになる。
「あんたねぇ、こういうのは男のたしなみだよ?いざってときにうまくできなきゃ、恥かくのは女の方なんだからね。」
あうあう。そんなこといったって・・・。
「ほら、あんたも脱ぎな。照れるんじゃないよ。あんたのハダカなんてこっちは見なれてるんだからね。」
って言われても、はずかしいもんははずかしい。
ここのところ女性に裸を見られてはちんぽこが小さいって言われてるから、コンプレックス気味だし。
「ぐずぐずしないでさっさと脱ぐ!」
「はい!」
三つ子の魂百まで。
俺の中に染み付いた、ここでの生活の習慣が恨めしい。
次の激が飛ばないうちに手早く服を脱ぐ。
脱いだ服を丁寧にたたんでから、かあさんの前で「気をつけ」の姿勢だ。
「タルタルってのは、ホントに大きくなっても替り映えしないんだねぇ。」
ううう・・・。ちんぽこのほう見てる。絶対見てる。
俺のはそんなに小さいんだろうか。今までこれが普通だと思ってたけど。違うのか?
こんど定規で測ってみよう。
「さ、はじめは胸のもみ方から行こうか。」
かがんで触りやすい高さにされた乳房に、俺はおずおずと手を差し出した。
寸前の所で手が止まる。
やっぱこういうのは良くない。ましてや相手は育ての親なわけで。
きっとかあさんは酒が入って判断力が落ちてるんだ。
「やっぱやめよう。」
俺がそういって手を下ろすと、かあさんは寂しそうな顔をしてうつむいた。
こんな顔するところは見たことがなかった。
「やっぱり、使い古しの身体じゃそういう気にはならないかい・・・。」
うっは。そういうつもりじゃないってば。
「そうじゃなくって。ほら、まがいなりにもオレら親子だろ。やっぱまずいでしょ。」
慌てて言い訳をする。いままで絶対の存在だったかあさんが、その時急に女に見えたからだった。
女性のさびしそうな顔を見るってのは、あまり気持ちの良いもんじゃない。
だからといって、エッチなコトするのはすっごく抵抗がある。
何とかこの場をおさめる方法はないものか。
かあさんが俺の方を見ている。表情は優れない。
「えとっ、、かあさんが嫌いってわけじゃないんだ。ほんとに。身体だって、その、綺麗だと思うよ。」
俺、すっごい慌ててるじゃん。
それにこの話の展開だと、エッチしなきゃならなくなるんじゃないか?
「なら、触って見せてくれるかい?」
ほーら、やっぱり。
これでイヤって言えるか?
俺は観念してかあさんの胸にそっと触れた。
やわらかい。シフォンやミヅキの胸と違って、手を押し返してくる弾力のある乳房と違って、なんか手になじむって言うか、すいつくって言うか、、、そんな感触だ。
ううう、こんなことして怒られるんじゃないだろうか。
ちらっとかあさんの顔色をうかがうと、笑顔でおれが胸に触る様子を見ている。
どうやらこれで良いらしい。
この後はどうすれば良いんだ?
「触ってるだけじゃ気持ち良くできないよ。もんでごらん。」
俺はかあさんに言われるままにもんでみる。
手が沈む。すごく柔らかい。
乳房を揉むのはこれで2回目だけど、この感触はすごく気持ち良いかも。
「んっ、そんな力任せにもんだらいたいよ。はじめはもっとやさしく。」
「あ、うん。」
力が入りすぎたらしい。難しいな。
少し力を弱めてやわやわとやってみよう。
こんな感じか?
「んー。アルの小さい手じゃ全体を揉むのは難しいかもねぇ。両手でやってみな。それから舌も使うんだよ。」
両手でムニムニしてみる。
舌を使うのか、嘗めろってことかな。
かあさんの乳房に顔を近づけて、舌を差し出す。
が、舌より先に鼻が乳房にぶつかる。
「んっ!」
かあさんがうめいた。
鼻が乳首に当ったらしい。乳首が気持ち言いのだろうか。
俺は乳首にねらいを定めて、舌を動かした。
「そう、その調子だよ。乳首咥えて、口ではさんだりすったりしてみて・・・。」
かあさんが俺の頭を抱く。
乳首を吸っていると、まるで自分が赤ん坊になったみたいな格好だ。
これって恥ずかしすぎないか?
