←博士の異常な愛情?1 2 3 4 5


 あますず祭、納涼祭。ヴァナ・ディール全土で行われる夏の祭典。もちろんここウインダスでも、その時期に向けて、ちゃくちゃくと準備が整いつつあった。そして、職員達も、自分達の夏休みに胸をときめかせていた…。

「え?バカンス?」
 いよいよ今週末があますず祭のクライマックス、納涼祭という週の始めの朝。私は、コーンスープの入ったマグカップを両手で抱えたまま、すっとんきょうな声を上げて聞き返してしまった。
「そうだ。俺もたまには人並みに夏休みというやつを楽しまないと、と思ってな。南の楽園、プルゴノルゴ島のリゾートホテルを予約しようと思うんだ。アプルルのところも、週末の3日間は休みだったろう?」
 おにいちゃん…泣く子も黙る口の院院長アジド・マルジドはパンをかじりつつ、そのホテルのパンフレットを私に差し出してくる。
「うん、休みだけど…おにいちゃん、毎年夏休みの期間はシャントット博士のところへ入り浸りだから、すごく珍しいよね。もしかしてこんなの初めてなんじゃない?」
 パンフレットに目を通しつつ、私は既に南の島の楽園を想像して顔がほころんでしまっている。あんなところに行きたい、こんなところにも行きたい。お土産はアレを買わなきゃ…などなど。
「確かにそうかもな。この3日間は思い切り楽しむぞ。そこで提案があるんだ。」
 おにいちゃんは唇の端に笑いを浮かべ、指を1本立ててみせた。いったい何だろう?
「…ずっと毎日シテたけど、今週はバカンスまでお互いにガマンしてみないか?自分で弄るのも禁止な。」
「…えっ!?」
 私は突然、ものすごい喪失感に襲われた。…以前、シャントット博士に頼まれて作っていた改造カーディアンにつける、男性のアレを模したアタッチメントで自分のあそこをこねまわしてヨガり鳴いていたのをおにいちゃんに見つかって以来、私達は毎晩のように身体を重ね、お互いの愛を惜しむことなく与え合い続けていた。それが、いきなり週末まで…ってことは、5日間もお預け!?…私が明らかに動揺したのが分かったのだろう、おにいちゃんは、その両手で私の手を包み込むように握り、私の目をのぞきこんで、あの低くて暖かみのある声でささやいてきた。
「その代わり…バカンスの間は、ずっとお前と繋がっていたいんだ。」
「おにいちゃん…。」
 わかったよ、おにいちゃん。週末の3日間、ずっとおにいちゃんと繋がってられるの、ホントに楽しみに待ってるからね。


…☆…☆…

 その日の夜から、私は絶え間ない喪失感と抑えがたい性欲に苛まれ続けることになる。おにいちゃんなんて、枕元に何やら難解な魔導書を持ち込んで、隅から隅まで丹念に読み込むことで下半身の猛りを鎮め、布団に入るありさまだった。最も本人は、
「難解この上ない内容でさ、目を通すのすらおっくうになるような本なんだ。でも、もしかしたらこのチャンスに最後まで読み通せるかもしれないぞ。」
 なんてニコニコしながら余裕っぽいようなことを言ってたけど、日を追うごとに、その難解な魔導書に没頭する時間が増えていってるのが分かった。とうとうバカンスに行く前日、おにいちゃんはその難解な魔導書を読み終えてしまったのだった。そうでもしないと、快感を求めて猛り狂う下半身を制御できなかったのだから…。

 私も、「今日から5日間はガマンなんだ…」と思うだけで自然と下半身が熱を持ち、身体の奥底からトロトロと蜜があふれてきて、あそこが熱く濡れてしまう。午前中の仕事を終えた時点で下着はぐちょぐちょに濡れそぼってしまい、履き替えるはめになってしまったぐらいだ。
 その日の夕方には、下半身からの熱で頭がぼうっとなってしまっていた。これから週末まで、もつのだろうか…?何だか不安になってしまうけど、おにいちゃんと約束した以上、自分から弄るわけにはいかない。確かにおにいちゃんは見てないけど、何だか負けてしまったような気になるから。スタッフみんなにさよならを言って自宅に戻るわずかな間にも、歩く振動が伝わって、とろとろの蜜であそこ全体が激しくこねまわされるのが分かる。ぷっくり膨れ上がったクリトリスが下着にこすれて、息が熱く乱れて…油断すると喘ぎ声が漏れそうになるのを、歯を食いしばって必死に耐える。

 ようやく家についても、弄って気持ちよくイッて…ということができない。下半身の熱をちょっとでもひかせようと、シャワーを浴びて全身をクールダウンしてみたけれど、火照りが収まるのはそのときだけ…。部屋着に着替えて夕飯の準備など始めると、身体を動かすたびにはちきれそうにふくらんだクリトリスが下着にこすれ、身体の奥底からトロトロと蜜があふれ出す。おにいちゃんが帰ってきて、水晶玉の映像を見ながら2人で夕食をとっているときだけは食事に集中できたけど、寝るまでの時間がいちばん辛かった。おにいちゃんが自らを鎮めるために難しい魔導書に集中してる横で、私は小さなカーディアンの詳細なミニチュア模型を持ち出し、部品1つ1つになるまで分解してはまた丁寧に組み立てる、という作業に集中して、身体を鎮めることにした。種類によっていくつかのモデルがあるので、とっかえひっかえ分解しては組み立てる。…やがて、静かに眠気が私を支配し始める…。


