ミスラとまんこし隊
ミスラとまんこし隊 第二章 - 『 異形の行進 』
ミスラとまんこし隊 第三章 - 『 ジュノ侵攻 』


同じような都市であるセルビナを襲わなかったのには理由があった。
単純にミスラの数が少ないのである。だがマウラは違った。
外交上はウィンダスの領地であり、決して自治都市というわけではない。
数多くのミスラが住み、そしてまたウィンダスとの癒着も大きい。
それ故に隊はマウラへ突入するのである。
また隊の目的をよりはっきりとさせるためでもあった。
読者諸君はただただミスラを犯すべく町を進んできたとお思いであろうが、
隊はけっしてそのような目的の為に侵攻してきたのではないと言うことを説明しておこう。

コトの始まりは十数年前。クリスタル戦争が終結し、ようやく各地の復興が始まった頃の話である。
ウィンダスの被害は特に大きく、各地から復興支援団が送られた。
そんな中正史に決して刻まれることのない事件が起きた。
ミスラ集団強姦事件である。ウィンダス政府は戦後復興の最中にも関わらず、
犯人を全て捕らえそれ相応の処罰に科した。だが・・・
それは誤認逮捕であったのである。
逮捕された人々は全てがサンドリア・バストゥークより送られた復興支援団であり、
その中に強姦目的の人間が混ざっていたから、と言うのが当初の理由であった。
戦後復興の最中にコトを荒立てたくない三国の首脳は、この事件に抗議することもなく、
ただひっそりを闇に葬った。
後日真犯人が逮捕されるが、それによって逮捕された人々が釈放されることもなく、
それから十年ほど経って、全員が釈放された。
そして、隊の構成員のほとんどはそのときの服役囚であったのだ。

「隊長、やはりこれは我々の復讐なのでしょうか。」
副官と思わしき禿ヒュームが禿ガルカが訪ねた。
「本当に復讐だとすれば何故我々は犯したミスラを殺したり連れ去ったりしないのだね?」
禿ガルカは答えた。
「あの子ミスラも献上の後構成員が親元に送り返す予定だったのだよ。
 我々は復讐のためだけに動いているわけではない。
 本当にミスラを愛しているからこそ我々はこんな活動をしているのだよ。
 まあ、少々方法は強引だがね・・・」
時は0時をまわり、突入の時が迫っていた。

「ボギーが向かってくるぞ!」
見張りに立っていたガードが叫ぶ。
町の入り口にたちまちガードが集まり、迎撃体勢を取る。
数十秒の後、一人のタルタルが先頭になってボギーが何体か連なっている。
「私達に任せて、町に逃げ込むニャ!」
剣を抜きつつガードのミスラが叫ぶ。だが・・・
「ミスラたんゲットォォォォォォォォォッ!」
タルタルが一瞬の跳躍の後、驚異的なスピードでミスラに突撃する。
「ニ゙ャッ!?」
タルタルがミスラに激突したのち、彼女とタルタルは町の中へすっ飛んでいった。
残されたガード達は唖然呆然立ち尽くす。だがそこにボギーの大群が襲いかかってくるコトに気付くには、
今しばらく時間がかかったようだ。

マウラに機船が入港してくる。
表の騒動とは裏腹に港はのんびりとした物であった。
「お待たせしました、ただ今機船が到着しました。」
いつものように機船から客が降りてくる・・・はずだった。
「ミスラたんゲットォォォォォッ!」
禿ヒュームが突如客室から飛び出し、監視員のミスラと共に水中に飛び込んだ。
不意を付かれ十分な呼吸が出来なかった彼女は、必死にもがいた。
シュノーケルらしきものを付けている禿ヒュームはじっくりともがく有様を観察した後、
じわりじわりと彼女の衣服をはぎ取り始めた。

そんな出来事がマウラの各地で起こっていた。
もちろん総督府には知らせがすぐ行った。
「いったい何が起こっているの!」
マウラの首長はあわてふためいていた。そんな時、窓ガラスがガシャリと割れた。
「ミスラたんゲットォォォォォォォォォッ!」
恐るべきスピードでエルヴァーンらしきものが窓から飛び込んできて、
あっというまに受付のミスラをかっさらっていった。

一夜のうちにマウラのミスラ達は犯しつくされ、
隊は最終目的地、ウィンダスへと歩を進める。

決戦の時は近い。


ミスラとまんこし隊 最終章 - 『 凶行の果てに 』