かあさんに抱きかかえられて乳首をチュウチュウと吸っていると、口の中で乳首が膨らんできたみたいだ。
口を離してかあさんの乳首をみると、ピンと立っている。
指でつまんでみた。以外としっかりした硬さだ。
「あっ、、、。ん。」
これはいい反応だ。
俺は乳首をくりくり動かしてみる。きっと誉めてもらえるに違いない。
「あっあっあっ。」
乳首を動かしたり、こすったりするたびにかあさんが声を出す。
気持ちよさそうだ。
俺はだんだん嬉しくなってきて、しつこく乳首をいじった。
それからまた嘗めた。
さっきより強めに吸って、舌でこすった。
「気持ち良くなってきたよ。周りももんでごらん。」
いけね、わすれてた。
口の中に乳首を入れたまま。両手で乳房を揉む。
「んんっ、もっと、強く・・!」
さっきは優しくしろって言ったじゃないか。
しかし口答えは許されない。
もっと強く手に力を入れた。
かあさんの乳房の形が変わるくらい、強くしてみた。
「はっ、あっ、んんんっ。・・・アル。もうそれくらいでいいよ。」
素直に離れる。
強くもみながら乳首を嘗めるのは難しい。
それでも、かあさんの顔はほんのり赤くなっていて、感じてくれていたらしい。
「あんたは乳首のなめ方は良いけど、おっぱいのもみ方はなってないねぇ。」
う、だってこれ、力入れるとフニフニ逃げるんだもん。
右から揉めば左に逃げるし、左から揉めば右に逃げる。
まるで、物理攻撃に強いスライムみたいだ。
「まあいい。こんどはこっちだよ。」
そういってかあさんはイスに浅く腰掛けると股を広げた。
性器を丸出しにしたかあさんのそこは、少しくすんだ色の中身がぴろっとはみだしている。
シフォンやミヅキの性器とちょっと違う形だ。
ミスラの性器はこういうもんなんだろうか。
そういえばフィの性器は良くみたことないな。彼女もこうなっているのかな。
「ひらいて中もしっかり見てごらん。」
俺はかあさんの性器に手をあてて、両手で左右に肉を広げた。
なかはピンク色してて、ニチャッとした粘液がにじんでいる。
「まだ完全に濡れてないから、こっと濡れるようにここもいじるんだよ。」
これじゃ足りないのか。
かあさんの顔を確認してから、性器の中に指を入れて粘液を確かめてみる。
粘液は粘り気があって、指を離すと糸を引く感じだ。
「どういじればいいの?」
俺は素直に聞いてみた。
濡れるようにっていったって、どうしたらいいのかさっぱりわからない。
「ここのお肉をこすったり、中に指を入れて壁をこする。それから。」
かあさんが性器の上の肉を指で引っ張り上げると、割れ目からぴょこんとクリトリスが顔を出した。
「このおマメをいじるんだよ。」
クリトリスってすごく敏感らしいから、指でやるより舌のほうがいいかな。
俺はかあさんの股の間に入りこんで、性器に顔を近づけた。
ほわっと甘い匂いがする。
フェロモンだ。
俺のちんぽこが反応を始めた。
やばい、見つかったら言い訳できないぞ。母親に興奮してるなんてばれたら大問題だ。
かあさんに見つからないように、ちんぽこを片手で隠して、腰を引く。
もう片方の手で性器の中に指を入れて、こするように動かす。
「ちょ、ちょっと、そんなにめちゃくちゃにしちゃ・・・!あんっ!」
かあさんがなにか言おうとしたが、ちんぽこがおっきくなり始めてるのがばれるのが怖いから、よだれをたっぷり絡めた舌をクリトリスに這わせた。
かあさんは「ああっ!」って声を上げて、身体をのけぞらせた。
乳首にしたように、チュウチュウ吸ったり舌でこすったりした。
かあさんがビクンッビクンッって身体を揺らす。そのたびにかあさんの陰毛が俺の鼻をくすぐった。
うまくいってるみたいだ。
ちんぽこに気付かれたらまずい。
かあさんがちんぽこに気がつく暇がないように、俺は必死で舌を動かした。
「んあっ!は!いいよ、じょうず・・ぅぅんんっ!」
指に絡んでくる汁が量を増してきた。いっそう強いにおいが漂う。
やばい。どんどん俺のちんぽこが固くなっていく。
おさまれ!おさまってくれー!