…☆…☆…

 私はこの5日間、毎晩夢を見た。場所は、パンフレットで何回もずーっと眺めたプルゴノルゴ島の真っ白な砂浜。向こうにはエメラルドグリーンの海、上には真っ青な空と真っ白な雲。…そして、向かい合って座るおにいちゃんと私。
「…ん…。」
 おにいちゃんが、おもむろに唇を重ねてくる。びっくりしたけど、その肩に手をやってみると、これから訪れる快感を期待してか、すごく甘い熱を持っているのが感じられた。多分おにいちゃんも、そう感じてるんだろうな。だって、絡み合ってる唇も舌も、すごく柔らかくて、熱くて、そしてたまらなく甘くて激しいもの。
「んはっ、ぁふん……はぁん!」
 激しく唇を貪り合いながら、おにいちゃんは私を優しく敷物の上に押し倒した。片手で水着の上から胸をもみしだきながら、もう片方の手で私の頭を抱き、敏感な耳たぶに唇をはわせたり、耳の穴の中を舌先で犯したりしてくる。おにいちゃんの手の中で、もまれてる胸の先っぽが熱く固く立ち上がり、水着の布にこすれる…。程なくして、おにいちゃんの指先にも、固くなった乳首が触れる。

「すごく、敏感になってるな…。」
 いつもどおり、おにいちゃんが涼しい声で揶揄してくると、私は余計に感じてしまい、もじもじと身をよじらせる。
「ぁふ…、おにぃちゃんに…はやく、触ってほしくて…ぁん、身体が、すごく熱くて、しびれてる、の…。」
「…ふふ…どこを、触ってほしいんだ?」
 おにいちゃんの意地悪。分かってるくせに。でも、言わなくては触ってもらえない。私は恥ずかしくて真っ赤になりながら、恥ずかしい言葉を、いやらしい懇願を口にした。
「…ん、ぁ、ピンピンに立った、はぁん…乳首、直接コリコリして…。…ぉ、お…、おまんこも、もぅ…トロトロに、ん、んはぁ…ん、なってるの…。恥ずかしい、お豆さん、いじめて…。」
「アプルルはホントに淫乱だなぁ…よぉし、触ってやる。」
 くすくすと笑いながら、おにいちゃんは私の背中に手を回して水着の上部分を取り去り、すっかり充血して立ち上がった乳首を指先でそっとなでてきた。それだけで全身を軽い電流が流れ、ぴくんと身体がはねる。おにいちゃんはそれを見て気をよくしたらしく、指で乳首をつまんでこねたり、そこに舌を這わせたり、ちゅぅっと吸ったりし始めた。
「んぅあっ!…はぁん、やっ…ぁはぅっ……ぃやぁん!…ぉ、おにいちゃん…キモチイイ…よぉ…。」
「…ここだけで、いいのか…?」
 おにいちゃんが乳首から口を離し、ニヤニヤしながら訊いてきた。あぁ…また言わせようとしている…。私は快感に浮かされながら答えた。
「んふっ、ゃ、ぁ…ぉ、おまんこ…アプルルの、淫乱なおまんこ、グチャグチャにして…。」
 普段の私だったら、こんなこと絶対に言わない…でも、今は夢の中だから。おにいちゃんはニヤニヤした顔のまま「よぉし」とつぶやき、私の水着のパレオを指でほどいて脱がせてきた。常夏の浜辺、太陽と青空の下に、私のトロトロにとろけた秘所が露になる。おにいちゃんは顔を近づけて私の女の香りをかぎ、とめどなく蜜をあふれさせる花びらにゆっくりと指を近づけた。…くちゅ…。
「ぁんっ!んふぁっ……やぁぅ…っはぁん…!」
 おにいちゃんの滑らかな指が、私の花びらをぐちゅぐちゅとかきまわしたり、その中心部分に指を入れて中をカリカリとかいたりするたびに、私の腰がびくんびくんとひとりでにはねまわり、全身を激しくてもどかしい快感の電撃がかけめぐる。快感に脳を支配され、頭の中が次第に真っ白になってゆく。…やがて、私の蜜にまみれたおにいちゃんの指先が、ぷっくり膨れ上がってぴくぴくと痙攣しているクリトリスに触れた。
「…っぁあああーーーーッ!!」
 …その瞬間、快感が真っ白に爆発し、私は声にならない声を上げながら、果てた…。


…☆…☆…

「…はぅっ!!……ん、朝か…。」
 目が覚めると、外はいつもの朝。いつもの時間に目覚めたらしい。もぞもぞと布団の中で手足を動かし、のびをしようとした。…あれ?何だこの熱い液体?下半身と、なぜか自分の右手が、熱い液体にまみれているのだ。
「!!?」
 もしかしておねしょ!?私はガバッと起き上がり、ベッドから飛び降りて布団を払った。…シーツは濡れてない。でも、すごい熱気が感じられる。そのときになってようやく、その熱い液体が自分の下着やパジャマぐらいまでしみていただけだということに気づいた。布団の中にこもっていた熱気とあいまって、まるでもらしたみたいな感触になっていたのだ。

 …私、寝ながら、夢を見ながら、オナニーしてた…!?

 …しばらく呆然としていた私が、すぐに時間がないことに気づいてあわてて服や下着を着替えて朝食の準備をし、時間ギリギリで出勤したのは言うまでもない。

 そんな日々が続いた後、ついにバカンスの日はやってきた…。


愛のバカンス・1日目