「アル。もう、、っ!・・いいよ。そろそろ。」
かあさんが腰を引いて俺から離れる。
まずいっ。
俺は離れまいと顔を突き出して、クリトリスを責める。
「だっ、だめっ!あっ・・・これ、以上したらっ・・・。」
性器の中にいれている俺の指が締め付けられる。
俺は構わずに指を動かした。指先を軽くまげて、内側の壁を掻くように前後させる。
かあさんの中から出る汁が手のひらにたまって行く。
かあさんが激しく声を出しながら、腰をゆすり始めた。
やめろといったのに、かあさんのほうから腰を俺に押し付けるように動かす。
俺もどんどん舌と指の動きを早める。
濡れまくった性器は、これくらい強くこすってもゼンゼン平気らしかった。
「はっ、はっ、は・・・。やめて。もう・・・・。」
かあさんが震える声でいうが、止めるわけには行かない。
いまやバキバキにボッキしたちんぽこに気付かれてしまう。
イっちゃえ!早く終りにしたい。
かあさんは自分の指をかんでイくのを我慢してるみたいだ。
そっちがその気なら、こっちだって。
俺はもっとかあさんが感じるようにクリトリスだけでなくいろんな所を嘗めた。
それも、容赦なく攻めるように嘗めまくった。
う!?
そのとき俺の予想外の反撃が鼻を直撃する。
陰毛が俺の鼻にもぐりこんだ!
「へぶしっ!!」
こらえる暇もなく、俺はくしゃみをした。
そのせいでかあさんの汁が飛び散る。
その瞬間だった。
「ああああーーーーーーっ!!!」
かあさんが足をビーンと伸ばして、身体を硬直させる。
俺のくしゃみはかあさんに最後の一撃を食らわせたらしい。
やった!
まるでオーブの魔物を倒した時のような達成感。
かあさんはだらりとイスにもたれて、のどを突き出したまま「はっ、はっ」と荒く呼吸をしている。
いまのうちに服を着よう。
俺はちんぽこを両手で覆って、腰を引いた状態で自分の服を手に取る。
パンツをはこうとしたが、そのときに俺のちんぽこの先から汁たれているのに気がついて、拭くものを探す。
たしかポケットの中に手拭いが・・・。
「アル?服を着るのはまだだよ。」
ぎくっ!
俺は恐る恐る振りかえった。
かあさんがこっちをみている。
もう、復活してしまったらしい。
イクとグッタリするものじゃないのか?
攻めが足りなかったのか、かあさんはゆっくりした足取りで俺の方に近づいてくる。
「あ、あの、」
俺は逃げるタイミングをのがした。
これは、まずいぞ。
「あんた、意外にやるねぇ。あたしを舌だけでイかせるなんて。指のほうは、まだまだだけど・・・。」
かあさんが機嫌よさそうに俺に笑いかける。
その表情は笑顔なのに、俺を不安にさせる。
そうだ。シフォンやミヅキの表情と同じだからだ。
俺は震え上がった。
「かあさん、ほんきになっちゃったよ。」
うっそ、なにそれ!?
勘弁してよーー。
俺は手にした上着を思わず取り落とした。
「あんたのほうも準備はいいみたいだね。」
はっ、ちんぽこに気付かれた!
両手で隠したがもう遅い。
「どれどれ、可愛いチンチン気持ち良くしてあげようかね。」
かあさんがしゃがみこんで俺の手を払いのけると、ちんぽこの頭をなでる。
うはぁぁ。ぞくぞくぞくぅ。
めちゃくちゃ気持ちいい。
なでられただけなのに、嘗められたときより気持ちいいかも。
俺のちんぽこは、それほど激しく快感を求めているみたいだ。
「ずいぶん大きくなるもんだね。立つ前とはゼンゼン違うじゃないか。」
かあさんが俺のちんぽこを観察しながら言う。
あんまりジロジロ見ないでー。
かあさんは俺のちんぽこの棒のところをつかむと、上下にしごき始めた。
うわぁ、血がちんぽこにどんどん流れ込む。裏のスジが引っ張られてちょっといたいけど、まだまだちんぽこがでかくなりそうなほどの血の流れ。
俺は立っていることもできなくなって、床にひざをついた。
「おー、おー、こんなに元気になって。先走りも凄いじゃないか。」
後ろに手をついて体を支えた俺は顔を起こしてちんぽこを見ると、そこにはちんぽこがジ・タの古木みたいにまっすぐ上を向いて立っていた。
幹の部分は血管を浮き立たせて、血が流れている様子が良くわかる。
「はぅ、はぅ、かあさん。だめ・・。」
俺は抵抗を試みる。
でも、身体が言うことをきかない。
ここ最近、すぐ俺の意識からはなれて勝手に動き出す俺の身体は、またもや腰を突き出してがたがたと動き始めた。
ひぃー。はずかしいい。
「なに言ってるんだい。こんなに気持ちよさそうに腰を振って。ホントはもっとして欲しいんだろう?」
ちがうー。はずかしいからやめて欲しいんだ。
いや、気持ちいいのは本当だけど。
エッチなことははずかしい。しかも親子でなんて―っ。
あああ、うごくな俺の腰。
うう・・・。なんか頭がボーっとしてきたぞ。
「そろそろいいかね。来な、アル。」
かあさんが後ろを向いて俺に尻を突き出す。
動物みたいな格好でセックスしろって言うことだろうか。
かあさんのシッポがくねくねと動いて、まるで俺を誘っているようだ。
俺はふらふらとかあさんの方に近寄って、顔と同じ高さにある性器に口をつけた。
ムワッとするほどの匂い。
俺は性器から溢れる匂いのもとをずるずるとすすった。
俺の頭の何かがブチッときれた。
「あああー。いいっ!いいけどっ、アルっ、いれて!はやくチンチン入れて!!」
かあさんがとんでもないことを恥ずかしげもなく言う。
俺も恥ずかしいことなんてどうでも良くなってきた。
いまはただ、ちんぽこをこのなかにつっこんで気持ちよくなりたい。
「かあさん。高すぎるよ。もっと腰を下げて。」
かあさんがひざを曲げて腰を下げる。
尻を突き出すようなかっこうになったが、それでも俺には高い。
「もっと下げて。」
結局、俺ができる高さにするには、正座で少し腰を浮かしたようにする必要があった。
ようやくちんぽこの高さになったかあさんの尻を両手でつかんで引き寄せた。
そしてがちがちの俺のちんぽこで性器にねらいを定める。
すごくもどかしい。が、腰を突き出してもかあさんの尻を叩くだけで、性器に入ることができない。
「う、うまくいかない!どうしよう。」
俺が鳴きそうな声で聴くと、かあさんが股の下から手を回して俺のちんぽこをつかむと性器のほうに誘導する。
さきっちょが柔らかい肉に触れた。
頭の中に火花が散って、俺は一気に腰を突き出した。
「あああーっ!!」
俺とかあさんが同じように声を上げた。
俺は入れただけで射精してしまった。
クリトリスが、俺の裏スジをなぞって物凄い快感を生んだため、それに我慢ができなかった。
それはかあさんも同じだったらしい。
めいっぱいにあごを突き出して、ビクビクしている。
尻の穴がパクパクして、イってしまったことを俺に訴えている。
俺はドクドクとかあさんに精子を注ぎ込みながら、あることを思い出した。
そう言えば、レミールはここにモルボルのつるを入れていたなぁ。
「えっ、アル!?そこはっ、はうっ!!」
考えるより先に手が動いていた。
俺のひとさし指が、かあさんの尻の穴をふさいでいた。
肛門が俺の指を締め付ける。
性器よりずっときつく締め付けられてしまった。
おまけに性器のほうも締まる。
俺は射精が止まらないちんぽこを引き抜こうと腰を引いた。
ぞくぞくぞくぞくっ!!
凄い快感だ!
俺のちんぽこは射精したのにゼンゼンしぼまない。
まだギンギンのままだった。
ゆっくりとちんぽこを引き出したのに、クリトリスがちんぽこの裏スジにピッタリくっついて、こすり上げる。それだけで、とんでもなく気持ちがいい。
さきっちょのかさの付け根にそれがあたって引っかかった。
「うあわぁぁっ!!」
俺はあまりにもあっけなく、イってしまった。
たったいま1回出したのに、続けざまに2回目。一往復しかしてない。
性器から飛び出したちんぽこが、ドバッと精子を発射して、かあさんの尻と尻尾に引っ掛けた。
あまりの気持ち良さにしりもちを着いた俺は「あっ、あっ、あーーーーー。」とボケた声を上げながら、まだ出続ける精子を床にぶちまけた。
俺の目の前にあるかあさんの性器からは俺が出した精液とかあさんの汁が混ざったものが「ごぽり」とこぼれて床に落ちた。
その様子は物凄くエッチだ。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
「なんだい・・・。もう、イっちまったのかい。もう一回だよ。んっ、・・あんたが腰の動かし方を覚えるまでやるからね。」
俺はちんぽこから湧き上がる欲求に逆らうことができなくなっていた。
2回も射精したのに全然納まる気配のないちんぽこが、刺激を求めてびくんびくん脈打つ。
俺は気を取り直して、もう一度かあさんの尻を抱えると、片手でちんぽこをつかんで性器にねらいを定める。
こんどはちゃんと入れることができた。
そのまま根元までかあさんに埋める。
相変わらず裏スジをクリトリスが刺激するが、2回の射精をした俺のちんぽこは何とか耐えきった。
こんどは引き出して・・・。また入れる。
「はぁぁぁぁ・・・・。いいっ。いいよ、アル。」
かあさんが気持ちよさそうに声を上げる。
気持ちよさそうな母さんを見ると、俺のちんぽこにドッと血が流れ込む。
すこし大きくなったかもしれない。かあさんの中の肉がちんぽこのくびれに引っかかる。
それがすごく気持ちいい。
「かあさん。気持ちいいよ!気持ちいいよぉ!!」
俺はめちゃくちゃに腰を振りたてた。
もっと強くこすりたい!もっと深く入れたい!
俺の思考はとっくにどっかに飛んでいる。
快感が尻から頭のてっぺんまで着きぬけて、頭をしびれさせるんだ。
俺が必死で腰を振っていると、さっきの精液が泡だって俺のちんぽこにまとわり着いて、かあさんの性器からこぼれ出る。
ちんぽこの周りとかあさんの性器の周りが泡だらけになった時、かあさんのシッポが俺の腰に巻きつく。
シッポが俺の腰を動かすリズムを調整しているらしい。
不規則に、がむしゃらに出し入れしていただけの俺の動きが、一定のリズムで動き始めた。
「あっ、あっ、あっ、あっ」
俺とかあさんが合唱でもするように喘ぎ声を漏らす。
これは、気持ち良さがどんどん高まる。すごい。
「そのっ・・調子。うまいよアル。」
かあさんが誉めてくれた。
俺は嬉しくて、腰を振るリズムを早めた。
どんどん気持ち良さが腰にたまって行く。
かあさんの声もどんどん高まる。
「ああっ!!」
こみ上げてくる絶頂感。
「ダメだよ!もうちょっと我慢しな!」
ぐ・・・!
俺は歯を食いしばって射精をこらえた。
きんたまがぎゅっと縮んで、精液をちんぽこのほうに押す。
凄い圧迫感でちんぽこが苦しい。
これじゃ腰を振ることもできない。
「んっ・・・動くよ?しっかり我慢しときな。」
うわぁぁ。とめてくれ。これじゃ我慢どころじゃない。
ちんぽこが!ちんぽこがとれちゃう!!
俺は呼吸も止めて、目をきつく結んだ。
いつまで我慢すればいいんだろう。こんな状態は苦しすぎる。
かあさんの腰がぐりぐりとまわるように動く。そのたびに俺のちんぽこが中の壁にこすられて、気持ち良すぎてビクンビクン動く。
「よし、もういいよ。思いっきりだしな!」
お許しが出た!
俺は閉じた口と目を開いて、思いっきりちんぽこをかあさんに埋めた。
我慢している間に精液が漏れていたのかもしれない。
かあさんの性器と俺のちんぽこの隙間から、ピュッと白っぽい液が飛んだ。
「おおおおおーーーー!!!」
俺は吼えた。
一気にちんぽこを精液がかけぬける。
気持ちいいなんてもんじゃない。天にも上るような心地って、こういうことだろう。
かあさんの性器が俺のちんぽこを締め付けて、残らず性器を搾り取る。
俺はそこまでしか意識を保つことができなかった。
あまりの気持ち良さに気を失ってしまって、結局翌朝まで目を開くことができなかった。
翌朝、俺は床に転がったままで目を覚ました。
素っ裸に上着だけが掛けられている。
身体は綺麗に拭いてあって、汁まみれにはなっていなかった。
床も綺麗になっていた。かあさんが後始末をしてくれたらしい。
いそいそと服を着る。
着おわって部屋を見ると、台所からいい匂いがしてきた。
おなかが鳴る。
俺はにおいのするほうへ、引き寄せられるように進んだ。
「やっと起きたかい。」
かあさんが台所に立っていた。
俺はかあさんの顔を見ると、昨日の出来事を思い出して顔が熱くなった。
なにも言えなくて、そのままうつむいた。
「準備できるから、テーブルをふいといで。」
差し出された台拭きを受け取ってテーブルに向かう。
昨日の酒盛りの食器も片付けられていた。
昔やっていたように手早くテーブルを拭いて、自分の席について母さんを待つ。
いつも朝の食事は少ない野菜の入ったスープと決まっていた。今日も前と替らずかあさんが持ってきたのはスープだった。
質素な料理だが、俺はそれにほっとして昔と同じようにがつがつとそれを腹にかき込んだ。
かあさんは俺を見てにこにこ笑っているみたいだ。
「そんなにがっついて・・・。あんたはアッチのほうもそんな感じなんだねぇ。」
ぶっ!!
スープを噴いた。
「げほっ!げほっ!」
「あーあー、慌てて食べるからー。」
かあさんが台拭きで俺の顔をぬぐって、テーブルに飛び散ったスープをふき取る。
いきなり変なこというからだろ。
「もうっ!いきなり恥ずかしいこといわないでくれよっ!」
「ふふふ。でも、よかったよ。アレなら合格だね。」
怒る俺に対して笑顔のかあさん。
「もっと経験をつみな。あんたはまじめだから、こう言うのには抵抗があるかもしれないけどね。あんたいいもん持ってるよ。」
頭に血が上る。
返す言葉が思いつかなくて、俺は口をパクパクさせた。
今更ながらとんでもないことをしてしまったことに顔から火が出そうなほど恥ずかしくなった。
義理とはいえ、母親とセックス。
すごい自己嫌悪だ。
しかも、いままでは周りに流されてというか・・・、自分から求めたことなんてなかったのに、俺自信、あんなに積極的にセックスするなんて思いもしなかった。
俺って、こんなにエッチなヤツだったのか。
また、秘密にしないといけないことができてしまった。
ばつが悪くて、更に残ったスープを飲むことにする。
それも胃袋におさめた後で一息つくと、食器を下げながらかあさんが真剣なまなざしで俺に言う。
「さ、行きな。もう戻ってくるんじゃないよ。」
冷たく言い放つ。
たしかに、家を飛び出した俺が戻って来ていい場所ではなかったかもしれない。
「・・・・わかった。」
俺は荷物を背負うと、出口に向かう。
かあさんはまだ、俺が黙って家を出たことを怒っているのかもしれない。
昨日セックスしたのだって、好意的なものじゃなくって、単に快楽を求めただけなのかも。
俺は少し悲しくなって、目に涙をためた。
見られるとかっこ悪いから、もう振り向かないで一気に玄関に向かう。
「あんたは、ここでない、新しい帰る場所を作るんだよ。」
背中に掛けられた言葉は、俺に暖かかった。
俺は涙のことも忘れて振りかえる。
「うん!」
笑顔で、大きな声で答えた。
目から涙がこぼれたが、そんなの気にならない。
かあさんの最高の笑顔に見送られることが、俺にはこの上なく嬉しかった。
→アルサイスxフィ
→アルサイスxレミール